私、幸せになります✨
初めて携帯小説を書かせて頂きます😊
多くの方に読んで頂ければと思います。
中傷、批判は 辞めて下さい🙇
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☆☆☆あとがき☆☆☆
最後までお付き合いくださってありがとうございます🙇
なんとか…完結しました。
つたない文章で、読みにくい所もあったと思います。
改めてお詫び申しあげます。
そして…たくさんの応援のお言葉をくださった皆様、本当にありがとうございました。
こころ👸より🎵
自分の家に帰ったら…きっと…祐介を思い出して泣いているんだろう…って思ってた。
しかし…いざ帰ってみると…思ってた以上にやる事が多くて、祐介の事を考えている暇もないくらい忙しい日が続いた。
そして…落ち着いた頃…
心地よい晴れの日は、空の祐介に向かって
「私…幸せになります。歩と優菜と3人で…」
と呟くのだった。
☆☆☆完☆☆☆
私と…歩と…優菜の新しい生活がスタートした。
私の両親も、私達との生活を楽しみにしていてくれたのか…
私達の部屋に、歩と優菜の為の二段ベットが置いてあった。
私は…長い間、祐介の家にいた事で、両親が寂しい思いをしてたのかと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
私は…
「お父さん、お母さん、今までごめんなさい。」
そう言うと、お母さんは…私の肩に手を置くと…
「よく帰って来てくれたわね!ずっと…待ってたんだから…」
そう言うと…涙を流した。
私は…泣きながら…
「本当に…あり…ありがとう…ございます…」
そう言うと…お父さんもお母さんもお姉ちゃんも涙を流した。
私は…
「私…幸せになります」
そう言うと、お父さんもお母さんもお姉ちゃんも頷いた。
そして…お母さんが
「当たり前よ!幸せになってくれなくちゃ祐介も悲しむわよ!」
私は…お母さんの言葉に頷いた。
そして…自分の家に帰った。
祐介の家に戻ると…祐介のお父さん、お母さん、お姉ちゃんがいた。
私は…
「お父さん、お母さん、お姉ちゃん…今までありがとうございました。」
すると、お姉ちゃんが…
「妹が他人行儀な挨拶しないの!」
お母さんも続いて…
「そうよ!ここの家の一員なんだから…。いつでも帰ってきてね!」
お父さんも…
「歩くんや優菜の笑い声が聞けないのは寂しいなぁ…」
みんなの温かい言葉に、私は涙を堪える事が出来なかった。
そして、私は…優菜が叫んでいる方を向いて…
また…祐介に話かけた。
゛祐介…私…幸せになります゛
そう言うと同時に、優菜もまた…
「パ…パ、笑った…」
そう言ったのだ。
私は…きっと祐介が、゛頑張れ゛って言ってくれたのだと思った。
そして…祐介の家に戻った。
私も少し驚いたが…
優菜は、祐介の墓石に向かって、そう何度も叫んだ。
私は…祐介が来てくれていたのだと感じた。
そう…
祐介が息を引き取った時に歩が見たのも…
きっと祐介なんだと、今でも信じている。
何故…私には見えないのか…考えた事もあったが、きっと祐介が私の事を思って私の前には姿を現さなかったんだと…
そう思うようにした。
そして…私の新たなスタートを切る日が訪れた。
祐介が空から゛頑張れよ゛って言ってくれているかのように、眩しいくらいに太陽が顔を出していた。
私は…歩と優菜と三人でお墓に向かった。
そして…私は…手を合わせて…祐介に話かけた。
゛祐介…これからも…空からずっと…見守っててね゛
その時…
「パ…パ…パ…パ」
優菜が一生懸命 叫びだした。
すると…またお父さんが話はじめた。
「お母さん、泣いたらあずさちゃんが帰れなくなっちゃうだろう!」
お母さんは、泣きながら…
「そ…そうよね…」
「あずさちゃん…たまにじゃなくて、毎週 顔出してくれていいんだよ!」
そんな、お父さんの優しい言葉に、今まで我慢していた涙が溢れ出した。
「ありがとう…ございます…」
「いつ引越しするの?」
と…お母さんが聞いてきた。
「今月…いっぱいは、仕事が…あるから…来月…あたまの…日曜日かな…」
私は…泣きながら答えた。
しばらくして、私は…お姉ちゃんに電話で、この事を報告した。
そして…その日の夜…
祐介のお父さんとお母さんに 改めて挨拶をした。
「お父さん、お母さん、私ね…自分の家に帰る事にしました。」
お父さんもお母さんも、少し悲しそうな表情になった。
しかし、私は話を続けた。
「自分の家に帰るって決めたけど…優菜は、祐介の子だし…たまに、遊びに来てもいいですか?」
すると…お父さんは…
「いいに決まってるだろう!そうしてくれると祐介も喜ぶし」
「そうよ!でも…いつかは、こんな日が来るって構えたつもりでも、いざとなると行かないでって…」
お母さんは、泣き出してしまった。
そして…祐介の墓石に向かって話かけた。
「祐介…今日…ここに来たのは、祐介にさようならを言いに来たよ。今まで、祐介が死んでしまった事を認めたくなくて…祐介の家から離れられなかった。けど…やっと…前向きに考えられるようになったよ。だから、私…自分の家に帰るね!祐介…今までありがとう。」
私は、涙が溢れ出してきたが涙が流れないように 上を向いた。
太陽の日差しが眩しかった。
そして…また…月日は流れた。
私は、やっと自分の家に帰る決心がついた。
今度こそ、泣かないように…
気持ちが揺らがないように…
緊張しながら…祐介のお墓に向かった。
この時…祐介のお墓の隣りに…祐介がまるで居るかのように…空気が柔らかかったのを、今でも覚えている。
今 思えば…あの時…祐介もお別れに来てくれたのかな?
後で知った事だけど…お姉ちゃんが、お母さんにかなり説得してくれたみたいです。
それから…数日後。
お姉ちゃんが、無事に男の子を出産した。
もちろん…名前は…
旦那さんの名前を一字とるのではなく、祐介から一字とって『祐成・ユウセイ』と名付けた。
この時のお姉ちゃんを見て私は…
優菜が産まれた時の事を思い出していた。
゛祐介…お姉ちゃん…無事に男の子を出産したよ…祐介の祐の字をとって名前付けたんだよ…祐介…祐介は、本当にみんなに愛されてるね!私と歩と優菜が居なくなっても、寂しくないかな?祐介…゛
そんな事を呟いていた。
そして…泣いている私に…お母さんは…
「気が済むまで、ここに居ていいのよ!でも…あなたは、まだこれから結婚だってできるんだし…この家にずっと居なくちゃいけないなんて考えないでね!祐介も私達も、あなたが幸せならそれが一番なんだからね」
お母さんは、優しく話てくれた。
私は、お母さんの言葉が嬉しくて…泣き続けた。
どのくらい時間が過ぎたのか…
お母さんもお姉ちゃんも、部屋から出てくる事はなかった。
私は…夕食の支度をはじめた。
しばらくすると…お姉ちゃんとお母さんが部屋から出てきた。
すると…お母さんが
「あずさちゃん…さっきは、ごめんなさいね。」
私は…
「私の方こそごめんなさい。ちゃんと報告するつもりだったんですけど…ちゃんと気持ちが固まったら…って思ってて、この間 祐介のお墓に行った時…お別れをしに行ったんです。でも…いざ祐介のお墓に行ったら、一緒に過ごした日々とか…祐介のぬくもりとか…声とか…プロポーズしてくれた時の事とか…思い出したら…離れられなくて…」
私は、泣き出した。
お母さんは、そんな私を優しく抱き締めてくれた。
「あずは、何も悪い事してないじゃない!祐介とは、別に結婚してた訳でもないんだし…自分の家に帰る事がいけないの??何が不満なの?」
すると…お母さんは、
「結婚はしてなくても、祐介が結婚しようとしていた事には変わりないでしょ。それに…優菜は、祐介の子でもあるのよ!」
「帰って欲しくないなら、黙ってないでそう言えばいいじゃない!」
「お姉ちゃん…もう…辞めて…」
私が、泣きながらそう言うと…お母さんは、また自分の部屋に閉じこもってしまった。
「あず…ごめんね…でも、お母さんは 私が説得するから…気にしないで!」
お姉ちゃんは、優しい笑顔でそう言うとお母さんの部屋へ向かった。
それから…お母さんが部屋から出て来たが、私と話をする事はなかった。
しかし、そんな態度のお母さんを見てお姉ちゃんがお母さんにキレてしまった。
「お母さん、いい加減にしてよ!いつまで、そんな態度してるつもりなの?」
「…」
「お姉ちゃん…辞めて!お母さんを責めないで。」
私が止めに入ったが、お姉ちゃんはさらに話続けた。
お母さんが…
「どういう事…?」
「私…自分の家に帰ろうと思うんです」
「えっ?…」
お母さんは、驚いたのと同時に泣き出した。
すると…お姉ちゃんが
「いやだなぁーお母さんってば、泣かなくてもいいじゃない!」
冗談まじりに言ってくれたが、お母さんは 自分の部屋に行ってしまった。
「私…ひどい事…言っちゃった…」
「あず…」
この日…お母さんが部屋から出て来る事はなかった。
私は…お姉ちゃんの言葉が嬉しかった。
しかし…この家にいる事で、祐介への気持ちは忘れるどころか 募る一方だった。
それから数日後…
お母さんとお姉ちゃんと私でリビングで話をしていた時だった。
「歩くんも、もう少しで一年生ね!」
とお母さんが言いだした。
「そうだねーあんな小さかったのに…早っ!」
お姉ちゃんも、驚きながらそう言うと…また、お母さんが話はじめた。
「でも、ここからなら学校も近いし 何も心配ないねー!」
お母さんは、ニコニコしながらそう話た。
私は…
「お母さん、私…学校は、こっちの学校ってまだ決めてないんです」
そんな私の言葉に、お母さんの表情が曇った。
それは…ある日の事だった。
お姉ちゃんと話をしている時だった。
お姉ちゃんが…
「あず…前に、言ってた話だけど…」
「前に言ってた話…?」
お姉ちゃんは、戸惑っていたが話を続けた。
「大輔くんの事…。あれからどうなったのかなって思って…」
「…前向きにって思って、自分の家に帰ろうって思ったんだけど…祐介のお墓に行ったら…やっぱり、離れたくない気持ちが込み上げてきちゃって…」
「あず…」
「やっぱり…そう簡単に忘れられないよね…」
「あず…ゆっくりでいいじゃない!焦って、次の人っていっても うまくいかないよ。大輔くんが待っててくれるなら、もう少し甘えていいんじゃない?」
お姉ちゃんは、優しくそう話てくれた。
そして…月日が過ぎていった。
歩も優菜もすくすくと成長した。
仕事も順調だった。
大輔くんも、相変わらず 待ち続けてくれていた。
そんなある日…
お姉ちゃんが、里帰り出産をする為 帰って来た。
そして…のちにお姉ちゃんが…私の背中を押してくれる日が迫っているのを、この時の私は…知るはずもなく 平凡な日々を過ごしていた。
そして…その夜。
私は、大輔くんにメールをした。
【私…やっぱり、もう少しこっちに居る事にした。ごめんね。】
返事は、すぐに届いた。
【気にしなくていいよ!ゆっくりで。俺は、待ってるから】
その返事に私は、嬉しさの反面申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
前に進みたいけど…
この時の私は、どうしても前に進む事が出来なかった。
゛祐介は、こんな私を怒ってるかな?゛
「家族…?」
泣きながらお母さんにそう聞くと…。
「そうよ!私達…家族よ」
と…優しい笑顔で私を見つめた。
゛私…やっぱり…祐介の家にいよう…゛
決意したはずなのに…
お母さんの顔を見たら、自分の家に帰るなんて言えなかった。
それより…゛家族゛
という言葉が、私は嬉しかった。
お母さんは、驚いていたけど…何も聞かずただ、頭をそっと撫でてくれた。
決意したのに…私は…祐介とさようならなんて出来なかった。
自分の家に帰るって、決めたのに…。
それまで無言だった、お母さんが…
「辛い事があったなら、私達に何でも相談して!一人で悲しまないで!私達…家族でしょ?」
お母さんの言葉で、私は…我にかえった。
結局…私は…泣き続けた。
どのくらい泣いていただろうか…
私は…時間を忘れていた。
すると…
「あずさちゃん…」
私は、声がする方を見た。
祐介のお母さんが立っていたのだ。
「やっぱりここにいたのね!心配したわよ!子供達がママいないって泣いてるから…あずさちゃん?どうしたの?」
心配そうに私の顔を覗き込んできたお母さんに、私は…何も言わず抱き付いた。
私は…ひたすら泣いた。
私は…泣きやむまで、祐介のお墓を離れる事が出来なかった。
何故なら…祐介との思い出が、次々と蘇っていたからだ。
メールのやり取りをしてた時や…
はじめて電話で話た事…
そして…祐介とはじめて会った事…
告白された事…
祐介の優しい顔…
低い声…
祐介の…プロポーズの言葉…
一気にフラッシュバックを起こしていた。
私は…それでも祐介に語りかけた。
゛祐介が、何くわぬ顔で帰ってくるのを待ってた…けど…もう…祐介は、帰ってこないんだよね!…だから…私…自分の家に帰るね…祐介…今までありがとう…祐介…゛
私は…誰もいないお墓で一人 泣き崩れた。
私のこの気持ちを、次に伝えなくてはいけない人がいた。
それは…お墓に眠っている祐介だ。
私は…次の日の朝早くに、祐介のお墓へと向かった。
そして…墓石を見つめながら手を合わせると、私は呟いた。
゛祐介…私…祐介に出会えて幸せだった。お父さんやお母さん、そして…お姉ちゃんにもいっぱい優しくしてもらった。祐介の分まで…私と歩と優菜を愛してくれた…祐介…私は…祐介とお別れに来たの。祐介が死んじゃって、もう どこにもいないのに…まだ、どこかに居るような気がしてた…
私は…泣かないと決めて来たのに、いつしか…大粒の涙が溢れ出していた。
「私ね…自分家に帰ろうと思うの!」
すると…大輔くんは…
「えっ?帰る?」
私は…話をさらに続けた。
「うん。私…このままじゃいけないと思って…自分の家に帰る事にした。そして…私の気持ちが落ち着いたら…その時は…私と…付き合って下さい!」
驚いた顔をしていた大輔くんだったが…
「わかった。でも…俺…待てるかな?自信ないなぁ…」
そして…私達は、食事を済ませると家に帰った。
「私ね…大輔くんに゛好き゛って言われて…正直、困ったの!」
「…」
無言の大輔くんを尻目に話を続けた。
「嬉しかったけど…困った…というか…私の中には、祐介 以外の人は考えていなかったし…大輔くんの気持ちに答える事ができないって思った」
「そんな事…わざわざ言う為に今日、誘ったの?」
暗い表情で大輔くんは、私を見つめていた。
「違うよ!最後までちゃんと聞いて!」
そして…私は…
ファミレスに入ると…
私達は、メニューを眺めて無言になった。
そして…私は…
「大輔くん…」
「ん!?何、食べるか…決まった??」
「違うよ…ご飯の前に、聞いて欲しい事があるんだけど…」
「なぁーに?話って?」
私は…モジモジしながら…話はじめた。
しばらくすると…大輔くんが事務所に帰ってきた。
「お疲れ様です!」
すると…大輔くんは…
「お疲れ様!ごめんね…遅くなって…でも、どうしたの???」
そんな会話をしながら 私達は、ファミレスへ向かった。
私は…この時、とても緊張していた。
その決意とは…。
それから数ヶ月が過ぎた頃…。
いつものように、仕事が終わって 帰ろうとした時だった。
私は…大輔くんにメールをした。
【お疲れ様!まだ現場かな??今日、食事に行かない?】
すると…返事はすぐに返ってきた。
【お疲れ様!今、帰り道だから 少し待っててくれる?】
【待ってる!】
そして私は…大輔くんが、事務所に帰ってくるのを待った。
✨匿名さん✨
✨評価委員会さん✨
私の小説を楽しみにしてくださってありがとうございます🙇
私が、感想スレがある事をお知らせしなかったせいで、不快にさせてしまった事、深くお詫び致します🙇すみませんでした🙇
ラストまで、残りわずかになって参りましたがどうか最後までお付き合い下さい🙇
そして…お姉ちゃんは、大阪に帰って行った。
それから…いつもと変わりのない日々が過ぎていった。
あれから…大輔くんも、あの話をする事はなかったけど…前よりも、私の事を思ってくれているという事は 肌で感じていた。
そんな、日々の中で…私は…これからの事も考えていた。
少しづつ…
そして…私は…ある決意を固めていた。
何事もなく、仕事も終わった。この日は、大輔くんが 仕事をしている現場が遠い為 顔を合わせる事がないからホッとした。
そして…家に帰ると…
いつものように、歩が出迎えてくれた。
「ママ…お帰り」
すると…お姉ちゃんも優菜を抱っこして 出迎えてくれた。
「あず…お帰り…あず…」
そう言いかけた時…
「お姉ちゃん…昨日はごめんなさい…お姉ちゃん…心配して言ってくれたのに…私ね、これからの事、ちゃんと考えるから…」
お姉ちゃんは、優しい笑顔で頷いてくれた。
一睡も出来ずに…
これから…どうすべきなのかをひたすら考えていた。
私は…部屋から出ると、シャワーを浴びて 朝食の用意をはじめた。
しばらくすると、お母さんが起きてきた。
「お母さん、昨日は ごめんなさい…」
私は…明るく話た。
すると…
「具合はもういいのね?」
「えっ?あっ…はい。すっかり元気」
きっと…お姉ちゃんが…お母さんに具合が悪いと嘘をついてくれたんだと、私は思った。
仕事から、帰ったら謝らなくちゃ…
そして…私は…いつものように仕事に出掛けた。
私は…
「でも、私は…まだ祐介が…」
言いかけた時だった。
お姉ちゃんが…
「確かに…祐介とは、あんな別れ方で 忘れられないかもしれないけど、大輔くんの言うように祐介は…もういないのが事実だし…いつまでもこのまま…って言う訳にもいかないんじゃない?」
私は…
「出てって…」
「あず…」
何か言いかけたお姉ちゃんを部屋から追い出した。
私は…この日…部屋から出る事なく一夜を過ごした。
「えっ?嘘!おめでとう!」
私は、自分の事のように喜んだ。
「祐介には…報告した?」
「あっ…忘れてた…」
私は、仏壇の前に座ると、
゛祐介…お姉ちゃんに赤ちゃんができたよ!゛
手を合わせてそう呟いた。
「私…着替えてくるね!」
そう言うと、部屋に向かった。
私が着替えをしようとした時だった。
トントン…
「お姉ちゃんだけど…ちょっといい?」
「うん…」
すると…お姉ちゃんがゆっくりと話はじめた。
「あず…この間の話だけど…」
「えっ?」
「私ね…あれから…色々と考えてみたんだけど…大輔くんの事…前向きに考えてあげてもいいと思うの!」
お姉ちゃんの以外な言葉に私は…目を丸くした。
すると…お姉ちゃんが…
「あず…お帰り」
私は…
「ただいま。お姉ちゃん…どうしたの?今日は?」
「実は、報告があって…あと…あずの事も気になってたし、思い切って来ちゃった!」
「報告?」
私が不安そうに聞くと…
「いいから、早くリビングに来て」
私は…お姉ちゃんの報告が気になった。
急いでリビングに行くと…お母さんが…
「お帰り」
なんだか…機嫌が良かった。
そんな、お母さんの表情を見て…ホッとした。
すると…お姉ちゃんが…
「あず…私ね…赤ちゃんができたの!」
確かに…大輔くんが、悪い事をした訳じゃないけど…
私には…祐介しか見えていない。
家に着くまでの間、そんな事を考えながら 帰った。
私が家に着くと…
歩が出迎えてくれた。
「ママ…お姉ちゃん、来たよー!」
歩の一言に胸が高鳴った。
゛お姉ちゃん…大輔くんの話をお母さんにしたのかな…゛
そんな不安が込み上げてきた。
大輔くんが…
「俺の事…避けてる?メールも電話もシカトしてるし…」
私は、下を向いたまま大輔くんの話を聞いていた。
そして…私は…
「今は…そっとしておいて!」
そう言うと…
「俺…そんなに悪い事した?自分の気持ち伝えただけじゃん!」
「大輔くんの気持ちは、嬉しいけど…私には…答える事ができない!」
何か言いたそうにしている大輔くんを横目に、私は車を走らせた。
次の日…。
私は、仕事に行った。
今まで、一度も休んだ事がなかった私は、みんなに心配してもらった。
現場に出てる 大輔くんが事務所に来ない事を祈りながら、仕事をしていた。
しかし…その祈りも届かず…
私が帰ろうとして、車に乗り込んだ時だった。
慌てて、大輔くんが私の車に向かって走ってきたのだ。
そんな事を問いかけながら、しばらくお母さんに抱き付いていた。
すると…お母さんが
「もう少し、横になった方がいいわよ!」
そう言うと、私を横にしてくれた。
「歩と優菜は…?」
「あずさちゃんの事、凄く心配してるわよ!歩くんは、優ちゃんのお世話してくれてるわよ!だから、早く元気にならないとね!」
そう言うと、部屋から出ていった。
私は…何してるんだろう…
みんなに心配掛けて…
歩と優菜の為にも、うじうじしてられないのに…
今度は、自分があまりにも情けなくて 涙が溢れ出した。
私は…飛び起きた。
周りを見ると、心配そうにお母さんが 私を見ていた。
「どうしたの? まだ調子悪いの?」
私は…お母さんに抱き付くと…
「祐介の夢を見たの。祐介が、遠くに行ってしまう夢だったの…」
すると、お母さんは 私の頭をそっと撫でてくれた。
゛祐介…祐介…の家族は、本当に温かいね…祐介が、優しかったのもわかる気がするよ…歩と優菜も、優しい子に育つかな?
