秘密
バックヤードのドアを開けて駐車場に飛び出す
夏の終わりの日射しが強く目を細める
逆光で彼の顔がよく見えない
「またね」
彼が車へとゆっくり歩いて行った
終わらせてくれなかったから私が終わらせた
秘密を抱えたままでいるには私は幼すぎた…
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「おはよう…加藤部長どうしたの?」
出勤してきた翔子さんが驚いている
「田中店長、急で悪いけどこいつ今日は本店の事務所に連れて行くから」
「えっ…?」
翔子さんと私、同時の『えっ?』だった
「代わりに和美さん入れてるから大丈夫でしょう?」
…既に決定事項だったんですねぇ
「分かった。連れてって良いよ。その変わり…今度、私と和美さんに奢ってね」
「了解」
えぇぇぇっ、そんな話しで済むの!?
「それから田中店長…もしかしたら深夜勤の枠が空くかも知れない」
「……店長は私だから後から事情くらい聴くわよ加藤部長」
「それも了解」
「…加藤部長?」
「お前は先に車に乗ってろ」
そう言うと私は事務所を出された…
暫くして加藤さんが車に乗り込んで来た
「一人で怖い思いをさせて悪かったな」
加藤さんは私の頭をポンポンと軽く叩くと車を出した
『俺は人の恋路に口を挟むのは趣味じゃない…でも仕事が絡んでくるなら話しは別だ』
車の中でそう言われた
…そうですよね…加藤統括部長
車が本店に着き裏口から中に入る
「お疲れ様です…川崎さん、館山副店長は?」
川崎さんが突然現れた『私達』に驚いた顔をしている
「呼んで来ます…お待ちください」
直ぐにホールの方から館山さんが歩いて来た
「お疲れ様です…どうしましたか?」
「長峰の事で少し聴きたい事が有るんですが…時間が出来たら2階にお願いします」
加藤さんはそう告げると2階の事務所に上がって行く
「…ほら、一緒に行って」
館山さんに言われ2階へ上がる階段を見た
「心配しなくて良いから」
彼は短くそう言うと優しく私の背中を押した
「社長は年度末の総会で留守してるから心配しなくて良い」
加藤さんは私の顔を見てそう言った
「…座れよ」
事務所の入口で身の置き場がなく立ったままの私…
「はい…」
「自動車学校の手続き終わってるのか?」
「はい、来週から行きます…シフトは翔子さんに調整してもらいました」
「そうか…中番がメイン?」
「そうです」
加藤さんはパソコンを開き2号店のシフト表を確認し始めた
「……山村、今日はここに長峰を呼んである」
「えっ…」
「俺がどんな事を話してもお前は口を挟むな…黙ってろよ」
………えぇぇぇ…
「それから…お前は名前を出さなかったけど、長峰が相談した相手って…トシじゃなくて館山副店長で間違いないよな?」
……うっっ
「まぁな…俺と館山副店長は全然タイプが違うからな。長峰が俺とやり合う為に味方につけたいのはあの人だろう…」
加藤さんは苦笑いしていた
―コンコン…
ドアをノックする音に身体がビクッとした
「館山です、失礼します」
「どうぞ」
穏やかな雰囲気を漂わせ館山さんが入って来た
「すみません、忙しい時に」
「いえ」
館山さんが私の隣に座った
「加藤部長、お話と言うのは…長峰君の事でしたよね」
「はい。長峰がここに来たそうですね。その時の話を聴かせて頂けませんか?」
私はその時の話を館山さんから聴いた…でもそれは加藤さんには言えなかった
…言ってしまえば
『どうして話しの内容をお前は知ってるのか?』
に…なる
「長峰君は山村さんの事を相談する為に私のところに来ました」
穏やかな口調の館山さん…
「どういった内容でしたか?」
「…自分の気持ちを山村さんに伝えたが受け入れてもらえなかった…そう言っていました」
「それだけですか?」
「加藤部長と山村さんの間に…何かしら人には言えない事情があるのではないかと…彼は思っています」
…この場から消えてしまいたい
ふっ…と加藤さんが笑った
「…館山副店長はその事についてどう思われますか?」
加藤さんっ!?
