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レス476 HIT数 22519 あ+ あ-

なおさん( 40代 ♂ eqOJh )
17/08/19 22:59(更新日時)

  _ - '" ̄ " -、
 _/  _=ニニ=_ \
/  "´  `゙ 
| /       /∥
|/  // ノノ !ト、
||_∠∠ノ-'ー'_ -H-、
ヾ_ヘヲ rーヾ ィーヾヽー
  ハハ ヾ;リ ,ヾ;ノ ハ)
7 ノ ∧  、   /ハ
レノ ヘ  ー  / ゝ
ノ ノ ヽ、 _. ィ ノ/
ノ ノ _j二二(Y)ノ
 ,―ァ /   i!ー、
´ r/ | _ ,.| |ヘ
 //  !   / i|
.//   |  /  i|
//_.  i /  i!
  `ヽl // ̄⌒
     Y

16/12/13 21:15 追記

🎵「食人鬼グール」
始めました~。

16/12/17 22:53 追記

話のこしを折るとか、中断するとか気にしないでコメントどうぞ~🎵

No.1158428 09/03/27 16:22(スレ作成日時)

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No.401 17/02/04 01:11
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 400
部屋を後にしたグールは妙な胸騒ぎを感じた。
建物を出る寸前だった。
「おい!堤、幸雄の所に戻るぞ!」

「おい、今出てきた所だろう」

「嫌な予感がするんだ!」
グールが部屋の前に来るとその光景に驚愕した。
差し入れされた包み紙に遺書を書いて、紐を使い首を吊っていた。

グールはすかさず短剣を投げて紐を切り、幸雄の蘇生を試みた。
「幸雄!しっかりしろ!まだ死ぬな!還って来い!」
心臓マッサージと人工呼吸を繰り返した。
グールの思いが掌から光りを送っていた……。


「ゲホ、ゲホ、ゲホ」
幸雄が息を吹き返した。
「偉いぞ幸雄よく還って来た、おじさんが追い込んだせいだ、ごめんな」

「ウゥ、ウワーン嫌だ!本当は死にたく無いよう!」
「お前は何も心配するなおじさんに任せておけ!」

15歳の少年が、誰にも何も相談出来ないまま自分が全てを被る事で母親や弟妹達を守ろうとしたのだ。
グールは怒りに震えた。
「堤、暖かい部屋を用意して今夜はこの子の側にいてやれ!」

グールは何か計画を立てているようだった。

No.402 17/02/12 13:36
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 401
翌日幸雄の葬儀が行われた。

家族や関係者が集められ学校の同級生も集まった。
棺桶の中で眠る幸雄に同級生は次々と声をかけた。
泣いている女子学生がいた。

普段はあまり話をした事の無い男子学生は、幸雄の無念に泣いた。

両親は気が抜けたように呆然としていた。

市長とその息子は安心から含み笑いが出ていた。
金髪は、次は誰を虐める対象にするか物色していた。

No.403 17/02/12 13:50
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 402
中谷功、孝治親子も参加していた。
竜神会のごろつきも参加していた。

借金の件で話をつける為に、グールは弁護士を用意していた。
市長はにこやかに名刺を渡し挨拶している。

No.404 17/02/12 13:57
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )


黒岩重、忠親子は葬儀が終わる前に、退席しようとしていた。

「ちょっと待ってくれないか」
グールが声をかけた。
他に人がいなければ殴り倒していたかも知れない。
溢れる感情を抑えてグールは静かに、市長親子を止めた。

No.405 17/02/12 21:48
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 404
グールは、懐から菓子折りに書かれた遺書を取り出した。

