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No.142 10/05/27 16:19
tie ( ♀ GXo9h )
あ+あ-

エントリーシートの枚数に反比例して自信や希望がすり減っていく。


自分という存在を否定され続ける為だけに日々が過ぎる。


緊張、焦燥、徒労、嫉妬、喪失、絶望…


暗い話ですいません、と矢島は頭を下げて心情を打ち明け始めた。


一臣にしても母親の奈緒美にしても、結子の周りには苦悩を吐露する人間がいない。


それは心が強いからかもしれないが、ひょっとして結子に心を許しきっていないからではないか、とも思う。


母親はともかく、一臣は…


だから肩を落として辛い胸の内を打ち明ける年下の矢島を見ていると、胸が切なくときめいた。


しかしそれは間違っても恋愛感情ではなく、母性愛から生まれる庇護欲だった。


もしも彼が結子の実の弟だったなら、辛いね、でもね大丈夫だよ、と言って励まし抱き締めていたかもしれない。


「矢島さんならきっと大丈夫。今は焦るかもしれないけど…いつか納得のいく就職ができると思いますよ」


何の根拠もない励ましだが、矢島は照れたように微笑んだ。


結子も、そんな矢島を見上げて微笑む。


しかし交差点にさしかかった瞬間、結子の笑顔は消失してしまった。

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