「私個人としては…真実を知っていますから、加藤部長と山村さんの間に不実があるとは思いません」
館山さんは真っ直ぐ加藤さんを見ていた
「そうですか…確かに私と山村は上司と部下であっても男と女です。話をおもしろ可笑しくしようと思えば幾らでも出来るでしょう…しかし山村の名誉を傷付けるような事がもしあったら…今まで彼女を育ててきた直属の上司として見過ごす訳にはいきません。それはご理解ください」
加藤さんは静かに言った
「私は長峰君と山村さんの件に関して首を突っ込む気は更々ありません…先程も言いましたが…お二人の事を誤解もしていません…ただ…」
館山さん一呼吸おいた
「誤解を受けてしまうような言動が加藤部長になかったか…それは今一度、お考え頂きたい」
館山さんは微笑みながらそう言うと
『スタッフが待っていますので戻ります』
と退室した
…引き分け…かな
「…なぁ山村…」
「は、はい?」
…声が裏返ってしまった
「俺さぁ…」
「…はい…」
「何か館山副店長を怒らせるような事…言ったか?」
私は自分の左手を右手で掴んだ…ピアスを触らないように
「館山副店長…怒ってましたかねぇ…面倒な話を持ち込まれたくなかっただけだと思いますよ。他店の事だし」
「…そうか」
「そうですよ」
…緊張し過ぎて喉がカラカラだ
「それにしても…どいつもこいつも……お前が男だったら良かったのに」
加藤さんはタバコに手を伸ばし、吸い殻でいっぱいの灰皿を当たり前のように私に手渡した
……だからね、きっとこう言うところを館山さんに言われたのよ加藤さん…
…『加藤、山村私物化事件』も『加藤、山村不倫疑惑』も…
こんな事を引き起こしたのは彼だけの責任ではない…
当時の私はあまりにも『加藤さん』に近過ぎた
もっと上手く『程よい距離感』をもっていられたら、避けられた事もあっただろう…と、少しだけ大人になった私は思う
部下として上司を支える『使命感』が、彼に近過ぎた余り…何でも先回りして痒い所に手が届く『女房役』のようになってしまっていた…
…今更ながら
反省…
「…喋り過ぎて喉が渇いた」
…私は緊張で喉が渇いてマスっ
「…下で買って来ますね」
1階に降りるとお昼前の軽いピークが来ていた
カウンターレジには川崎さん…
お客様の列が切れるまで目立たないように隅の方で待つ
…川崎さん…変わった
彼女の接客を久し振りに見て思った
夏よりもグッと柔らかく丁寧になっている
彼女の大きな目とふっくらした口元は笑うととても魅力的だ…
「山村マネージャー」
カウンター越しに彼女から呼ばれる
「お忙しいところすみません…アイスコーヒーを2つお願いします」
「かしこまりました…シロップとミルクは…おひとつずつですね」
…私がブラックだからだ
「すみません…ひとつは氷を少なめにしてください」
…加藤さんは氷でコーヒーが薄まるのを嫌がる
「山村マネージャーも色々と大変ですね…でもそれも仕方がないのかしら…」
『自業自得よね』
そう言われた気がした
彼女からトレーを受け取り階段を上がるところで、ホールに出ていた館山さんと目が合う
「言い過ぎた」
すれ違い様に彼が言った
2階に上がると加藤さんは電話中…
この話し方は…社長だな
本当だったら『加藤統括部長』はこんな話しに付き合っている暇はない
『どうして俺に言わなかった?』
…本当に言いたくなかった
忙しい加藤さんに迷惑をかけたくなかった
『上司』であり
『保護者』であり
『ご主人様』の加藤さんが放っておく筈がない…そう思ったから
―コンコン…
ドアをノックする音にまたもや身体をビクつかせてしまった…
何て気が小さい…
「はい」
「…………」
加藤さんが返事をするも入ってくる気配なし
ドアを開けようと席を立った私を加藤さんが無言で制止した
「長峰か?入れ」
カ…チャッ…
静かにドアが開く…
下を向いたまま
「…遅くなりました…すみません」
と、長峰君
ドアの前から動かない
「こっちに来て座れ」
加藤さんの声に長峰君の足がピクリとするが一歩が出ない
「長峰」
加藤さんの強い口調
…私も今まで何度その口調にビビった事か…
『見ていられなかった』
と言うのが正直な気持ちだ…
加藤さんの逆鱗に触れてしまった事は長峰君も重々解っているだろう…
「長峰君、中に入ってください」
加藤さんの『言い付け』を守らず長峰君に声をかけた
私がいる事に驚いたのか彼はパッと顔を上げた
館山さんとの話しの時とは違い、加藤さんは自分の隣に私を座らせていた
加藤さんは
「ここに座れ」
と自分の前の椅子を指差した
音もなく静かに長峰君が席に着く
「お疲れさん」
「…お疲れ様です…」
「………」
「……………」
耳鳴りが聞こえるくらい静まり帰った事務所
「長峰、急に呼んで悪かったな」
意外にも加藤さんのこんな言葉から話しは始まった
「…クビにするならしてください」
震える声で長峰君が言った
「長峰、お前はそれで気持ちが治まるのか?…それなら今直ぐ俺はお前を切る」
えぇぇ…っ、ちょっと加藤さんっ
「…やっぱりクビにするつもりなんですよね」
長峰君が顔を上げた
「言いたい事があるなら全部、今ここで言え」
加藤さんは長峰君の視線をとらえて離さない
「……僕は…山村さんに振られました。それって…加藤部長のせいなんでしょう?」
―!!!!!