祐介に…抱き締めて欲しいよ…゛
ただ…泣いてる私に、お姉ちゃんが ゆっくりと話はじめた。
「ごめん…ちょっとびっくりしちゃった。でも…あずの気持ちは、わかったよ!話てくれてありがとう!」
そう言うと、電話を切った。
しかし…胸のモヤモヤは取れなかった。
しばらくの間、ぼーっとしてると…私は、眠っていた。
そして…夢の中で…祐介に会った。
夢の中で…
私が居て…歩が居て…優菜が居て…祐介が居る…
いつも夢の中で笑ってる祐介が、寂しそうな顔をして…どこかに行ってしまう夢だった。
追い掛けても…追い付く事ができない…。
そんな夢を見た。
私が落ち着くまで、お姉ちゃんは 電話を切らずに待ってくれた。
そして…落ち着いた私は、最近の出来事を話はじめた。
「私…最近ね、残業って嘘をついて 何度か職場の人達と 食事に行ってたの!」
「なぁーんだーそんな事かぁー!正直にお父さんとお母さんに言えばいいのに…」
「それだけじゃないの!」
「えっ?どういう事?…」
「祐介の友達の大輔くん…なんだけど…私…大輔くんに…好きって言われて…」
「えっ?それで?あずは、何て答えたの?」
「私は…祐介を愛してるって…言ったんだけど…大輔くんは、祐介は もうどこにもいないって…」
また…涙が溢れ出した。
お姉ちゃんも、ショックだったのか…しばらく無言のままだった。
ドキドキしなが、お姉ちゃんの携帯番号を探すと…私は発信ボタンを押した。
プルルルル…プルルルル…プルルルル…
しばらくコールを鳴らしたが、お姉ちゃんは電話に出なかった。
すると、私の携帯が鳴った。
お姉ちゃんだ!
「もしもし…」
「もしもし…あず…電話ごめんね!」
「こっちこそ…急にごめんね…」
「どうしたの?何か今日のあず…暗いんじゃない?」
「…お姉ちゃん…」
「どうしたの?泣いてたらわかんないよ!」
お姉ちゃんの優しい声を聞いたら…ただ…泣く事しかできなかった。
次の日…。
私は、仕事を休んだ。
祐介のお母さんが…
「どうしたの?どこか悪いの?」
「少し、頭が痛くて…」
「そう…。子供達の事は、気にしなくていいから ゆっくり休みなさいね!」
「はい。ありがとう…」
お母さんの優しい言葉に 涙が溢れ出した。
私は、お母さんに 気付かれないように 布団を頭までかぶった。
゛お母さん…ごめんなさい…゛
そう何度も呟いて…。
お昼頃…。
大輔くんから着信がきた。
私は、電話を無視した。
すると…今度は、メールがきた。
【怒ってる?よね?でも、俺は本気だから…】
私には、返事をする事が出来なかった。
私は…いつも味方になってくれた、お姉ちゃんに相談する事にした。
゛お姉ちゃん…何て言うだろう…゛
大輔くんは、私にキスをしようと顔を近付けてきた。
しかし、私は顔を背けた。
「私…祐介を、まだ愛してるの…お願いだから離して!」
大輔くんは、それから 何も言う事はなかった。
そして…私が家に着いた頃…携帯が鳴った。
大輔くんからのメールだった。
【さっきは、ごめん。でも、俺はあずさちゃんが好きだから。祐介を忘れるまで待ってるから!】
私は…返事をする事なく 眠りについた。
こころ③おはようございます(^O^)
昨日も更新してくれて、嬉しかったです★
私は、どんな続きでも応援しますよo(^-^)o
思った事を書き綴って下さいね★
毎日の日課になっちゃってます(^0_0^)
しかし…大輔くんは、話を続けた。
「あずさちゃんは、どういう気持ちで 俺と食事したりしてるの?」
「…それは…友達として…だよ。私は祐介の事…」
「祐介は、もうどこにもいないんだよ!もう…祐介の事は忘れてくれよ!」
その言葉に 私は、涙が溢れ出した。
すると…大輔くんは、私を強引に抱き締めた。
私が、抵抗出来ない程 強い力で…。
帰りの車の中で…
大輔くんが、思いもしない事を口にした。
「あずさちゃん…」
「なぁーに?」
「俺…」
「どうしたの?」
「俺…あずさちゃんが、好きなんだ…俺じゃぁー駄目か??」
「大輔くん、冗談はやめてよ―!」
「俺…本気だよ!」
私は…何も言えなかった。
そんなある日の事だった。
大輔くんに食事に誘われた。
私は、食事に行く事にした。
また…嘘をついて…。
そして…大輔くんの車に乗り込むと…
「俺…焼き肉が食いたいんだけど…焼き肉でいい?」
「うん!」
そして…店に着くと、私達は…焼き肉を食べながら、職場の人の話で盛り上がった。
しばらくして 私達は、店を後にした。
私が仕事を始めてから、半年がたった。
相変わらず、祐介のお父さんとお母さんとも 仲良く生活していた。
職場の人も、大輔くんの知り合いという事もあって すぐに仲良くなった。
この頃から私は、大輔くんと遊ぶようになっていた。
祐介のお父さんとお母さんに、残業と嘘をついて…。
私は…
「あの…私…事務の経験はないんです」
すると…社長は…
「だいたいの人が初心者だから、そんなに気にしなくて大丈夫だよ」
社長は…とても穏やかな口調で話をしてくれた。
「久保田さんは、広瀬とは…お付き合いしてるのかな?」
突然の質問に目を丸くした。
「いいえ!私の彼と大輔く…あっ…広瀬くんが親友で…」
すると社長は…
「そうか!ごめんね…変な事 聞いて。でも…君なら、採用したいよ!どうだい?」
私には、断る理由などひとつもない。
私は…
「こちらこそ…採用して頂けるなんて…光栄です」
そして…私は、ここで働く事になった。
面接の日…
私は、大輔くんに教えてもらった場所に向かった。
思っていたよりも会社が大きかった事に少し驚いた。
「こんにちは!面接させて頂きます、久保田です。」
すると…年配のおばさんが…
「あっ…話は聞いてますよ!こちらにどうぞ!」
そう言うと、応接室に案内された。
すると、社長が座っていた。
「あ…あの…面接させて頂きます、久保田です。よろしくお願い致します」
「こちらこそ…よろしく!まぁーそんなに固くならないで!久保田さんの事は広瀬から聞いてますよ」
私は…この時、大輔くんの名字をはじめて知った。
それから、数日後…。
大輔くんから電話がきた。
「もしもし…」
「もしもし…あずさちゃん?」
「うん。」
「この間の話だけど…社長が面接したいって、言ってくれたんだけど…どうかな?」
「本当に?せっかくだし…受けてみようかな!」
そうして私は、面接する事になった。
職探しの話が以外な方向へと流れた。
「ねぇ、あずさちゃん…事務ってやった事ある?」
「ないよ!」
「あのさぁ―俺の会社って建設会社なんだけど…ちょうど 事務の子が辞めちゃうから、人 探してるんだよ!」
「私が、事務?無理無理。計算嫌いだもん!」
「大丈夫だよ!辞めちゃう子も全然 経験ない子だったんだから!」
私は…戸惑いがあったが、とりあえず 大輔くんの連絡を待つ事にした。
そして…お姉ちゃんは、大阪に行ってしまった。
それから…私は、働き出す事にした。
とは言っても、仕事を探すのも楽ではなかった。
そんな、ある日…。
偶然、祐介の友達の大輔くんに会った。
「久しぶり!」
「おう!久しぶり!元気にしてた?」
「まぁーね!」
「本当かよ?なんか…また痩せたような…」
そんなたわいもない会話をしている間に、話は職探しの話へと変わっていった。
お姉ちゃんは、ちゃんとブーケトス用の花を用意していた。
そして、ブーケトスを待ってる友達にブーケを投げた。
その後…披露宴が行われた。
私は、嬉しさで胸がいっぱいだった。
と同時に、毎日 お姉ちゃんに会えない寂しさが込み上げていた。
でも、本当にお姉ちゃんは綺麗だった。
そして…式が終わると 外に出た。
チャペルといえば、ブーケトスがある。
式場の人が…
「女性は前の方にどうぞ」
と言うと…
何人かのお姉ちゃんの友達が 前に出た。
すると…お姉ちゃんは、ブーケトスをする事なく 私の前に来た。
「あず…これは、お姉ちゃんから」
そう言うと、私にブーケを差し出した。
私は…
「でも…みんなお姉ちゃんのブーケトス待ってるよ!」
お姉ちゃんは…
「いいの!これは、あずが受けとって!今度は、あずが幸せになる番だよ」
そう言うと 私にブーケを持たせた。
そして…私は、思い出していた。
祐介と付き合うってなった時の事を…
祐介も言ってたなぁ…
『結婚式…しような!俺とあずさと歩で…教会で、3人で…』
私は…込み上げてくる涙を止める事ができなかった。
そんな私の姿を見て 歩は…
「ママ…どうしたの?お腹 痛くなっちゃったの?」
と…心配そうに 私の顔を覗きこんだ。
「違うよ…大丈夫だよ…」
私は、小声で話た。
そして…
お姉ちゃんの結婚式の日が来た。
私は、優菜もまだ小さいから断ったけど…
お姉ちゃんは…
『妹が来てくれないなら、結婚式はしない』なんて 子供のように駄々をこねて…
私と歩と優菜は 結婚式に出席する事になった。
静まるチャペルの扉が開き、お姉ちゃんとお父さんがゆっくりとバージンロードを歩いて来た。
私は、祐介の写真をお姉ちゃんに見せた。
゛祐介…お姉ちゃん、綺麗だね!゛
私は、心の中で何度も呟いた。
私は、ただ無言で話を聞いていた。
すると…お姉ちゃんが…
「無理にとは言わないけど…私がいない間、お父さんとお母さんのそばに居てあげて欲しいの!」
その言葉を聞いた私は、無理とは言えなかった。
私にとっても、祐介のお父さんとお母さんは とても大事な人だから…。
そして…お姉ちゃんは、この日の夜に お父さんとお母さんに、結婚する事を話たのだ。
そんな、お姉ちゃんを見た私は…
「お姉ちゃんが…結婚したら、ここに住むんでしょ?」
「うん…そのつもり…だったんだけど…彼がね、転勤するかもしれなくて…」
「嘘???遠い所なの?」
「大阪なんだけどね…でも…私…彼に付いて行こうと思うの!…でね、あずにお願いなんだけど…私が帰って来るまで、ここに居て欲しいの!」
お姉ちゃんの言葉に 私は、何も返事ができなかった。
そして…月日は流れた…。
祐介の一周忌の事だった。
私が、部屋で優菜に母乳をあげていた時だった。
トントン…
「お姉ちゃんだけど…入ってもいいかな?」
「母乳あげてる所だけど…いいよ 入って!」
すると…お姉ちゃんが真剣な顔をして話はじめた。
「あず…。聞いて欲しい事があるの!」
「なぁーに?お姉ちゃん、真剣な顔して…どうしたの?」
「うん…」
「何か言いにくい事?」
「祐介の一周忌にこんな話するのも どうかと思ったんだけど…あたし結婚しようと思ってるの!」
「えー!!本当に? おめでとう!祐介も喜んでるよ!」
「ありがとう…」
浮かない表情をしているお姉ちゃんは、私にまだ 何か言いたそうにしていた。
そして…私は…
「私…ここにいたい。祐介のぬくもりのある この家にいたい!」
すると…歩も…
「あーもここにいる」
歩の一言で、私の両親は納得したのか…
「この子達をよろしくお願いします」
と深々と頭を下げた。
その姿を見て、私は…
「お父さん、お母さん、勝手な事 言ってごめんね…!」
「うちには、祐介くんのぬくもりはないからな!」
そう言うと 私の両親は帰って行った。
そんな、私達の会話を聞いていた 祐介のお母さんが話はじめた。
「私達は、いつまでも居てもらっていいんですよ!確かに…籍を入れた訳じゃないけど…祐介が、結婚を真剣に考えた人ですもの…」
すると…祐介のお父さんも…
「そうですよ!あずさちゃんは…娘同然ですよ」
私は…嬉しくて涙が溢れてきた。
私達は、リビングに入ると…父が話はじめた。
「あずさ…これからの事は、考えたのか?」
私にとって あまり聞いてほしくない事だった。
私は…
「考えてるけど、まだ どうしていいかわからない!」
「それなら、もう…帰ってきたらどうなんだい?」
すると…今度は母が話はじめた。
「そうよ!いつまで こちらに甘えるつもりなの? 優菜も産まれたんだし…帰って来なさいよ!」
私は、うつむいたまま…
「そんな事を言いに来たの??何も、退院した日にそんな事 言わなくてもいいでしょ?」
私は、聞こえるか聞こえないかわからない位 小さい声で話をした。
ただ…返事も帰ってこない墓石に向かって、私は 何度も優菜を見せた。
そして…家に帰ると…私の両親が来ていた。
「優菜ちゃん!ばぁばでちゅよー」
と 優菜を抱っこした。すると…歩が焼きもちをやいたのか…母の足をチョコチョコ蹴っ飛ばしていた。
「歩ー見ないうちに大きくなったねー!」
そう言うと、今度は歩を抱き上げた。
「さすがに、お兄ちゃんは重くなったね!」
歩は、母の腕の中で上機嫌だった。
それから…数日後。
私と優菜の退院の日が来た。
迎えに来てくれたのは、祐介のお父さんとお母さんと歩だった。
私は、優菜が産まれたら 一番最初に行く所があった。
それは…祐介が眠っているお墓だ。
お墓に着くと…
私は、優菜が見えるようにすると…
「祐介…優菜だよ!ママに似て美人でしょ?」
冗談まじりに優菜の紹介をした。
お母さんは、優しい笑顔で…
「娘の為だもの!全然、迷惑なんかじゃないわよ!もう…いつまでも泣いてないの!お母さんなんだから…」
私は、嬉しかった。
あまり泣き過ぎて、悲しくて泣いたのか…嬉しくて泣いたのか…わからなくなっていた。
そして…私は、笑顔を作ってお母さんに
「気をつけて帰ってね!」
そう言うと、お母さんが…
「はいはい。あずさちゃんも、ちゃんと寝るのよ!」
そう言うと帰って行った。
私は、ベットに横になると…祐介に語りかけた。
゛祐介… 私って…幸せものかな?祐介が私を愛してくれたように、祐介のお父さんも お母さんも、お姉ちゃんも 私と歩を愛してくれてるよ。祐介…私…歩と優菜を一生…守るからね!祐介…ちゃんと見守っててね゛
そう語りかけると、いつの間にかに眠りについた。
しばらく 病室の中は、私のすすり声が響いていた。
すると、お母さんが…
「あずさちゃん、もう少し寝た方がいいわよ! いくら安産とは言え、出産を終えたばかりなんだから…」
私は、泣きながら頷いた。
そんな私に お母さんは、話を続けた。
「私も…家に帰って 少し寝るわね!また 歩くん連れて来るわね!」
そう言うと、帰る支度をした。
私は…
「お母さん、ありがとうございます。いっぱいご迷惑 かけて すみません。歩の事…お願いします」
私は、すすり声で お母さんに お礼を言った。
200★年9月20日
2980㌘の元気な女の子。
名前は…『優菜』
私は、いつの間にか眠っていた。
そして、夢の中で祐介に会った。
笑ってる祐介…。
祐介が、歩と優菜を抱っこして そして、次に私を強く抱き締めてくれた。
しばらくすると…祐介は、笑顔で何処かに行ってしまった。
「祐介!」
私は、泣きながら飛び起きた。
すると…お母さんが…
「夢…見たのね?」
私は、涙を拭うと…
「祐介…赤ちゃんを見に来てくれたのかな?夢の中で笑ってた」
「あずさちゃん…」
お母さんは、私の名前を呼ぶと…目を押さえて肩を震わせた。
私も…溢れ出す涙をこらえる事ができなかった。
何回、力んだろうか…
「オギャァ…オギャァ…」
泣き声が響き渡った。
そして…祐介と私の愛の結晶の我が子を 私の元へ差し出してくれた。
私は、赤ちゃんと一緒に泣いた。
分娩室の外で待っててくれた お母さんも 分娩室の中に入ってきた。
すると…目に涙を溜めて…
「祐介が、産まれた時と同じ顔してる…あずさちゃん…祐介との赤ちゃんを産んでくれて ありがとう」
そう言うと、大粒の涙を流した。
゛祐介…やっと…赤ちゃん 産まれたよ!祐介にこの子を抱かせてあげたかったなぁ。祐介のいる所から、この子は見えてるのかな?゛
産婦人科に着くと、お母さんは 私を支えながら一緒に歩いてくれた。
看護婦さんに分娩室に行くように案内された。
そして…内診をすると… すぐに 破水した。
その途端に、私は力みたくなってきた。
助産師さんが…
「まだ、力まないで…ゆっくり呼吸して下さいね」
と、一緒に呼吸法をしてくれた。
私は、産婦人科に電話をした。
その間に お母さんは、荷物を車にのせてくれた。
歩は、ぐっすり寝ていた為 お姉ちゃんにお願いして 急いで産婦人科に向かった。
産婦人科まで車で15分くらいかかる場所にある。
車の中で、お母さんが…
「頑張って!きっと…祐介もそばで 見守ってくれてるから」
そう言うと、無言で車を走らせた。
産婦人科の近くに来ると、陣痛の間隔が短くなっていた。
そして…私は、赤ちゃんの名前を決めた。
私は、お腹に手を当てると…
「名前がやっと決まったよ。もう…いつ産まれてきても大丈夫だよ!」
そう語りかけた。
返事をするかのように…私のお腹をポコポコと蹴ってくれた。
その日の夜中…
お腹の痛みで 私は、目を覚ました。
歩の時と同じ痛みだった。
私は、慌てて お母さん達の部屋に向かった。
トントン…トントン…
「お母さん、お父さん、赤ちゃんが…」
私の声に気付いたお母さんが 慌てて部屋から出て来た。
数日後…
みんなで夕食を済ませると…祐介のお父さんが話はじめた。
「あずさちゃん…赤ちゃんの名前だけど…お父さんは、美優にしたよ!」
すると…次にお姉ちゃんが話はじめた。
「私も決めたよ!私は…優菜がいいなぁー」
また…お父さんが話はじめた。
「あずさちゃんは、三つの中で 選べたのかい?」
「私は…まだ迷ってます。でも、歩に聞いたら 優菜がいいみたい」
「歩くんは、何で優菜がいいのかなぁ?」
とお姉ちゃんが 私に聞いてきた。
「歩ね、祐介の事 ゆうたんって呼んでたでしょ? それで、ゆうの響きが一緒だからだと思うよ!」
そう説明すると…
お父さんがまた話はじめた。
「歩くんも、祐介が居なくなって寂しいんだなぁ」
と呟いた。
主さん初めまして😊
読んでいくうちに涙が本当止まらなかったです😢
お兄ちゃんに『なんで泣いてるの❓どーしたの❓ママ😫』って言われちゃいました(笑)
どーでもいい話しですが、うちの下の子も祐がつく名前で『ゆうたん』って呼んでます。
うちの息子達も祐介さんみたいな優しく、おもいやりある素敵な男性になってほしいなぁ…って思いました。
更新、凄っ~く‼楽しみにしてます☺💖
頑張って下さいっ(≧□≦)‼
応援してます🎵
私は、お父さんとお母さんに見せた さっきの紙を見せた。
理由も説明しながら…
すると…お姉ちゃんは
「迷うー!ちょっと、考えていい?」
「決まったら…教えてね!」
そして…しばらくたわいもない会話をした。
゛祐介…祐介だったら、何ていう名前を付ける?゛
