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彩花/恋と魔法の物語

レス72 HIT数 3668 あ+ あ-

khiro( KsrVnb )
15/03/22 01:59(更新日時)

第1話

大輔。その人とは幼稚園に入る前から一緒だった。

彼のことを兄のように慕っていた。

彩花「お兄ちゃん、って呼んでいいかな?」

大輔「いや、むしろ俺は弟だろ。お前がお姉ちゃん。」

大輔「お前のほうが1日早く生まれたんだから。」

彩花「でも私は弟はいるから、お兄ちゃんが欲しいな、って。」

大輔「俺も妹はいるんだけどな。」

大輔「まあお前がそう呼びたいならそれでいいよ」

彩花「やったー。」

彩花「お兄ちゃん」


男子「お前うぜーんだよ」

私はよく男の子にいじめられた。

大輔「お前ら、俺の友達に何を・・・」

男子「おりゃー」

男子「なんだお前。荒川のくせに偉そうなこと言いやがって。」

彼は私を守ってくれた。でもそのせいで彼までいじめられた。
本当は彼は力があまり強くない。

男子「こいつは女だから手加減してやってたけど、お前は男だから容赦しねえ。」

気付けば彼は私以上に重傷に。

彩花「なんでわたしのためにそこまで・・・。」

彩花「本当ごめん・・・」

大輔「言っただろ。俺はお前のお兄ちゃんだって。だから妹を守れないとな。」

大輔「なのにこのザマとは。情けない兄でごめん。」

彩花「いいんだよ。わたしを守ってくれたんだから。」


ある日は、彼がいじめにあった。
どうやら私と仲良くしてることが原因らしい。

男子「荒川のくせに女とイチャイチャしてるなんて、生意気なんだよ。」

彩花「ちょっと、あんたたち!」

男子「あ、またあの女が来たぞ。お前を助けに来たのかな?」

彩花「いじめはよくないよ。」

男子「だからどうした?」

男子「お前、俺と喧嘩するのか?」

彩花「え?それは・・・」

男子「こいつを守りたいんなら、力尽くでこいよ。どうせ勝てないんだろうけど。」

彩花「話し合いで解決しない?」

男子「は?」

彩花「喧嘩はよくないと思う」

男子「ふざけんな、何が話し合いだ!この野郎!」


大輔「大丈夫か?」

彩花「うん、大輔君のほうこそ」


そういえば結婚式ごっこなんてやってたときもあった

彩花「わたしはおよめさん。大輔くんはおむこさん。」

大輔「彩花ちゃん可愛い」

彩花「大輔くんもかっこいいよ」

彩花「およめさんとおむこさんは腕を組んで歩くんだよ。」

彩花「せーの、いちに、いちに」

そして2人は向かい合う

彩花「ここで向かい合って、愛を誓うの。」

彩花「そしてチューするんだよ。」

大輔「チュー?」

彩花「わたしとじゃいやかな?」

大輔「ううん、むしろ彩花ちゃんとじゃなきゃダメだと思う。」

彩花「よかった。」

彩花「じゃあ誓うよ。」

彩花「雨の日も、風の日も、たとえどんな日も、わたしは大輔君を愛することを誓います。」

大輔「ぼくは彩花ちゃんを幸せにし、どんなときでも○○ちゃんを守り」

大輔「彩花ちゃんを永遠に愛することを誓います。」

そして2人は口づけをする。

大輔「ねえ、大きくなったら大輔くんのおよめさんにしてくれるかな?」

大輔「うん、そうなったらいいな。」

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No.2195995 15/03/13 13:57(スレ作成日時)

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No.51 15/03/22 01:27
khiro ( KsrVnb )

・・・
中2 冬休み明けの3学期の席替え

わたしの隣は中沢君
大輔君は2年生の2学期に転校してきた由紀ちゃんの隣の席になった。


中学生になって、私は恋をした。

今まで普通に接してきた男の子に初めて心を奪われた。
相手は荒川大輔。幼稚園のころから接してきた男の子。

幼馴染を好きになってしまったのはある意味おかしいかもしれない。
誰かに相談したくても、できない。笑われてしまいそうで。

大輔君とは今までどおり普通に接していきたい。
だけど恋をしてしまうと、どうしても特別に意識してしまう。
恋はこんなにも辛いものなのか。

大輔君は小学校時代の運動音痴とは対照的に、今は野球部のレギュラーになってる。

・・・
彩花「彩ちゃん」

彩花「恋の相談なんだけど。」

彩花「わたし、今好きな子がいるんだよね。」

あや「そう。相手は多分、大輔君だね。」

彩花「図星か。」

彩花「あの子以外考えられないじゃない。」

あや「私も好きな人ができて去年告白したけど、フラれちゃったのよね。」

あや「だから今は好きな人いない。」

あや「あれから恋をするのが怖くなっちゃった。」

あや「すごく好きだったから。多分今でも好きだと思う。」

彩花「そうなんだ。」

あや「でも彩花ちゃんの恋は実ると思う。だって誰よりも可愛い彩花だもの。」

あや「彩花が嫌いな男子なんていないって」

No.52 15/03/22 01:27
khiro ( KsrVnb )

