CRIMINAL☆
すべてが始まったのは、何千年前。遥か昔、世界には人間の他に魔族と言う種族が存在していた。それは人間とは違い、寿命も長く、身体能力も高く、驚異的な回復力を持っていた。魔族は人間より優れていた。
だが二つの種族は争うこともなく、共に協力しあい、平和に暮らしていた。…その平和を壊したのは神だった。
この出来事で生まれたのが、
魔物……それは、醜き化物。血と肉を求め人間を襲う者。どの様な攻撃をしても傷はすぐ塞がり、元に戻る。不死身の化物。
そう人間は思っているだろう。
だが、生まれたのは魔物だけではない。
魂操者……それは、人間の魂と魔族の魂を持つ者。彼らは魂を武器に変える力を持っていた、その武器だけが魔物を殺せた。だが魂操者は神の罪を背負う者でもあった…
そんな魂操者達の残酷で悲しい物語
この物語は、私が暇つぶしに描いた漫画(?)を小説風にしたものです。うまく表せないかも知れませんが、頑張って書いてみます。
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フランス・ベールの町
そこは小さい町だったが、いつも笑いがたえない活気に溢れた町だった…。
周りは広い草原と所々に生えている木々。
そして今、町のパン屋から出てきた少女はたくさんのパンを抱え、町の東へ落ち着いた感じで歩いている。少女は町を出て、少し先に見える宿屋に向かって、歩いていった。
「ただいま~」
少女は宿屋の裏口を開けた。だがいつも聞こえる「おかえり」が聞こえない。
少女はパンを厨房に置き、表に出た。
「あっ!レイ帰ってきてたんだ!おかえり!」
カウンターに立っている女性が明るい声で言った。少女の名前はレイ、藍色のショートで、まだ顔は幼い。ちなみに女性の方は、イサヨ。レイより髪が短く、緑色のバンダナをつけている、背は高い。
「ただいま…」
(あ……)
カウンターに座っているお客さんが見えた。「だからか…」っとレイは思った。
「ねぇレイ、今日の晩飯の下拵えしてくれない?」
イサヨは振り向いて、レイの顔を見た。
「いいよ、今日泊まる人いるの?」
レイは、エプロンを着けながら言った。
「うん、まだ来てないけど二人来るよ😊」
「了解~」
そう言い、レイは厨房に入っていった。
>> 1
レイは必要な材料を出し、皮を剥いたり、切ったりしている。
(お客さんってどんな人だろ?)
そんな事を考えながら手早く下拵えをしていく。
(嫌いな物…あったらどうしよう)
っとあっという間に下拵え完了。
「あ、いらっしゃい!」
イサヨが言った。
入って来たのは、帽子を深く被った青年と少し小柄な少年。
「あの、予約した者です。」
少年はイサヨに近づいてきて言った。
「そう、ならちょっと待ってな!」
イサヨはカウンターの下から鍵を出して男の子に渡した。
「102室だったよね?」
「はい、ありがとうございます」
少年は丁寧にお礼を言い、青年に鍵を渡した。青年はその鍵を持って、部屋に向かった。
「あの…失礼ですが、今何時ですか?」
少年はイサヨに聞いた。
「ん?えーと…今は……、18時になったばかりだよ。」
イサヨが答えると、少年は笑顔でお礼を言うと、カウンターの椅子に座った。
「僕、ここにいても良いですか?」
「あぁいいよ!お客さんなんだからね!」
そう言いイサヨは、少年に水を出した。
「ありがとうございます」
少年は笑顔だ。
>> 2
イサヨは少し青年の事が気になった。
「なぁ、あの青年はあんたの兄ちゃんかい?」
少年をイサヨの方を向いて答えた。
「違います。」
即答だ。
レイは皿やスプーンなどを出し終わり、表が気になりちらっと厨房から覗いた。
(もうお客さん来てたんだ……私より、年上かな?)
少年は、水を少し飲んだ。
「じゃあ僕も部屋に戻りますね」
そう言うと椅子から立ち上がり、歩いて部屋に向かった。
ガチャ………バタン。
部屋は暗く、青年はベッドに座っていた。
少年は顔つきが変わり、口を開く。
「予定時間まで後1時間きりました。」
声も少し大人っぽい。
「……そうか」
青年はそう言うと、深く被っていた帽子を脱ぎ捨てた。
「どうしますか?」
「どうもしない………命令通りにするだけだ」
青年の赤い瞳が暗い部屋の中で光った。
ベールの町、聞こえるのは…
悲鳴
そして……
近づいてくる絶望を呼ぶ足音
>> 3
レイは料理を盛った皿を表に運び、テーブルに並べてた。
「イサヨさーん!これどこに置けばいいですかぁー?」
「それの隣に置いといてー!」
もう夜、外は真っ暗。時間は18時49分…
その時、少年が部屋から出てきた。
「美味しそう😃」
少年はレイに笑顔で言った。
「君が作ったの?」
「え、あ、うん」
少し照れたレイ。
その時だった。
いきなり表の扉に「ドンッ!!」っと何かがぶつかった音が聞こえた。
レイは驚いたが、扉に近づき開けようとする。
が、開かない。鍵がかかっている。イサヨがかけたのだろう。
「イサヨさーん!」
レイは大声を出した。
「鍵どこです…」
レイが鍵が何処か聞こうとしたら、さっきよりも大きな音が聞こえる。何かが何度もぶつかっているようだ。