私は、目を瞑って祐介に問いかけた。
返事なんか…返ってこないのに…。
しばらくすると…
玄関の開く音がした。
「ただいまー。」
その声に私は、お姉ちゃんの元へ向かった。
「おかえりなさい。お姉ちゃん、聞いてもらいたい事があるんだけど…落ち着いたら部屋に来てくれないかな?」
すると…お姉ちゃんは
「わかった。すぐ行くから待ってて!」
そう言うと、お姉ちゃんは リビングに入って行った。
しかし…お姉ちゃんは、本当にすぐに 私の部屋へ来てくれた。
「聞いて欲しい事って何?」
「うん。赤ちゃんの名前の事で…迷ってて、候補を三つに絞ったんだけど…決まらなくて…だから、参考までにどれがいいか 教えて欲しくて」
お姉ちゃんは…
「名前かぁー。そろそろ決めとかないとね!私でよければ、協力するよー!…で、肝心な名前を教えて!」
私の説明が終わると…
最初にお母さんが話はじめた。
「どれも いいわねー!でも、お母さんは…美優がピンときたわ!」
と自信満々に言うと、続いてお父さんが…
「お父さんは、ちょっと考えていいかな?名前は、一生付いてるからね!」
と苦笑いをした。
「じゃぁー決まったら、必ず教えて下さいね!」
そう言うと私は、部屋に戻った。
そして…お姉ちゃんの帰りを待った。
私は、ポケットから紙を取り出し テーブルの上に広げて見せた。
゛愛゛アイ
゛優菜゛ユウナ
゛美優゛ミユウ
すると…お父さんが
「この三つだと、確かに悩むなぁー。この名前を選んだ理由は なんだい?」
そして…私は、この名前の理由をひとつひとつ説明した。
それから…私は、考え抜いて名前を三つに絞った。
私は、祐介のお父さんとお母さんに相談する事にした。
そして…夕食後…
「ちょっといいかな?」
そんな私の声に 二人は、私に注目した。
「どうしたの?」
お母さんが、聞いてきた。
「あのね、赤ちゃんの名前の事なんだけど…三つに絞ったんだけど…選べなくて…」
「そうなの? その候補三つを教えてよ!」
お母さんは、ニコニコしながら話た。
私は、臨月を迎えた。
産婦人科の先生に、性別は言わないで下さいって言っていたのだが…やはり待ちきれなかった。
私は、いつものように診察が終わると 先生に…
「あの…やっぱり…性別 教えて下さい」
そう言うと、先生は 驚いたが…
「いいですよ…でも、臨月入ったのに 本当に聞くんだね?」
そんな、イタズラな質問をしてきた先生に
「はい。お願いします。やっぱり…待ちきれなくて…」
そう言うと カルテを見て私に微笑みながら「女の子だね!」
と 先生は、教えてくれた。
゛きっと祐介なら飛び跳ねて喜ぶんだろうなぁ゛
歩が お腹にいた時…
私は、ケンジに対しての恐怖で 気持ちが 不安定だった。
しかし…今回は、愛する祐介がいないけど…祐介のお父さん、お母さん、お姉ちゃんが祐介の代わりに 私と歩に愛情を注いでくれてるお陰で 私は、とても気持ちが安定していた。
そして…お腹の赤ちゃんは、順調に育っていた。
そして、私と歩は 祐介の家族の一員になった。
祐介とは、まだ結婚もしていていないのに…
何より…祐介は、もう この世にいないのに…
祐介のお父さん、お母さんは 私を本当の娘のように可愛がってくれた。
歩も本当の孫のように大事にしてくれた。
そして…私は、これから住む町並みを案内してもらった。
産婦人科…
保育園…
デパート…
他にも色々 お姉ちゃんは、案内してくれた。
「お姉ちゃん、ありがとう…」
「そんな事 言わなくていいよ!あずさちゃんは、私の妹だからね」
そう言うと、お姉ちゃんは優しい笑顔を 私に見せた。
そして…
私と歩は、祐介の家に引越しをした。
祐介のお父さん、お母さん、お姉ちゃんは 快く迎えてくれた。
そして…私は祐介の部屋を使う事になった。
私が部屋で 荷物の整理をしていると…
トントン…
「はい。」
「入るよー」
お姉ちゃんだった。
「手伝うよ!」
「ありがとう…ごめんね…せっかくの休みを潰しちゃって…」
「そう言う事 言わないの! 早く終わらせて、出掛けよう!この辺の案内するから!」
私達は、荷物の整理を終わらせると…散策に出掛けた。
父の言うように、私は祐介のお父さんとお母さんに甘えていた。
祐介のお父さんもお母さんも、私以上に辛いのに…そんな顔を見せずに、私を励ましてくれてた。
しばらくすると…祐介のお母さんが口を開いた。
「私達は、迷惑だなんて思いません。だって…祐介が一緒になるって…決めた人ですもの!ねぇ、お父さん」
すると、祐介のお父さんは…
「ああ。あずさちゃんは、祐介のお嫁さんだからね!ずっと…ここに居てくれていいんだよ!」
目に涙を浮かべながら、話をしてくれた…あの時のお父さんとお母さんの顔は、今でも覚えている。
祐介を失ってしまった悲しみを、家族が一番 理解してくれていた。
だから…誰も反対しなかった。
さらに私は、こんな事を口にしていた。
「私…こっちで赤ちゃんを産みたいって思ってます。お義父さん、お義母さん、私と歩をここに置いて下さい」
そう言うと、祐介のお父さんとお母さんに頭を下げた。
二人は顔を見合わせたまま、無言になった。
すると、私の父が話はじめた。
「いくらなんでも…それは ご迷惑だろう! 祐介君を亡くされて、辛いのは あずさだけじゃないんだよ。それなのに、今まで 気を使ってくだってるのに…どこまで甘えるつもりなんだ!」
父の言葉が、心に突き刺さった。
次の日…
私は、父と母と歩を祐介の家に呼んだ。
そして…家族が揃った所で 昨日の出来事を話はじめた。
「あの…私…、祐介の赤ちゃんが出来たの!まだ、病院に行った訳じゃないから…はっきりとはわからないけど…妊娠検査薬は、陽性だったの!私…産むからね。」
私の父と母は、動揺していたが 母が話はじめた。
「私…産む事に反対はしないわ!でも…一人で歩とお腹の赤ちゃんを育てる覚悟はできてるの!」
しばらく無言が続いた。
そして私が話はじめた。
「祐介が、夢の中でね…お腹の赤ちゃんが産まれてくるの楽しみにしてる夢を見たの。だからね…祐介の為にも産みたい!
そんな、泣き出す私の姿を見て 祐介のお母さんは…私の肩に手を置くと…
「赤ちゃん…出来てたのね?」
その質問に 泣きながら頷いた。
そして…私は…
「私…祐介の赤ちゃん…産んでいいんですよね?」
「いいに決まってるじゃない!」
そして、私は 祐介の赤ちゃんを産む事を決意した。
お母さんの言葉が気になり、祐介のお姉ちゃんに 妊娠検査薬を買ってきて貰う事にした。
そして…私は、妊娠検査薬を試した。
結果は…陽性を表した。
私は…
「う…そ…」
小声で呟くと 涙が溢れた。
そして…祐介のお母さんとお姉ちゃんの元へ戻った。
私が部屋に入ると…
二人は、私を見つめた。
しかし…結果を伝える前に私は、祐介の赤ちゃんを授かったという嬉しさで泣き出していた。
「あずさちゃん…もしかして…お腹に祐介の赤ちゃんがいるんじゃない?」
私は…キョトーンとした。
そして…記憶を思いかえしてみた。
クリスマスの頃に祐介と結ばれて…私の次の生理は…
確かに遅れている。でも、精神的に参ってたし…遅れてもおかしくはない。
こんな事を 考えてる私をよそに、祐介のお母さんは 話を続けた。
「偶然かもしれないけど…でも、赤ちゃんがいる夢を二回も見るなんて…めったにないわよ!」
「あずさちゃん…大丈夫?」
祐介のお母さんが、優しい口調で聞いてきた。
「私…何で…」
そう言って 起き上がろうとした時…祐介のお母さんが 話はじめた。
「急に倒れたから、驚いたわ!でも、よかった。目を開けてくれて」
そう言うと涙を流した。
そんな祐介のお母さんの顔を見て…私は、夢の話をした。
すると…祐介のお母さんは、思いもしない言葉を発した。
私達は、祐介の家に帰った。
みんなで、リビングに入ろうとした時だった。
私の目の前は、真っ暗になった。
私は、廊下に倒れこんだ。
私は、夢を見た。
私と祐介と歩と…きっと…私と祐介の赤ちゃんだろうか…。
4人で楽しく 公園で遊んでいる夢だった。
どのくらい寝ていただろう…。
目を覚ますと、祐介のお母さんが私の顔を覗き込んだ。
そんな 歩の泣く姿を見て、私も泣いた。
そして…冷たい祐介の顔を触りながら
「祐介…」
名前を何度も呼んだ。
そして…祐介は、骨になった。
これで、祐介に触れる事もできなくなった。
お葬式が無事に終わった。
そして…お葬式の日が来た。
私の父と母も歩を連れてやって来た。
私は、歩を抱っこすると…
「歩…祐ちゃんに バイバイしうよね!」
そう言うと、棺の中に入れられた祐介の所へ向かった。
祐介は、花に囲まれていた。
歩が…
「ゆうたん…お花と寝てる」
と 嬉しそうに話た。
私は…
「歩…祐ちゃんね…お空に行っちゃったの!」
「お空?」
「そうだよ!だから、今日でバイバイなんだよ…」
私がそう言うと…
歩も、祐介と会えなくなるという事が 理解できたのか…急に泣き出した。
「ゆうたん…」
歩の声が響き渡った。
この夢が覚めて欲しくなかった。
しかし、私は…その夢から覚めてしまった。
慌てて起き上がると、周りを見渡した。
心地よい夢だっただけに、動かない祐介を見ると また…自然と涙が溢れた。
もう…祐介のぬくもりを感じる事が出来ないと思うと、とめどなく涙はあふれた。
こんなに、涙を流したのは…生まれてはじめてだった。
この先…これ以上 泣く事はないと思った。
そんな話をしていると…時計も夜中の12時をまわっていた。
私は…祐介の隣りに横になった。
すると…大輔くんが…
「あずさちゃん、少し寝た方がいいよ!俺と淳子でお線香 見てるから」
私は、眠る気はなかったが 目を閉じると すっかり眠っていた。
そして私は、祐介の夢を見た。
その夢は…祐介が、私のお腹に手を当てて 元気に産まれてこいよ!そう言うと、名前を考えている夢だった。
私は、大輔くんの話を黙って聞いた。
「ってか…そこまで 言われたら 反対する理由ないし…応援するって言ったら…その次の日には、告白しに行ったって…言ってるし。祐介があんなに積極的なのは、俺 初めて見たよ」
話を聞いているだけでも、その祐介と大輔くんの会話をしている光景が目に浮かんだ。
その後も、祐介の懐かしい話で盛り上がった。
私は、祐介の寝かされている部屋に戻った。
そして…祐介を見ながら 問いかけた。
゛祐介…指輪…ありがとう。一生…大切にするからね。゛
しばらくすると…大輔くんが話はじめた。
「あずさちゃん、腹 減ってない??おばさんが 心配してるよ」
「うん…ありがとう。でも、なんか…食べたくないんだー」
すると、大輔くんがこんな事を話 はじめた。
「祐介ねー、マジであずさちゃんに惚れてたよ。初めて会った時 あったじゃん?あの時も車の中で、ずっと…カワイイを連発してたし。あずさちゃんには、悪いけど…俺…反対したんだよ!でも、祐介は…俺なら幸せにできる…とか…俺が守る…とか自信満々で言われて…大輔は、一番の友達だから お前には わかってもらいたいって…」
私が落ち着くと…祐介のお母さんがポケット中から 何かを取り出すと、私の手に持たせた。
「これ…祐介の着ていた服のポケットに入ってたの!」
私は、その何かをそっと開けてみた。
それは…小さいダイヤモンドの入った指輪だった。
思わず、祐介のお母さんの顔を見た。
すると…優しい笑顔の目にいっぱいの涙を溜めて…私にこう言った。
「きっと…今日…祐介が渡すはずだったのにね…」
そう言うと、祐介のお母さんは…私に指輪をはめてくれた。
私は、声をあげて泣いた。
「何してるの?あずさちゃん!」
「私…祐介の所に行きます。だから…邪魔しないで!お母さん。」
祐介のお母さんは、私を押さえ付けると
「馬鹿な事 言わないの!そんな あずさちゃんが来ても、祐介は追い返すわよ!」
「でも…祐介は、私のせいでこんな事に…。私なんかに出会わなければ、死ぬ事なんてなかったのに…」
すると…祐介のお母さんは…
「あずさちゃん…それは違うよ!誰のせいでもない。これが、祐介の運命だったのよ!そんな事 言ったら、祐介が可哀相じゃない。」
いつもの優しい口調で、私をなだめてくれた。
そして、私を強く抱き締めてくれた。
まるで、祐介に抱き締められているように 私の心は、安らいだ。
突然の私の行動に驚いた淳子が…
「あずさ…?」
私を呼び止めた。
しかし、私は…祐介の後を追う事で 頭がいっぱいだった。
祐介の部屋に入ると、祐介の匂いがした。
そして私は…ベランダに出た。
゛祐介…今、そっちに行くね゛
その時、
私は引っ張られた。
それは、祐介のお母さんだった。
そんな姿を、見て私も 泣き崩れた。
淳子も…泣いた。そして…私の隣りに居てくれた。
私は、自分自身を責めた。
祐介に出会わなければ、こんな事にならなかったのに…。
私のせいだ…。
こんな事を思っていると…私も祐介の後を追いたくなっていた。
すると…私は、とっさに祐介の部屋に向かった。
そして…私達は、目覚める事のない祐介を連れて 祐介の家へ帰った。
私は、お葬式が終わるまで 祐介の家で過ごす事にした。
祐介は、リビングの隣りの畳の部屋に寝かされた。
連絡を聞きつけた、親戚、近所の人、友人、会社の人達が 次々とやってきた。
その中に、初めて祐介と会った時に一緒にいた大輔くんが、 淳子を連れて来ていた。
目を開ける事のない 祐介を見て…大輔くんは
「何で…?あんなに…あずさちゃんと歩くんを守るって言って…何で…お前…死んでるんだよ!」
そう言うと 泣き崩れた。
私は、あまりのショックに 話をする事が出来なくなっていた。
祐介のお父さんやお母さんは、悲しむ暇もないくらいに バタバタしていた。
そんな時、私の横に寄り添ってくれていたのは、祐介のお姉ちゃんだった。
私は、そんなお姉ちゃんに 駐車場での出来事をか細い声で話をした。
お姉ちゃんは、私が話 終わるまで 黙って聞いてくれた。
そして…お姉ちゃんは
「歩くんには、祐が見えたんだね!きっと…」
そう言うと また泣いた。
あの時…本当に歩には、祐介が見えていたのだろうか…。
よく、小さい子は 霊が見えるって聞くけど…。
その真相は、定かではないけど…私は、歩が最期の祐介を見たのだと信じている。
祐介の所に駆け付けた時には、すでに遅かった。
祐介のお父さんが、泣きながら…
「あずさちゃん…たった今…息を…引き取ったよ…」
「祐…祐介?冗談 キツイよー!死んだ振りなんて…」
そう言うと 私は、祐介を何度も何度も揺すった。
「祐介…」
その時…祐介のお姉ちゃんが、私の肩に手を置くと…
「…あずさちゃん…祐は、本当に死んじゃったんだよ…」
お姉ちゃんの言葉で、私は 祐介を失ってしまったという 悲しさとショックに襲われた。
私達は、急いで病院に向かった。
車の中で、私は…祐介からもらった指輪を見つめながら祈った。
゛どうか…祐介を助けて下さい゛
何度も何度も祈った。
病院の駐車場に着いた時の事だった。
今まで 静かに車に乗っていた歩が、チャイルドシートに座りながら 窓の外を指さして…
「ゆうたん…ゆうたん…」
そう言うと、私を見た。
「祐介がいたの?」
そう聞くと…歩は…
「ゆうたん…笑ってるよ」
その言葉を聞いた私は、急いで車を降りると 病院の中に駆け込んだ。
私の様子を見た母が…
「あずさ…?どうしたの?」
母の声に私は、我にかえると
「…祐…祐介が…事故に…あって…危険な…状態だって…祐…祐介の…お父さんから」
やっとの思いで さっきの電話の内容を話した。
泣き崩れる私をよそに、父と母が 慌てて出掛ける支度をはじめた。
゛祐介が…事故?゛
゛何で祐介なの?゛
゛死なないよね?祐介゛
それから…数週間後が過ぎた。
いよいよ、祐介が私の両親に挨拶に来る日がきた。
父も母も、落ち着かない様子で 家の中をウロウロしていた。
私も、そんな父と母を見て緊張していた。
すると…私の携帯が鳴った。
私は、祐介からの電話かと思い 着信の相手が誰なのか 確認せず電話に出た。
「もしもし…祐介?」
「…あずさちゃん?」
電話の相手は、祐介ではなく 祐介のお父さんだった。
「お父さん?祐介は、まだ家に来てないですよ!」
次の言葉で私は、地獄に突き落とされた。
「…あずさちゃん…落ち着いて聞いて。祐…祐介が…」
「お父さん?祐介がどうしたの?」
「祐介が…事故にあって…今…危険な状態なんだよ…」
お父さんも、泣かないようにこらえながらそう言うと病院の場所を言って電話を切った。
私は、ショックのあまりしばらく放心状態だった。
しかし…涙だけは止まらなかった。
私は、祐介に家に電話するように頼んだ。
すると…祐介は、私の顔 みながら家に電話をした。
「もしもし…母ちゃん?俺だけど…あずさに代わるね!」
そう言うと 電話を私に渡してきた。
「もしもし…お母さん?あずさです。お母さん、ありがとうございます。歩にプレゼントまで用意してくれて」
「たいした物じゃないの!わざわざ電話なんていいのに…」
「私…嬉しくて。本当にありがとうございます。」
そう言うと 祐介に電話を渡した。
祐介は、電話を切ると 私を強く抱き締めてくれた。そして…祐介は
「今度は、あずさの親にちゃんと挨拶しに行くからな」
今、思えば あの時 何もかもが順調に行き過ぎていた。
このまま…幸せになれると思っていたのに…。
私と祐介は、服を着ると…
祐介がさっき買った指輪を 私に付けてくれた。
「これからも…ずっと一緒にクリスマスを過ごそうな!」
祐介のそんな言葉に私は頷いた。
すると…祐介は、またプレゼントを私に差し出した。
「これ…うちの母ちゃんが、歩に。あっ!後…これは、あずさに…」
私にくれたのは 手紙だった。
あずさちゃんへ
この間、お饅頭 美味しかったよ。
ありがとう。
でも、これからは そんな気を使わないでね!
祐介から、あずさちゃんとあゆむくんの話を聞いた時、少し驚いたけど…祐介の選んだ人だから、どんな事があっても 私達は、二人の味方よ。
何年ぶりにおもちゃ屋さんに行っただろう…あゆむくんのプレゼントを選ぶの楽しかったよ。喜んでくれるといいな。
お母さんより
私は、手紙を読み終わると涙が止まらなかった。
答えようとしない祐介に私は…
「ねぇー行きたい所ってどこ?」
「…ホテル」
私は、はっとした。
離婚したケンジも…クリスマスに同じ事を言っていたのが 頭をよぎった。
しかし…祐介は、ケンジじゃない!