・・・
彩花「達也」

私の弟の達也

彩花「達也は好きな女の子とかいる?」

達也「いるよ。」

彩花「え?誰?」

達也「彩花お姉ちゃん」

彩花「クラスメートとかで、好きな子いないの?」

達也「いない。僕はお姉ちゃんたちが大好きだから。」

彩花「そうか。」

彩花「わたしは今クラスメートに好きな子がいるんだ。」

達也「そうなんだ。」

達也「恋してる女の子って素敵だと思う。」

達也「僕は彩花お姉ちゃんのどんなところも好きだけど、恋してるときはなお輝いてるね。」

彩花「えー。恥ずかしいよ。」


秋、思わぬライバルが現れた。
1人は北野圭一。小学校のころから大輔君と仲のよかった北野君も彼のことを好きになっていた。
もう1人は中沢祐樹。大輔君の幼馴染の1人。

私は中沢君、北野君と争った。2人の恋は報われることはなかった。
今は2人とも私の恋を応援してくれている。

北野君のためにも、私は幸せにならなければならない。

No.53 15/03/22 01:30
khiro ( KsrVnb )

・・・
圭一「僕が荒川君を高梨さんに告白させるよう仕向ける。」

彩花「いや、わたしが告白するって。」

圭一「なんでだ。男が告白しなきゃダメだろ。好きな女の子に告白できない男はダメだ。」

彩花「わたしから告白しない限り、大輔君を自分のものにできないと思う。」

彩花「それにわたし、幸せは自分でつかみたいから。」

・・・
2月上旬

彩花「よし! 告白をしよう!」

古臭いやりかただが、バレンタインデーにチョコレートをあげて告白することにした。

彩花「唯ちゃん、わたしとチョコ作ってくれないかな?」

唯「ちょうど良かった。私も誰かにチョコあげようと思ってたんだ。」

唯「誰にあげるかは言えないけど。」

彩花「わたしは・・・、今思いを寄せてる男の子に告白したくて。」

唯「相手は誰だかわかるな。多分D君でしょ。」

彩花「やっぱりわかるか。」

唯「かなちゃんも渡す相手いるんだって。」

No.54 15/03/22 01:31
khiro ( KsrVnb )

・・・
それはバレンタインデーの2日前、突然訪れた。

由紀「あやちゃんに相談があるの。恋の相談。」

彩花「恋の相談?」

由紀「私、荒川君のことが好きなんです。」

彩花「え?」

由紀「私、バレンタインデーに荒川君にチョコを渡して告白しようと思います。」

彩花「・・・」

由紀「そういえば彩花ちゃんは、こないだ北野君と荒川君をかけて決闘したんだって?」

彩花「よく知ってるね」

由紀「クラスの噂になっていたんで」

由紀「ならば、私とも荒川君をかけて決闘しましょうか?」

彩花「何?」

由紀「冗談です。そんなことしても荒川君は喜びません。」

彩花「そう。」

彩花「わたしも告白することにしたんだ。バレンタインデーに。」

由紀「そう。ならば勝負ですね。」

由紀「彩花ちゃんは荒川君の幼馴染だからね。私の先を越す権利があると思って、言っておきました。」


オラフ「それより君は今まで出番が少なかったのに、急に出番が増えてきたね。」

彩花「オラフ、いつの間に・・・」

由紀「そうみたいね。それが何か?」

オラフ「死亡フラグだよ。影の薄かったキャラに急にスポットライトが当たるってのは」

由紀「何また縁起の悪いことを・・・」

彩花「やめとこう。由紀ちゃんには死亡フラグとか通用しないんじゃないかと。」

由紀「そうかもね。でも恋の勝負、負けるのは由紀、君だろう。」

No.55 15/03/22 01:31
khiro ( KsrVnb )

・・・
高梨家

唯「あやちゃんは料理が上手だから羨ましいな。お姉ちゃんのほうのあやちゃんより上手いし」

彩花「それあやちゃん(姉)の前では言えないけどね。」



唯「チョコの形が完成したら、冷蔵庫に入れて1時間ほど待つんだよ。」

彩花「チョコ作りって初めてやってみたけど結構難しいんだね。」

唯「まあ今回は彩花ちゃんの恋を応援するためだから」


それから一時間ほどで、チョコの形は完成した。
型に入ったそれは、冷蔵庫の中で固まることを待つだけとなった。

彩花「わたしのチョコへ。美味しく固まってください」

私にとって、あのチョコレートは勝負の道具だ。

バレンタインまであと2日
私の恋の決戦まであと2日なのだ。

・・・
彩花「わたしは大輔君に告白するの。」

彩花「わたしは傷つくかも知れない。フラれるのは怖い。」

彩花「だってずっと好きだった男の子だし。」

あや「大丈夫。あやちゃんをフる男の子なんていないよ。だってこんなに可愛いんだし。」

彩花「でも今までわたしのことを女の子として見てくれてなかったからなあ。」

No.56 15/03/22 01:43
khiro ( KsrVnb )