レイの顔は少し恐怖に怯える顔に変わった。
少年の顔、さっきとは違う真剣な表情へと変わった。彼にはわかるのだ、何があの扉の向こうにいるのかが。
レイは扉から離れていく。
「ドンッ!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!!」ドンドン音が大きくなり、引っ掻く音も聞こえてきた。
>> 4
もう扉が開くだろう。
そうなれば、ここにいるものは喰われるだろう。
だが、
それは、あくまでも“人間”しかいない場合だ。
レイは厨房に逃げ込んだ。
イサヨはただ恐怖を感じながら漠然と見ていた。
扉はミシミシと音をたてている。そして何かの生物の爪が扉にめり込んできた。
「何?…あれ…」
爪は少しずつ扉に穴を大きくしていく、大きくなった穴の隙間から見えたのは鋭い爪が生えた細い手。そして……聞いたことのない気味の悪い声。
二人は完全に怯えて、逃げる事を忘れている。扉の向こうにいる化物が今扉をこじ開け、中に入って来るというのに……。
そして
奴らは、
入ってきた。
牙を剥き、爪を立て
入ってきた。
>> 5
不気味な叫ぶ声をあげながら、複数の化物はすごい早さで襲ってきた。
そしてレイの目の前まで化物が迫ってきた。口を大きく開き、鋭い牙を見せて…。
レイは悲鳴を上げた、死を初めて感じる少女の声は……生きたいと願う叫びだった。
(もう死んじゃうかと思った…)
(けど、見えたんだ…)
(死神のような彼を。)
レイは返り血を浴びていた。
顔をゆっくりと横に動かして見えたのは、蒼色の槍が壁に突き刺さっている。化物の胴を貫いて…。
正直状況が解らない。
そしてレイの前を少年は横切り、壁に刺さっていた槍を普通に抜いた。
槍には、血が滴り落ちている。
そしてゆっくりと少年はレイを見た。
その瞳は冷たい…いや、矛盾した瞳だった。
「死にたくなかったら逃げろ」
そう少年は言った。
だから私は、とにかく近くの部屋に飛び込んだ。
「いたっ!」
私は何かにぶつかった。目を開くとそこには……赤く光る目。
>> 6
私が見たのは、泊まりに来てた背が高くて、帽子を深く被った人……?帽子がない。
曇っていた空は晴れて月が顔を出した。そして月光が部屋の差し込んできた。
…見えたのは月光で輝く白銀の髪の毛と…左目の下にある不思議な緑色の模様。
さっきは、帽子を被ってて、長い前髪が邪魔でよく顔が見えなかったけど……。
何処かで聞いた会話がふと思い出した。
「ねぇ、またいたらしいわよ」
「本当?でも人間のような姿をしてるんでしょ?何で解るの」
「それがね、体の何処かに緑色の模様があるらしいのよ」
「そうなの?」
「私怖いわ~。だって、噂では人間の皮を被った化物らしいよ」
………そんな信じようともしなかった話を私は今、信じた。
私はすぐそいつから離れ、部屋の奥に逃げようとしたが、転けた。
そいつは私に近づいてきた。私は腰が抜けて動けなくなった。そして大声で叫んだ。
「近づかないで!!この化物!!!」
その時、そいつの瞳は一瞬驚きの色を見せたが、また近づいてきた。
私はもういろんな意味で駄目だと思ってた。
>> 7
突然ガラスが割れた。
そして化物が入ってきた。
化物は口から涎を流しながら、襲いかかってきた。
「……操魂…」
そう言った青年が歩きながら、手を自分の顔まで持ってきた。手の平に何かが集まってきて光輝く。
青年はレイを通り過ぎ、化物の方へ向かっている。
そして、化物は青年の顔目掛けて飛びかかってきた。
「……アサシン」
青年の手の平にいきなり現れた変わった武器。それ握って化物を切り裂いた。化物は横にぶっ飛んで、壁に当たった。
レイは腰が抜けて、座ったまま。
「…ぇ……っ」
レイは何かを言おうしたが、驚きのせいで口が動かない。
青年は振り向いた。少し返り血を浴びたその顔は、恐怖もなく不安もない。
…奥が騒がしい。
「…!!ィサヨさん!」
レイはイサヨがまだあの場にいる事を思い出した。そして青年の服を掴み、叫んだ。
「イサヨさん!…イサヨさんがぁ!!………助けて…」
言葉になっていない。がそれを聞くと、青年は部屋を出ていた。レイはただ青年を見てた。涙が溢れ出ていることを気付かずに。
>> 8
店の中には化物がキョロキョロと見渡すように顔を動かしている。奴らには目がない。
厨房にあった倒れているテーブルに隠れているイサヨ。
右腕からは血が流れてきている。
噛まれたようだ。
(何なんだよアレは……)
2匹が厨房を彷徨いている。もし無理矢理逃げたら、食われる。
「ドンッ!」
大きな音がした。
ちらっとイサヨが見ると、そこにいたのはあの少年。化物は襲いかかると、二匹共々槍を勢いよく顔を切り裂いた。
化物は犬のような声を出した。
化物は尻尾を巻いて逃げると、イサヨは立ち上がり、少年を見て問いかけた。
「あんた……」
少年はイサヨの方を見て、ニコッと笑った。
「リオ、魂操者です。」
子供らしい声で答えたリオと名乗る少年。そして魂操者…イサヨはよくわからないような顔して、また聞いた。
