ダブルス

No.141 10/05/26 17:14
tie ( ♀ GXo9h )
あ+あ-

「すっげえ疲れた…って、たいしたことしてないんですけどねー」


「そうですね…」


結子と矢島は西日を浴びながら駅に向かっていた。


「私なんて午前中は利用者さんと話しもできないで、ただ一緒にテレビ観てただけ…午後だってタオルたたんでただけだし。1日うろうろして…

あれで実習しましたなんて報告できないですよ…」


「確かに、喋んない人多いですよね。あっ、でも俺は異様に話しかけてくるおばあさんにひっつかれてましたよ。俺のこと孫と間違ってたのかなぁ」


屈託のない矢島に結子は軽い気持ちで質問した。


「矢島さんはどうしてヘルパーの資格取ろうと思ったんですか?」


すると、にこやかな矢島の顔が微かに強張った。


「…俺、就活が上手くいかなかったんです。内定とれなかったけど来月には卒業しなきゃならないし。

友達が高卒でこういう施設に勤めてんですけど、もうフロアー主任とかになってて…それ聞いたら、ヘルパーでも何でも就職浪人するよりマシかなとか…

福祉のこととか、わかってないくせにって自分でも思うし、全然ちゃんとした動機じゃないんですよ…」

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