第7話

2月14日

目が覚めた。
今日、私は傷つくかもしれない。
だって、ずっと好きだったもの。怖いよ。
フラれるのは――恐い。

朝は早く起きて、シャワーを浴びた。
今日は少しでも可愛い自分でいるために。制服も、埃一つ見逃さない覚悟で綺麗にする。
今日は一番お気に入りの下着を着けてきた。自分にとっての勝負下着かもしれない。


――鏡を見る。
完璧だ。
完璧な私。今日の私は最高に可愛い。

冷蔵庫からチョコレートを忘れずにカバンに入れる。今日は教科書を全て忘れても、こればかりは忘れられない。

あや「彩花、今日はこっちをつけて行きな」

それは赤いリボンだった

あや「今日は彩花にとって勝負の日だからな」

母「そう、それがいいね。」

彩花「え~。派手過ぎない?」

あや「それぐらいでいいのさ。女は外見でナメられたら終わりだからね」

あや「ん、いいじゃん」

あや「完璧だ。今日の彩花は最高に可愛い。」

あや「どうしたんだ達也?」

達也「なんていうか、恋してる女の子って素敵だなって」

あや「ほほう。あんたも女のよさがわかったか。」

No.57 15/03/22 01:43
khiro ( KsrVnb )

・・・
彩花「おはよう」

唯「お?可愛いリボン」

彩花「そ…そうかな?派手過ぎない?」

唯「勝負の日だからってリボンからイメチェンですかな?」

唯「可愛いなー!そこまでしてモテたいか。でも今日は許す。」

唯「でも今日は許す!行ってこい!」

香苗「これは義理なんだからね! って渡しちゃだめだよ。」

彩花「うん、ありがとう。」

私は魔法少女の卵だけど、恋に関しては魔法でもどうにもならない。
私の恋は実るのか。それとも儚く散るか。


通学路は、いつもとは違う雰囲気だった。

私と同じく誰かにチョコを渡して告白するのか、ドキドキしてる女子生徒。
チョコをもらえるかドキドキしてる男子生徒。
今まで特別に意識しなかったからだろう。
バレンタインデーという日が、ここまで思春期の男女を惑わすなんて。


その日、隣の席の中沢君、そして北野君と話した。

祐樹「今日、荒川に告白するんだってな。」

彩花「うん。でもフラれるのが怖い。」

祐樹「大丈夫だよ。高梨さんは誰が見てもとても可愛い、必ず上手くいく。」

圭一「僕は高梨さんと出会ってから本当に色々と救われてんだ。君の言葉、一つ一つに。どこまでも優しい君に。そんな高梨さんが振られるなんてあるはずがない。」

圭一「僕は高梨さんに負けた。高梨さんじゃ負けても仕方ないと思えた。」

祐樹「俺は高梨さんだから荒川のことをあきらめたんだ。だから高梨さんと荒川君が幸せになってもらわなきゃ俺も困る。」

彩花「ありがとう。」

圭一「僕はバレンタインデーに同級生の女子にチョコをもらったことなんてない。まあ別に欲しくないさ。今まで荒川君一筋だったからね。」

祐樹「俺もだ。男以外好きになったことない。」




彩花「大輔君、放課後体育倉庫裏に来て。」

大輔「わかった。」

No.58 15/03/22 01:50
khiro ( KsrVnb )