「魂操者…ってなんだい?」
その時、化物が厨房へ勢いよく入ってきた。
>> 9
リオは槍で容赦なく化物を叩きつけて、突き刺して、投げた。
イサヨは呆然と見ていた。
「何か聞きました?」
リオは普通に首を傾げて言った。
「い、いや…なんでもないんだ」
イサヨはそう言うと、化物の死体を見た
「逃げないんですか?」
いきなりリオが聞いてきた。
「どうせ表にはあいつらがいるんだ…逃げれないさ」
「…逃げたいですか?」
リオがまた聞いてきた。
「…まぁ逃げたいよ、でもレイが…」
イサヨもまたレイが心配だった。
「そうですか」
リオは厨房から出ていった。
イサヨを守る気なんて最初からない、ただ自分に降りかかった火の粉をはらっているだけ…。
リオが厨房を出ると、化物が一斉にリオを感知した化物達。そして襲いかかってきた。
リオは少し真剣そうな顔をしているが、遊んでいるようにも見える。
だが、リオの死角から化物が襲ってきた。リオが気付いた時はもう避けきれない距離まで迫ってきていた。
その時、リオは風を感じた
>> 10
化物は横に真っ二つに斬られて、血と肉が床に落ちた。リオは驚きを隠せない。
リオは風が通った方を見ると、そこには
「…ゼウル…さん」
あの青年が武器を片手に持って立っていた。そしてリオを見て
「雑魚でも手を抜くな」
ゼウルは静かにリオ叱った。
「すみません…」
リオは少しビビった。
ゼウルは惨劇が起こった店内を見渡した。
まるで何かを探しているようだ。
テーブルが少し動いた……、ゼウルはそのテーブルに向かって歩き出した。
血がべっとりと付いた床とテーブルの横には、さっきの化物…とは違う化物がいた。姿は人間のようだ。
「リオ」
「はいっ」
ゼウルが呼ぶと、リオはゼウルに近づき化物を見下ろした。
「…これが」
リオは呟いた。
厨房では部屋から出てきたレイがイサヨの傍によった。
「レイ!…大丈夫なの?怪我はない?」
「私は大丈夫だよ!…でもイサヨさんの腕…」
腕は血がまだ出ている。
「こんなのすぐなおるよ。」
イサヨは笑顔でレイに言った。
そして…長いのか短かったのか分からない夜が明けた。
>> 11
レイとイサヨが厨房から出た。
テーブルや椅子はボロボロになった物や倒れている物があった。そして化物の死体と共にあの二人もいなくなっていた。
イサヨは悪い夢でも見てたような気がした。
レイは店内を歩き回ったが、化物の血痕も無かった。
いったいなんだったんだ…。
彼らにあった人間は必ずそう思うだろう。
―ベールの町―
人は一人もいない。あるのは死体。
そこを歩く二人。
リオは周りを見ている。
ゼウルはある建物を見て、近づき壁を触った。
「ゼウルさん?」
リオは不思議そうだ、ゼウルは壁から手をはなす。すると、壁から扉がバチバチと音をたて浮き出てきた。
ゼウルは無言でその扉を開けると、中は真っ暗。その中にゼウルは入っていった。リオはそれを見ると急いで中に入っていった。
中はあまりにも暗く、自分が本当に歩いているのか分からなくなる。リオは前にいるゼウルを見失なわないように、小走りだ。
そしてやっと前から光がみえた。
>> 12
暗闇の先にあったのはまるで別の世界、空…いや、その空間の周りは黒雲が包み、蠢いて時々紫の稲妻が見える。
空間に浮かぶ一つの大地。木は無く、短い草が生えている。そして…その大地の中央に聳え立つ、古城。
「……て…るよ」
後ろから声が聞こえた。
「ドゥルスか…」
そう言うとゼウルは振り向き出てきた門を見た。
その門の上に一つの大きな瞳が此方を見ていた。
「司令官…が待ってる…よ」
そしてゆっくりと瞳は閉じた。
リオは驚きながらも冷静を保っている。
ゼウルはリオを見て
「こい」
リオはその声に反応した。
ゼウルは草と草の間にある古城に続く道を歩き出した。
リオもゼウルについていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
実は一番最初のスレに序章と書かなければいけなかったのですが、書くのを忘れていました🙇💦なので次の話は一章となりますので、ご了承下さい🙇✨
>> 13
🌙第一章 居場所🌙
リオは古城の中に入った。そして驚く。
古く汚れた外見とは違い、床は赤い絨毯、上にはシャンデリアっと高級感が漂っている。
二人は階段で上に上がり、ある扉の前に来た。その扉も高級感が漂っていて、触ると怒られそうだ。
ゼウルは普通にその扉を開けた。
左右の壁には本がギッチリっと入った本棚が並んでいる。大きな机の先には蒼い椅子に座っている金色の髪を後ろに纏めてある女性が此方を眼鏡ごしから翡翠色の瞳で見ていた。
「任務ご苦労…ゼウル、もう良いぞ」
そう言うとゼウルは軽く会釈し、部屋から出ていった。
リオは少し戸惑ったが、すぐ冷静な瞳で前を見た。
その女性はある資料の様なものを見た、そしてリオを見て
「リオ・ベルフォート、12月05日バルバドスの都にて確保…。ほう、280歳か…まだ若いな、貴様は確か突撃隊志望者だったな。前の何をやっていた?」
リオは少し緊張ぎみだ
「いえ…何も所属してません。一般魂操者です」