そう自分に言い聞かせ、ホテルに行く事にした。
そして…私と祐介は、初めて体を重ねた。
「祐介…ありがとう。覚えてくれてたんだね!」
「うん。俺もあずさとペアリングしたかったし…」
そう話す祐介の横顔が、赤く照れているのがわかった。
私は、そんな祐介を見て 思わず手を握った。
「祐介…好きだよ!」
「俺も…あずさの事 好きだよ! …あのさぁ~もうひとつ行きたい所あるんだけど…」
「どこ?」
祐介は、中々 返事をする事なく黙っていた。
着いた先は、デパートだった。
私達は、久々に手をつないで 店に入った。
すると…祐介が…
「あのさぁ~俺、見たいお店あるんだけど…いいかな?」
「うん。」
クリスマスともあって、デパートの中は カップルで賑わっていた。
すると…祐介が向かったのは…
ティファニーのお店だった。
中に入ると…祐介が
「あずさ…前にペアリング欲しいって言ってたじゃん?だから、俺からのクリスマスプレゼントね!一緒に選ぼう。」
私は、凄く嬉しかった。
それから…私達は指輪を買うと、デパートを後にした。
その日を堺に 私達は一段と仲が深まっていた。
そして…クリスマスの事だった。
二回目の二人だけのデートだった。
私は、この日の為に用意したプレゼントを持って 祐介との待ち合わせ場所に向かった。
久々にドキドキしていた。
祐介の車の助手席に乗り込んだ。
「お待たせ。祐介…行きたい所があるって…言ってたけど…」
「うん。」
すると…車を走らせた。
リビングに入ると…
私は、お父さんに挨拶をした。
「こんにちは!お邪魔してます。」
「いらっしゃい。あずさちゃんの事は 祐介から聞いてるよ! 祐介に嫌な事されたら すぐに言うんだよ!」
「ありがとうございます。祐介には、いつも優しくしてもらって 私は幸せですよ!」
そう言うと、祐介のお父さんもお母さんも嬉しそうだった。
また、しばらく話をすると…
「私…そろそろ失礼します。今日は、お父さんとお母さんに会えて良かったです。」
「こっちこそ…何もお構いできなくて、ごめんなさいね。」
とお母さん。
お父さんもまた…
「今度は、泊まりでおいで」
「ありがとうございます。お邪魔しました。」
私は、祐介となら幸せになれる。そう確信した。
この先に待っている どん底など 知るはずもなく。
そして、私達は祐介の部屋に行き 寛いでいると…
トントン…
「はい」
祐介が返事をした。
「入るわよ!」
祐介のお母さんだった。
「お茶でも どうぞ!歩くんもお菓子 食べてね」
「ありがとうございます。頂きます。」
しばらく話をしていると…だいぶ日も暮れかけてきた。
その時、祐介のお父さんさんが帰ってきた。
「私…そろそろ帰らないと…でも、お父さんに挨拶させて」
そういうと、私達はリビングに場所をうつした。
久しぶりに祐介の家にきた。
緊張しながら玄関に向かった。
先に祐介が家に入った。
私と歩は、祐介に続いて家に入った。
「おじゃまします!」
すると、リビングにいたお母さんが 玄関にきた。
「あら…いらっしゃい。遠い所 大変だったでしょ。」
「突然 お邪魔してすみません。これ…皆さんで食べて下さい」
そして…私は手土産を差し出した。
すると…祐介のお母さんが
「そんな 気を使わなくていいのよ!でも、ありがとう。ゆっくりしてってね」
祐介のお母さんは、優しかった。
どのくらい走ったのだろう…。
私は、祐介の家に着くのか不安になり 祐介に電話をした。
「もしもし…」
祐介は、すぐに電話に出て。
「祐介?あたし迷子かも…」
「どの辺?目印になるものない?」
「目印??…〇〇病院ってとこくらいかな!」
祐介は…
「わかった!そこ…動くなよ。すぐ行くから」
私は、不安でいっぱいだった。
しかし…祐介は、すぐに私の所に来てくれた。
そして…私の顔を見た祐介は、頭を撫でながら…
「もう…心配させんなよ!」
「ごめんね…祐介。」
そして、私達は祐介の家に向かった。
次の日曜日…。
私は、祐介の家に行く事にした。
私は、祐介にメールをした。
【今から、祐介の家に行くからね!】
まだ 寝ているのか…祐介からの返事はなかった。
しかし…私は、祐介からの返事を待つ事なく 家を出た。
途中で手土産を買って。
時々 ぐずる歩をあやしながら。
すると…祐介から電話がかかってきた。
「俺んちに来るって…どういう事?」
「今…向かってるからね!」
「一人で来てるの?」
「歩も一緒だよ!カーナビもないし…祐介の家にちゃんと行けるか心配だよ」
「俺…途中まで迎えに行くよ!」
とにかく、私は車を走らせた。
その日の夜…。
私は、祐介から連絡がくるのを待った。
私がウトウトしてきた頃…。祐介から電話がきた。
「もしもし…」
「あずさ?電話…遅くなってごめんな!」
「あと少し遅かったら…寝てたよ!」
「俺…親に話したから!反対されると思って、今まで怖くて言えなかったけど…話す事できて良かった。」
「うん。ありがとう!」
「俺の親が、お前が好きになった人なら応援するって 言ってくれたんだ!」
祐介は、本当に嬉しそうに話ていた。
「祐介の結婚前提って…何なの?一番 肝心な所でしょ?お互いの親に会うって…」
すると…しばらく黙っていた祐介が 話はじめた。
「ごめん…そうだよな!あずさの言う通りだよな。俺…まだ あずさがバツイチで子供がいるって事 言ってないんだ…」
私は、その一言に頭が真っ白になった。
と 同時に私は…祐介を責めた。
「何それ?祐は、何を考えてるの?今すぐ帰って お父さんとお母さんに話して!私 帰るから」
この時、祐介の顔も見る事なく 私は 家に帰った。
祐介と付き合うようになってからも、相変わらず 三人の時間を過ごした。
ディズニーランドに行ったり、海に行って遊んだり ボードにも行った。
しかし…私は、結婚前提と言った祐介が両親に紹介してくれない事が どうしても腑に落ちなかった。
そんなある日の事だった。
「祐、私…祐のお父さんとお母さんに会いたいなぁ!」
「…うん…」
「私達って…結婚前提に付き合ってるんだよね?それなのに、どうして会わせてくれないの?」
祐介は、しばらく無言のままだった。
それは…まるで恋愛ドラマのワンシーンのようだった。
あの時の波の音は、今でも耳の奥に残っている。
そして…私と祐介は、結婚前提に付き合う事になった。
帰りの車の中で、私達は ずっと手をつないでいた。
初めて握る祐介の手は、とても温かかった。
すると…祐介が 私をじっと見つめたまま 話 はじめた。
「俺さぁー、マジやばいよぉ!」
「何がやばいの?」
「…俺、あずさちゃんの事 めっちゃ好きになっちゃったんだよね!もちろん、歩くんも好きだよ。だから、俺と結婚を前提に付き合って下さい!」
私は、びっくりと嬉しさで 中々 言葉を発する事ができなかった。
祐介は、そんな私を見つめたまま 心配そうに…
「やっぱり…ダメかぁ」
私は…
「そんな事ないよ!嬉しいよ。あたしだって…祐介くんの事…好きだもん。でも…結婚前提って…私は、バツイチだし 歩もいるんだよ!」
「知ってるよ!ちゃんと考えたよ。それでも俺は、あずさちゃんと歩くんと一緒にいたいって思ったから…俺じゃ駄目かな?」
私は、そこまで考えてくれていた事が嬉しくて…涙が込み上げてきた。
私は、泣きながら…
「ありがとう。私も…祐介くんとずっと一緒にいたい。こんな私で 本当にいいの?」
「うん。いいよ!」
そういうと、祐介は…私を強く抱き締めた。
そして…日曜日がきた。
いつもの待ち合わせ場所に向かった。
すると…見慣れた車が停まっていた。
私は、祐介の車の助手席に座った。
「ごめ~ん。5分遅刻しちゃった」
「大丈夫だよ!俺も…今 着いた所だから」
「うん。祐介くん、今日はどこに行くの?」
「それは…着いてからのお楽しみ!」
いつもは、歩がいてくれたから 話題が歩でいっぱいだったけど…いきなり二人きりになると、変に緊張して 何かうまく話せない。
車をしばらく走らせると…
私の目の前に飛び込んできたのは…海だった。
「海だぁ~。いつ見ても感動するね!」
「だろう?ってか…この間、海 見たいって言ってたからさぁ」
「ありがとう。ねぇねぇ、車から降りない?」
私と祐介は、車から降りると海辺を歩きだした。
すると…祐介が話 はじめた。
「あずさちゃん、聞いて欲しい事があるんだけど…」
「なぁーに?」
と言って祐介の顔を見た。
祐介のまっすぐな瞳が、私を見ていた。
そんな祐介にドキドキしながら 私は、祐介が話出すのを待った。
三人で遊ぶ事が増えてから、もうすぐ 一年が立とうとしていた ある日の事だった。
いつものように、祐介から電話がかかってきた。
「もしもし…」
「あずさちゃん?」
「うん。」
「今、少し話せる?」
「うん。大丈夫だよ!どうしたの?」
「あのさぁ~、次の日曜日 二人で会えないかな?」
「二人?」
「そう。俺とあずさちゃんで…」
この時の 祐介の声は、とても緊張しているのがわかった。
私は…
「いいよ!じゃぁ~次の日曜日は お母さんに 歩を預けて行くよ!」
「ごめんね…」
二人で会いたいなんて…口にしたのは 初めてだった 祐介。
私の期待は膨らんだ。
そして…月日は流れた。
私と祐介は、二人いや…歩の三人で 遊ぶ事が増えていた。
もちろん…友達のまま。
祐介は、歩の為にと 動物園や公園に一緒に行ってくれた。
歩もそんな祐介が大好きだった。
三人で遊ぶようになって いつの頃だっか…歩は、祐介の事を
「ゆっ。」って呼べるようになっていた。
祐介と歩がじゃれあう姿を見るのは、とても微笑ましかった。
私は、そんな祐介を好きになっていた。
しばらく話をした 私達は、また会う約束をすると みんなで少し 遊んだ。
日も暮れかけた頃、私達は帰った。
車の中では、淳子に色々と聞かれた。
「これから…付き合うの?」
「えっ!?また、会う約束はしたけど…付き合いはしないよ!ってか…メル友と会ったら、すぐ付き合うものなの?」
私が質問すると…淳子は…
「んー。でもさぁ、今まで メールや電話はしてたじゃない?お互いの顔がわからなくてもさぁ、その期間で 感情が芽生えるというか…用は、気持ちから入っちゃえば 付き合うのもありでしょ?」
少し納得したが、私にはすぐ付き合うという事は 考えられなかった。
また、こんな話をしていると あっという間に家に着いた。
「祐介くん、私…メールで知り合った人と こうして会うなんて 思ってもいなかった。でも…私は祐介くんに会えて良かったと思ってるよ!これからも、会ってくれるかな?」
「俺でよければ、また会おう!」
私は、嬉しかった。
普通な出会いじゃなかったけど…。
公園には、遊具があった。
淳子は、早々と歩と大輔くんを連れて ブランコへと行ってしまった。
私は、祐介の方を見ると 祐介も私を見ていた。
私は…
「置いて行かれちゃったね」
祐介も…
「そうだね!せっかくだし…少し二人で話しようか?」
「あっ…そうだね!」
そして…私は おもいきって 話 はじめた。
私達は、色々な話をした。
祐介は、電話やメールをしていた時と一緒だった。あの優しい口調で話をする祐介が、目の前にいると思うと なんだか ドキドキが止まらなかった。
どのくらいファミレスに居ただろ…。
時間をも忘れる程に楽しかった。
そして…私達は、公園に行く事になった。
公園に向う車の中で、淳子は、私にこんな質問をしてきた。
「どう?会ってみた感想は?」
「ふふっ。タイプーやばい!惚れちゃうかも!」
「そっか…」
「うん。でも…祐介くんは、どう思ったかなぁ!」
「じゃぁー歩と大輔くんを連れ出すから、ちゃんと聞いてごろん?あっちも車の中で 同じ事 話してたりして!」
と 淳子は、にやけた。
そんな会話をしていると…公園に着いた。
私は、ファミレスの駐車場に入ると…すぐに祐介にメールをした。
【駐車場にいるからね!着いたらメールしてね!】
それから…数分後。
一台の車が 駐車場に入ってきた。
私は、淳子に…
「あの車…かも…」
すると…私の携帯が鳴った。
祐介からの電話だった。
「もしもし…ごめんね…おそくなって!着いたよ」
「うん。さっき入ってきた車でしょ?前に車種を聞いたの覚えてたから…私が祐介くんの車まで行くね!」
すると…私達は、祐介の車に向かった。
「淳子…メル友に会うのって、こんなにドキドキするの?」
「スリルあるでしょ?」
淳子の冗談を聞く余裕もないくらいの緊張だった。
そして…私は、祐介の車の運転席に向かった。
「祐介くん??だよね??」
初めて見る祐介は、私のタイプだった。
「うん。初めまして…だね!」
「そうだね!あっ、この子が 私の子供の歩だよ!それと…友達の淳子」
「どうも!ってか…歩くんカワイイ。あっ!コイツが俺の友達の大輔。まぁー立ち話もなんだから、飯でもどう?」
そして、私達はファミレスに入った。
車の中でも、メル友の話は続いた。
きっと、一人で来たら 長く感じるはずの二時間だが さすがに、この日の二時間は あっという間だった。
約束の場所まで近付くと…私の携帯がなった。
【俺達は、着いたよ!あずさちゃんは、どの辺にいるの?】
私は、祐介が近くにいると思うと 変な緊張感が込み上げてきた。
私は、コンビニの駐車場に車を停めると 祐介に電話をした。
「もしもし…。祐介くん?」
「うん。今どこ?」
「待ち合わせ場所の近くにはいるんだけど…道 間違えたかも!」
「じゃぁー俺がそっちに行くから 今いる所 教えて!」
「駅の近くの〇〇って言うお店の近くのコンビニにいるんだけど…」
「うーん。その近くにファミレスない??」
「ファミレス?えーっと…ココスは見えるよ!」
「じゃぁーそこで 会おう!」
「わかった。じゃぁー後ほど…」
私は、電話を切るとファミレスに向かった。
私達は、早々と朝食を済ませると 出掛ける準備をはじめた。
「あずさ、もし、変な奴だったらどうする?」
淳子は、イタズラな質問をした。
「変な奴だったら…ってそこまで 考えてなかったー」
すると淳子は…
「あまり期待しない方がいいよ!」
そして…私達は、約束の場所へと向かった。
私は、着替えを済ませると 朝食の用意をはじめた。
こんなに 私…手早く料理が作れたんだ…と思うくらいに 淡々と朝食を作っていた。
もちろん…掃除、洗濯も手早かった。
朝のメールで 早く祐介に会いたいと思った私は、家の事を早く済ませたかった。
そんな事をしていると…淳子が歩を抱いて 起きてきた。
そして…約束の日がきたのだ。
私は、緊張のあまり いつもより早く目が覚めた。
そして…祐介にメールをした。
【おはよう!いよいよだね!緊張しすぎて 早く起きちゃった。】
しばらくすると…私の携帯が鳴った。
【おはよう!俺も、緊張してて あまり眠れなかった。】
そんなやり取りをしていると、前の日から泊まっていた淳子が目を覚ましたのだ。
「今、何時???」
「6時だよ!」
「えーっ!まだ そんな時間なの??もう少し寝るね」
と言うと また眠りについた。
淳子が、泊まったのには 訳があった。
祐介とは、メールだけの関係でいいと思っていた私は、少し離れた所に住んでいる 祐介を選んでいた。
私の家から、祐介の家の方までは 車で3時間は掛かる。
この日、会う場所は お互いの中間地点にしたが…それでも2時間は、掛かる場所だった。だから、早めに家を出掛けたかった私は、淳子に泊まってもらったのだ。
こうして、私と祐介は 会う約束すると電話を切った。
私は、二人だけで会うのは 少し抵抗があった。だから、お互い 友達も一緒に連れて行こうと 私は、祐介に提案した。もちろん…祐介は、快く受け入れてくれた。
私は、祐介と出会うきっかけを作ってくれた 淳子を連れて行く事にした。
日曜日に会えると思うと 嬉しい気持ちもあったが、何故か不安な気持ちも込み上げていた。
その日の夜…
歩は、初めての保育園だったという事もあって 早々 寝てしまった。
私は、思いきって祐介に電話をした。
「もしもし」
「もしもし…あずさだけど…急に電話してごめんね」
「大丈夫だよ!俺も電話しようかなぁって 思ってたとこだし…」
と祐介は、優しい口調で話をしてくれた。
私は…
「ねぇー、祐介くん!私…祐介くんに会ってみたいなぁ」
「えっ!? マジで?」
「うん。マジだよ!半年もメールしてるし…やっぱり…直接 会って 話がしたいなぁー」
「俺も…同じ事 思ってた! じゃぁー今度 会ってみようか!」
仕事に入る前に 携帯をチェックした。
すると、祐介からメールが届いていた。
【おはよ!歩くん、ちゃんと保育園に行けたかな?あずさちゃんも、仕事 頑張って!】
私は、祐介のメールに癒されていた。
顔も知らない人なのに…。私は、祐介に会いたいという気持ちが 日に日に増していくのを強く感じた。
泣き出した歩を見ると、私も切ない気持ちになった。
私は、何度も振りかえりながら 歩の姿を目で追った。
こんなに 切ないなら、もう少し 外で働くのを我慢すれば良かった…。
そんな事を考えながら、私は 仕事に向かった。
そして…月日は流れた。
いよいよ、歩を保育園に預ける時がきたのだ。
大荷物を抱えて、よちよち歩きの歩の手を引いて…。
教室の入り口に先生が立っていた。
「おはようございます!」
「おはようございます!歩くんも、おはようございます!」
すると、歩は私の手を強く握り締めた。
「歩~、ちゃんと先生にご挨拶しなきゃ駄目でしょ?」
「じゃぁ~歩くん、教室に入ろうね」
私は、歩の手を離し 先生の所に行くように促した。
すると…歩は、私の足にしがみついてきた。
先生も慣れた手つきで 歩を抱き上げた。
すると…先生は
「お母さん、早く行って下さい!三日もすれば 後 追わなくなりますから。」
「お願いします」
いとこの家に着いた。
「洋子姉ちゃん、歩 ありがとう」
私の声に気付いた歩は、よちよち歩きで 玄関に歩いて来た。
「歩、ただいま。ちゃんとお利口さんにしてたかな?」
そう言うと、歩を強く抱き締めた。
すると、洋子姉ちゃんが話はじめた。
「ちゃんと お利口にしてたよ!お昼寝から起きた時、ちょっと ぐずったけど…おやつ あげたらご機嫌になったの」
「洋子姉ちゃん、本当 助かるよ!ありがとう」
そういうと、私と歩は家に帰ったのだ。
パートの私は、みーちゃんに
「お先 失礼します」
というと 会社を後にした。
急いで いとこの家に向かった。
歩を預けてきたのだ。保育園には、4月から預けたかった私は いとこに歩を見てもらえるように頼んでいたのだ。
仕事に戻ると また…組み立ての作業をはじめた。
すると…私と歳が近そうな子が 話掛けてきた。
「〇〇さんって、いくつ?」
「私は、21です。」
「えー!本当?私 22なの。歳が近い人が中々いないから 嬉しい」
と、満面な笑みで話をした。私は、すかさずその子の名札を見た。“工藤美由紀”という名前だった。
「本当? よろしくお願いします」
私とみーちゃんは その後も色々 話をした。
この子なら、仲良くなれそうって思った。
そうこうしているうちに、帰る時間になった。
職場の雰囲気は、とても良く 仕事内容も まぁまぁだった。
お昼休みになり、私は携帯を見た。
すると…祐介からのメールが入っていた。
【今からお昼!仕事は順調かな?午後も頑張れよ!】
私も返事をした。
【私も、これから お昼休みだよ!初日だから 緊張しまくりだよ!祐介君も頑張って】
【はーい!】
休憩が終り仕事に戻った。
この日から、私と祐介は 度々 電話で話をするようになった。
数日後…私の 初出勤勤の日が来たのだ。
この日の朝も祐介がこんなメールを送ってくれた。
【おはよう!今日は、初出勤だね!頑張ってこいよ!】
正直…嬉しかった。
顔も知らない相手なのに…。
お互いが、電話とメールで 少しづつ心を開いていった。
私は 電話に出た。
「もしもし…」
「あずさちゃん?」
「うん。」
「はじめまして!だね。」
「はじめまして!だね。何か めっちゃ緊張するー」
そして…私達は、1時間位 話をすると 電話を切った。
番号の下に 付けくわえたかのように
【ワンコールしてくれれば 折り返し電話するよ!】
と 入っていた。
私は、歩がぐっすり寝ているのを確認すると…祐介の携帯に電話をした。
プルルル…。
緊張のあまり 電話を切った。
しばらくすると…私の携帯が鳴った。
番号は、祐介だった。
このころから、私は祐介と話がしてみたくなっていた。
そう思ったのは、私だけでなく祐介も同じだった。
その日の夜…祐介からメールがきた。
【ただいまー!今日も疲れた(-.-;) あずさちゃん、仕事 決まって良かったね! 話 変わるけど…電話で話してみない?】
このメールに、私は 緊張した。ドキドキしながら 返事を返した。
【いいよ!でも…緊張するね】
すると…又 すぐに返事がきた。
【俺も、緊張してるけど…あずさちゃんと話 してみたいから…】
このメールの終りに携帯番号が入っていた。
面接を受けた会社は、私にとっては 文句なしの会社だった。
ただ…心配なのは、採用になるかどうかだった。
3日後の事だった。
私の携帯電話がなった。おそるおそる 私は電話に出た。
「もしもし…」
「もしもし…〇〇あずささんの携帯でよろしかったでしょうか? 〇〇会社の青木です。先日、面接をさせて頂いた結果…採用させて頂きます」
「あっありがとうございます。よろしくお願い致します」
電話を切ると 私はガッツポーズした。
そんな私を見て…歩は、キョトーンとして私を見た。
私はすぐに もう一つの会社に断りの電話をした。
もちろん…祐介にも報告するのを忘れなかった。
【仕事 決まったよ!】
しばらくして、返事がきた。
【良かったね!今度 お祝いしなくちゃね!】
かわりのない生活が続いていた。