・・・
放課後


ドキドキする。心臓が最高潮に達した。

大輔「彩花、お待たせ」

大輔「何の用だ? ってなんとなく想像つくけど」

そこにはあこがれの人がいた。
体育倉庫に大好きな2人きり・・・

彩花「あの、これわたしの本命チョコ・・・」

大輔「本命チョコ?」

彩花「わたし、大輔君のことが好き。」

彩花「幼馴染とか、兄弟ではなく、もっと別の意味で・・・」

彩花「男の子として、あなたのことが好きです。」

勇気を振り絞って言った一言。

沈黙。
永遠にも思える、沈黙。
聞こえるのは帰り道の生徒の声と、部活動に生徒たちの喧騒だけ。
それすらも、私には聞こえなかった。

顔をあげて、彼の顔を見るのが

「・・・」

声を聞いて、顔をあげる。

「──────」

なにも、聞こえない。
聞きたくない。

大輔「気持ちは嬉しいけど、俺、他に好きな人がいるんだ。」

大輔「俺、福原さんのことが好きなんだ。だからごめん。」

そんな声聞きたくない・・・。

それからの帰り道は、覚えていない。
泣いていたのか。
笑っていたのか。
否、笑ってはいないだろうな。
悲しいことが、あったんだから。

唯「あやちゃん」

彩花「唯ちゃん」

彩花「う・・・うえーん」

唯「よしよし。大丈夫だよ。あやちゃんをフったなんて荒川君もったいないことしたね。」

唯「大丈夫だよ。私がいる。」

・・・
由紀「荒川君」

由紀「私、荒川君のこと好きなんです。これ受け取って。」

大輔「ありがとう。俺も福原さんのことが好きだったんだ。」

由紀「嬉しい・・・」

由紀「でも高梨さんにも告白されたんだよね?」

大輔「うん。正直に言った。俺は福原さんが好きだって。」

大輔「実は恥ずかしいけど一目惚れだったんだ。福原さんが転校してきた最初の日から、ずっと片思いしてた。」

由紀「私も一目惚れだったな」

No.59 15/03/22 01:51
khiro ( KsrVnb )

・・・
家に帰ってからも部屋で1人で泣いていた。
こんなに泣いたのは生まれて初めてだった。

家に帰ってから届いた彼のメール

・・・
俺にとって彩花はパーフェクトな存在だった。
俺も彩花のことを1人の女の子として見ていた。だけど・・・

幼馴染じゃなかったら、君と付き合ってたんだろうな・・・

本当ごめん

・・・
彩花「なんでわたしを振った理由がよりにもよってそんな理由なの・・・」

そのメールをみてまた泣いた

母「今日は彩花のの好きなもの作ってあげるからね・・・」

夕日が沈み、もうすぐ夜になっていた。

食欲もなかった。
そんなとき

達也「そっとしておいてあげたほうがいいのかもしれないけど、僕は女の子が泣いてるのを見ると放っておけないんだ。」

達也「今日は僕がそばにいてあげるよ。」

あや「私もそばにいていいかな?」

達也「お姉ちゃんはいつかきっと幸せになれると思うよ。」

達也「泣かないで、お姉ちゃん。」

彩花「優しいね」

達也「僕の大好きな人が悲しんでいると僕も悲しいから。」

私は弟に慰められた。

あや「あたしも彩花ちゃんが泣いてるところ見るの悲しいよ。」

あや「だから泣かないで」

あや「でも本音を言うと・・・」

あや「あたしも一緒に泣いていいかな?」

あや「だって、彩花の恋ずっと応援してたから、自分がフラれたときより辛いの。」

彩花「うん、一緒に泣いてくれる人がいたらいいな。」

あや「うえーん。」

そこには私以上に涙を流している姉の姿があった。
サッカー日本代表が負けて選手以上に泣いているサポーターとか、高校野球で自分の学校が負けて球児以上に泣いている女子生徒みたいなものかもしれないけど、
私のために私と一緒に泣いてくれてる彩ちゃんが心地よかった。

No.60 15/03/22 01:52
khiro ( KsrVnb )

・・・

その日は久しぶりに姉と一緒に寝た。

彩花「あやちゃんもう寝たのかな?」

あや「彩花、まだ起きてたんだ」

彩花「あやちゃんも起きてたんだ」

あや「なんだか眠れなくて」

彩花「わたしも」

あや「ねえ、悲しい?」

彩花「時間が経ったからそれほど」

あや「泣きたい?」

彩花「うん。・・・ちょっと、泣きたいかな?」

あや「ねえ、泣いてるよね?」

彩花「・・・そう、かな・・・」

あや「彩花ちゃん、泣かないで…。」

彩花「涙が止まらないの・・・」

あや「彩花ちゃんが泣いてるところはみたくないよ」

彩花「毛布、かぶってるから・・・」

あや「やだ、にこにこしてない彩花ちゃんなんていやだよ。」

あや「うわーん」

彩花「あやちゃん・・・泣かないで・・・」

彩花「あやちゃん・・・ごめんね・・・」

「・・・」

あや「私より、彩花ちゃんの方が辛いのに…ごめんね」

彩花「いいの。ありがとう。」

No.61 15/03/22 01:53
khiro ( KsrVnb )