「そう…か、まぁ第二次試験の任務は合格だ。貴様は最終試験を合格すれば、めでたく突撃隊に入隊と言うわけだ……が」
その女性はニッコリと笑った。
>> 14
「私の名を言ってなかったな」
そう言うと椅子から立ち上がる。
「私はソニア・テイラー。他の者たちは司令官と呼んでいる。」
「司令…官ですか」
「まぁ呼び方は貴様の自由だ」
そう言うとソニアは本棚から緑色の薄い本を出した。
「では、最終試験の内容について話そうか」
ソニアはやや真剣な顔になった。
「分かっていると思うが、第一次試験は貴様の知能を測った。そして第二次試験は判断力と仲間との協調性を測る。まぁ実技試験だ。そして最終試験は、貴様の戦闘能力を測る。」
リオはよく分からないような顔をした。
「戦闘能力…でしたら、第二次試験で」
「確かに第二次試験でも戦闘能力は測れるが…次は一対一、しかもお前より上の奴だ。貴様が戦った雑魚の魔物とは違う」
ソニアは少し微笑み、
「まぁ簡単に言えば、本当の戦闘能力は手応えがある相手の方がよく測れるんだ。」
「はぁ…」
リオは理解したようだが、少し疑問もあるようだ。
「最終試験は明日行う!それまでは部屋で休養してようが、訓練しようが貴様の自由だ。以上」
「了解…しました」
リオはぎこちない会釈し、扉を開け部屋から出た。
>> 15
リオは階段を降りて、ソニアが言っていた志望者室を捜した。
「…?」
迷ったようだ。
(参ったな…)
っと廊下を歩いていると、曲がり角でぶつかった。よくありがちなパターンだ。
「痛っ!」
「痛!」
リオは尻餅をついた。
「いたた…💧」
その人は立ち上がると、服をはらった。
「ごめんごめん、急いでたもんで。…って、あれ?見かけない顔だね?」
リオも立ち上がる。
「あの…入隊志望者です」
「あっそう!君がぁ!」
紅く長い髪、透き通った蒼い瞳。リオは少し頬が赤くなった。
「君、どうしてこんな所にいるの?もしかして迷った?」
「えっ、ハイ、まぁ…」
その人はニッコリと笑うと
「んじゃ!案内してあげるよ!」
>> 16
リオは案内された部屋の中で灯りもつけずに、ベットの上で仰向けになりながらぼーっとしていた。顔がまだ火照っていた。
(…眠れない、明日は朝早いのに)
コンコン
誰かが扉をノックした。それに反応し、リオはベットから降りて、扉を開けた。
「はい?」
扉を叩いたのは、リオより小さい少年だった。その少年はニコッと笑うと
「君だよね?志願者って、僕は明日の…対戦相手って言うのかな?そんな感じで宜しく~」
かなり強引な挨拶だ。そう言うと少年は走り去った。
(今のなんだよ…)
リオは扉を閉めると、大きいため息をついた。
(何かいろんな意味で疲れた…)
リオはベットに倒れこんだ。
(寝よ)
- << 19 朝。何故か明るくない、夜と同じ暗さだ。 リオは起き上がると、窓を開けた。 (太陽が…ない) 時計を見るともう朝の時刻。 っとその時、扉を叩く音が聞こえる。 「ねぇー!!起きてるー!?」 リオは急いで扉を開けた。叫んでいた声の主は昨日の少年だった。 「あ、君…」 「早く!早く!!もう始まるよ!君が最後なの!!」 リオは腕を掴まれ、すごい力で引っ張られた 「寝坊助!!」 少年はリオを掴んだまま、爆走した。 「え!ちょっと!💦」 少年は止まらない。 少年はいきなり止まった。 「とぉーちゃーく!」 「やっと…止まった…」 リオは前を見ると、石造りの大きな部屋が広がる。上には観客席のような物があるが人はいない。 リオは立ち上がり、その部屋の中に入ると司令官とあの少年が… 「?」 リオは後ろを見ると、少年は此方を見てニコッと笑っている。そして前を見ると司令官の隣で少年が会話している。 「…あれ?」(ドッペルゲンガー?) 「ねぇどうしたの?」 リオが動かなくて心配したのか、後ろにいた少年がリオに話しかけた。 「あの前にいるのって…」 「あぁ俺の弟!双子なんだ!」
>> 17
リオは案内された部屋の中で灯りもつけずに、ベットの上で仰向けになりながらぼーっとしていた。顔がまだ火照っていた。
(…眠れない、明日は朝…
朝。何故か明るくない、夜と同じ暗さだ。
リオは起き上がると、窓を開けた。
(太陽が…ない)
時計を見るともう朝の時刻。
っとその時、扉を叩く音が聞こえる。
「ねぇー!!起きてるー!?」
リオは急いで扉を開けた。叫んでいた声の主は昨日の少年だった。
「あ、君…」
「早く!早く!!もう始まるよ!君が最後なの!!」
リオは腕を掴まれ、すごい力で引っ張られた
「寝坊助!!」
少年はリオを掴んだまま、爆走した。
「え!ちょっと!💦」
少年は止まらない。
少年はいきなり止まった。
「とぉーちゃーく!」
「やっと…止まった…」
リオは前を見ると、石造りの大きな部屋が広がる。上には観客席のような物があるが人はいない。
リオは立ち上がり、その部屋の中に入ると司令官とあの少年が…
「?」
リオは後ろを見ると、少年は此方を見てニコッと笑っている。そして前を見ると司令官の隣で少年が会話している。
「…あれ?」(ドッペルゲンガー?)