私は、歩が1歳になったし…内職だけでなく 働きにでようと思い、暇をみつけては 職業安定所に出掛けた。
そして、働きたいと思う会社が幾つかみつかった。
私は、そのうちの2社に面接をする事にした。
次の日…淳子は帰った。
私は、祐介と日常会話のメールは欠かさずしていた。
しかし…お互い電話や直接 会うという事は言わなかった。
そして…育児・家事・内職の生活は続いた。
それから…数ヶ月が立った。
歩も1歳になり、よちよち歩きをするようになっていた。
祐介とも、メールだけの関係が続いていた。
私は、すぐに返事を返した。
すると…淳子が話はじめた。
「どこに住んでる人?すぐに会おうって言ってくる人は、エッチ目的だからやめた方がいいよ!」
「エッチ目的???そんな人もいるの?それにしても、淳子…詳しすぎだね!何回か会った事あるの?」
「あるよ!でも1回だけね!その人が今 私の気になってる人だよ」
「そうなんだぁ~」
私は、メル友に会うという意識はなかった。
この時は…
私は、淳子に教えてもらった通りに サイトにアクセスをした。
色々な書き込みがあるのに驚いた。
私は、歳が近く 真面目そうな人に プロフィールを書いてメールを送った。
すると、数分後に返信がきたのだ。
【はじめまして!俺 祐介。よろしくね!】
この後、祐介が私にとって大きな存在になるとは…この時はまだ 思いもしなかった。
それから、私と淳子は 高校の時の話から 今までの恋愛の話でさらに盛り上がった。
そして、私は 淳子に質問をした。
「淳子…今はどうなの?」
「彼氏はいないんだけど、メル友といい感じなんだぁ」
メル友? という言葉に興味津津になった。
「メル友って何なの?」
「知らないの?結構 流行ってるんだよ!」
淳子に詳しく説明してもらった私は どんなものなのか試したくなってきた。
「なんか…楽しそうじゃん!私にもやり方 教えてよ」
そして…私は 淳子にさらに詳しく教えてもらうと 試しにやってみる事にした。
淳子は、お菓子やジュースをいっぱい持ってきた。
久々に会った淳子は、少し太っていた。
「あずさ…随分 痩せたんじゃない?」
「まぁー色々あったからね…淳子は、幸せ太りかな?」
「相変わらず、ズバッと言う所 変わってないねー」
こんな たわいもない話で 盛り上がった。
高校の時の友達、淳子から手紙が届いたのだ。
私は、懐かしさのあまり 慌てて手紙を読んだ。手紙の内容は、同窓会の話だった。手紙の終りに携帯番号とメールアドレスが書いてあった。
私は、すかさずメールを送った。
すると…私の携帯電話が鳴った。
「もしもし…」
「もしもし…あずさ?淳子だよ!久し振りー」
電話の相手は、淳子だった。
この淳子との再会で、私に新たな出会いが訪れる事を この時 気付かずにいた。
離婚届けを出してから、すぐに仕事を探した。
しかし、小さい歩を保育園に預けるのは 可哀相だと思い 私は、内職をする事にした。
そして私は、家事をしながら子育て 歩が寝ている間に内職をする生活が続いた。
そんなある日の事だった。
次の日…。
私は、アパートに 荷物を取りに行った。
ケンジのいない時間を見計らって…。
久々のアパートは、とても散らかっていた。
私は、急いで自分の服と歩の服をまとめた。
帰ろうと 部屋を見渡した。何故かこの時だけ、楽しかった時の事だけが頭を過ぎった。
そしたら、なんだか泣けてきた。
私は、涙を拭うと アパートを後にした。
そして…役所に離婚届けを出した。
「私のサインは、してあります。だから、ケンジもサインをして」
すると…ケンジは
「ちょ…ちょっと待ってくれよ!もう一度だけ考えてくれよ」
すると…ケンジの父親がまた 話はじめた。
「ケンジ、もう…あずさちゃんの気持ちは 決まってるんだよ。お前が悪いんだから 仕方ない。お前もサインしろ」
私の両親は…ただ見つめるだけだった。
ケンジは、渋々ながらも離婚届けにサインをした。
そして、ケンジとケンジの両親は帰って行った。
しばらく沈黙が続いた後、ケンジの母親が口を開いた。
「あずさちゃん、ケンジと歩で3人で住むのが嫌なら、家で一緒に住みましょうよ」
「…今更 そんな事 言われても…無理です」
すると…今まで黙っていたケンジの父親が話はじめた。
「あずさちゃん、ごめんな…このバカ息子のせいで辛い思いをさせて。でも、歩の為にももう一度だけ考えてくれないだろうか!」
するとケンジも
「頼む!もう一度だけ考えてくれ」
その時…
私は、ケンジの目の前に紙を置いた。
その紙を見たケンジは、今までにないくらいの大きい目をした。
今度は、ケンジの母親が話はじめた。
「あずさちゃんは、どうしたいの?」
私は、しばらくうつむいたままだった。
すると…父は、
「黙ってないで 何か言いなさい」
「…私は……したい」
泣きながら、やっとの思いで自分の気持ちを伝えたのに…。
父は…
「泣いてたら、わからないだろ!はっきりと話をしなさい」
私は、溢れ出す涙をこらえたつもりだった。
しかし…その涙は 止まらなかった。
だから私は、泣き叫んだ。
「もう…ケンジが怖くてたまらないの!一緒にいたら何されるかわからない!離婚したい」
しばらくの間、誰も話をする事はなかった。
ただ、私の泣き声がリビングに響いていた。
リビングに入ると…みんなが私に注目をした。
すると…ケンジが…
「あずさ、ごめんな…本当にごめんな…歩は?元気なのか?」
私は、また震えが込み上げてきた。
あんなに大好きで愛していたのに…ケンジが怖い人でしか見れなくなっていた。
すると…父が話はじめた。
「これから…どうします?あずさがここへ帰って来るの 今回で二回目だけど…」
すると…今度は、ケンジが話はじめた。
「すみませんでした。今度こそ、ちゃんとします。」
「一回 こんな事があって、ちゃんとするって言ったのに…結局 同じ事したんじゃないの?また…結局 同じなんじゃないの?」
父は、声を荒立てた。
しばらくすると…家のインターホーンが鳴った。
母は、慌てて玄関に向かった。
私は、ケンジが来たと思うと震えが込み上げてきた。
リビングでは、ケンジの両親が謝る声が響いていた。
すると…母は、私の元へ来た。
「あずさもこっちへ来なさい。」
込み上げてくる震えを 抑えながら、私は 渋々とリビングに向かった。
いつの間にか…私は、歩の隣りで寝ていた。
目が覚めた時、当たりは薄暗くなっていた。
しばらくぼーっとしていると、母が帰って来た。
帰って来るなり 母は、どこかに電話をかけはじめた。
しかし、その相手が 誰なのか…聞かなくてもすぐにわかった。
電話が終わると 母は…
「今から、ケンジの親が来るから 今までの事 ちゃんと話なさいよ」
そんな事 言われても、私は こんな状況で ちゃんと会話ができるのか…とても不安になった。
しばらく無言のままだったが 私が話はじめた。
「私…ケンジが怖い。だから、もう…一緒には居れない」
「ケンジが怖いって…」
私は、ケンジにされた事を全て話した。
すると…母が話はじめた。
「もう…いいよ。ここに居なさい。」
「よくない!あずさだけじゃないんだぞ!」
「そうだけど、あずさの心は ボロボロじゃない!」
「…夜にでも ケンジの親を呼ぼう」
父は、それだけ話すと 黙ったままだった。
実家に着いた。
母は、私の車で帰って来た。
リビングに入ると、ようやく 父が重い口を開いた。
「どうして すぐに ここに帰って来なかったんだ?」
「…」
「黙ってたんじゃ わからないだろ!」
「…帰って来れる訳ないじゃん!」
「普通、実家に帰って来るだろう…よその家に行って 迷惑だろ」
確かに…麻弓に迷惑を掛けてしまった。
父は、話を続けた。
「ケンジから、あずさが帰って来ないって 電話があってから どれだけ 心配したと思ってるんだ?眠れなかったよ。」
私は、誤解していた。
心配してくれてないと思っていたが、父は予想以上に 心配してくれていた。
父のそんな言葉に 涙が溢れ出した。
それから、30分位たった頃…。
私と歩を迎えに 父と母が来た。
父と母は、麻弓のお母さんに 深々と頭を下げた。
私は、麻弓に…
「ごめんね…せっかくの休みを 無駄にさせちゃて」
そう 言うと、麻弓のお母さんに 頭を下げると 父の車に乗った。
車の中は、無言だった。
家に着くまで 私も父も 口を開く事は なかった。
「いいから、早く帰って来なさい!」
「帰れない…」
「何を言ってるんだ!」
「ケンジに見つかったら、私 何されるかわからないから…」
「じゃぁー迎えに行くから、居場所を教えなさい」
私は、渋々だったが 麻弓の家を教えた。
私は、眠れなかった。
朝になり、私は 携帯の電源を入れた。
相変わらず、ケンジの留守電でいっぱいだった。
しかし、そのメッセージの中に母親からのメッセージがあった。
「あずさ…すぐに連絡しなさい!」
母の声は、怒っているようだった。
私は、おそるおそる 実家に電話をした。
「はい。」
電話に出たのは、父だった。
「もしもし…あずさ…だけど…」
「あずさ?お前 今 何処にいるんだ!子持ちが何やってるんだ!」
父は、私と歩の心配ではなく 怒りの言葉が飛んできた。
「麻弓の家にいる。私…ケンジと離婚する。もう…ケンジとは 一緒に居れない。」
しばらくすると…
麻弓が話 はじめた。
「あずさ…私、そろそろ東京に帰らないと…」
「そうだよね…ごめんね、麻弓」
「あたしは、全然構わないけど…このままじゃぁーあずさにとっても、歩くんにとっても 良くないと思うよ」
「うん。わかってる…でも、今日 一晩 泊まらせて!」
「いいよ」
この時の私は、逃げてばっかりだった。
私は、また…泣き出した。
歩もこの時、私と同時に泣き出した。
そんな歩を 強く抱き締めながら、私は ひたすら泣いた。
夕方になると…
さすがに 私も泣き疲れて ぼーっとしていた。
これから…どうしたらいいのか…でも、麻弓の家に いつまでも 置いてもらう訳にはいかないし…。
しかし…ケンジの元へは 絶対に帰りたくなかった。
次の日…
職場に休みの電話した。
留守電が何件も入っていた。
もちろん…全てケンジから…
しかし、その中に一件だけ 桃子からのメッセージが入っていた。
「あずさ…何かあったの???心配だから 連絡ちょうだい」
そのメッセージを聞くと 私は、桃子に電話をした。
「もしもし…」
「あずさ…今 どこにいるの??ケンジくん 凄く心配してるよ!」
「桃子の所に行ったの?ケンジ いるの?」
「いないよ!でも、何があったの?」
私は、桃子にも 全ての出来事を話た。
すると桃子は…
「そんな事が あったんだぁーごめんね…気付いてあげられなくて。でも、ケンジくんには連絡してあげて!」
私は、返事する事なく電話を切った。
ご馳走を食べた 私達は、部屋へ戻った。
私は、バックの中から携帯を取り出した。
携帯を見ると、ケンジからの着信でいっぱいだった。
すると…また、電話が鳴った。
私は、どうしていいかわからず 電源を切った。
青ざめている私に 麻弓は…
「大丈夫?親には 話ておいた方がいいんじゃない?」
私は、ただ 泣くだけだった。
「うちは、全然 かまわないけど…あずさは、大丈夫なの?」
麻弓の言葉に 私は泣き出してしまった。
私は、ひとつ ひとつ麻弓に事情を話た。
お金の事や暴力の事…
全て話をすると…
「こんなになるまで 一人で抱えてるなんて…あずさのお母さんは、この事 知ってるの?」
「今も、暴力してるとは 思ってないんじゃないかな!」
麻弓は、その後 何も聞いてこなかった。
しばらくすると、麻弓のお母さんが ご馳走を作ってくれた。
この時の私には、このご馳走がとても 心に染み込んだ。
ケンジにバレないように 歩の粉ミルクを多めに持つと 私は アパートを出た。
私は、麻弓の家に向かった。
そして、麻弓の家の着いた時だった。
ケンジから電話が鳴った。
「もしもし…」
「あずさ?俺もちょっと先輩の所に行ってくるから」
「う、うん。わかった」
私が、粉ミルクを多めに持って出掛けたのがバレたと思ったが…
違っていた事に安心した。
私の車の音に気付いて、麻弓が外に出て来てくれた。
「あずさー久し振りーっていうか…あずさ、痩せた?」
「色々あって…」
「とにかく中に入って 話そ」
久し振りの麻弓の部屋は 懐かしかった。
麻弓のお母さんも 変わらず 優しかった。
麻弓の部屋に入ると、私は…
「ねぇ、今日 泊めてくれない?」
予想もしない言葉に 麻弓も驚いた。
次の日…。
ナオトの仕事の都合もあって どこにも寄らずに家に帰った。
家に着いたのも早かった。
しばらくすると…私の携帯が鳴った。
「もしもし…」
登録してない番号だったから 誰なのかわからなかった。
「誰?」
すると…
「あたしだよー麻弓!」
「えっ!?まゆ?本当にまゆ?」
「そうだよ!久々にこっち来たから、あずさの家に寄ったら 結婚したって聞いて、びっくりだよぉーねぇー久々に会えないかな?」
「ちょっと待ってね」
そう言うと、私は ケンジに状況を説明した。
おそるおそる ケンジの返事を待った。
「行ってきたら!久し振りなんでしょ!」
以外な返事に気が抜けた。
「お待たせ。OKもらったよ!」
私は、麻弓に会う口実ができて安心した。
早く…ケンジから逃げ出したかった…。
そんな私を見つめたいたケンジは、いきなり私を抱き締めた。
「殴ってごめんな…痛かったよな…」
と言うと 優しくキスをすると、私の胸を触りはじめた。
私は、ケンジに対して 恐怖心に襲われていた。
だから…ケンジのする事から避ける事ができず、されるがままだった。
私は、ただ ケンジから逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
当たりは、すでに薄暗かった。
私達は、温泉に入り 夕飯を食べた。
歩も眠り、私も寝ようと横になった。
すると…旅館でいつもと部屋が違うのと、私の浴衣姿に興奮していたケンジは…
私に激しくキスをしてきた。
私は、長い時間 車に乗っていた疲れで ケンジを突き放した。
すると…ケンジは、無理矢理 私を起こし 顔を殴ってきた。
私は、恐怖から動けずにいた。
しかし、ケンジは辞めなかった。
お腹や背中も殴られた。
しばらくして、泣いてるだけの私にケンジは
「お前、浮気してるから 最近 俺とやらないんだろ💢」
私は、泣きながら
「浮気なんてするはずないでしょ?仕事して家の事やって 精一杯やってるじゃん」
「荒木とかって男の話をよくしてるだろう?そいつの事 好きなのか?」
「何 言ってるの?私は、ケンジの奥さんだよ!ケンジを愛してるのに…」
私は、泣きくずれた。
ナオトの車に乗り込むと 車は 走りだした。
車の中は、会話が途切れる事がなかった。
ケンジは、ナオトと桃子に 良いパパを演じたいのか…お風呂以外 あまり 見向きもしない歩の世話をしていた。
そんな姿が、私には 腹立たしかった。
が…楽しい空気を壊す事は 私にはできなかった。
結構、長い時間 車に乗っていたが あっという間に 熱海に着いた感じだった。
旅館は、ナオトが別々に 部屋を予約してくれていた。
そんな日が続いたある週末の事だった。
ケンジは…
「今日 ナオト達と旅行に行くぞ!」
「随分と急だね…」
「ナオトとが 久々にみんなで会いたいって…」
「そうなんだ~旅行って何処に行くの?」
「熱海。ナオトの車で行くから、早く用意しろよ」
私は、慌てて 旅行の用意をはじめた。
しばらくすると…
インターホーンが鳴った。
ケンジが鍵を開けると…
ナオトと桃子が立っていた。
「久し振りだなぁ~!あずさ まだ 用意 終わったないから 上がれよ」
急に旅行なんて言われて、すぐに用意が 終わるわけないのに…ケンジの言葉にイライラが止まらなかった。
しかし、桃子が私の所へ来た。
「あずさ、久し振り!」
「桃子~」
「あずさ、痩せたんじゃない?」
「うん。わかる?ケンジは ちっとも気づかないよ💢さすが 親友は違うね」
そんな会話をしながら、旅行の用意を済ませた。
ある日の夜…。
寝ようとした時…
ケンジは、私の背後から抱き付いた。
しかし、仕事と家事と育児をする事に慣れていなかった 私は、
「ケンジ、私 疲れてるから…ごめん」
と 断ったが ケンジは、私の胸を揉むのを辞めなかった。
私は、知らん顔して 目をつぶった。
しかし、ケンジの手は 私のアソコを触りだした。
私は、 ケンジの方を向くと
「本当に 疲れてるんだから、辞めて」
そう言うと、私は ケンジに背を向けた。
すると…ケンジは、私の背中を蹴飛ばした。
私は、何も言わず 眠りについた。
私が入社して、一週間が過ぎた。
荒木君は、仕事を丁寧に教えてくれてる お陰で ある程度 慣れてきた。
休憩時間も、たわいもない会話をするようになった。
家に帰ると 歩の世話と ケンジの機嫌 取りをしながら…
私は、働き出してから ケンジに 職場での出来事を話すようにしていた。
もちろん…荒木君の事も度々 口にするようになっていた。
私の採用が決まってから、歩を預ける保育園など とんとん拍子に決まった。
そして…
いよいよ 働く日がきた。
歩を保育園に預けると、私は 新しい職場へと向かった。
今まで、やった事のない仕事なだけに 緊張もピークを達していた。
職場に着くと、制服に着替え 自己紹介をした。
私に与えられた仕事は、簡単な組み立て作業だった。 この職場は、男性が多く 女性は 少なく 周りを見渡すと ほとんど男性だった。
課長が
「わからない事があったら、荒木君に聞いてね!」
「…はい」
「君達…歳も近いから いいだろう…」
この…荒木君との出会いで、私とケンジは 険悪なムードになってしまうとは…
「…採用させて頂きます」
どうせ この会社にも受かるはずがないと、諦めていた分 嬉しさは大きかった。
「ありがとうございます。よろしくお願い致します。」
そう言うと電話を切った。
夕方になり、ケンジが帰ってきた。
私は、ケンジに採用の電話があった事を話た。
すると…ケンジは、久々に笑顔を見せた。
その晩…仲直りをしたいのか、ケンジが私の布団に入ってきた。
歩が生まれてから、すっかり ご無沙汰だったが 私も いつまでも膨れっ面のケンジを見ているのは 嫌だったし…本当に久し振りに、私とケンジは 体を重ねた。
私は、仕事を探しはじめた。
面接も幾つか受けたが、子供が小さい事もあって 落とされた。
やっぱり、もう少し大きくなるまで 働かなくても…と諦めかけていた時だった。
家の電話が鳴った。
電話の相手は、最後に面接を受けた 工場からだった。
それから、数日後…
ケンジは 私に何も相談もせずに 仕事を辞めた。
すぐに 新しい職場は見つかったが、この頃からケンジは…
「お前も、早く働けよ」
と 口にするようになった。
お金の事で 喧嘩する事が増えた。
せめて 歩が歩けるまでは、自分で歩を見ていたかったが、生活をしていく為には 働かなければいけなくなっていた。
「ケンジ…」
ケンジの顔を見ると、鼻血が出ていた。
「鼻血が出てるけど…」
慌てて鼻を拭って ケンジは…
「親父に殴られた」
「何で…お義父さんに殴られるの?仕事は?」
買い物が終わるまで ケンジは無言だった。
アパートに着くと ケンジは 話はじめた。
「実は、有給をつかってパチンコしてた。俺の車を見た親父が 殴りかかってきた」
私は、呆れて話をする気力すら無くした。
そんな 出来事は、すぐに起こった。
今まで、キレなかった方がおかしなくらいなのに、人間は 必ず変われる…と信じていた 私が馬鹿だったのか…。
歩も首が座り、おんぶをして 近くのスーパーに買い物に出掛けた時だった。
夕飯の材料を探している時…まだ 仕事のはずのケンジが スーパーにいた。
ケンジは、私に気付いて 私の元へやってきた。
歩の泣き声で 私は目を覚ました。
気付けば 夕方になっていた。
歩におっぱいをあげると、私は急いで 洗濯物を取り込んだ。
しばらくすると…ケンジが帰って来た。
ケンジは、私と歩の顔を見ると とても喜んでいた。
しかし…この笑顔が そう続かないとは…思うはずがなかった。
アパートに着いた私は、部屋の汚なさに がっかりした。
服は脱ぎっ放し、食べた物のゴミは散乱してるし、布団は敷いたまま…挙げ句の果てに エロ本まで…
でも、女を連れ込んだ形跡はなかったから 安心した。
しかし…この汚なさでは、歩が可哀相と 思った私は 慌てて掃除をはじめた。
数時間が立って…
掃除も終わった。
歩も寝てるし、私は 隣りに横になると いつの間にか 歩と寝ていた。
気付けば、半月も実家で過ごしていた。
私は、アパートに帰る事にした。
半月もの間 ケンジに 会っていなかった訳ではないが、アパートに帰るのは 本当に久し振りで 変な緊張感があった。
私は、ケンジを驚かそうと思い 連絡をせずに アパートに帰った。
入院生活も あっという間に過ぎた。
そして…退院の日がきた。
清々しい秋晴れだった。
迎えに ケンジとケンジの母が来てくれた。
私は、歩を抱いて ケンジの実家へと顔をだした。
しばらくして 私と歩は 私の実家に向かった。
そして、体調が落ち着くまで 実家で世話になる事にした。
✨サンセットさんへ✨
読んで下さって ありがとうございます🙇
出産の所は、私 自身 文字を打ちながら 感動が蘇り 涙が溢れてしまいました😥
よろしければ、最後まで お付き合い下さい😊
サンセットさんの作品も、是非 拝見させて頂きます✨
こころ👸より🐥
こころ様へ
何時も読ませて頂いております… 「南風にふかれて」を、綴っているサンセットです。
出産のレスに自身の若き日を思い出してしまい…
思わずレスしています。
なんだか似ていて…夢中で読ませて頂きました。
これからも頑張って綴って下さいね(^-^)
私も思い出しながら綴って行こうと思います!