「皆さん、幸雄が書いた最期の言葉です、どうか聞いてください」

黒岩親子は動揺した。

中谷親子は舌打ちした。
幸雄の両親と同級生は、静かに聞いていた。

No.406 17/02/12 22:07
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 405
お父さん、お母さん先に逝く不幸をお許しください。
お父さん、いつだったか公園でキャッチボールしたのを覚えてますか?
僕はとても楽しかったです。
ありがとうございました。
お母さん、僕が風邪を引いた時に、作ってくれたおじや、とても美味しかったです。
弟妹とケンカしてお兄ちゃんなんだから我慢しなさいと言われた事がありましたね。
僕はその時とても悲しかったです。
今は分かります。
大切な家族は守らなければなりません。
お母さんがパートで遅くなる時は、代わりにご飯を作りました。
あまり上手くなかったと思います。
それでも美味しいと言ってくれてありがとう。

同級生の皆さん、僕は逃げてしまいました。
悲しい思いをさせてごめんなさい。

どうか僕の分まで幸せに生きてください。

本当にありがとうございました。

No.407 17/02/12 22:28
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 406
最後の方は同級生のすすり泣く声が聞こえてきた。
グールも、遺書を読みながら泣いていた。
「幸雄は、幸雄はよ~最後まで自分が罪を被った事を誰にも遺書にも書かなかったぜ」

人殺し……

誰かがぼそっと言った。
「誰だ!今何て言った!」
金髪こと中谷孝治が睨んだ。
市長のアダ名をつけてる黒岩忠はうろたえた。

「俺じゃないぞ、やったのは金髪だ!」

「うるさい!元はお前の計画じゃないか!」

金融屋の中谷功は、幸雄の父親を見て言った。
「これは、無かった事にしてよろしいな!キッチリ払ってもらいますよ」

「ちょっと待ってください」
弁護士が割り込んできた。
「中谷さん、不法な利子です、過払い金が発生してますよ」

幸雄の父親は安心して嬉しそうに喜んだ。

それを見てグールは近寄り、一喝した。
「テメエ!それでも父親か~!」
グールがまさに殴ろうとした時、制止する声がした。

「お父さんを殴らないで!」
棺桶の蓋が明き、幸雄が起き上がった。

No.408 17/02/12 22:51
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 407
「幸雄!」

後は声にならなかった。
母親は幸雄にしがみつき大声で泣いた。

同級生も駆け寄った。

ばつが悪そうに竜神会のごろつきと市長親子、金融屋親子は、外に出た。
グールも後を追いかけた。

「最後の仕上げが残っているぞ」

「うるさい!こんなの自白になるか!」

「それだけじゃないぞ」
堤が証拠を固めて、逮捕状を持っていた。

「さて、ここなら遠慮なく暴れさせてもらうぜ、イッツショータイム!」

電光石火の早業でごろつきを次々倒していく。
金融と市長の頭にアイアンクローを噛ませた。
ゆっくりと倒れる二人だった。
金髪は親父を見捨てて逃げようとした。
市長の息子は、腰を抜かしてオシッコを漏らした。
「テメエの罪を思いだせ!」
金髪の頭を後ろから空気アイアンクローを噛ませた。
金髪の脳裏に、焼き殺されたじいさんや犬たちの泣き声が聞こえた。
やがて崩れるようにたおれた。

No.409 17/02/15 21:16
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 408
ゴキュゴキュゴキュ……
ぷは~

「ビールが旨い!」
ご機嫌で飲んでるグールに堤が話しかける。

「グール、酔いつぶれないでくれよ」

続けて話した。
「幸雄の親父は心を入れ替えたように仕事を頑張っているようだ、過払い金が一千万返ってきて事業を立て直したらしい」

「そうか!良かった」

「市長は退任している」

「そうか!良かった」

「金髪と市長息子のいない学校は平和になり、明るくなったようだ」

「そうか!良かった」

「お前、さっきからそればかりだぞ」

「そうか!良かった……」
「寝たな」

堤の隣で安心して寝ているグール。

勿論、最初から仲が良かった訳じゃない。

そう、あれはグールが初めて日本にやってきた時の事である。

No.410 17/02/18 09:11
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 409
その頃世界各地の海で漁船の網にコンクリートで固められた水死体が発見される事態が起きていた。