「ねぇどうしたの?」
リオが動かなくて心配したのか、後ろにいた少年がリオに話しかけた。
「あの前にいるのって…」
「あぁ俺の弟!双子なんだ!」
>> 19
(双子…納得)
「?」
少年は少し首を傾げると、ソニアの方へ走っていった。
「おいリオ、こっちにこい」
「あ、はい」
リオはソニアの近くに行くと、
「あ、こんにちは。」
少年(弟)が挨拶をした。
「こいつはアルベール、お前を連れてきたのはウィリアムだ。まぁ見ての通り双子だ」
「ウィルじゃなくて僕が君と戦うんだからね」
「ずるいぞー!ねえ何でアルなの?俺でもいいじゃんかー!」
ウィリアムはソニアの服を引っ張った。
「お前は手加減を知らんだろうが。…さてリオ、お前は今からアルベールと戦ってもらう。貴様の戦闘力、そしてタイプを見る。」
「タイプ?…と言いますと?」
「僕ら魂操者は何種類かのタイプがあるんです。ちなみに僕は…」
アルベールの後ろから、羽根の生えた綿毛のようなものがひょっこりと顔を出した。それには小さい手と足が付いていて、目や耳がなく口しかない。大きさは大体ソフトボール位だ。
「これは使い魔と言います。細かい説明は後にして、僕はこれを武器化させる“バーストウエポンタイプ”と言います。貴方は何タイプなんでしょうね?」
アルベールは微笑んだ。
>> 20
🌙第二章brave・soul🌙
「貴様がこの試験に合格すれば、もっと詳しい説明をしてやる。」
ソニアはそう言うと二人から少し離れた。ウィリアムはソニアの傍でニコニコと笑っている。
「始め。」
ソニアが言った瞬間、アルベールは使い魔を片手で握ると
「操魂、フォールン」
使い魔はメキメキと音をたて変形していき、弓の形になった。
「いきます!」
アルベールはすごい早さで一気にリオの目の前まで間合いをつめた。
(早い!)
アルベールはリオに膝蹴りを入れた。リオは防御が間に合わず、そのまま飛ばされた。
「ぐっ!……」
壁にぶつかった。リオは手を開き
「操魂!アサシン!」
リオの手の平から赤いダガーが出現した。
「なるほど、それが貴方の武器ですか。」
そう言うとアルベールは弓を構えた。そして何処からともなく出現した光の矢を引く。
「ホーリネス・ショット!」
矢は放たれ、光を纏いながら猛スピードでリオに接近する。
(…防げるのか)
そんな言葉が頭に浮かんだ。ダガーを盾の様に構えた、そして矢がダガーに当たった。
どうも、この頃全然更新しないダメ主です💧
この物語は説明をしないと解りにくい所等が沢山有りすぎるので説明を少しいれていきます(ついでにキャラのプロフィールも)
(魂操者)
人間の魂と魔族の魂を持って生まれてくる人間のことを指す。外見は人間そっくりだが、頭髪・瞳の色が普通ではない。(全員ではない)身体能力が並外れており、子供でも軽々と大人を持ち上げたり、殺すことも出来る。そして何よりも武器を召喚(?)出来る事だ。その武器は唯一魔物に傷を負わせることが出来る。だが魂操者は神の罪を背負ったままの魔族の魂を持っているため、魂操者は牢獄空間―ラビリンス―のようにバルダルド(人間で言う酸素)略してBDが無い場所では活動できない。人間界にも存在してるが濃度が少ないと活動は無理だ。
(牢獄空間―ラビリンス―)
神が作り出したと言われる空間。その空間は人間界と繋がっている。太陽も月も無く、朝なのか夜なのかは時計でしかわからない。空間の中には小さな大陸が存在し、表面には短い草が生い茂っている。中央には古城が聳え立ち、その古城の下に地下も存在するらしい。
>> 22
(一般魂操者)
古城の地下で生活している魂操者。確認されているのが23人、ほとんどが女か小さい子供、老人だ。彼らは人間とほぼ同じ生活を送っている。
(魂操兵)
古城で生活し、罪滅ぼしをする者。確認されているのが15人、突撃隊・防護隊に別れ、司令官と言われる魂操者から命令された任務を忠実にこなす。偉い者から順に言うと、(総)司令官→突撃隊隊長・防護隊隊長→突撃隊隊長補佐・防護隊隊長補佐・研究隊隊長・→一般突撃隊魂操兵・一般防護隊魂操兵…となる。
(突撃隊)
主に人間界で任務を行う隊。一番働く隊と言われている。
(防護隊)
主に古城に攻撃してきた魔物を排除する隊。司令官より探知隊からの任務のほうが多い。
(研究隊)
魔物の生態、分布、習性、形質等を調べる隊。ほとんど古城の中で仕事をする。
(魔物)
魔族の魂の欠片を持って生まれてくる魂操者の不完全体。形は様々で、強さ違う。生き物のように生態系を持っていて、共食いや繁殖したりする。強さはアルファベットで決められている。ランクS→A→B→C→Dとなっており、その横に書かれた数字はそのランクの中での強さを表している(100~1)
(例)B-64
>> 23
(プロフィールファイルNo1)
ゼウル・シード(イタリア人)
年齢:17歳(204歳)
身長:173cm
体重:59kg
髪の色:銀
瞳の色:紅
趣味:読者
好きな物:酒、ミステリー小説
嫌いな物:猫
武器:槍
突撃隊に所属しており、本作の主人公。ほとんど人とは話さない。と言うより彼に話しかけてくる人がいない。何故なら彼からでる「近づくと殺すぞコラァ!」的な殺気オーラが出ているらしい。ちなみに彼はそんなオーラは出してないと言うが、彼の目付きが……かなり恐いらしい。猫が視界に入った瞬間、心臓停止。良くても気絶。何故彼がこんなに猫が嫌いなのかは誰も知らない。少しめんどくさがり屋。
>> 24
ダガーは矢を弾き、リオは身を少し屈め一気に加速しアルベールに真正面から斬りかかった。
観客席、その戦いを眺めている影が一つ。
「なぁ~んだこんな所に居たんだぁ~」
後ろから現れたのは、赤い髪のあの女性だった。
「…フィアか」