まだそんな事言ってんのっ
「そうかもな」
―!?!!?
『そうかもな』…意味が私にも解りませんが…
「ただ、お前が勘繰ってるような関係は俺と山村にはない」
「じゃぁ、何ですかっさっきの『そうかもな』って」
長峰君の顔色が変わった
あの朝と同じ…
やっぱり怖い…この人
「もう一度言うが…俺と山村には色恋沙汰はないぞ。ただ…仕事をしていく上で山村は切り離せない。こいつの仕事の邪魔だけはさせれない」
加藤さんは強い口調で言った
「仕事でも恋愛でも山村に選ばれるくらいの男になってみろ。それが出来ないうちから、こいつにちょっかい出すような事があったら…長峰、覚悟しとけよ」
長峰君が唾を飲み込む音が聞こえた…
「…解りまし…た…」
長峰君が項垂れるように頭を下げた
「これは男の約束だからな」
加藤さんは長峰君の肩を叩いた
長峰君は声をあげて泣いた
それから長峰君は
『これからもご指導宜しくお願いします』
と、加藤さんと私に頭を下げて帰って行った…
…終わった
「終了だな」
あっ、それは私の台詞…
「もう明日から心配しなくていいからな」
加藤さんが今日初めての笑顔を見せた
私もそう思う…きっと長峰君は今日から『加藤信者』になる…間違いない
「ふぅ……」
あれっ…終わったのに何故に溜め息ですか
「……問題は館山副店長の方かもな」
独り言のように加藤さんが呟く
………加藤さん?
『問題は館山副店長の方かもな』
意味が解らない
…その理由を聞いてみたかったけど…やっぱりそれは出来なかった
事務所を閉め加藤さんと1階へ降りた
「…じゃぁ、館山副店長後はお願いします」
加藤さんが声をかける
「はい、お疲れ様でした」
…館山さんは笑顔だった
「川崎さん、最近の接客凄く良いですよ。その調子で頑張ってくださいね」
加藤さんは川崎さんをこう労った
「ありがとうございます…館山副店長のお陰でとても仕事が楽しいです。頑張りますね」
川崎さんは加藤さんに笑いかけると、一瞬…私に視線を移した
…う~ん…
「はぁ~疲れたな」
「…ご迷惑おかけしました…すみません」
帰りの車の中…加藤さんに謝る
「…お前、ホントに付き合ってる男…いないの?」
「…ひ、秘密です」
『いない』と言ったら『嘘』になってしまう…加藤さんにそれは通じない
せめて『秘密』にしておけば…正直私の気持ちも楽だ
「…男…出来たのか?」
「だから秘密ですって…加藤さんには関係ないでしょう…」
「生意気だな…長峰はお前のどこが良かったんだろ…」
「…加藤さんにはきっと一生解らないと思いますよ」
ふんっ…
『お前が男だったら良かったのに』
なんて言う人には解らないっ…
「…解らなくて結構。でも…昨日の袴姿は…良かったぞ」
「ホントにっ!?」
「馬子にも衣装ってこんな時に言うんだなぁって思った」
私は思いっきり加藤さんの左腕をつねった
ふんッ…
今年は少し肌寒さが残る3月中旬
私は予定通り自動車学校へ通い始めた
『…君は加速は上手いけど…減速が問題だねぇ』
教官からのお言葉
…これだっと思ったら行き着く所までとにかく突っ走る私の性格そのもの……
減速する為にシフトチェンジすると車が 『ガクガク』踊り出す
ご主人様の忠告通り…ATにしとけば良かった…?