日本も例外なく捜査中に海外ブローカーが上がってきた。

No.411 17/02/18 09:29
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 410
難民に生活の場所を提供する。

聞こえは良いが密入国ビジネスが主流で、金を払えない貧困層は自分の身体を切り売りしていた。

No.412 17/02/18 15:15
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 411
無事に入国して仕事にありつける者は、まだ良い。
ほとんどの者は身体から必要な臓器をすべて抜き取られ人間の原型が分からない姿にされ、コンクリート浸けにされ海に廃棄されていた。

No.413 17/02/18 19:02
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 412
グールも他の難民と一緒に日本にやってきた。

元はグール族の皇子であり、金を持っていたのだから正式なビザを使いパスポートも所持していた。
中東の顔つきだけで勘違いされ、安い二等客室に入れられ船旅をする羽目になる。

No.414 17/02/19 23:36
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 413
「それにしても眠りにくいなここは」
グールが愚痴をこぼしていると、隣に座っていた青年が話しかけてきた。
「貴方も日本に仕事ですか」
にこやかに話しかけてきた青年、ブラジルからきたカルロスと名乗った。
「俺の名前はグール、アラブ人だ」



注)勿論、それぞれの言語ですが、すべて日本語です。

No.415 17/02/19 23:46
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 414
その頃、堤達捜査1課は次の密航船が着く場所を探しだして待ちかまえていた。

「堤、油断するなよ!」

上司の通称元さん、風貌が大工ぽいらしい。

「元さんこそ年なんだから無理しないでよ」

「まだまだ若い者には負けんわい」

談笑していた。

No.416 17/02/24 20:32
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 415 A埠頭は、穏やかな風が吹いていた。

グールと青年カルロスが話しているとアメリカ国籍で黒人の老人が話しかけてきた。
「あんた達希望があるのかい」

「はい、日本でいっぱいお金儲けして故郷に仕送りするのです」
嬉しそうに話すカルロスとは反対にグールは首を降りながらうつむいた。
老人が話す。
「グールさんとやら、何か訳がありそうじゃのう、もうそんな心配なんかいらんわい」

「そうですよ、日本に着けば良い事ありますよ」

「だと良いがな…」

老人が続けた。

「この船は別名、幽霊船と言ってな生きて帰った者はいないそうだ」

「もうすぐ港に着くようだ、最期に若い者と話が出来て良かったよ、さようなら」

グールは、ガスの臭いに気遣いたが、手遅れだった。
船内の客室にいた者は全員深い眠りについた。

No.417 17/02/25 22:38
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 416
密入国斡旋を行っている組織の名前は、[鮫頭]
シャークヘッドだ。

鮫島と言う男が代表を務めている。
密航船、[希望丸]がB埠頭に着いた。

埠頭にある倉庫、外観はもう使われていない錆びた倉庫だが、中に入ると地下に降りるエレベーターがあり近代設備と医療用器具が揃えていた。

中では、若いインターンが働いていた。

No.418 17/02/26 12:00
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 417
インターンを派遣しているのは、ある大学病院だった。
裏口入学で入ったは良いがまったく使えない学生に、現場の厳しさと本物の生きた人間を使い勉強させていた。
事実この現場から輩出された優秀な医者はたくさんいて、臓器売買により多くの患者が救われた。

No.419 17/02/26 12:18
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 418
最初の頃は、提供者の希望にそうように報酬も僅かながら渡されそれを元手に日本で仕事して故郷に送金する者がいたが、麻薬患者や手術ミスにより死亡する提供者が現れ事実が外部に漏れるのを防ぐ為に闇に葬られるようになった。

No.420 17/02/26 18:35
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 419
A埠頭で張り込みを続ける堤達がいた。