「あの子知り合い?あんたが最終試験見るのって興味があるやつか知り合いだしね」
ゼウルは小さいため息をつくと
「別に…暇だから見てるだけ」
「へぇ~」
フィアはリオとアルベールを見た。
「何か子供同士の戦いって可愛いね」
フィアはニコニコと笑うと再び喋り出した。
「けどアルベールって…アハハ、ソニアさんは受からせるつもりないのかなぁ?」
苦笑いを浮かべるフィア。
「まぁ…俺には関係無いけど」
ゼウルはそう言うとリオ達から目を離し、出口に向かい歩き出した。
フィアは少し驚きながら
「最後まで見ないの?」
「…めんどくさい」
ゼウルは即答すると扉を開け、出ていった。
「つまんないの」
(プロフィールファイルNo2)
フィア・ラフェンス(ヨーロッパ人)
年齢:16歳(192歳)
身長:165cm
体重:47kg
髪の色:赤
瞳の色:碧
趣味:散歩
好きな物:果物、飴、小動物
嫌いな物:人間、勉強
人懐っこく愛想も良い防護隊の魂操兵。とにかく明るくポジティブで子供みたいな性格の持ち主。白い包帯を両腕の付け根まで巻いてあり、その包帯は何なのかと本人に聞くと「え?それは!私と一緒に任務一緒になった人には分かるよぉ~!」だそうです。ゼウルの事とは友達の様な関係、猫嫌いなゼウルに猫の鳴き真似をして虐めているらしい。
>> 26
「…やめ!」
「!」
二人はソニアのその言葉で足を止めた。
「……合格~🎵」
「………はい?」
リオはかなり納得がいかないようだ。勝敗はまだ決まってない、それにリオのほうがおされていた。
「ハハハ、納得がいかない顔をしているな。理由は二つ、一つは別に勝敗が着くまでやれとは言ってない、ただ本気でやり合えと言っただけだ。二つは貴様がどう頑張ってもコイツには勝てんからな」
ソニアは笑っている、アルベールは武器をしまうとリオに話しかけた。
「これは貴方のタイプと戦闘能力を測るだけの試験です。貴方は隊に入れる位の能力を持っていましたので合格。分かりましたか?」
アルベールはニコニコしながらそう言った。年下に上目線で言われているのに何故かリオは普通に解釈した。
「まぁそう言い事だ。ウィリアム、アルベール、コイツを部屋に案内してやれ」
「了解~」
「了解~」
瓜二つの二人はリオの両手を掴んで
「うっしゃ!しっぱぁ~つ!!」
朝と同じく、リオを引っ張って走っていった。
「だから…その連れて方やめろと言ったのに」
そう呟くソニアだった。
>> 27
「とぅぉ~~ちゃぁ~~くぅっ!!」
「Σ…っうぁ!」
ウィリアム&アルベールの急ブレーキのせいでリオはぶっ飛んだ。
「ここが君の部屋!」
「…って何寝てるんですか?」
「…寝てません💧」
リオは起き上がると、ウィリアムとアルベールの前に木の扉があった上の方に「414」と刻まれていた。
「ひらきまぁ~す🎵」
ウィリアムは扉を開いた。アルベールは後ろからリオを押して部屋の中に無理矢理入れた。
「今日から君の自室!」
「好きに使ってよし!Σ👍」
「自室って……💧」
リオが思う自室⇒約6畳&寝具&箪笥&机
リオが今見ている自室⇒約16畳&寝具&箪笥&机&ソファー&台所&シャワールーム&冷蔵庫等…。
「どう??気に入った?気に入った?」
「まぁ僕らの部屋の方がいいけど!」
「え……」(どんだけ豪勢なんだ…)
リオは唖然としている。
「じゃあウィル、先いってるから」
アルベールは部屋から出ていった。ウィリアムはリオの方を見ると
「あのさこれ!司令官からの資料ね!明日までに読んどいといてね!俺これからアルと任務なの!!じゃ!」
ウィリアムは資料を渡すと、猛スピードで出ていった
(武器と使い魔)
武器は魔族の魂の“形”。魂の形は絶対に同じものは無い、なので武器が全員違いのだ。使い魔とは魔族の魂の“器”が体の外部に出たもの。感情・自我がある。人間の魂の器は体。その二つがある者、魂操者はどちらかがもし無くなってしまうと醜い化物“魔物”へと姿を変え、心を失う。ある一部の魂操者は器が自分の体の一部だったり、体の内部に器が在る者もいる。ちなみに使い魔がいる者は、使い魔を自分の魂の形に変え武器にする者もいる。
(タイプ)
タイプは全部で5種類確認されている。タイプは最初から決まっており、変わることはない。
(タイプ:バーストウエポン)
使い魔を武器に変え、戦う。シンクロすればするほど武器は強くなる。シンクロ可
(タイプ:デビルコマンダー)
使い魔が獣の様になり、魂操者の盾となり剣となる。つまり使い魔のみが戦う。使い魔とシンクロ可。
(タイプ:ソウルバトラー)
体の内部に器がある。武器は体の中にあるので出し入れが楽&邪魔にならない。シンクロ不可。
(タイプ:ハンター)
体の一部が器。器の部分は生まれつき透明。その部分を武器に変える。シンクロ不可
続く⤵
>> 30
(タイプ:ビーストソルジャー)
体全体が器であり、形でもある。つまり自分自身が武器。5種類の中で最も数少ない。シンクロ不可。
(プロフィールファイルNo3)
ウィリアム・ミカエル(兄)
アルベール・ミカエル(弟)
(イギリス人・双子)
年齢:12歳(144歳)
身長:148cm
体重:38kg
髪の色:赤茶色
瞳の色:緑
趣味:悪戯
好きな物:お菓子、玩具
嫌いな物:野菜
ウィリアムとアルベールはいつも一緒。その為、どっちがどっちなのかわからない。顔も髪も瞳も同じ、唯一の違う所と言うと性格と一人称。ウィリアムはとにかくわんぱくだかアルベールは少し礼儀正しい。ウィリアムは俺。アルベールは僕。後は…武器と使い魔が違うだけ。子供の無邪気な面がほとんどだが、時折とても残酷な一面も見せる。
>> 31
リオは適当に古城内を歩いていた。そして本が沢山置いてある部屋を見つけた。
(なんだろ…?)