・・・
それでも数日間落ち込んでいた。

唯「あやちゃん、フラれちゃったみたいね。」

香苗「元気出して」

彩花「ありがとう。」

唯「初恋は儚いものね」

彩花「わたし、もう人を好きになることないかもしれない。」

香苗「今は、失恋した直後はそう思うかもしれないね。でもいつかまた新しい恋に巡りあえるよ。」

彩花「小さいころからずっと一緒だった大輔君の代わりなんているかな・・・」

こうして中学2年生の、高梨彩花の初恋は失恋した。

私はもう泣かない。いつかあいつを後悔させてやるんだと。
私をフッたことを。

私はいつか、大輔君以外の人を好きになるだろう。
大輔君以外の誰かと恋に堕ちる日がきっとくる。


1ヶ月後の3月14日

大輔「あの、これバレンタインデーのお返し」

1つの飴玉だった

彩花「ありがとう」

大輔「一応もらったんだからお返しはしないとと思って」

彩花「でもあれだけはっきりフラれたんだから、わたしは大輔君のことは諦めるよ。」


由紀「荒川君は私を選んだの。この勝負は私の勝ちってことね。」

彩花「そうだね。由紀ちゃんの勝ち。」

由紀「彩花ちゃん、荒川君はこれから私と付き合うことになったの。だから今後一切荒川君には手を出さないでくれる。」

彩花「え、そんな・・・」

大輔「ああ、俺たちの邪魔はしないでくれ。」

彩花「大輔君まで・・・」

No.62 15/03/22 01:54
khiro ( KsrVnb )

・・・
物語にはどんでん返しがつきもの。スポーツには大逆転や番狂わせがつきもの。
最後の最後まで何が起こるかわからないのだ。

この物語におけるどんでん返し、番狂わせというのは、メインヒロインである彩花が恋愛面で負けてしまったことだろう。

オラフ「やっぱり本命が負ける波乱ってあるんだな。少女漫画で主人公がフラれるなんて未だかつてあっただろうか。」

彩花「波乱なんかじゃないよ。最初からわかってたこと。」

オラフ「わかってた?」

彩花「やっぱり、幼馴染は恋人にはなれないんだな。」

・・・
中学3年生に上がってから、私は由紀ちゃんから酷いいじめを受けた。
しかも、私が大好きだった大輔君まで私をいじめるのを手伝った。
さらに北野君も私をいじめる側に回った。

ある日学校に来ると、机に「史上最強バカウンコ 高梨死ね」と書かれていた。
そして椅子の上に大量の画鋲が貼り付けられていた。ボンドのようなものでとめられていたらしく剥がせなかった。

教師「始めるぞ」

教師「早く座れ!早く座る!」

男子「はい。・・・高梨、何やってるんだ?早く座れ。」

彩花「あの・・・」

男子「さっさと座れよ。みんな待ってんだろ。」

由紀「学年ワーストバカは座り方も知らないの?」

由紀「学年じゃなくて学校、いや県内、いや日本、いや世界、いや宇宙一頭が悪い高梨さん。」

教師「おーい、早く座りなさい。」

仕方なく画鋲がお尻に刺さらないようにして座ろうとしたら

彩花「痛い!」

私の前の席の大輔君に机を押されて椅子にお尻がつき、お尻に大量の画鋲が刺さった。
お尻が血だらけになった。

靴の中に画鋲を入れられたこともあった。
下駄箱に「バカ」「死ね」の張り紙をつけられ、靴を泥だらけにされたこともあった。

No.63 15/03/22 01:54
khiro ( KsrVnb )

そしてある日は

大輔「いって!」

大輔君に無理矢理ぶつかられた。

由紀「携帯落ちたよ!」

大輔「あー、壊れた!」

大輔「どうしてくれるんだ?」

彩花「え?」

大輔「え、じゃねえよ。携帯が壊れたって言ってるんだよ。」

彩花「でもぶつかってきたの・・・」

大輔「は?俺のせいだって言うのかよ?」

大輔「どうしてくれるんだよ。これ限定モデルだぞ。」

大輔「チッ、しょうがねえな。3万でいいよ。」

彩花「え?」

大輔「明日までに3万持ってこい。」

大輔「無理ならお前の親に払ってもらうから」

圭一「絶対持ってこいよ!」

由紀「行きましょう」

由紀「じゃあね」


由紀「本当に限定モデルなの?」

大輔「そんなわけねえだろ。ていうかこれ本当は壊れてないし。」

由紀「酷いね。」

大輔「あいつから金を取るくらい安いって。」

彩花「友達の携帯を壊しちゃったんだ。弁償しなきゃいけないから、3万円貸して。」

お母さんに友達の携帯を壊したことを正直に話して3万円貸してもらった。翌日にちゃんと払った。

ある日の休み時間には由紀ちゃんと大輔君と北野君に鞄を回し投げされて、鞄を窓の外に捨てられた。
またある日の給食の時間には、由紀ちゃんに泥を入れられた。大輔君もそれを手伝った。

大輔「調味料でーす」

由紀「それ食べなさいよ」

またある日は砂を投げられた。

大輔「おりゃー」

あんなに優しかった大輔君が、あんなに私の味方になり、私の味方をしてくれていた大輔君が私の敵になった。

そして私は一人ぼっちになった。

No.64 15/03/22 01:55
khiro ( KsrVnb )