「元さん、やつら着ませんねガセネタじゃないんですか」

「堤、お前はまだ若いな」
「今さら何言ってるんですか」
その時堤の携帯が鳴った。
「何だって、B埠頭かよ!」
堤は携帯を左の懐にしまうと元をうながした。
「元さん、B埠頭に向かいましょう」
「堤、実はなこういう事なんだ」
車から降りるよううながしている先輩刑事の手には銃が握られている。

「元さん、冗談は止めてくださいよ」

海を背にじりじりと後退する。
「堤、俺の親戚の子供が例の場所でインターンをやっているんだ、それにな俺も色々と物入りでな、スマン許してくれ」

堤は先輩刑事に左胸を撃たれて海に落ちた。

そこに、鮫頭の傘下にある竜神会のごろつきがやってきた。

「始末はついたようだな、鮫島の社長から伝言だ、使い終わったコマに用は無い!」

元刑事も銃で撃たれてその場に倒れた。

「お前は知りすぎたんだよ」
元の目にごろつきが去って行く様子を見ながら自分の人生を振り返っていた。

No.421 17/02/26 18:48
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 420
海上でしばらく気を失っていた堤が岸にたどり着いて倒れている元を見つけた。

「元さん、あんた俺を助けてくれたんだな!」

ワザと携帯を撃ち、堤を海に落とす事で銃撃戦から堤を守ったのだ。

「早く病院に行きましょう」
「いや、もう良いんだ親戚の話は本当だ、堤未来ある若者達を地獄から救ってやってくれ、最期にお前と組めて俺は幸せだった……」

堤の腕に抱かれて老刑事は亡くなった。

「チクショウ鮫島!俺を怒らせた事を後悔させてやる」
堤はB埠頭へと車を走らせた。

No.422 17/03/01 00:01
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 421
「何処だ…ここは…」

グールが目を醒ますと何故か鉄格子の中にいた。
ふらふらと格子に掴まり立ち上がると驚愕の光景があった。
その場で思わずうずくまり嘔吐した。
そこにあったのは船内で話をした老黒人を解体してドラム缶に納めている作業だった。
「お前ら…それでも…人間…か」
麻酔ガスで身体が痺れて声も上手く出ず、力がまったく入らなかった。
中には3人のインターンと見張りのチンピラがいた。
「随分早いお目覚めだな、タフな野郎だ」

「もう…こんな事…は…止めて…くれ」

「お前グールって名前だってな、たしか食人鬼グールって神話見た事あるぞ」
グールは黙って答えない。
「人間の死体見てゲロ吐く食人鬼なんかいる訳無いよな、苦しいか?地べたで寝てろや」

次の人間が運びこまれた。
カルロスだ。
グールは格子を揺さぶり訴えた。
「頼むから…止めて…くれ」
「やかましい!これでもくらえ!」
チンピラは、床を掃除したバケツに入った血をグールに浴びせかけた。

No.423 17/03/01 00:22
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 422
カルロスの身体にメスが入れられるその時、低く唸るような声が制した。
「止めろって言ってんだろうが!」

グールは自分の生い立ちを憎んでいた。
食人鬼の血を引き継いだ悲しい運命(さだめ)を、
しかし今はこの体質に感謝している。
浴びせかけられた血を皮膚が吸収して全身が赤く染まった姿はまるで赤鬼のようだった。

鉄格子を掴むその手に力が入った。
メキメキと音を立て飴のように曲がっていく。

「ひい!化け物!」

「自分で血をかけておいてそりゃないぜ」

チンピラがグールに発砲するが何も無いように近づいてくる。

「殺しはしねえよ」

グールはチンピラの頭を掴むと持ち上げた。

No.424 17/03/01 22:19
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 423
「そこまでだ!警察だ大人しく投降しろ!」