出産のレスに感動しました
199★年 10月23日。
命名《歩》
3200g…元気な男の子。
私も、ケンジも 我が子が生まれてきて くれた事が とても嬉しかった。
夕方には、ケンジの両親も駆け付けてくれた。
初孫の顔を見て…
「ケンジが生まれた時の顔と同じ」
と、ケンジの母は 嬉しそうに 話てくれた。
この幸せの時間は、そう長くは続かない…。
これが、また 悲劇のはじまりに過ぎなかった。
そんな時…陣痛の間隔が短くなった。
内診をすると…助産師さんが
「いよいよですね。」と 優しく 私に問いかけた。
ケンジは、立ち会ってくれなかった。
しかし、私は 赤ちゃんに出会う事に必至だった。
それから…しばらくすると…
分娩室 いっぱいに 赤ちゃんの泣き声が 響き渡った。
「おめでとうございます…」
そんな 看護婦さんの声など 耳には あまり 入らなかった。
ただ、嬉しさと感動で 涙が溢れた。
病院に着いた。
ケンジは 先に病院に着いていた。
私は、ケンジの腕を掴み 病院の中へ入った。
病院では、すぐに 内診をした。
しかし…まだ生まれる気配はなかった。
ここから、私は 陣痛に ひたすら耐えた。
そんな 私を見て ケンジは ただ、腰を擦る事しか 出来ずにいた。
そんな時間が ただゆっくりと過ぎた。
それは、目覚めと共にやってきた。
予定日の当日の事だった。
生理痛のような痛み…
私は、これが陣痛だと 思い ケンジにすぐ電話をした。
その後 すぐに病院に電話をした。
出勤前だった 母に休んでもらい、病院に向かった。
臨月に入っている私は、実家に帰る事にした。
いつ 生まれても いいように、入院の準備をして…。
まるで、家出するみたいに 大荷物を抱えて。
予定日を控えた頃、 私は検診の為に 病院へ向かった。
「順調ですよ! でも、そろそろ 赤ちゃん 下がってきててもいい頃なんだけど…予定日過ぎても 生まれそうになかったら また来て下さい」
私は、早く赤ちゃんに 会いたいという気持ちでいっぱいになった。
予定日まで あと少し…
すると…今度は、父が話はじめた。
「俺も、離婚は 反対だ!でも、ケンジは いい歳なんだし ケジメを付けて欲しい!」
ケンジは…
「わかりました。パチンコは、絶対にしません。」
しばらく 無言の時間が過ぎたが…
「明日、アパートに帰る」
私の一言で あまり意味のない 話し合いが終わった。
これで 幸せになれると思っていたのに…。
翌日 私は、アパートに帰った。
「こんなになるまで 放っておいて そんな事がよく言えるわよ!離婚した方がいいんじゃない?」
母の言葉は、いつもとは違った。
まさか…母の口から《離婚》という言葉が出るとは…
ケンジの両親は…
「それだけは…」
と離婚を拒んだ。
すると…ケンジが
「あずさ…本当にごめん。これからは、ちゃんとするから…離婚だけは、考えないでくれ!」
リビングは 何とも言えぬ空気が漂っていた。
ケンジとケンジの両親は、父の向かい側に座ると、また 深々と頭を下げた。
すると…母は、
「あずさ、ちゃんと説明しなさい!」
「…」
私は、また 涙が溢れだした。
しかし、ケンジの両親に これまでに された事を話た。
私が 全て話 終わると ケンジの母が 話はじめた。
「そんな事があったなんて…ごめんなさいね。でも、どうして私達に言ってくれなかったの?」
無神経な質問に 母が口を挟んできた。
時間は、10時を過ぎていた。
こんな時間に家のインターホーンが鳴った。
ケンジとケンジの両親が来たのだ。
玄関に入るとすぐに…ケンジの両親は 深々と頭を下げると
「この度は、すみませんでした…」
母は、そんな挨拶も無視するかのように、ケンジとケンジの両親をリビングに案内した。
母が部屋から出て行った後も 涙が止まらなかった。
隣りの部屋で 何やら 父と母が話をしているのがわかった。
しばらくすると…又、母は 私の所へとやって来た。
「ケンジの両親を呼んで 話し合いをするから…」
私は、返事をする事などなく ただ、泣き続けた。
そんな姿を見た母は…
「一人で 考え込むのは あずさの悪い所よ! 泣くほど 辛い事があるなら言いなさい」
私は…重い口を開いた。
そして、ケンジとの日々の出来事を ひとつひとつ話 はじめた。
母は、私の話を黙って 最後まで聞くと…
「そんな男と別れなさい! 」
以外だった…母がそんな事を言うなんて…
「お父さんにも 話ておくから…」
そう言うと 部屋から出て行った。
しばらくすると…母が私の所へと来た。
すると、母は…
「あずさ…ケンジと何かあったの?」
「…別に…。」
「何もないならいいけど…ため息ばっかり ついて…家庭のある身なのに…」
母の言葉 ひとつひとつが心に染みて、私は思わず 涙を流していた。
無言のまま…。
ケンジから電話がくるのを恐れていたが、ケンジからの電話はなかった。
私は、家族で夕食をとり お風呂に入った。
お風呂から 出て私は、携帯が鳴っている事に気付いて 慌てて電話にでた。
「あずさ…今日も帰って来ないのか?」
「ごめん…今日も泊まる」
昨日のケンジとは違い、とても優しい口調だった。
「そっか…じゃぁ~おやすみ」
「おやすみ…」
ケンジの急変した 態度に 私は、困惑したが あまり気にせず 横になった。
あっという間に時間は過ぎていた。
お店を出ると 外は薄暗かった。
実家に着くと 母は慌てて夕飯の支度をはじめた。
私は、ケンジに連絡しようと携帯を取り出した。
怒ってるケンジの顔が浮かんでくる…。
どうしても電話を掛ける事ができなかった。
私は…ショートメールで連絡する事にした。
【キョウモ ジッカ二トマルネ!】
嘘をつくのに必死だった。
「別に 構わないけど…ケンジには、ちゃんと連絡しなさいよ!」
母は言った。
「うん。」
この日は、久し振りに買い物に出掛けた。
いつもだったら、自分の服を買っていたが この日は、お腹の赤ちゃんの服を買った。
この時は ケンジの事など忘れていた…
諦めたのか…ケンジもそれ以降 電話を掛けてくる事はなかった。
次の日…
私は…
「今日も泊まるから…」
父も母も不信そうに 私を見つめた。
しかし、私は…
「ほら…私 嫁に行ってから 中々 ここに顔 出さなかったじゃない!たまには いいでしょ!アパートに一人でいるのって 結構 ストレス溜まるし…」
「もしもし…」
母が電話に出た…。
「いるわよ!ちょっと待ってて あずさに代わるから…」
すると、母は電話の子機を私に渡してきた。
「もしもし…」
「何で 黙って出掛けるんだよ💢 早く帰って来いよ!」
明らかに 怒っているケンジの元になど 帰る気はなかった。だから 私は…
「今日は、実家に泊まるから…」
そういうと、私は ケンジの返事など無視して 電話を切った。
母が私に…
「ケンジに黙って来たの?」
と聞かれ 私は…
「うん。朝早くに出掛けちゃったし、電話しても出ないんだもん!」
「そうなの? ならいいけど…」
母は心配そうに 私を見つめた。
日も暮れてきた頃…
ずっと バックの中に入れっ放しにしていた携帯を取り出した。
携帯を見ると着信があった。
着信履歴は…もちろんケンジだった。 それを見た私は、また恐怖が込み上げてきた。
それから数分後…
今度は、実家の電話が鳴った。
私は、車に乗ると 外からはいられないように ロックした。
早く逃げたい 気持ちから、スピードもだした。
信号で止まる度、周りを何度も見渡した。
私は、実家に逃げ込んだ。
しかし、家族にバレないように気丈に振る舞った。
「今日は、泊まるから」
久々に実家に帰った 私は、のんびりと過ごした。
父や母の顔を見て ホッとしたが ケンジが怒鳴りこんで来ないかびくびくした。
私は、床にしゃがむと泣き崩れた。
しばらくして…泣きやんだ私は、慌ててバックに着替えを詰め込んだ。
ケンジから逃げよう…
ケンジが帰って来る前に 早く逃げよう…
私は、バックを持つとアパートを出た。
ケンジが追い掛けて来ない事を祈りながら…。
私は、恐怖から泣きだした。
しかし、ケンジは…
「ほら…これを持って俺を刺せよ」
そう言うと、ケンジは私に包丁を持たせようとした。
しかし、私は力一杯に手を握り 包丁を持つのを拒んだ。
「お前、俺が気に入らないんだろ?」
「…」
私は、ただ泣いていた。
すると、ケンジは 壁を思いっきり 蹴飛ばすと 出掛けて行った。
私は、ケンジが出掛けたのを見計らい ケンジの文句を言いはじめた。
『また、パチンコだよ💢お金もないのに…』
すると…出掛けたはずのケンジが 私に近付いてきた。
「お前💢今 何て言ったんだ?」
私は、知らん顔をしてこんな質問をした。
「あれ?ケンジ、出掛けたんじゃなかったの?」
すると ケンジは…
「テメェ、しらばっくれるのもいい加減にしろよ💢」
そう言うと 私を突き飛ばした。
そして、私の胸元をつかむと 私を台所に引きずり込んだ。すると ケンジは 包丁を手にとった。
お腹の赤ちゃんも、だいぶ成長していた。
しかし、ケンジは 父親になるという自覚を持つ事はなかった。
ケンジがキレるのは、頻繁になってきた。
ある週末の事だった。
仕事が休みなのに、また早起きをしているケンジに…私は
「今日もパチンコに行くの?」
すると…
「うん。あずさも一緒に行こう」
「あたしは 行かない。お腹 張っちゃうから…行くなら 一人で行って!」
すると、ケンジは舌打ちをすると出掛けた…
ケンジを仕事に 送り出した 私は、家計簿を慌てて見た。
家計簿の残高には、しっかりと六千円と書いてあった。
私は、ケンジに不信感を抱くようになった。
結婚って…何なんだろう…。
私が 思い描いてた結婚と 現実は あまりにも違いすぎていた…
そして、私は財布をバックから取り出すと ケンジに千円を渡そうとしたが…
私の記憶は、正しかった。
財布の中に六千円 入っていたのに 三千円しかなかった。
ケンジに問詰めたい気持ちがあったが、また キレると思うと 怖くて 何も聞けなかった。
ケンジは、何もなかったかのように 仕事に出掛けた。
この日…ケンジは、キレる事なく眠りについた。
次の日…ケンジのお弁当を作りはじめた時だった。
ケンジが珍しく起きてきた。
「今日、昼飯いいよ。作らなくて!」
「えっ…何で?」
「今日は、買うから…千円ちょうだい」
私は、財布を取ろうとバックを見た。
(あれ?昨日とバックを置いた場所が違う…)
私は、心で呟いた。
お腹の赤ちゃんは、まるで 私を励ましているようだった。
この日もケンジの帰りは 遅かった。
「ただいま!」
定時の時間から3時間も遅い帰宅だった。
「あずさ、お土産 買ってきたよ」
ケンジは、だいぶ機嫌が良かった。
そんな ケンジの態度にホッとしたのと同時に 『今日は、キレませんように』と 心で祈った。
その日から、私は びくびくしながら生活をした。
ケンジの機嫌を取りながら…。
ケンジが仕事に出掛ける日は、私は ホッとしていた。
そして、お腹の赤ちゃんに 話 かけた。
『ごめんね…ママ…弱虫で…』
すると…お腹の赤ちゃんは、答えるかのように お腹をポコポコと蹴ってくれた。
隣りの部屋に 布団を敷いて 横になった時だった。
… ガタン…
ケンジが来たのだ。
すると…ケンジは又、私の背中を蹴飛ばすと私を無理矢理 起こした。
「テメェー調子に乗るのも いい加減にしろよ!」
私は、恐怖で涙が溢れ出した。
しかし、ケンジは 私の服の胸元を掴むと 首が絞まるほど 服を強くつかんだ。
「…くっ苦しい…」
小さい声で話すと ケンジは、我にかえったのか 慌てて服を離した。
ある日の事…
妊娠している事もあり、夫婦の営みもめっきり減っていた。
しかし、ケンジは 私におねだりをしてきた。
私は その気になれず、ケンジに背中を向けた。
すると ケンジは、いつものようにキレたのだ。
背中を向けて寝ている私を 蹴ったのだ。
「そんなに嫌なら あっちの部屋で寝ろよ」
私は、布団を丸めて持つと 隣りの部屋に行く事にした。
悠香さん✨
私の小説を呼んで下さってありがとうございます☺
今後のあずさの進展を お楽しみ下さい😉
次に感想を下さる際に 感想スレを作りましたので そちらに お願い致します🙇
今後とも応援🇯よろしくお願い致します👯
こころ👸より🎵
…開いた給料明細に書かれていたのは18万だった。
そのうち 生活費に10万だけ渡されていた私は、残りのお金が パチンコに使われているのは すぐにわかった。
しかし…私は この給料明細を元の場所に戻した。
夕方になり、少し機嫌を直したケンジが帰ってきた。
結局…ケンジは、一人でパチンコに出掛けた。
私は、泣きやむと 部屋の掃除をはじめた。
台所の掃除をはじめた時だった…
冷蔵庫と壁の間に 紙らしきものがあった。
私は、割り箸を使って その紙を取り出した。
すると、その紙は…給料明細だった。
ケンジの給料は、いくらもらっているのか わからなかったし、私は凄く気になって 給料明細をおそるおそる開いた。
私の所に 飛んできたのは…ペットボトルだった。
そして…私はケンジを見ると ケンジは 灰皿を振りかざした。
見た事のない ケンジの顔に 私は恐怖を感じた。
「俺に 反抗するんじゃねー!」
この時の私は ただお腹を守り 泣く事しかできなかった。
弱虫だった…。
そんなある日の日曜日だった。
ケンジは、パチンコに行く為に 早起きをした。
「あずさも 早く支度しろよー」
「私は、行かない!」
妊娠して 6ヶ月の私は、お腹もだいぶ出てきたし パチンコ屋に一日中 座らさせられてるかと思うと苦痛だった。
だから、私は 反抗した。
すると…
バンッ…
何かが私に向かって 飛んで来た。
私は、たまらず パチンコをやめた。
そして、ケンジの元へ行くと また 不機嫌になった。
しかし…儲った事で それ以上に不機嫌になる事はなかった。
この日を堺にケンジは 別人になった。
そして…私を無理矢理 パチンコ屋に連れて行くようになった。
私が 仕方なくパチンコを始めると、ケンジも 私の隣に座り パチンコをはじめた。
しばらくすると、私のパチンコ台は 憎たらしいくらいにリーチがたくさんきた。
そして、私の周りには パチンコ玉の箱が積まれていった。
それを見て ケンジは、さらに上機嫌だった。
一時間…いや…二時間くらい すでにいるだろう…
私のお腹が張りだした。
その先輩のいるパチンコ屋に着くと その先輩の周りには、何箱も積まれているパチンコ玉があった。
それを見たケンジは、出そうな台を探しはじめた。
すると…
「あずさ、この台 お前がやれよ!」
そういうと、ケンジは私を座らせた。
パチンコ屋の中は タバコの煙がムンムンとして空気も悪いし、お腹の赤ちゃんに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
それなのにケンジは…ニヤニヤしながら私に
「妊婦は、出るらしいよ!」
無神経なケンジに腹が立ったが、仕方なくパチンコをはじめた。
怒っているケンジに
「ごめんね」
そういうと、私とケンジは買い物に出掛けた。
相変わらず ケンジは 不機嫌なままだった。
帰りの車の中も無言だった。
その時…ケンジの携帯が鳴った。
相手は、職場の先輩のようだった。
電話を切ると
「あずさ、チョット 先輩に呼ばれたから パチンコに行っていいだろ?あずさも一緒に行こうぜ」
私は、行きたくなかったが この人の機嫌を直してもらうには 断る事ができなかった。
二人の生活を始めて 一か月が立とうとしていた…。
あの日 以来、ケンジが遅く帰って来る事はなかった。
しかし、休みになると パチンコに出掛けるようになった。
「ケンジ、今日は 買い物に付き合ってね」
「…」
返事をしないケンジに 私は、
「聞いてるの?」
すると…ケンジは
「聞いてるよ。いちいち 何回もうるせぇーなぁー」
こんな 言い方をされたのは はじめてだっし、私はびっくりした。
ケンジは、結婚前から ギャンブル系をするのは知っていた。
しかし…婚姻届けを出す時に、もうしないと 約束をしたのだった。
「ごめん、あずさ」
私は、ケンジが 反省してるのを感じ
「今回は、許す!」
私が、そう言うと ケンジは 私を抱き締めた。
後で後悔するなんて…
しばらくすると、ケンジが帰ってきた。
「ケンジ…浮気してるの?」
「違うよ!浮気なんてしてないよ」
「じゃぁーどうして 残業なんて嘘ついたの?今まで どこで 何してたの?」
私は、緊張と不安のあまり泣きだしてしまった。 すると、ケンジは
「先輩に、パチンコに誘われて…断れなくて…ごめんな…」
「何で、最初から正直に言ってくれなかったの?」
「だって…あずさは、そうゆうの嫌いだろ?」
私は、泣きながら頷いた。
私は、ケンジの帰りを待った。
待っている時間が とても長く感じた。
どれくらい 時間が過ぎたのか…
その時だった…ケンジから電話が掛かってきた。
「電話、ごめんな…」
「ケンジ、何してるの?」
「何って…仕事…」
「嘘!私 ケンジの職場に電話したら もう帰ったって…言われたよ」
「今 帰ってるから、待ってて」
ケンジの『待ってて』の一言が、とても冷たかった。
「はい、〇〇株式会社でございます。」
「あっ…あのぉー大木をお願いしたいんですけど…」
緊張のあまり、自分の名前すら名乗るのを忘れていた。
しかし…事務の人は丁寧な口調で
「少々、お待ち下さい」
と 言うと保留にした。
しばらくすると…さっきの事務の人が電話に出た。
「大変、お待たせ致しました。大木さんは、定時で帰られましたが…」
「そうですか。わかりました。すみません…」
ケンジは、残業なんかしていなかった。
私は、ケンジの浮気を確信した。
次の日…
いつものように ケンジは仕事に出掛けた。
私も、掃除や洗濯を済ませた。
夜になり そろそろ ケンジが帰って来るはずなのに…今日も帰って来ないのだ。
私は、また不安が込み上げてきた。
まさか…浮気かもという不安が押し寄せる中、私は携帯に電話をした。
でも、ケンジは電話に出なかった。
不安がピークに達した。そして…私は、ケンジの職場に電話をしてしまった。
しばらくすると、ケンジの足音が近付いて来た。
私は、慌てて携帯をテーブルに戻した。
お風呂を洗い終わったケンジは、私の隣に座ると また キスをしてきた。
ケンジは、いったい 私に何を隠しているのだろう…
そんな事を考えながら、ケンジとお風呂に入って眠りについた。
たぁちゃんさん✨
読んでくださってありがとうございます🙇
これから だんだんと話が盛りあがっていきますので、最後までお付き合い下さい🎉
あずさの近況報告も、徐々に出てきますので お楽しみに☺
こころ👸より🎵
ケンジの携帯を見て 浮気してたら どうしようと不安はあったが、私は携帯を見るのをやめなかった。
発信履歴に着信履歴…メモリーそしてショートメール…
全て見たが 怪しい所はなかった。
でも、ケンジは 私に何か隠している感じがした。
しばらくすると…
「ただいま」
「おかえり!残業だったの?」
「ううん。急に言われたから電話できなかったんだよ」
そう言うといつものチュウをした。
「ケンジ、夕飯は?」
「パン食べた。風呂 入ろうぜ」
「ごめん、ケンジ…私 お腹が張っちゃって まだ お風呂 洗ってないの…」
「そっか…俺が洗うから あずさは 横になってろよ」
そう言うと携帯をテーブルの上に置いて お風呂 洗いをはじめた。
その時…私は ケンジの携帯に手が伸びていた。
新しい生活が始まって二人の新婚生活がはじまった。
もちろん…いってきますのチュウやただいまのチュウは 欠かさず毎日していた。
しかし、こんな生活に慣れてきた頃 ケンジの帰りが遅くなりだしたのだ。
私は、お腹が張っていたので 一人でいる事にとても不安だった。
おもいきって ケンジの携帯に電話をしたがでなかった。
それから、数時間が立って ケンジから電話が掛かった。
「電話ごめんな!今 帰ってる途中だから」
そう 言うと電話を切った。
私は、少しホッとした。
そんな生活が半月ほど立った。
私とケンジが住むアパートが見つかり、私は 牢獄のような ケンジの実家から開放され 嬉しかった。
しかし…これからの生活は、私にとって 地獄のはじまりだった事を 気付くはずがなかった…
ケンジのもう一つの顔を 私は この時まだ知らなかった…。
一緒に暮らすアパートが見つかるまで ケンジの実家にしばらく住む事になった。
そして私は、仕事も辞めた。
ケンジのお父さんもお母さんも優しかった…しかし、私に対して、嫁というより お客様のような扱いだった。
周りには、友達もいなかったし…ケンジが仕事をしている間は 部屋に閉じこもっている事が多かった。
そんな母の言葉に 父も納得してくれたのだ。
その数日後…ケンジが両親を連れて 私の家に来た。
父が許してくれてから、結婚の話が とんとん拍子に決まって行った。
お腹の子も順調に育っていった。
そして、私とケンジは、婚姻届けにサインをした。
いつも書き慣れてるはずの自分の名前なのに…手が震えて うまく書けなかった。
こうして、私とケンジは 【夫婦】になった。
そんな私の姿を見ると、父は黙り込んでしまった。
すると…今まで黙っていた母が話はじめた。
「お父さん…もう…許してあげたら?? 確かに、あずさは まだ子供かもしれないけど、お腹の子供の親なんだから…」
そんな 母の言葉は とても嬉しかった。
私は、涙が溢れた。
しばらく沈黙が続いた。
その時…父が重い口を開いた。
「これから どうするつもりなんだ?」
「…あずささんと結婚させて下さい!」
「結婚?? あずさは、まだ子供だぞ!子供が子供を産めるわけないだろ」