仕事は変わらず順調
長峰君とも『仕事仲間』として新たな関係を築き始めた
3月…
館山さんと出逢った特別な季節
『春風』に吹かれてもう1年になる
「山村マネージャー、館山副店長からお電話です」
「はい」
今日は翔子さんは公休
「お電話代わりました。お疲れ様です山村です」
「お疲れ様…変わりない?」
「はい、大丈夫です」
「今度の休み…空いてる?」
「はい、問題ありません」
「じゃぁ、いつもの所に…」
「承知致しました…失礼致します」
こんな風に『私達の秘密の会話』は終わる
最近は自動車学校と、変則的なシフトが続きなかなか彼との時間が取れないでいた
「山村マネージャー、何か良い事でもあったんですか?」
パートさんに指摘されにやけ顔の自分に気づく…
館山さんと逢うのは3週間ぶり…
加藤さんと二人、長峰君の件で本店を訪れた日が最後
店には何度か電話があった
彼も、私と長峰君のその後をとても心配してくれていた
「凄く久し振りにサキの顔を見た気がするよ」
3月も中旬だと言うのに、空気は冷たく桜の蕾はまだ膨らみそうにない
「元気にしてた?」
私は彼に聞く
「うん…サキは元気にしてた?」
そう言いながら私の右手を優しく包む
「…サキの手。いつもは温かいのに…今日は凄く冷たいね」
車はいつものホテルに着いた
駐車場から部屋に入るまで、彼はずっと私の手を握っていた
部屋に入りフロントからの電話を受けてしまうと彼は無言で私を抱き締めた
「…どうかした?」
少し…ほんの少しだけ、今日の彼がいつもと『違う』気がしていた
「……」
「館山さん…?」
彼は私を抱き締めたままゆっくり深く息を吸い込む
「……サキの匂い…安心する」
「それは私も同じだよ」
逢えなかった時間や寂しさを埋めるように
ゆっくり…ゆっくり唇を重ねた
重ねた唇を離してしまう事なく…彼が独り言のように呟く
「サキ…抱きたい。サキを独り占めしたい…」
私は唇を離し彼の目を見た
「…館山さん、どうしたの?…今日は何か変だよ?」
「…うん、ごめん」
小さな子供のように謝る彼の頬を手のひらで包み込む
「手…温かくなってるね」
そう言って微笑む彼がとても愛おしい
「…先にシャワー浴びてもいいかな…?」
私は彼の返事を待たずにシャワー室に向かった
シャワーを浴びながら私は何も考えないようにした
考えても答えは出ない
…これが『答え』だ
部屋に戻ると彼はカーテンを開け海を見ていた
振り返り私を見ると
「風邪ひくといけないからベッドに入って」
そう言ってシャワー室に入って行った
彼に言われた通り、シャワー室に背を向けた形でベッドに入る
「…サキ」
私を呼ぶ彼の声で、自分がウトウトしていた事に気付いた
「こんな状況で眠れるサキは凄いね」
彼が笑う
「ごめんなさい」
…失礼も良いところだ
「普段のサキはホントに無防備だね…」
『無防備過ぎる。気をつけなきゃダメだ』
彼に言われた事を思い出し
「ごめんなさい」
ともう一度謝った
「今日は…それで良いんだ」
彼はそう言うと今までにない…熱くて甘いキスを繰り返した
私はそのまま彼に身を任せる…
私をベッドに俯せにし、彼の手は少し強引に腰までガウンをずらした
首筋から背中にゆっくりと彼の唇と指が這う
「…サキ、こんなところにほくろがあるんだね」
左の脇腹に這わせた唇が、その『ほくろ』のある場所を優しく愛撫する
私の頭は空っぽになっていた
…プルルッ…プルルッ…
その音は何もなくなった私の頭に大きく響いた
テーブルの上にある彼の携帯が鳴る
「…館山さん…携帯が鳴ってる…」
彼は何も言わず私の唇を塞ぐ
携帯は一度切れ、少し間を開けまた鳴り出す
「…待ってて」
彼は私から離れると携帯を持ちシャワー室に入って行った
私の身体は彼の甘い愛撫で火照っていた
頭はまだ携帯の着信音が鳴り響いている
誰から…何の用件でかかってきたか解らない電話を聴いてしまわないように…私はシーツで耳を塞いだ
聴こえるのは
自分の心臓が大きく速く脈打つ音だけだった
暫くすると電話を終えて彼が戻って来た
私が横たわる傍に座り、目を細め髪を撫でる
「サキ…急用ができた」
『急用って何?』
聞けない…
急用が何なのか彼が言わないのは『私に言えない』から…
だから…聞かない
「着替えるね」
「ごめん」
私の頬にあてられた彼の手が、冷たくなっている事が哀しい
私は彼の首に両腕を回し自分の方に引き寄せキスをする
「これ以上、欲情させないで」
彼はそう言うと脇腹にあるほくろに軽くキスをした
…今日も
未遂に終わった
約二ヶ月かかり無事にMTで免許を取る事が出来た
『山村さんは…今後、原付には乗らない方が良さそうだね』
と、教官…フラフラな運転ながらも原付講習は通してもらえた…自分でもそう思う…
「…サキ、本当に一人で来れるの?」
電話の向こうで母親が心配している
「大丈夫、ちゃんと免許は取れたんだから。直ぐに行くから待っててね」
近くのスーパーにいる母親を車で迎えに行く事になった
『お米が安かったから買っちゃったんだけど重くて…』
ダイエットの為に歩いて買い物に出た母親…
「父さんも一緒に行こうか?」
「だから大丈夫だって」
私は父親の車を借りスーパーへと向かった
…困った…非常に困った…
ここは自宅から1kmくらい来た交差点信号前…
スーパーまでは約500m程
信号待ちで先頭に止まっていた私の車は左折の為の『半クラ』が上手くいかず…エンストして青信号一回分動けなくなった
後続には若葉マークに付き合ってくれた車の列
…すみません皆さん
信号が青に変わる
私はハザードランプをつけ、右に避けながら追い越して行く車に目を合わせず頭だけ下げ続けた…
…う~ん困った
赤信号になり、バックミラーで後続車が居なくなったのを確認してエンジンをかけ直す
…青
ゆっくり『半クラ』しながらハンドルを左に切った
―ガガッ…ストン…
はい、エンスト
…乗らない…二度と一人で乗らない
心の中で呪文のように繰り返す
コンコン…
突然、助手席の窓が叩かれ我に返る
顔を上げた瞬間ドアが開けられた
「…お前、何やってんだ…?」
おぅ!加藤さんっ!!