こんなこともあった

由紀「彩花ちゃん、今日もよろしく。」

彩花「え?何を?」

由紀「テストに決まってるでしょ。テスト。」

大輔「またばっちりに教えてくれよ。」

彩花「でもバレたら・・・。今回はやめといたほうが・・・」

由紀「大丈夫だって。うちの教師とろいし。」

私にカンニングの手伝いをさせようとしていた。

由紀「あんたの大好きな大輔君が困ってるのよ。」

彩花「大輔君は関係ないでしょ。」

由紀「教えなきゃまたあんたを酷い目に合わせるわよ。」

彩花「・・・わかった。」

教師「じゃあテスト始めるから、机のものをしまって。」


彩花「大輔君もカンニングしてるの?」

大輔「そうだけど」

彩花「できは悪くっても不正だけはしなかったじゃない!」

彩花「0点取ったって、カンニングだけはしてこなかったでしょ」

大輔「だからなんだって言うんだ。」


女子「荒川君から」

そこのメモに書いてあったのは

「終わったら体育倉庫に来い。バックレたらマジ殺す。」

No.65 15/03/22 01:56
khiro ( KsrVnb )

由紀「来なさいよ!」

彩花「やめてよ!」

大輔「来いって!」

大輔「これ結構効くんだよね」

彩花「うわー!」

スタンガンで攻撃された。

彩花「やめて!やめて!」

彩花「うわー!」

彩花「うわー!」

大輔「今日はこのくらいでいいんじゃね?」

由紀「そうだね」

大輔「でも明日もやるからな」

彩花「ウウッ」

その日の夜は大声で泣いた。


別の日も

彩花「痛い痛い痛い!お願いやめてよ!やめてよ!」

彩花「死にたくないんだよ!」

大輔「死ぬの怖い?」

彩花「怖い!死にたくない!」

彩花「死にたくないんです!」

大輔「死んだらこのいじめからも解放されるよ?」

大輔「まあ俺は死刑になりたくないから殺したりはしないけどね」

大輔君にもスタンガンで攻撃された。
というより、スタンガン自体大輔君の提案だったようだ。

No.66 15/03/22 01:56
khiro ( KsrVnb )

大輔「俺が由紀にアドバイスしたんだよね。もっと酷いいじめじゃないと彩花は屈しないよってね。」

北野「でもなんでそこまで」

大輔「あいつは泣き虫だけど強いからね。これくらいやんないとダメなんだよ。」

北野「さすがにやりすぎじゃないか?死んでたかもしれないし。」

大輔「護身用だよ。死にはしないでしょ。」

大輔「でも結構バチバチ言ってたよな。フフフ。」


由紀「ねえ、いじめを手伝ってもらって悪いね。」

大輔「手伝ってないよ。俺が自分からあの彩花って女をいじめてるんだよ。」

大輔「まあ俺は愛する由紀のためならなんでもするよ。」

由紀「じゃあ今度デートに行かない?」

大輔「うん、行こう」


そしてある日

母「彩花、お友達からお電話。」

彩花「誰?」

母「大輔君」

なぜ大輔君から?
大輔君からの電話、ちょっと前なら喜んで出たけど今は話したくない・・・。

彩花「いないって言ってよ」

母「『いないって言ってよ』と言ってるわ。」

・・・
大輔「いないって言ってよと仰ってるわ、だって。じゃあいるってことじゃん、バカだね彩花の奴w」

No.67 15/03/22 01:56
khiro ( KsrVnb )

・・・
彩花「ちょっとなんてこと言うの!」

この母も何を考えているのかわからない。

彩花「わかったよ、わたしが出る。」

彩花「もしもし」

大輔「彩花?俺はあんたと話したくないんで、今由紀に代わるから。」

由紀「明日学校が終わったら、大輔君の好きな漫画買ってほしいんだけど。」

彩花「そんなの自分で買ってよ。わたし、あまりお金持ってないし。」

由紀「誰がお金払えって言った?」

彩花「どういうこと?」

由紀「お金がないなら、払わないで帰っちゃえばいいじゃない。」

彩花「万引きってこと?」

由紀「バレなきゃ犯罪じゃないんだよ」

彩花「でも、わたし明日用事あるんだ。」

由紀「逃げたらどうなるかわかってるよね?」

そこで電話を切られた。

私は逃げた。由紀ちゃんと大輔君からは酷い仕打ちを受けたけど。
実際に万引きをしてたらどうなってたかと思うと、それよりマシだ。

・・・
私はいつか、大輔君以外の人を好きになるだろう。
大輔君以外の誰かと恋に堕ちる日がきっとくる。

・・・わけがないじゃない
たとえフラれても、どんなにひどいいじめを受けても、私は大輔君を嫌いになることなんてできない。
大輔君以外の人を好きになることなんてできない。
きっと私はいつまでも大輔君のことを好きでいるだろう。

No.68 15/03/22 01:57
khiro ( KsrVnb )