「でも…あずささんのお腹には、俺の子供がいるんです。お願いします!あずささんと結婚させて下さい」
「お父さんさん…私…この子を産みたい」
そう言うと私は、お腹をさすった。
すると…スーツ姿のケンジが立っていた。
「ケンジ…」
ケンジの緊張した顔を、私は この日 初めて見た。
そして、ケンジをリビングに案内をした。
ケンジは、父と母の顔を見ると 正座をし 深々と頭を下げた。
父は、相変わらず 膨れっ面だった…
そして、ケンジが私の家に来る日がきた。
私は 緊張しながら ケンジが来るのを待った。
家の中は、とてもピリピリとした空気が漂っていた。
その時…家のインターホーンが鳴った。
私は、急いで玄関に向かった。
その後、私はケンジに電話をした。
そして、父に言われた事も話た。
しばらくすると…
「わかった。お前の両親に会うよ!」
そう言うと電話を切った。
ケンジが、私の家に来たのは それから数日後の事だった。
これから 幸せな家庭が築けると思っていた…そんな明るい未来しか 私には見えていなかった。
この時はまだ…
おはようございます☀
日に日に朝の冷え込みが厳しくなって参りましたね😱
ここまで、結構 早いペースで書いてしまいましたが、これからも 頑張って書いて行きます😉
どうか応援 よろしくお願い致します🙇
励ましのお言葉など 頂けると嬉しいです☺
では…続きもお楽しみに👯 こころ👸でした✨
その夜…
母は、父にそれとなく 私の妊娠を話てくれた。
すると…
「妊娠?相手が何処の奴かもわからない相手の子供を産む??普通は、わかった時点で挨拶に来るのが普通だろ!挨拶にも来れないような男なのか? 俺は認めない。お腹の子供はおろせ!」
そう 怒鳴ると部屋へ行ってしまった。
私は、悲しくて涙が止まらなかった。
でも、母は違った。
「あずさは、もう お腹の子のお母さんでしょ? あなたが そんなに泣いてたら お腹の子が可哀相でしょ。もっと しっかりしなさい!」
母の言葉は とても温かかった。
それから、私は 母にだけ妊娠した事を話た。
すると…母から思いがけない言葉が返ってきた。
「やっぱり…」
「えっ!?やっぱりって…?」
「最近、やたらと寝てるし 変に食欲あるし…生理も来てないみたいだから、もしかしてって思ったのよ!で、相手の人は、どこの誰なの?」
私は、ケンジの話をした。
「お父さんが納得するかしら…絶対に反対するでしょうね」
でも、その夜 私は 父親に話をする事にした。
しばらくコールが続くと ケンジが電話に出た。
「もしもし…」
「もしもし…病院 行ったの? どうだったの?」
「やっぱり 妊娠してたよ」
「…」
ケンジは、無言だった。しかし、私は続けて話をした。
「ケンジ…産んでいいんだよね?」
「ちょっと待てよ。簡単に言うなよ!」
その ケンジの一言に私も負けずに
「今日、病院に行った時 お腹の赤ちゃんを見せてもらったよ。凄く 小さい命だけど、あたしのお腹にいるんだよ!私は、絶対に産む」
この言葉に さすがにケンジも反論できずにいた。そして、ケンジは…
「とにかく、お前の両親に会わないと…」
診察が終りさらに先生が
「おめでとうございます。今 妊娠6週5日ですよ!予定日は…」
先生の話を聞き 終わると 先生は、モニターで見た赤ちゃんの写真をくれた。
私は、早くケンジに伝えたくて 急いで帰った。
そして…ケンジに伝える為に電話を掛けた。
次の日、私は 仕事を休み 病院に行く事にした。
受付を済ませると、自分の番が来るのを ドキドキしながら待った。
どれくらい 待っただろう…
私は、診察室に呼ばれた。
そして…尿検査をした。
やはり 結果は…陽性。
次に 内診をした。
テレビのモニターを見ていると 先生が
「これが、赤ちゃんの袋だよ。これが 赤ちゃんだよ」
その小さな命が 私の体にいるのを やっと理解した。それと同時に 『母性』が目覚めたのだ。
しばらくコールを鳴すと ケンジが電話に出た。
「はい。」
「ケンジ?あのね、私…生理が遅れてて、さっき 妊娠検査薬したら 陽性がでたの!」
「はっ?まだ 確定したわけじゃないでしょ? ってか…本当に俺の子なの?」
「ケンジの子に決まってるじゃん! DNA鑑定してもらってもいいよ!」
険悪なムードになった。
「とにかく、病院 行ってこいよ!そしたら また電話して」
この時の ケンジの態度が、実は彼が隠していた本性。
私は、まだ ケンジの本性を見抜けずにいた。
私は、妊娠検査薬を買うと 急いで家に帰った。
私の緊張はさらに 高まっていた。
私は、トイレに向かい 妊娠検査薬を試した。
終了サインが出るのを待った。
すると…終了サインと同時に、陽性を表す線がくっきりと出たのだ。
私は、部屋に戻り 気持ちを静め ケンジに電話をした。
私とケンジは、体も結ばれた事で 今まで以上に仲良くなった。
私は、このまま…順調にケンジと 一緒になれると思っていた。
そんな ある日…
私は、生理が来ない事に気がついた。
いくら生理不順とはいえ そろそろ生理が来てもおかしくはないはずだった。
私は、薬局に向かった。
初めて 妊娠検査薬を手にした時 変な緊張感に襲われた。
「好きだよ!ケンジ…ごめんね…」
そして…私は、ケンジに抱きついた。
それから…ケンジとひとつになった。
次の日…目が覚めると ケンジは 私の髪の毛を撫でていた。
そして…
「これ…昨日、渡しそびれた」
そう言うと 私の指に指輪をつけてくれた。
私は嬉しかった。
「ありがと…」
私は、そう言うと ケンジにキスをした。
そして…また 愛し合った。
ケンジは、ラブホテルへと入って行った。
そして、中へ入った。
ケンタッキーで買ったフライドチキンと ケーキをテーブルに広げた。
私は、複雑だったけど…ケンジの隣りに座り、チキンを頬張った。
しばらくすると、ケンジは 私の肩に手を置いた。すると…今までにないくらいの 激しいキスをしてきた。
私は、ケンジを突き放した。
すると…
「お前、俺の事 本当に好きなの? 好き女を抱きたいって 思っちゃ いけねーのかよ!」
この言葉に 私は、はっとした。
「ケンジは、行きたい所 決まってるの?」
ケンジは…
「ああ」
と頷くと 無言になった。
しばらくすると…細い道に入った。
ラブホテルの看板が幾つか並んでいた。
「ケンジの行きたい所って…ラブホなの?」
「…いいじゃん、俺 達 付き合ってんだから!」
少し怒りながら そう答えた。
私は、なにも言い返す事ができなかった。
ケンジは すでに待ち合わせ場所に来ていた。
「ごめんね…遅くなって」
「俺が 早く来ただけだし…それより、具合 大丈夫なのか?」
ケンジには、風邪と言っておいたから かなり 心配してくれてた。
私は、ケンジに
「すっかり 元気だよ!ケンジにめちゃくちゃ 会いたかった」
すると、ケンジの車に乗り込んだ。
「どこ行く?」
「ケンジに任せる」
「じゃぁ~俺の行きたい所でいいの?」
「うん」
すると…ケンジは、車を走らせた。
この日の夜…ケンジに会う事になった。
街は、クリスマス一色で カップル達で 賑やかだった。
イルミネーションも眩しいくらい輝いていた。
私とケンジは ささやかだったけど…クリスマスパーティーをやる事にした。
私は、あの出来事をケンジに隠していた。
そのせいで、クリスマスどころではなかった。もちろん…ケンジのクリスマスプレゼントなんて買っていなかった。
ケンジとの待ち合わせ場所に向かった。
私は、ふとリョウに無理矢理 押し倒された時の事を思い出した。
きっと…あの時…。
私は、確信した。怒りをぶつけたい相手は 刑務所の中だし…。
私は、処方された薬を最後まで 使いきった。
病院にも行って ちゃんと 治っているか 診てもらった。
病院の先生に
「もう、大丈夫だよ」
その言葉を聞いて安心した。
それから、私は 日に日に元気を取り戻していた。
ケンジともデートを重ねた。
そうして、ケンジと付き合って半年が過ぎようとしていた。
これまで、ケンジに体を求められていたが 私は そんな 気になれず 断っていた。
そんなある日…私の体に異変が起きた。
その日、私は部屋にこもっていた。
ケンジから電話がかかってきたが、私は電話に出る事ができなかった。
それから…数日後…
まーくんから、リョウが刑務所に行った 話を聞いた。
私はホッとした。
しかし…この後 私には悲劇が待っていた。
聞こえたのか…返事をする事もなく 帰って行った。
私は、しばらく放心状態になっていた。
どれくらい 時間が立ったのか…時計を見る気力もなかった。
すると、携帯が鳴った。相手は、リョウの幼馴染みのまーくんだった。
「もしもし…」
「あずさちゃん?今 電話 大丈夫?」
「うん。どうしたの?久しぶりだね!」
「久しぶりだな!でも…随分と暗いじゃん?もしかして…リョウ、そっちにいるの?」
私は、まーくんの声を聞くと また涙が溢れ出した。
「あずさちゃん?何かあったの?」
私は、泣きながら さっき 起きた出来事を話た。
すると…まーくんが
「アイツ…また、薬 やってるみたいで あずさちゃんを無理矢理 襲ったのもそのせいかも!とにかく、アイツがまた 来たら すぐに警察に電話しなよ!」
そう言うと 電話を切った。
「帰ってよ!」
私は、か細い声で そう言った。
すると…
「あずは、まだ 俺の事 好きなんだろう?」
「好きじゃない!私には 付き合ってる人がいるの!」
「そんな 嘘ついても無駄だぞ!本当に俺の事好きじゃないなら、俺との写真 破ってみろよ」
私は、引き出しから アルバムを取り出し リョウとの写真を全て破いた。
すると、リョウは
「ごめんな…」
そう言うと立ち上がった。
私は…
「もう 二度と来ないで!来たら 警察に電話するから」
「リョウ…何してるの?」
私は、震えながら そう訪ねた。
しかし…リョウには、私の声など 耳に入っていなかった。
リョウが私に近付いてきた。
「あず…、会いたかったよ」
そういうと リョウは、私を無理矢理 布団に押し倒した。
私は、恐怖から震えが止まらなかった。
すると…
「あず…」
その声は、私の聞いた事のある声だった。
私は、おそるおそる 布団から 顔を出した。
そこに立っていたのは、数ヶ月前に別れた リョウだったのだ。
それから 私とケンジは、時間が合う日は 必ずデートをした。
ケンジと付き合って、1ヶ月が立った ある日の事だった…。
仕事が休みだった 私は お昼まで寝ていた。
私が布団から出ようとした時だった。
私の他に 誰もいないはずなのに、足音がした。
その足音は、確かに 私の部屋へと 近付いていた。
私は、恐怖で 布団に潜り込んだ。
しばらくすると、私の部屋のドアが開いた。
お互いが無言のまま 私の家に着いた。
「ケンジ…私…ケンジが好きだよ」
「俺も、好きだよ!あずさちゃんの事。」
そして、私とケンジは 唇を重ねた。
この日から、私とケンジは 友達から恋人同士になった。
それから、ケンジは 私を助手席に乗せると 車を走らせた。
車の中は、お互い無言のままだった。
しかし、私の家に着こうとした時 ケンジが話 はじめた。
「あずさちゃんって…ナオトが好きだったの?」
「えっ!?何 言ってるの?」
「随分とやけ酒してたからさぁー」
「あれは…ケンジに会えないから いじけてただけだよ!」
「そっか…」
また、しばらく無言になった。
「ごめんね、待たせて」
「もう~遅い!待ちくたびれた」
「あれ?ももちゃんと一緒じゃなかったの?」
そう言われ 私は、顎で 桃子とナオトの後ろ姿を指した。
「あずさちゃん、飲み過ぎだよ!今日は、帰ろう 送ってくから」
「やだぁ~もっと 飲む」
「いいから 帰るぞ」
ケンジは、私を強引に連れ出した。
カウンターに座ると 私は、ケンジに会える嬉しさと 緊張で グラスに残っていた ビールを一気に飲み干した。
そんな姿を見て オーナーが
「あずさちゃん、急にどうした?」
「ケンジが迎えに来てくれるって。もう~嬉しいから、オーナー、ビール おかわり」
「はいはい。あまり 飲み過ぎると…襲われちゃうぞ」
オーナーは、私をからかった。
それから…30分が立った頃 ケンジが店に来た。
電話の相手は、ケンジだった。
私は、慌てて電話に出た。
「もしもし…」
「あずさちゃん?」
周りが騒がしく、ケンジの声がよく聞こえず 外に出た。
「ごめんね、今 クラブに来てて…それより、どうかしたの?」
「たいした用はないんだけど…少し会いたいなぁーって思って…」
「私も…会いたいなぁーケンジに…。でも、今日は 桃子に乗せて来てもらったから…」
「俺が 迎えに行くよ」
「うん」
電話を切ると 私は、店に戻った。
皆様✨はじめまして🙇 【こころ】です👸
私の小説、『私、幸せになります✨』を読んで下さってる方、本当にありがとうございます🙇
下手な文章ではありますが、ラストまで お付き合い頂けたら光栄です😻
今後も【こころ】をよろしくお願い致します🙏
そんな 二人の姿を見て 私は羨ましかった。
私は しばらくすると…
「お邪魔むしは あっちに行きまぁーす」
とその場を去った。
そして…オーナーのいるカウンターへ座った。
「なんだよ、暗い顔してぇー」
「ナオトと桃子が付き合っていたとは…」
私はため息をついた。
すると…オーナーは
「ももちゃん、だいぶアタックしてたからなぁ、あずさちゃんが店に来てない時」
「ふぅーん。」
私は、オーナーとそんな会話をしている時だった。
私の携帯が鳴った。
電話の内容は、クラブの誘いだった。
久々という事もあって クラブに行く事にした。
しばらくすると、桃子が迎えに来た。
クラブの中は、相変わらず 賑やかだった。
すると…ナオトが一人で店に入ってきた。
私は、すかさず
「あれ?ケンジは、一緒じゃないの?」
すると…ナオトは…
「来ないよ!今日は、俺と ももちゃんデートだから」
いきなりの報告に唖然とした。
「いつの間に…」
私は、横目で桃子を見た。
桃子は照れていた。
そして…私とケンジは、家に帰った。
また、会う約束をして…。
それから、私とケンジは 頻繁に電話をしたり 会うようになった。
クラブにも あまり顔を出さなくなっていた。
しばらく立ったある日の事だった。
桃子から電話がかかってきた。
ファミレスに着くと、私とケンジは お互いの話をした。
好きな音楽とか…
趣味とか…
休みの日は、何してるのか?とか…
好みのタイプとか…。
ほとんどが、私の質問だったけど…ひとつひとつ答えてくれた。
ケンジの事が少し わかって 嬉しかった。
しかし、ケンジに惚れてしまう事で 私が辛い日々を過ごす事になるなんて…思いもしなかった。
数日後…。
私とケンジは、食事に出掛けた。
ケンジが 私の家の近くまで 迎えに来てくれた。
ケンジの運転する姿も格好 良かった。
ファミレスに着くまで、私はケンジに見とれていた。
たまに 目が合うと ドキドキしてた。
「ケンジくん…、携帯の番号を教えて!」
突然の一言に ケンジは、目を丸くした。
「いいよ! じゃぁ~今度 飯 食いに行こうか」
私は、携帯の番号を聞けて満足だったのに、食事に誘われた事で 私は、有頂天だった。
桃子に感謝した。
私と桃子は、カウンターに座った。
すると…ナオトが話 はじめた。
「久しぶりだね??元気だった?」
「もちろん!」
私と桃子は 声を揃えて返事した。
すると…桃子が 私にウィンクすると、ナオトの隣りに 席を移した。
せっかく 桃子が 私の為に 与えてくれたチャンスを 無駄にしてはいけないと思った。
私は、おもいきって ケンジに話 かけた。
すると ダンスが終わった。
クラブの中は、いつものように盛り上がった。
ナオトとケンジは、いつものように オーナーのいる カウンターへ向かった。
桃子がすかさず
「オーナーの所 行くよ!」
この日の桃子は いつもと違った。
私の鼓動は、頂点に達した。
DJに合わせて、ナオトとケンジが出てきた。
私は、いつもに増してドキドキしていた。
久々に見るケンジを見て さらにドキドキした。
すると…桃子が私の耳元で囁いた。
「あず、ケンジさんの携帯の番号を聞いてみれば???」
「無理! 無理!ナオトがいつも邪魔だもん」
「じゃぁ~あたしが、ナオトさんを 連れ出すから そのうちに 聞き出すんだよ!」
名案だった。
すっかり携帯を持っている事を忘れていた。
そう、私はポケットベルから携帯電話に買い替えたのだ。
ケンジの姿はなかった。
がっかりしている 私を見て オーナーが言った。
「ナオトとケンジなら、もう少しで来るぜ」
「あっ!そぉ~なんだ。ねぇー、ケンジって 本当に彼女いないの?」
「やっぱり…惚れちゃった??」
「そんなんじゃないけど…いるのかなぁ~って思って…」
「ふぅーん。ケンジは 本当に彼女いないよ! アタックしてみれば?」
オーナーは、にやけて私を見た。
桃子も肘で私をつっついた。
その時だった。
私は 仕事が忙しく、なかなかクラブに顔を出せずにいた。
しかし、ケンジに会いたいという 気持ちは 日増しに膨らんだ。
たまらなく ケンジに会いたくて、桃子を誘ってクラブに出掛けた。
すると…オーナーが、私達に気付いて 近くに来た。
「久しぶりじゃん??もう…来てくれないかと思ったよ~」
と寂しげに話た。
「ごめん、ごめん、仕事が忙しかったからさぁ~」
私は、オーナーに訳を話すと 店を見渡した。
「怒ってくれる彼氏いたらいいんだけどねー」
すると…ナオトが
「じゃぁ~俺とケンジが立候補するか!」
とニヤけた。
「二人とも…カッコいいから、彼女いるでしょ?」
私は聞いた。
「俺は いないよ」
即答したのは ケンジだった。
私はホッとした。
しばらく たわいもない話をすると 私と桃子は 店を出て。
それから ケンジがクラブに来る日は、私もクラブに足を運んだ。
そんなある日…。
いつものように クラブへ出掛けた。
そして、ケンジのダンスが終わるのを待った。
なんとなく…話がしたくて。
そんな私を見て オーナーは、
「惚れたなぁ~」
とにやけた。
そんな 会話をしていると、ケンジとナオトがカウンターに来た。
「お疲れ様!今日もカッコ良かったよ」
「あったり前じゃ~ん」
と、ナオトが言った。
私は、気付くとケンジを目で追っていた。
そんな事はよそに ナオトが こんな事を言い出した。
「あずさちゃん、頻繁にこんな所に 来てたら 彼氏に怒られちゃうんじゃない?」
この質問に ケンジも私を見た。
オーナーは 私に気付いた。こっちにおいでと 手招きした。
私と桃子は、顔を見合わせると オーナーのいるカウンターに行った。
「お邪魔します。」
すると…オーナーはこう言った。
「俺の妹~」
冗談まじりに言うと ダンスを踊ってた二人も笑った。
すると…オーナーが お互いを紹介してくれた。
「こっちが、あずさちゃんでこっちが、ももちゃん。」
「どうも…」
オーナーは続けて ダンスを踊った二人を紹介してくれた。
「こっちが、ナオトで こっちがケンジ」
これが、私とケンジの出会いだった。
すると オーナーが 私の耳元でこう言った。
「あれが 俺の友達」
私は、友達の桃子と一緒に 見やすい場所へと移動した。
度肝を抜かれた感じになった。
私は…二人のダンスを食い入るように みつめていた。
すると…ダンスが終り 二人は オーナーの元に行ってしまった。
私は 桃子を連れて オーナーの近くに行った。
私は、新しい恋をする日が 近付いている事を その時はまだ知らなかった。
クラブ通いが続いた ある日の事だった。
いつものように 友達と クラブに行くと…
珍しく オーナーが話をかけてきた。
「あずさちゃん、今日も気合い はいってるね~」
「そんな事ないよ!」
「あっ、今日さぁー俺の友達がここで 踊るから 見てやって」
「オッケー」
そんな会話をしてると、DJに合わせて 二人組の男の人が出てきた。
私は、リョウに振られてから 友達と クラブに行くようになった。
ナンパされる事も 度々あったが その人達に 体を許す事はしなかった。
そんな 生活だったが 楽しかった。
リョウの事も忘れかけていた時の事だった。
「もしもし…まーくん。あずさだけど…」
私は、溢れ出す涙をこらえるのに必至だった。
「どうした? リョウ…帰ってきたのか?」
「振られちゃった…」
その一言を話すのがやっとだった。
まーくんは、いっぱい心配してくれた。
そして…私が泣きやむまで 電話を切る事はしなかった。
まーくんが彼氏だったら こんなに泣かなかったのかもしれない…
その日、私は リョウの部屋をでた。
私は、リビングに ただ呆然としていた。
すると…リョウが起きてきた。
そして、私に
「お前、まだいたの??? 早く帰れよ!」
リョウの冷たい言葉に また 涙が溢れた。
「わかったよ…」
私は、荷物をまとめはじめた。
そんな 私の姿を見て リョウは、また出掛けて行った。
私は、まーくんに電話をした。
しばらくすると リョウの携帯が鳴った。
私は、リョウの携帯を覗いた。
【ミスズ】
プリクラの女だと思い 私は、携帯にでた。
「リョウ…起きる 時間だよ」
私は、慌てて電話を切った。
そして…履歴を消した。
すぐバレるのに…。
私は、リョウの車に乗り込み ダッシュボードをあけた。
すると…一枚のプリクラがでてきた。リョウが女と抱き合って撮ったものだった。
私は、ショックだった。薬をやって欲しかったわけじゃないけど、リョウの言ってる事が薬のせいなんかじゃなく 本当だったから…
私は、プリクラを元の所に戻した。
薬を探す気力もなくなった。
私は、部屋に戻ると リョウの寝てる姿を見て また泣いた。
オンナ デキタ???