「動かなくなったのか?」
「…動かせなくなりました…」
はぁ~と大きな溜め息をつかれ
「代われ」
と運転席から降ろされる
…ちょっとその溜め息のつき方は大袈裟じゃない…?
「…お前はずっとここにいるつもりか…?」
私は慌てて助手席に乗り込んだ
『まさかこの車も加藤信者かっ!?』
と思ってしまうくらいスムーズに動き出す車…
「…どこに行くつもりだった?」
「母親を迎えにその先のスーパーへ…」
「…お前もお前の母さんもチャレンジャーだな」
加藤さんはそう言うとスーパーに向かって車を出した
途中、路肩に寄せられた『加藤さんの愛車』を追い越した…
「この忙しい時に渋滞を起こしたのはどこのバカかと思ってたら…」
…加藤さん、私の後ろに並んでくれてたのねぇ
「すみません」
「後ろ見てもなかなか車が来ないから…止まってみて良かったよ…車買うならAT車決定。部長命令」
…了解しました
車はゆっくり左折しながらスーパーに続く細い道に入る
…ここも危なかった
突然現れた加藤さんに喜んだのは私だけでなく…この人もだった
「ホント、店長さんには助けてもらってばっかりで」
…だから部長だって
「たまたま通りかかっただけですから」
…その笑顔をたまには私にも見せてください加藤さん
「私が運転して帰りますから心配しないで」
母親はそう言うと私と加藤さんを乗せて駐車場から車を出す…筈がエンスト…
「あら、もぅ…お父さんの車乗りにくいのよね」
「…代わります」
加藤さんは家まで直線で帰れる所まで、また運転してくれた
「じゃぁ、私はこれで」
それだけ言うと『愛車』へと足早に戻って行った
「サキ、もう少し運転の練習しなきゃね」
「…お母さん、買う時はAT車にするよ…加藤さんからの命令だから」
…そして季節が梅雨に入る前に私の『辞令』がおりた
マネージャーになって一年…
少しは成長出来たのだろうか…
春の終わりと共に私は20歳になっていた
「サキちゃん、これで堂々と呑みに行けるね」
と、翔子さん…
「年齢が20歳になっただけじゃ立派な『大人』とは言えないからな」
と、加藤さん…
「サキのこれからが凄く楽しみだ」
館山さんは柔らかな笑顔でそう言った…
『辞令』は今までのようなFAXではなく『3店合同社員ミーティング』で伝えられた
「…と言う事で山村サキを来月から社員として新店に異動する。みんな宜しく頼むぞ」
野田社長の口から全社員に告げられた私の『辞令』
「山村さんまた宜しくね」
笑顔で喜んでくれたのは坂田副店長
「強力なライバルが出来たわ」
と益田店長は握手をしてくれた
和美さんとトシ君は2号店に戻る事になった
「加藤、サキちゃんが本部研修に出てる間の新店シフト、また考えておいてくれ」
「承知しました」
「…あの、その件で少しご相談があるのですが」
そう口を開いたのは館山さんだった
「相談…?どうした館山」
「はい。山村さんが研修に行かれるまで少し時間があります。その間、うちのパートの川崎を山村さんにつけてくれないでしょうか?」
…た、館山さん!?