全身びしょ濡れの堤がグールに銃を向ける。
「今頃ノコノコやって来やがって、遅いんだよクソ役人が!」

「刑事さん、助けてください、殺される!」

「おい!そこの男ゆっくり降ろせ!」

「うるさい!今からコイツに聞く事があるんだよ!」
「分かった!何でも話すから助けてくれ」

「いや、喋る事無いぞ脳に直接聞くから」

グールがチンピラをスキャンする前にべらべらと話し出した。

「俺に良い所見させろよ!」
「取り込み中悪いがタオル貸してくれ」

「何だ、お前泳いできたのか?」

「やかましい!こっちにも色々と事情があるんだよ」
「変なやつだな」

「うるさい!」

No.425 17/03/02 23:43
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 424
「良かったらこれどうぞ」
部屋の隅っこで震えていたインターンの一人が堤にタオルを渡した。
「ありがたい、だが取り調べは受けて貰うぞ」

「いつまでこの部屋にいるつもりだ、幹部や中間が大勢やって来るぞ」
チンピラは出来るならこのまま堤に逮捕されてでも部屋を出て行きたかった。

「そこの男!お前も一緒に来るんだ、取り調べる」

「断る!大勢のお客が来るならもてなさないとな」
グールは堤を無視して暴れるつもりだ。
「銃撃戦になる前に避難してろ、俺なら大丈夫だ」

「警察の仕事だ!素人は引っ込んでろ」

お互い譲らず警官隊の応援が来る前に、ヤクザの団体客が到着した。

No.426 17/03/04 05:23
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 425
「やれやれ、おい役人!お前の銃に弾は入っているのか?」

「めったに銃撃戦なんてやらないからな、ナンブの銃は5発だよ」

「威嚇して終わりって少なくとも予備の弾50発ぐらい持ってこい!」

「うるさい!お前こそ素手で闘うつもりかよ」

「それが俺の闘い方だ!相手から銃を取り上げて渡すから死ぬなよ、それと殺すんじゃないぞ」

「法治国家の刑事を舐めるなよ、おいチンピラとインターンはこの部屋から出るなよ片付いたらコンテナの難民を保護する」

堤とグールは上の階に上がり待機した。

No.427 17/03/04 08:16
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 426
堤は身体を隠せる場所を探す。

グールは倉庫の真ん中で不動の姿勢で立っている。
「おい!素人隠れろよ!」
「必要ない!俺は死なない!何故なら俺は食人鬼グールだからだ!」

「お前、鬼なのか?」

「俺を鬼と呼ぶな!鬼神と呼べ」

「ハイハイ」

堤は半分投げやりになっていた。

「来たぞ!」

30人ぐらいの団体客が到着した。

「何の騒ぎじゃ~コラァ!」
こんな時のグールは楽しそうである。

「イッツショータイム」

グールは走りだした。

No.428 17/03/04 18:30
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 427
一斉にグールに向かって発砲してくる。
グールはまるでダンスをするように弾を避け、時にはワザと身体に当てたりしながら銃を奪い堤に投げてよこした。

「危ないじゃないか!弾が出たらどうする!」

「よくみろ安全装置は掛けたよ」

堤が銃を手に取って見ると確かに銃撃戦の最中に装置を戻している。

「下手に気を使うんじゃないよ、そのままよこせ!」
「そうかい、ほらよ」

グールの投げた銃が堤の足元で暴発した。

「危ないじゃないか~コラァ」

「もうすぐ終わるからそこで隠れてろ!」

グールが最後の一人にアイアンクローを噛ませた。

「お前の罪を思い出せ!」
グールに情報を抜き取られると男は気絶した。

「終わったな、お前器用なやつだな、サイコメトラーか?」

「いいや、俺がスキャン出来るのは生きてる人間だけだ、物に宿る残留思念までは読み取れない」

「次の獲物が待ってるぞ」
警官隊を後にして二人は鮫島の会社に向かった。

No.429 17/03/05 22:52
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 428
二人が鮫島の会社に到着するとそこはもぬけの殻だった。
「チクショウ!一足違いかよ!」