「何 言ってんの? 女できたって…どういう事?」
「だから、お前より 好きな女ができたから、自分の家に帰れって言ってんの!」
私は、悔しさと悲しさで涙がこぼれた。
「リョウ…あたし…心配してたんだよ」
リョウは、私の話など聞こうともしなかった。
そして…タバコを吸い終わると ベットに横になった。
私は、気付いたら リョウの車に向かっていた。
もしかしたら…
どこかに薬があるかもしれない。
薬のせいで あんな事を言ってると思ったから…。
リョウから 何の連絡もないまま、一週間が過ぎた。
私は、仕事が休みだった為 部屋の掃除を はじめた。
すると…リョウは 何もなかったかのように、家に帰って来た。
すると…リョウから思いがけない言葉を発した。
「あずさ……。俺、女できたから お前 自分の家に帰れよ」
夜になっても リョウが帰って来る気配はなかった。
まーくんが 心配して 部屋に来てくれた。
「あずさちゃん、もう リョウの事は忘れて 自分の家に帰りなよ…」
「まーくん、どうして そんな事 言うの」
「あずさちゃんが 可哀相だからだよ。最近、あずさちゃんの笑った顔 見てねぇーし」
私は、まーくんの優しい言葉に 涙が止まらなかった。
その後 すぐに リョウに電話をしても ただ、留守電になるだけだった。
私は、また まーくんに電話をした。
そして、リョウとの電話のやり取りの内容を話た。
しかし、まーくんにも どうする事ができなかった。
とりあえず、私は リョウの帰りを待った。
不安に襲われながら…
リョウの携帯を鳴した。
しばらくコールがなるとリョウは 電話に出た。
「もしもし…何だよ…」
リョウは、少し怒ってるような口調で話た。
「あっ!ごめん。リョウ どこにいるの」
「…どこって、仕事にむかってるとこ」
少し 沈黙になった。
すると…電話の向こうから 女の声が聞こえた。
「リョウ、本当に仕事なの?」
リョウは何も答えなかった。
すると…電話が切れた。
「まーくん、何か知ってるの?」
「最近…貴史とつるんでるみたいなんだ」
貴史は、リョウと同級生。もちろん…まーくんもだ。
だが、貴史はヤクザと関わりがあると 以前からリョウから聞いていた。私も 何度か顔を合わせた事があったけど、苦手なタイプの人だった。
私は…
「嘘でしょ…?」
「聞いた話だから…わかんねぇ~けど、とにかく あずさは、リョウに電話しろよ」
「わかった」
まーくんとの電話を切ると 私はすぐに リョウに電話した。
リョウは、いつもの優しいリョウだった。
シャワーを浴びると リョウは、仕事に出掛けた。
私は、すぐにまーくんに電話をした。
「まーくん 朝 早くごめんね…リョウが帰ってきたの」
「リョウの様子は?」
「それがね、いつものリョウなの。さっき 仕事に出掛けたとこだよ」
「本当に仕事? 何で行かせちゃったの?」
まーくんは、少し怒り口調だった。
「いつもの リョウだったし…」
「昨日の今日だろ! アイツは また 薬をやってる」
「えっ…」
まーくんは この時まだ 真実を話そうとはしなかった。
朝になった。
物音がして 私は飛び起きた。
おそるおそる リビングに行くと そこには リョウがいたのだ。
「リョウ…」
「あずさ…ごめん、起こしちゃったな」
「リョウ…どこ行ってたの?」
「…あずさ」
リョウは、私の問いに答えず 私をそのまま ソファーに押し倒すと 私を抱いた。
時間も夜中の2時を まわっていた。
「まーくん…明日も仕事だし…もう 帰ろう。ごめんね、遅くまで付き合わせちゃって…」
リョウの部屋に着いた時だった。
まーくんの携帯が鳴った。
電話の相手は、後輩だった。 話を聞いてるうちに まーくんの表情が曇った。
私は、まーくんの 電話が終わるのを待った。
「リョウ…見つかったの?」
「後輩も探してくれてるって…」
「それだけ?」
「うん。見つかったら また…連絡するよ」
そう言うと まーくんは、帰っていった。
そんな事 あるはずがないと、私は思っていた。
「リョウを探しに行こう」
まーくんは、私の返事など 聞かず 私の手を強く握った。
私は、ただ泣く事しかできなかった。
まーくんは、リョウが行きそうな所に 向った。
他の友達にも リョウを探すように 頼んでくれた。
探しても、探しても リョウは 見つからなかった。
まーくんは、本当にすぐに 私のところへ来てくれた。
私が泣きながらリョウの様子を説明した。
まーくんは、私の頭を撫でながら こう言った。
「もしかして…アイツ また、薬をやってるかもしれない!」
私は、しばらく呆然としていた。
我にかえった私は、まーくんに電話をした。
「もしもし…まーくん?私…あずさ…」
「どうしたの?」
まーくんの声を聞いた私は、泣きだしてしまった。
「あずさちゃん、また リョウとケンカしたの?」
「違うの。リョウが…おかしいの。」
泣きながら ようやく その一言を話すとまーくんは、
「今 そっちに行くから待ってて!」
と 電話を切った。
突然の一言に 私は驚いた。
「リョウ、警察なんているわけないでしょ」
私は、笑いながらそう話た。しかしリョウは、
「やばい、連れてかれる…」
と言うと 慌てて部屋から出て行った。
私は、突然のリョウの行動に恐怖を感じた。
私とリョウは、今まで一緒に過ごせなかった時間を取り戻すように 仕事が休みの日は、とことん遊んだ。
そんな日々が続いたある日の事…
リョウが仕事から帰って来ると、いきなりリョウは、訳のわからない事を話 はじめたのだ。
「警察が…追い掛けてくる…」
まーくんの家に着くと まーくんとまーくんの彼女が出迎えてくれた。
ささやかなパーティーだったけど…楽しかった。
それから 前の生活に戻っていった。
私は、仕事を始めた。
リョウも、一生懸命 働いていた。
しかし、そんな生活は 長くは続かなかった。
家に帰ると 卒業祝いと 母がご馳走を用意していた。
仏壇に卒業証書を置くと 急いで着替えた。
「友達がお祝いしてくれるって言うから 行ってくる」
私は、ご馳走を作ってくれている母にそう告げると リョウの車に乗り込んだ。
今 思うと 私の為にお祝いの準備をしてくれていた母に 申し訳なかったという気持ちでいっぱいになった。
しかし、この時の私は 両親の気持ちなど どうでも良かった。
最低な娘だった。
久し振りに 見たリョウは、少し太っていた。
車の中で リョウと私は、ずっと手をつないでいた。
すると…リョウの携帯が鳴った。
相手は、リョウの幼馴染みのまーくんだった。
話の内容は、私の卒業祝いと リョウのおかえりパーティーをしてくれるという事だった。
制服だった私は、一旦 家に帰る事にした。
友達と別れ、私は、リョウの車に向かって歩いた。
リョウも私に気付いて 車から降りた。
私は、リョウの前に立つと リョウは 私を抱き締めてくれた。
「ごめんな…あずさ…ずっと…会いたかったよ」
「私も…会いたかったよ。」
そして…キスをした。
私は、リョウの家から 自分の家に帰った。
それから私は、学校に行きながらリョウの帰りを待った。
数ヶ月が過ぎた…。
私は、卒業式だった。
その時 ベルが鳴った。リョウからだった。
(ムカエニイク!リョウ)
私は、嬉しかった。
卒業式の時間がとても長く感じたのを 今でも鮮明に覚えている。
数日後、リョウの母親が迎えに来た。
この日 初めて事情聴取をされた。
警察署の中の個室で…。
私も一緒に 住んでいたという事で 尿検査をさせられた。
女性の警察官が見ている前で…。
もちろん…結果は陰性だった。
でも、私には屈辱だった。
その後、リョウと面会をした。
ガラス越しに 泣きながらリョウは座っていた。
「あずさ…ごめんな…」
「リョウのバカ!」
そう言うと私も泣いた。
この時 別れていたら、私はもっと別な道を 歩んでいたのだろうと後になって後悔した。
それから私は、まーくんの家に行った。
まーくんの家には、リョウの母親がいた。
こんな形でリョウの母親に会うなんて…想像もしていなかった。
リョウの母親は、私を見るなり泣き崩れた。
「あずさちゃん、ごめんね…」
と 繰り返しながら…。
私も一緒に泣いた。
そんな物に手を出した、リョウが許せなかった。
リョウの母親が落ち着くと…
「あずさちゃん、あなた リョウの彼女だから 事情聴取したいって…警察の人が言ってたんだけど…私も付いて行くから 一緒に行ってくれる?」
まるでドラマの世界だった。
私は、小さな涙声で リョウの母親にこう言った。
「リョウに会えますか?」
リョウの母親は頷いた。
そして、クリスマスイヴの事だった。
学校から帰った私の元に ベルのメッセージが入ってきた。
(シキュウ デンワシテ!マー)
まーくんからのメッセージだった。
嫌な予感がした。
私は、おそるおそる まーくんに電話をした。
「もしもし…あずさだけど…どうしたの???」
「あずさちゃん?落ち着いて聞いて…」
「落ち着いてって…リョウがどうかしたの??」
「リョウが…警察に捕まったんだ!」
「えっ?リョウが…警察に…捕まる??」
「うん。リョウ、薬物所持で警察に捕まったんだ」
「……」
私の頭の中は真っ白になったのと同時に 涙が溢れだした。
結局、リョウが家に帰ってくる事はなかった。
私は、学校の単位の事もあり 久し振りに学校に行く事にした。
久々に会った友達は、すごく心配してくれていた。
友達と遊んでいる時は、リョウの事を考えるのを辞めた。
リョウと連絡の取れない日々は続いた。
「ミサキ???リョウは、何て言ってるの?」
「ただの飲み屋の女だぁ~って 怒られちゃった」
「はっ??リョウは、酒 飲めないのに 何で飲み屋に行くんだよ。あずさちゃんだって リョウが 酒 飲めないの知ってるだろ?」
確かに、リョウはお酒が飲めない。
その一言で おさまりかけていた不安な気持ちがこみあげてきた。
まーくんは、慌てて話を続けた。
「仕事の付き合いもあるだろうし…そんなに気にするなよ。」
まったくフォローになっていなかった。
私は、不安のまま リョウの家に帰った。
まーくんは、すぐに電話をかけてくれた。
その姿をじっと見つめる私。
しばらくすると まーくんは、
「今日は、忙しいんだよ。そんなに心配しなくても すぐ帰ってくるよ」
私は、まーくんの一言に少しだけ安心した。
それでも暗い顔をしている私を見てまーくんは、
「ケンカでもしたの?」
「私ね、リョウの携帯 勝手に見ちゃったの。ミサキって女の番号もあったから 電話しちゃったの。」
携帯を見た自分を責めた。
この日は、それ以上 会話する事なく眠りについた。
それから数日後の事だった。
リョウは仕事から帰って来なかった。
私は、心配になり リョウの幼馴染みのまーくんの家へ向かった。
「リョウがまだ帰って来ないの!お願い、まーくんの携帯で電話してくれる?」
私は、不安でたまらなかった。
次の日、私が目を覚ました時には リョウは仕事に出掛けた後だった。
私は、リョウの携帯を見てしまった事を後悔した。それと同時にミサキに電話した事が リョウにバレてしまうのが怖かった。
その日の夜…
「ただいま。」
リョウが帰ってきた。「おかえり。」
リョウは、私の前に座るといきなり怒った。「お前、ミサキに電話しただろ💢」
こんなに早くバレるとは思わなかった。
しかし、リョウは怒りながら話を続けた。
「ミサキから、怒りながら電話があった。ミサキはなぁ~ただの飲み屋の女だよ💢俺は、お前と付き合ってるだろ」
「勝手に携帯 見てごめんね」
私は、謝った。
いつものように 私は リョウの隣りで寝た。その時は、リョウは疲れていたのか ぐっすり寝ていた。
私は、おそるおそる リョウの携帯を見てしまったのだ。
すると…アドレス帳のなかに女の名前があった。 『ミサキ』
私は、気付いたら電話をしていた…『ミサキ』に…。
「もしもし、リョウくん💓」
と、ミサキは ニコニコしながら電話にでた。そして私は、
「もしもし…、私 リョウの彼女。だから もう電話しないで!」
それだけ話をすると 私は、慌てて電話を切った。
ミサキは、折り返し電話を掛けてきたが 私は 無視してリョウの隣りで眠った。
付き合いはじめてから、リョウは少しづつ 私に見せていない 裏の顔を私に見せるようになった。
というのも 私は、ほとんど学校にも行かず リョウの家に転がりこんでいたのだ。
この時の私は、リョウしか見えてなかったから…
それから 私とリョウは、前と変わらず ベルでメッセージを送りあったり 電話で長話をしたり度々、会うようになった。
そんなある日、いつものようにリョウと会った。
そして、私とリョウはひとつになった。
私とリョウは付き合う事になった。
それから毎日のようにベルを通して会話をした。
そんな日々がしばらく続いたある日の事だった。
(デンワシテ!)
という内容の後に番号があった。
年上のリョウは、携帯電話をもっていたのだ。私は、ドキドキしながら電話をかけた。
「もしもし…」
と私。すると
「もしもし、あずさちゃん?」
初めて聞くリョウの声は、少し照れていた感じだった。
そして、しばらく話をした後 リョウは私にこう言った。
「あずさちゃん、今度 会ってみない?」
私は、突然の事に驚いたが 少し間をあけて 返事をした。
「うん。いいよ。」
顔も知らないリョウと会う事にしたのだ。
この時の私には、これから起こる悲劇なんて知るよしもなかった。
- << 6 それから数日後… リョウと会う日がきた。 さすがに いきなり二人で会うのは抵抗もあったから お互い友達を連れて会った。 リョウは、電話で話をしていた時と 変わらず 明るくて優しかった。その日は、カラオケに行って帰った。 帰り際に また会う約束をして…。 私は、自然とリョウに惹かれていった。
そして…学校も無断で休むようになった。
私が高校3年生になり ある日の事でした。
当時は、ポケットベルが流行りで高校生のほとんどが持っていた。もちろん 私も持っていた。
学校から帰って 部屋でくつろいでると、一通のメッセージが届いた。
(トモダチ二ナラナイ?)
という内容にその人のベル番号が入っていた。
周りの友達からベル友という話を聞いて おもしろ半分に私は、返事を返して。
(ダレ?)
すると すぐにまた その人から返事が来た。(オレ リョウ!ヨロシク)
リョウとの関係がこの日から始まった。
春…ぽかぽかとした陽気の中 私は、この世に生まれた。
そして、私はすくすくと育った。両親の愛情をたくさんもらいながら…。
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