「…館山副店長その理由は何でしょうか?」
社長の隣に座っている加藤さんが聴いた
「…加藤部長もご存知の通り、うちの川崎は以前からマネージャーになる事を希望しています。最近の彼女の仕事に対する姿勢を見て頂くとお分かりになると思いますが…その時期が来ているのではないかと上司の私は思います」
「そうですか。山村につける…と言うのは?」
「山村さんはマネージャーになってから、他のスタッフが出来なかった色々な経験をされています。山村さんの直接的な指導が入れば川崎にとってマネージャーへの近道になる…そう考えてのご相談です」
「…サキちゃんは新店に異動してもらわないといけないからなぁ…どうだ加藤」
加藤さんは目を瞑って何かを考えている
「解りました。館山副店長、返事は少し時間を頂けますか?」
「宜しくお願いします」
館山さんが社長と加藤さんに頭を下げた
「じゃぁ、サキちゃん。私達は先に帰るからね」
今日はここまで、翔子さんと河野さんと一緒に来た
私はこのまま事務所に居残りだ…
「山村さん…早く来てね。俺一人じゃ坂田副店長は無理」
そう声をかけてきたのは新店の鈴木さん
「あはは、何を言ってるんですか」
「ホントに何言ってるのぉ鈴木~」
鈴木さんは坂田副店長に首根っこを掴まれ…連れて帰られた
…ご愁傷様鈴木さん
「益田店長」
加藤さんが益田店長を呼び止めた
「さっきの川崎さんの話しですが…」
「加藤部長…すみません。私も寝耳に水で」
「じゃぁ、事前に館山副店長から…何も相談はなかったんですね」
「すみません…私の管理不足です」
「解りました…後は私に任せてくださいね。確かに川崎さん…良くなってますよ」
「ありがとうございます」
益田店長は申し訳なさそうな顔をして下に降りて行った
…館山さんの独断か
「じゃぁ、サキちゃん。本部研修の説明しとくよ」
社長から声をかけられソファーに座る
「はい、これ」
渡されたのは本社の住所と電話番号が書かれた紙と、東京の交通マップ…TVで聞く『山手線』も描かれていた
「飛行機のチケットと経費は出発前日にあげるから」
「ありがとうございます」
「…」
「……」
社長…?
「はい、これで終わりね」
「えっ…終わりですか?」
「他に何かある?」
「…例えば本社までの行き方とか…研修の内容とか…」
「本社までの行き方?住所と地図を渡しただろう?…東京に行ってみて分からなければ人に道を聞きなさい…口と耳と目があるんだから」
「……はい」
「研修の内容なんて話したら研修にならないだろ?まっ、楽しんでおいで、あはは」
「………はい」
「じゃぁ、加藤。俺は出るから」
「お疲れ様でした」
…社長、これが『社会人』になると言う事なんですね…
「…まさかお前…東京に行くの初めてなのか?」
「はい、実は…」
「…俺が簡単な地図を描いてやるから」
「結構です…ありがとうございます」
絶対に一人で辿り着いてみせるっ
「…遅刻だけはするなよ。俺が研修の時遅刻したヤツがいてなぁ」
「えっ…怒られたんですか?」
「そのまま帰された」
噂で聴く本部研修…
恐ろしい『鬼トレーナー』が山ほどいて、『出来』が悪いと途中で研修を打ち切りされる事もあるとか…
泣きながら研修を脱走した人がいたとか…
「…トレーナー誰だろうなぁ。行ってみないと分からないけど…初級だし、大迫さんと付き合えてたから大丈夫じゃない?」
大丈夫じゃない?って随分軽いですね…
加藤さんは本部研修『中級コース』まで終了している
来年くらいには上級を受けたいらしい…
「山村、相談があるから座ってくれるか」
「はい」
私は加藤さんの前の席に着いた
「さっきの館山副店長の話しだけど、お前はどう思う?」
…どうって私もビックリですよ
「私の立場では何とも…」
「いずれは各店舗にマネージャーを置きたいと俺は思ってる」
…この言い回し…もう『決定』したんでしょ?