堤は地団駄を踏んだ。

「待て!社長室に人の気配がする」

グールが感覚を研ぎ澄ました。
「こっちだ!」
二人が社長室に行くと鮫島の胸にはナイフが刺さっていて、側に女が手を血に染めて茫然と立っていた。
「動くな!警察だ!」

「待て!堤、間違いと言う事もある」

「わたしよ……」

つぶやくように女が言った。

No.430 17/03/08 21:47
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 429
よくある痴情のもつれと言うやつだ。
ホステスをしていた女が後輩の女に横取りされて、別れ話のもつれから発展した殺人だった。
犯罪に手を染めて財産と地位を築いた男は女の嫉妬によってその生涯を終えた。

「なあ、堤俺たちのやった事は正しかったのか?」

「気にするな、例え裏口入学のインターンが腕を磨ける場所が無くなっても難民が無慈悲に殺されるのを防いだんだ」

「これからは正式なドナー登録で運の良いやつだけが助かるだろうな」

「それも又人生だよ」

No.431 17/03/10 19:31
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 430
堤からの連絡を受けて、俺はいつもの居酒屋に来た。

「おーい、こっちだ!まあ座れ」

「何だよ、俺だってそんなに暇じゃないぞ」
俺は席に座るととりあえずビールで咽を潤した。
「旨い!」

「早速で悪いがこれを見てくれ」

「酒の席で仕事の話か?粋じゃないねえ~」

「只とは言わん!今夜は奢りだ」

「乗った!」

俺は堤の報告書に目を通した。
そこには、にわかに信じられないような事が書いてあった。

No.432 17/03/11 15:14
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 431
被害届に書かれていた名前は[佐伯洋子]
あるレイプ事件の被害者だ。
彼女は異星人によってUFOに拉致され暴行を受けたようだ。
さらには妊娠しているらしいが、胎児は確認出来ない。
脳波の検査では嘘はついていないようだ。

「そこでグールの出番と言う訳だ」

「俺にエイリアンと闘えと言うのか?」

「違うよ!お前の能力で真実を知りたいんだ」

「堤、宇宙人の存在を信じないのか?」

「俺だって信じない訳じゃないよ!現にエイリアンみたいなやつが目の前に居るし」

「そうそう、俺はエイリアンって、違うよ!」

乗り突っ込みが上手くなっていた。

No.433 17/03/11 17:11
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 432
堤とグールは佐伯洋子の話を聞く事にした。

初めはグールの事を怪しがっていたが、家に通した。

「どうぞ、おかけください」

洋間の応接室にある大きなソファーに座った。

「おい、堤凄い家だな」

「こら!口を慎め!失礼だぞ」

No.434 17/03/11 17:18
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 433
「それより、アイアンクローは必要なのか?」

「いや、必要ない身体の一部に触るだけで良いぞ、手を握るだけで良いし頭に手を乗せるだけでも良い」

「アイアンクローは何だ?」

「俺の趣味だよ!悪党にはあれぐらいがちょうど良いんだよ」

No.435 17/03/11 17:27
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 434
そこへ、洋子がお茶と茶菓子を持って来た。

「それではもう一度確認します」

「何度言っているじゃないですか!私はエイリアンにレイプされたんです、こんな事女性の口から言うのはつらいのですよ!」
「まあ、落ち着いてください、グール頼む」

グールは立ち上がると洋子の頭に手を置こうとした。
「止めてください!変態!」
グールは一瞬固まった。
隣で堤は笑いを堪えている。

No.436 17/03/11 18:57
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 435 「実はですね、こいつは高性能の嘘発見器を身体に仕込んだサイボーグなんです」

「それって嘘ですよね」

「嘘です、本当はスキャナーなんです、あなたが宇宙人の事を信じてほしいなら、こいつの事も信じてください」

「分かったわ、痛くしないでね」

「イヤイヤ、別にエッチする訳じゃないぞ」

「当たり前だ!」
堤と洋子二人同時に答えた。
気を取り直してグールは洋子の頭に手を置いた。
グールの脳裏に映像化されたビジョンが流れてくる。
見た目はよくあるグレイタイプの宇宙人だが、青い目をして金髪だった。
「確かに、宇宙人だ」