湧いてきた好奇心。少しだけならと思い部屋の中に入った。とにかく本、本、本…本だらけだ。
(すごい本の数だなぁ…)
リオは緑色の厚い本手を伸ばして、触れた。指に埃がついた。
「おい何してる」
いきなりゼウルがやや驚いた顔で現れた。手には厚い本を三冊持っていた。
「Σ!?!?!!!」
リオにはゼウルの目がめっちゃ睨んでいるように見えた。
「?」
ゼウルは不思議そうな顔でリオに近づいてきた。
「いっ!いえ!!なにもしていません!!!💦」
「Σいや、何でそんなに怖がんの!?」
リオは思わず後退り。ゼウルはかなり焦った顔だ。
>> 32
第三章上下関係?
「僕は何もしてませんからぁ!!」
リオはそう怯えた顔で言った。
「💦はぁ~…」
ゼウルはため息をつくと、片手で顔を隠すように覆った。
「……………💧」
リオは蛇に睨まれた蛙のような状態。ゼウルはこんな状況が久しぶりだった。少し困った表情を浮かべ、
「別に捕って食う訳でもないし、お前と俺に上下関係なんか無いしさ…」
「Σっはい!」
「いやいや💦まだ言い切ってないから💧」
と、ぎこちない会話が微妙に続き、最終的に話は終了。
「次から地図見ろよな…じゃ」
ゼウルはそう言うと部屋から出ていき、リオは自分の部屋に戻った。
「…ん?」
パソコンの様な物の電源がついている、画面には(受信通知)と書いてあった。
使い方がわからない。
>> 33
パソコンの前に有った長丸の形の物にボタンがあったのでリオは恐る恐る押してみた。
(ビーービーーー…ピコッ)
「ぅえ!!」
リオは少し驚いた。パソコンは可愛らしい音を立てると、画面が変わり長い文章が現れた。
(???)
明日、am9:50までに、新種のデータをまとめて私の所に転送しろ。新種魔物約59体…(以下省略)
(えええぇぇ!!!!!!?)
とにかくリオは驚いた。そして一番下には
突撃隊隊長 メイ・リン・シャン
(突撃隊……隊長!!?僕の上司!?)
リオは呆然とした。いきなり仕事をやれと言われ(すごい量)、しかも隊長から。
(………どうしよう)
絶望的。
その時リオの部屋の扉を誰かがノックした。
>> 36
食堂…と言うより喫茶店みたいな場所で本呼んでいるゼウル。魂操者は別に食べなくてもいいので古城内には食堂は無い。まぁ食べることは出来るので食べたい奴用に造られたのがこの喫茶店っぽい施設。待ち合わせ場所、魂操者達の交流の場としても活用されていて、ラウンジと勝手に呼ばれている。
「おい、そこの読書中毒野郎」
話しかけてきたのはあの少女。
「略して読中」
「一回黙ってくれませんか💢💧」
「いいだろ~、本当の事なんだから」
「中毒までいってませんよ💧それよりも読書中毒なんてありませんよ」
「だって一日中読んでるじゃん」
「……一日中遊んでる隊長とは違って俺はちゃんと仕事してますから」
「仕事増やすぞてめぇ」
ゼウルはため息をつくと、少女の方を見た。
「それで脅すのやめてくれません?」
「こうしないとお前、私に口答えばっかすんじゃなねぇか」
「貴方がちゃんと仕事してくれたらやめますよ」
「はい、仕事増加決定」
「…💧」
>> 37
―次の日―
リオのパソコンにはメールが届いていた。内容は30秒で司令室こい。遅刻したらしばく。
「あ、来た来た」
「あ、惜しい!後1秒だったのに!」
アルベールとウィリアムが笑っている。
「ちょうど29秒。まぁいいだろう」
「い…いきなり…は……ないでしょ…?」
リオはある意味瀕死。
「用件を言う、外の仕事だ。」
「仕事!」
「俺らと!」
「C級魔物の撃退…この二人が一所なんだ楽だろう?」
「え、でも」
「つべこべ言わずさっさと行かんとマジしばくぞ」
「行ってきます!」
リオは司令室から出ていった。ウィリアム達も後からついていった。
―古城の外―
「こっちこっち!」
「早く来い!」
二人が連れてきたのはあの門の前。大きな瞳は閉じていて、門の先が何もない。
「ドゥルス!おっきろ~!!」
「こじ開けるぞ~!!」
双子が五月蝿い声に反応したのか瞳がゆっくりと開き、此方を睨み付けた。
「ドゥルス!門開けろ!!」
「開けろ!!」
「……うるさ…い奴等…だ…」
少し不機嫌のようだ。いきなり門の先が明るくなった。
>> 38
時空の門―ドゥルス―
ラビリンスから人間界を繋ぐ者。魂操兵はこれで人間界に行けるが、濃度が少ない所だと門は開けない。門の上にある瞳が開くと時空の門が開く、門はドゥルスと呼ばれる元魂操者。ドゥルスは喋る事でき、ある場所なら自由に行き来出来る。
パソコン
分かりやすくパソコンと書いてあるが、本当の名前はP-36。形はかなり変わっている、やや緑色の画面は電源をつければ出てきて、消せば消える…っと、未来的。だがインターネットは無い。キーボードは細いコードで本体と繋がっている。
喫茶店(ラウンジ)
椅子とテーブルがあり、いちを飲み物等は注文出来る。夜は酒場の様な風景が見られる。店員は約5人位、よく司令官の気まぐれイベント等で毎回付き合わされる可哀想な奴等である。しかも五つ子、名前はハル(男)ナツ(女)アキ(男)ユキ(女)メル(男)っと適当。ハルが一番上、メルが一番下。
>> 41
双子はハイテンションで鬼ごっこしている。リオは石の階段に座り地図に書いてある目的の場所を見ていた。
(…あれ~?💧)
リオの額にタラリと汗が流れた。
(どこで間違えた!?ヤバイよ!もうすぐ出現時間じゃん!!)