夏休み近くになると進学に響くと思ったのか、大輔君はいじめをしなくなった。

彩花「大輔君はどこの高校に行くの?」

彩花「できれば私と同じ東高に行ってほしいけど、やっぱり甲子園を目指して桐皇に行くのかな?」

彩花「でも桐皇じゃレギュラー取れないから普通の県立校に行くとも言ってたよね。」

大輔「どちらでもない。俺は他県の学校に留学する。」

彩花「え?なんで?」

大輔「由紀が中学を卒業したら、引っ越すことになったんだ。」

大輔「そしたらちょうど由紀の引越し先の県の学校から推薦の話があってね。」

大輔「俺は由紀についていくことにした。」

大輔「というのも理由の1つだが、俺も由紀が引っ越すからという理由だけで他県の学校に行ったりなんかしない。それじゃあ両親も納得しないだろう。」

大輔「だが俺の親父がその学校を気に入ってて、母さんも大賛成なんだ。」

彩花「う・・・」

大輔「って彩花!?」

私、泣いてる・・・
なんで私、泣いてるんだろう。

理由はわかる。大輔君が離れていってしまう。進学先まで由紀ちゃんに合わせた。
完全に大輔君を由紀ちゃんに取られてしまったんだ。

私には他県まで大輔君についていくことなどできない。姉と弟のことが心配だからだ。
家を離れることも不安だった。

・・・
そして1年が過ぎ、中学校の卒業式。
生まれた頃から一緒だった大輔君と登校するのもこの日が最後になる。

彩花「今日で最後だね。」

大輔「明後日、家を出ることになってる。」

彩花「そうなんだ。」

そして別れの朝

大輔「じゃあ、休みができたらまた帰ってくる。」

彩花「由紀ちゃんと仲良くやってね」

彩花「じゃあ・・・」

彩花「うえーん・・・」

大輔「彩花・・・」

涙が止まらなかった

彩花「ごめん。泣かないって決めてたのに・・・。笑ってお別れするって決めてたのに。」

彩花「でも大丈夫だから。すぐに慣れると思う。」

彩花「さようなら・・・」

さようなら、大好きな人。さようなら、私の初恋。

No.69 15/03/22 01:58
khiro ( KsrVnb )

エピローグ

大輔君と由紀ちゃんは20歳で結婚し今年で結婚45年目。
4人の子供に恵まれ、長女と長男も結婚。もうすぐ孫もできるそうだ。

中沢君と香苗ちゃんと唯ちゃんも30歳までには結婚していた。
北野君は男性と同棲してる。ある意味同性婚というところか。
中沢君は女性を好きになれて無事に結婚できたことにホッとしている。

・・・
30歳を過ぎたころ

母「本当に結婚しないつもりなの?お見合いの話も断るなんて」

彩花「私、大輔君以外の人と結婚するなんて考えられない。それをしたら、大輔君を好きだったことを否定することになるから。」

母「なんて頑固なの。ちょっと、お父さんも説得しなさいよ。」

父「素晴らしいじゃないか。たとえフラれても、幼馴染の男の子を一生好きでいたいだなんて。」

父「自分の娘がそんな一途な子でよかったよ。」

母「何言ってるのよ。これではあなたも私も孫に会うこともできないのよ。」

父「それがどうした。どこの馬の骨かわからない男に彩花をやれるか。」

母「まさか、彩花が婚約相手を連れて来ても結婚に反対するつもりだったんでしょ?」

父「そんなことしねえよ。彩花が好きな相手なら喜んで結婚に賛成する。」

父「だが彩花は一生独身でいいって言ってるんだ。俺は彩花の意思を尊重する。」

母「彩も達也も結婚しないつもりよ。三兄弟揃って生涯独身なんて、こんな親不孝ある?」

父「独身のどこが親不孝だ。親不孝とは働かずに親の金で生きてるニートのことだ。」

父「しかし彩花はちゃんと働いている。むしろ生涯独身なら俺やお母さんを老後まで養ってくれると思うぜ。」

父「そうだろ?」

彩花「うん。そのつもりでいる。」

結局母も首を縦に振るしかなかった。

No.70 15/03/22 01:58
khiro ( KsrVnb )

・・・
50歳を過ぎたある日、3ヶ月も生理が来てないことに気づく。もちろん妊娠なんてあるわけない。
つまり終わったんだ。閉経したことを意味した。私が子供を産める可能性が完全になくなった。
むしろ子供を産むことはもうないのに50歳まで無駄な生理が続いたことのほうが苦痛だった。もっと早く生理が終わればよかったのに。

そしてあれから50年が経った。
私は今年65歳、処女で独身のまま定年を迎えた。
同期入社で独身のまま定年退職した女は私1人だけだった。
同期の女性のほとんどは結婚して会社を辞め、私の他にもう1人定年まで働いた女性も結婚して子供も孫もいる。