「本当にか!」

これには堤が驚いた。

「あの…犯人を逮捕してくれるんですよね」

「警察としても最大限の努力はします、宇宙用のパトカーはありませんが!」
堤は半ば諦めたように席を立った。
「これで我々は失礼します」
堤とグールは佐伯邸を後にした。

No.437 17/03/12 09:28
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 436
「なあ、グール本当に宇宙人だったのか?」

「俺の能力は確証済みだろう、それよりも金髪碧眼のエイリアンってのはいるのか?」

グールは以前テレビ番組で視たグレイタイプの宇宙人を思い出していた。
「宇宙は広いからな、確か金星人タイプが西洋人に近い姿だったような記憶があるぞ」

「お前、本物に会った事あるのかよ!」

「子供の頃に視たテレビだよ、当時のテレビはそういった番組が多かったんだよ」

「お前もアテにならんな」
「うるさい!それよりも彼女の交遊関係を調べるよ」
「俺は金髪エイリアンを調べる、もしも闘いになったら宇宙戦争勃発だな」

「冗談じゃないぞ、お前ウルトラヒーローじゃないぞ」

「分かってるよ、じゃあな」
不安を感じながら別々に調査が始まった。

No.438 17/03/12 12:18
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 437
堤はまずドクターの所に行き妊娠の経過について聞いた。
彼女の体液からDNAを調べると白人男性の物だったが、妊娠はしていないようだ。
それでも彼女のお腹は太った訳でも無いのに少し膨らんでいた。

No.439 17/03/12 12:53
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 438 グールはUFOが着陸していたとされる場所を調べていた。
だが何処にもそれらしい形跡は無かった。
ミステリーサークルの類いも残って無かった。
しかし気になったのはその場所から米軍基地が近い事だった。
「こんな時にUFOオタクの知り合いでもいれば情報が簡単に手に入るんだがなあ」
グールはとりあえず米軍基地の側まで行ってみた。

No.440 17/03/12 13:46
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 439
「さて、近づいてみたは良いがいきなりUFOがこの辺りにしませんでしたか?なんて聞くのも変だし、俺の顔立ちは思いきりアラブ人だしイスラム系テロリストに間違いを受けかねないな」

グールはこの辺りにある大型ショッピングモールで休憩する事にした。

喫茶コーナーのベンチに座っていると休暇中の米軍軍人が入って来た。

グールは変装用の眼鏡を買い、近づいて尋ねた。

No.441 17/03/12 22:06
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 440
「すみません、ちょっとお話し良いですか?」

二人連れの軍人はいぶかしげにグールを見ていた。

「けして怪しい者ではありません、実は最近UFOがこの辺りに出たと言う噂を聞いてやってきました」

「なんだ、UFOの話か、この辺りは米軍基地があるんだ出たらレーダーにとらえているよ」
連れの軍人も続けた。
「俺もその手の話は嫌いじゃないが聞いた事無いな、力になれなくてすまないな」

「いえ、どうぞお構い無く有り難うございます」
気さくに答えてくれる軍人にいささか拍子抜けしたグールだった。

No.442 17/03/12 22:22
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 441
堤は洋子の友人から最近別れたばかりの男が居た事を突き止めた。

名前までは知らないようだが、米軍基地に滞在しているようだった。
「さて、どうするかな?」
これがもしもレイプ事件なら、外務省を通して話をしなければならなかった。
日本国内で起きた事件でも、日本では逮捕出来ないからだ。
「厄介だが、エイリアンの線は無いな」
堤は洋子に記憶障害の可能性があるとみた。

No.443 17/03/19 22:06
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 442
グールは堤と合流してお互いの成果を確認した。
「こちらは、UFOに関して何の情報も無いよ」