「川崎さん…指導させて頂きます…」
「やれるか?」
…坂田副店長が新店異動する前もこんな会話…したよね
「やります」
「そうか。2週間…川崎さんを新店に行かせるわ」
「解りました」
…彼女と仕事をした夏を思い出す
あの時も大変だったけど…きっと状況はもっと悪くなってる…
「…川崎さん…この件の事、知ってるんですかね?益田店長は知らなかったみたいですが…」
「ホントだ。新店に行ってもらわなきゃいけないし…確認しておかなきゃな」
加藤さんは1階へ内線を入れ、川崎さんを事務所に呼んだ
川崎さんは直ぐに事務所に上がって来た
「お疲れ様です」
「お疲れ様です。確認したい事があるので座ってください」
加藤さんが私を自分の隣に移動させた為…私と川崎さんは向かい合う形になった
「実は館山副店長から、貴女をマネージャーにしてはどうかと話しがありました」
「そうですか」
川崎さんは顔色ひとつ変えない
「貴女の気持ちを今一度、聴いておきたいのですが…マネージャーになりたいですか?」
「はい。なりたいです」
…即答
それもそうだ。私がマネージャーになるずっと前から彼女はそれを希望していた
「解りました。マネージャーになるには社長が出す試験に受からなければいけません。その前に…新店で山村の指導を受けてください」
「解りました」
川崎さんははっきりとした口調で答えた
…これは意外な即答だった
『新店でのシフトは改めて知らせます』
加藤さんはそう言うと川崎さんを仕事に戻した
「…もう一度聴くわ…お前、彼女の指導やれそうか?」
「はい」
「俺の考え過ぎかも知れないけど…」
「何でしょう?」
「川崎さんとお前って…お互い『鬼門』だよな」
はい正解!加藤さんに1000点
「社員になる以上、そんな事は言っていられませんからね。マネージャーになれるかどうかは彼女次第ですが…私は自分の持っているものを出す事は惜しみません。ご心配なく…」
「…そうか。頼むぞ」
加藤さんは私の言葉に少々面食らっていた
ちょっと格好つけて『加藤風』に言ってみちゃった
…気合い入れないと
「加藤です。手があいたら館山副店長に2階に上がってもらってください」
…今度は何!?
「川崎さんの研修をする前に言っておかなといけない…」
加藤さんは私ではなく自分自身に言い聞かせるように言った
…コンコン
「失礼します。館山です」
館山さんも川崎さん同様、直ぐに2階に上がって来た
「下は大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
館山さんは加藤さんの前に静かに座った
「…山村、少し席を外してもらって良いか?」
「分かりました」
私は下に行っておこう…
「加藤部長。山村さんにも同席してもらいたいのですが…私には聴かれて困る話はないです。川崎についても、指導をしてくれる彼女の意見を聴いておきたい」
「…分かりました。山村、座って」
「…はい」
加藤さんは、川崎さんの意思確認のもと2週間の研修をする事にしたと…館山さんに告げた
「迅速な対応…ありがとうございます」
館山さんはまた頭を下げた
「館山副店長…どうして益田店長に相談しなかったんですか?」
加藤さんが切り出した
「彼女から直接相談を受けていたのは私です。やる気のあるスタッフの意思を伝えるのは上司の務めです」
加藤さんは小さく頷いた
「館山副店長の言い分は解りました。では会社組織としてはどうですか?…貴方の上司は益田店長です…少し順番が違ったとは思いませんか?」
…加藤さんが私に聴かせたくなかったのはこの部分だ
私は館山さんを見た
…館山さんは微笑みながら言う
「加藤部長…貴方もそうやって上にあがって行ったんじゃないですか?」
「…正直に言うと私は加藤部長が羨ましい。貴方の能力は認めています」
館山さんは静かに言った
「…でも、さっきの口振りと今回の行動には何か他に言い分があるんですよね?」
…加藤さん…挑発はいけません
「自分が上にあがって最高の能力を発揮する為にはそれに賛同する部下が必要です…加藤部長にはタイミング良く山村さんがいた。だから彼女を自分と一緒に引き上げた…会社の利益を優先するには、時に組織の枠を外れる事もあるでしょう…それは貴方を見て学んだ事でもあるんですよ」
加藤さんは館山さんの話に口を挟む事なく…じっと動かない
…やっぱり…下に行っておけば良かった
「山村さん」
突然、館山さんに名前を呼ばれて驚いた
「はい、何でしょうか?」
冷静に…冷静に返事をする
「川崎を宜しくお願いします…少し気が強い部分があり、ご迷惑をおかけするかも知れませんが…本店に必要な人材です。貴女にお任せします」
館山さんは笑顔で言った
「館山副店長のお気持ちは良く解りました…では川崎さんの事は山村に一任します。山村、頼むな」
「はい、本店のお役に立てるよう努めます」
「それから館山副店長…最後に私から良いですか?」
加藤さんの声色が微妙に変わった…
…きっとまた『何か』言う気だ…
「…川崎さんと山村は違う人間です…もし少しでも山村のコピーを欲しいとお考えなら…川崎さんをマネージャーにしても失敗するでしょう…そして私と貴方も違います。…館山副店長の活躍を期待してますよ」
加藤さんは『売られた喧嘩』を買ってしまう人だ…
「ご忠告ありがとうございます。では宜しくお願いします」
館山さんはやっぱり笑顔だった…
パタンッ…
静かに館山さんは退室した
「…山村」
「はい…」
顔が怖いですっっ
「何か…お前まで巻き込んで悪かったな」
あれっ…何で謝るのかしら?