私の人生は本当にこれでよかったのか。そりゃ幸せだったと言ったら嘘になるかもしれない。
小さい頃からずっと大輔君と結婚することを夢見ていたから。
でも大輔君にフラれたあの日から、ずっと大輔君を好きでいようと決めていた。
大輔君以外の男性と結婚することなんて考えられない。ならばずっと独身でいようと決めていた。
私はその中学生のときの言葉通り、最後まで大輔君を好きでいれてよかったと思う。

お見合いの話もあったがすべて断った。
ラブコメのお約束、ヒロインは決して主人公以外の男性と付き合ってはいけない。
負けたヒロインは一生独身でいなければいけないのだ。
なんてことはない。たとえ幼馴染は報われないことはわかっていても、生まれてからずっと大輔君が好きだった私は大輔君以外の人と結婚するなんて考えられないのだから。

両親は既に亡くなっている

あや「私たち、独身のまま生涯を終えるんだね。」

彩花「これでいいんだよ。できれば大輔君と結婚する人生が一番よかったけど。」

彩花「大輔君以外の人と結婚して長続きするわけないと思ってたから。」

彩花「何より、大輔君のことをずっと好きでいる。そのことを否定したくなかった。」

あや「私も。初恋の彼のことを今でも好きでいたい。そのためにずっと処女で、独身でいれてよかったと思う。」

彩花「三姉弟揃って独身。高梨家の子孫を私たちで途絶えさせちゃったことになるね。」

あや「父さんと母さんに、孫の顔も見せてあげられなかったし。」

彩花「仕方ないよ。お父さんとお母さんもわかっていたこと。」

No.71 15/03/22 01:59
khiro ( KsrVnb )

・・・
それからさらに25年。90歳。

あやちゃんと達也君も亡くなり、残るは私1人だけ。その私の寿命ももう長くない。
今病院に入院している。その病院に勤めている医師は荒川大輝。大輔君と由紀ちゃんの息子である。

大輝「僕の父親は何年も前に亡くなってしまったんですが、父の古い友人である高梨さんを担当できたのは何かの縁なんですかね。」

彩花「そうですね。」

彩花「医者か。あなたのお父さんじゃ想像もできなかったな。小学校のときいつも学年最下位だったし。」

大輝「そうだったんですか?」

彩花「でもそれでもある人のおかげで、中学校では中の中くらいの成績にはなってたな。」

彩花「大輝君はいつも学年トップだったのかな?」

大輝「そうでもないです。上には上がいました。」

・・・
遺言書を書いた。遺産の受け取り人だが、両親も兄弟も既に他界し、旦那も子供もいない独り身の私に受取人などいない。
このままだと恐らく税金という扱いになるのだろう。

だから遺言書にはこう書いた。「遺産は医療の役に立ててほしい」。
小学生のとき、白血病になった。あるドナーの女性のおかげで私は救われた。
私にとってこれは小さな恩返しのつもりだ。

私の人生はいたって平凡なものだった。普通の学生生活を送り、普通に就職し、代表取締役まで出世して、定年退職まで勤めることができた。
これ以上の目標はない。
しかしそんな私でも叶わなかった夢。それは結婚。
どんなに充実した人生を送っていても、やはりこの夢が叶わなかったのだけは心残りだ。
でもそれは来世にとっておこう。

No.72 15/03/22 01:59
khiro ( KsrVnb )

・・・
そして最期の日

大輝「高梨さん・・・」

彩花「わたしが言うのもなんだけど、家族と幸せにね。」

大輝「はい。」

彩花「旦那も子供もいなくて、一人で寂しく人生を終えることになると思ってたけど、最期に見たのがあなたでよかったです。」

彩花「できれば大輔君と結婚したかったけど、大輔君のお子さんに見送ってもらえるなら、いい人生の最後だったな。」

彩花(もし生まれ変われるなら、今度こそ結婚したいな・・・)

・・・
こうして高梨彩花の長くて短い人生は終わった。誰に見守られることもなく、強いてあげれば幼馴染の息子医師に見送られるだけだった。

高梨さんには身内がいないため、葬儀と火葬は病院内で済まされた。
最後は俺に見送られていい人生だったと言っていた。その意味が今でもわからない。
本当は荒川大輔、すなわち俺の父親と結婚して幸せな家庭を築きたかっただろうに。
それだと俺の母親は高梨さんということになって、それはそれで複雑だが。

生涯独り身で、最後にかつて自分を振った幼馴染の、その息子に見送られることだけで幸せなんて、どんな幸せなんだろう?
俺にはそんなことでいい人生だったなんて言えるわけがない。
きっと高梨さんだって、生涯独身の人生に満足してるはずがないんだ。

俺にできることはただ一つ。
神様、どうか高梨さんが生まれ変わったら、今度こそ彼女が幸せな結婚生活が送れますように。

Fin

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