「こちらは米兵の彼氏が居たようだな、名前はまだ分からない」

「それよりもその資料は何だ?」

「見ても良いが切れるなよ」

堤は過去に日本国内で起きた米兵によるレイプ事件とその後に取った政府の対応について説明した。
廻りの気温が上昇しているかのように、グールは顔を真っ赤にして頭からは湯気が出ていた。

No.444 17/03/22 20:50
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 443
堤はバケツに氷水を用意してグールの頭から掛けた。

「ツメテー!やい堤何しやがる!」

「落ち着けグール、それは戦後間もない頃の資料だ」
「それでも、こんな非道い事が事実あったんだな」

「そうだ、日本は敗戦国で言いなりだったからな」

「今からちょっとアメリカに戦争しかけてくる!」

「馬鹿!当初の目的忘れるな!」

「すまん」

「それより、見学ツアーで中に入れるようだ、女の記憶が確かならこんな面倒は要らないがな」

「中に入って、手当たり次第握手して情報集めだな」
「ビンゴ!ただしソフトにだ!」

「分かった!基地内では暴れ無い」

「外でもだ!」

堤は内心不安ながらも見学ツアーの手続きをした。

No.445 17/03/25 13:21
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 444
堤とグールは、一般のツアーに参加した。
ここでは刑事の身分を隠していた。
日本人の広報担当者が説明する。
堤とグールは手当たり次第に米兵と握手していった。

No.446 17/03/25 17:01
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 445
「なあ、堤何でお前まで握手しているんだ?」

「二人連れで片方がしなかったら変だろう」

「金髪美人が相手だと、握手する時間長くないか?」
「お互い様だな」

「言えてる」

これが男の性と言う物です。

No.447 17/03/26 21:41
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 446
握手を繰り返して集めた情報によると、男の名前はジョン・ウォータム。

「ウォータムだけに飽きが来たなんてな」

「堤、いまいちだぞ」

堤は笑ってごまかした。

No.448 17/04/01 15:16
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 447
握手を繰り返して集めた情報の中に、奇妙な事に気付いた。
佐伯洋子がエイリアンと関わっていたとされる時間帯に、何人かの軍人の記憶が消えていた。

佐伯洋子のお腹は、三週間だと言うのにまるで臨月のようになっていた。

No.449 17/04/01 15:26
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 448
たとえ想像妊娠だとしても、実際にお腹が膨らむ事はあるが、三週間で臨月間近になるなんてあり得なかった。

「おい堤、こりゃ本当にエイリアンが関わっているかも知れないぞ」

「嘘だろう~お前宇宙人相手に戦争するつもりか?」
「それは向こうの出方しだいだが、地球人の常識では分からないからな」

「本意がどこにあるのか、何故佐伯洋子が選ばれたのか?だな」

No.450 17/04/08 10:58
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

>> 449
二人は佐伯洋子の元彼、ジョンウォータムに会いに行った。

「とは言え、いきなり面会を求めてもむずかしいな」
グールが思案している時に都合よくショッピングモールの二人に出会った。
「やあ、その後もUFOの調査かい?」

「はい、こちらは助手の堤です」

「どうも、助手の堤です」
(何でお前の助手なんだよ)
堤はグールの脇をついた。
思わず笑うグールに二人の米兵は微笑んだ。

「実はジョンウォータムと言う人物を探しているのですが心当たりありませんか?」
堤が口火を切った。

「それなら、俺たちが案内するよ、友達さ」
二人に連れられラウンジに着いた。

  • << 451 ラウンジでくつろいでいたジョンに二人連れから紹介された。 「実はこう言う者です」 堤はジョンに手帳を見せて正体を明かした。 「手帳のセールスマンじゃないぞ」 グールが茶化すとジョンは笑った。 「学者には見えなかったですよ、洋子の件ですね」 「最近別れたそうですね、何か理由があるなら教えもらえませんか?」 ジョンは宇宙人のレイプについて話しはじめた。
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