「よっぽど俺の事が気に入らないんだなぁ…あの人。まっ、会社の為になるんだったら気に入られなくても構わないけど」
「私…頑張りますから」
「当たり前だ。お前も今まで通りって訳にはいかないからな…やるなら上を目指せ」
加藤さんは私の頭をグリグリし髪をぐちゃぐちゃにした…
これは八つ当たりだっ
…私は今、加藤さんのお迎えを待っている
『そう言えば今日さぁ、地元のツレが家に来ることになってるんだ。お前どうせ夜は暇だろ?家に来い』
社員ミーティングが終わり、当たり前のように決められた私の『夜の予定』…
『勝手に決めないでください。これは職権濫用じゃないですかっ』
…言えなかった
ホントは今日の出来事を少し整理して起きたかった…
川崎さんをマネージャーにする話しは他の人同様、私も寝耳に水だった…
…館山さんはどうして私に言ってくれなかったんだろう
―パァンッ…
短く車のクラクションが鳴った
公園の向こう側に加藤さんの車を発見
私は走って夜の公園を横切った
「買い出し行くぞ」
加藤さんはそう言うと車を出した
『地元のツレ』は3人来るらしい…
「俺も何で急にアイツらが来るって言い出したか…分からないんだよな」
加藤さんの『地元』はここではない
ここから車で4時間はかかる隣の県
大型スーパーに立ち寄りアルコールやおつまみを購入…
って言うか…どれだけ呑むおつもりで?
『お邪魔』するんだから手土産くらい持って行かなきゃ…
私はテナントで入っているお菓子屋さんでケーキを買った
奥さんとも初めて会うし…チビちゃんも喜んでくれるかな…
「…お前それ何?」
「ケーキです」
「……ふ~ん」
買い物を済ませ『加藤家』に着いた
電気がついている
「アイツら…勝手に上がり込んだな」
駐車場には大型の四駆が停まっていた
「ちょっとその先に車を停めて来るから荷物運んどいて」
そう言って私は大量の買い物袋と共に車を降ろされた
いきなり入って行く訳にもいかず玄関の前まで袋を運んだ
―ガチャッ…
「…どちら様?」
声と共に玄関のドアが開き飛び上がるくらい驚いた
「いつもお世話になってます…あの私、加藤さんの…」
「僕はお姉さんの事お世話してません」
…んっ!?
恐る恐る顔をあげると知らない男の人
ジッとこっちを見ている
「…俺は諭のツレ…君は…誰…かな?」
「私は加藤さんの部下です」
「………」
「………」
ぷっ…と『ツレ』が笑った
「お~い、諭の部下だってよ」
中から『ツレ2号』と『ツレ3号』が出てきた
「諭さん部下なんかいるんですねぇ」
「想像出来ないな…」
『ツレ』恐い………
「…悪かったな。頼むから20歳のガキに絡むなオッサン達」
加藤さんっっっ
「…お前ら、人の家勝手に上がるなよ」
「だって鍵開いてましたよ」
「えっ…開いてた!?どっか窓から入ったかと思った…」
「玄関開いてなかったら、窓から入ったかもなぁ」
「って言うか…二人共、中に入れば?」
『ツレ1号』に言われて私と加藤さんは家に入る
『ツレ1号』は口振りから加藤さんと同じタイプだ
『ツレ2号』は…後輩だな
『ツレ3号』は高校の同級生かな
「ビックリしたろ?オッサンが出て来て」
加藤さんが無邪気に笑う
「加藤部…加藤さん、…奥さんとお子さんは?」
皆が一斉に私を見た
えっと…何かおかしい事…言いました?
「言ってなかったか?実家に帰ってるから居ないぞ」
「…奥さんの実家ってご近所でしたよね。何か用事でも?」
「用事じゃないな。俺に用がなくなったから帰った」
―ゴトン…ゴロゴロゴロ…
居間のテーブルで袋を開けていた『ツレ2号』がビールを落とした
「何やってんだよ祐輔…泡噴くだろ」
加藤さんがキッと睨む
「そうですか」
「そうだ」
私は居間に移動し袋の中身を出すのを手伝った
加藤さんは冷蔵庫に手土産の『ケーキ』をしまう
「…君、名前は?」
『ツレ1号』からの質問
「山村サキと言います」
「サキ!?」
『ツレ2号』の驚いた声に…驚いた
「啓太…うるさい」
加藤さんのイラっとした顔…
「こいつに用が無くなった奥さんの名前…咲さんなの」
『ツレ1号』がサラッと言った
「尚人、ビールで良いよな?」
加藤さんはお構いなしに『大宴会』の準備を進めていた…
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