一人で頭抱えながらテンパり中。
それに気づく双子
「どーしたのよ?」
かなり他人事の様なウィル
「凄い汗出てますけど…」
やや心配気味のアル
「いや!…その……迷っちゃったか…も…知れなくて」
リオが半泣きで言うと、双子が不思議そうに顔を合わせ
「…?」
「何寝言いってんだ?」
「へ?」
「ここが出現場所だぞ?」
(Σえぇええぇーーーーーー!!?)
リオが間違えたぁ!と思うのも地図に書かれていたのは一面の森林地帯。なのにリオ達がいる場所は木は周りを見渡しても一本も生えてないと荒野地帯だった。
>> 42
「言ってなかったけ?任務で?」
「…何をですかぁ」
リオはさっきのショックでやや放心状態になっていた。
「ここが生息地のC級魔物はクイーンワームて言う…まぁ巨大ミミズみたいな奴が捕食するときに毎回勢いよく地中から飛び出すからさぁ~」
「ん~簡単に言えば森ごと食べちゃってんだよ」
アルベールもウィリアムもやや呆れ気味だった。その時だ
「ピピピピッ!ピピピピッ!」
時計のアラームが鳴り響き、同時に地震が起きた。
「もしかして今のアラームって…」
アルベールが苦笑いでリオに聞いた
「はい…💧出現時間、つまり捕食の…」
ドドドドドドッ!!と何かが近づいて来る物体、まぁ全員何が来るか予想はついていた。
三人の足下の地面はメキメキと割れて、鋭い歯が円状に並んだ巨大な口が見えた。
三人は一瞬にしてその場から約10m位離れた。
勢いよく出てきたそいつはその巨体をクネクネと動かしていた。
目はなく、耳もなく、見た目は筋肉むき出しミミズ。一言で言うならキモい
>> 43
「うわぁ~💧何度みてもキモい!」
「しかもでかいし!!」
アルとウィルはかなりドン引きしている。
「…あれでC級なんですか!?」
リオは姿よりその魔物デカさにびびった。
クイーンワームは思わず耳を塞ぎたく様な声を上げた。
「Σいっ!…まぁそんな事は後回しでいいや。操魂」
リオを双剣を構えた。
「早く終わらしますか!アークル!」
「こんな奴楽勝かな?フォールン!」
ウィルの後ろかもひょこっと出てきたアルのと似ている羽根付き綿毛が出てきた。
アルのは弓へ変わり、ウィルのは斧へと変わった。
「…死んでください」
ウィルは矢を放った。
すると、クイーンワームは素早く地中に身を隠した。
「何処だ…?」
リオは周りを警戒していた。
「あ~💢もう!めんどくさい!!!」
ウィルは斧を振り上げ
「ロック・クエイク!!」
斧を地面を叩きつけると地割れが起きた。
「コラァ!出てこい!💢」
>> 44
その頃、古城内司令室にて。
ソニアが司令室の書物の整理をしていると、
(トントン)
ドアがノックされた音が聞こえてもソニアは書物から目を離さず入れとも言わなかった。
「ちょっと無視しないでくださいよ!💦」
ドアは開き、フィアが入ってきた。
「入れとは言っていないが」
「入るなとも言ってないですよ」
ソニアはフィアのほうを見ると
「用件があるならさっさと言え、私は忙しいんだ」
「んじゃ言いますよ。あの新人君…何タイプか気になるんですけど、教えてくれません?」
ソニアはため息をつき
「貴様は防衛隊だろうが、知って何になる?」
「暇なんで」
フィアは即答だ。
「……それなら普通にゼウルとかに聞けばよくないか?💧」
「あ…それもそうだね!んじゃ!失礼しまぁ~す!」
バタン!
「静かに閉めろと言ってるだろうが…」
>> 45
古城・ラウンジ
ゼウルとメイが他愛もない話をしていた。
「思うんだけどさぁ~。あんた、何の本呼んでんの?」
メイは自分の前にあるカップを突っつきながら、呆れた顔でゼウルに聞いた。
「…普通の本ですよ」
「Σ嘘つけ!!普通にしては分厚過ぎるわ!」
ゼウルの読んでいる本は軽く500ページを超えるくらいの厚さがある。
ゼウルはため息をつくと、
「…もうほとんど書庫室の本読んじゃって、残ってたの厚いのしか無かったんですよ」
メイは「Σは!?」と言う顔して
「おまっ!?あんだけの本をほとんど読んだのかぁ!?」
「はい、まぁ後10冊くらいなんですけどね」
書庫室の書物は約1億ぐらいあります。
「何か呆れた…良く読めた、そんなに」
その時フィアがマジ走りでゼウルに突進。
「おっはよー!ゼウル元気!?」
「今のお前の突進のせいで重傷だ」
ゼウルの頭から血がダラダラと出ている。
本も血だらけだ。
「あ~あ💧お前その本、弁償な」
メイは苦笑いしている。
>> 46
ウィルが地面をぶっ叩いたせいでクイーンワームが飛び出てきて、魚の様に跳ねた。
「あいつ俺が殺るよ!」
「Σあっ!狡いよ!ウィルの馬鹿ぁ!」
「喧嘩しないでください!💧」
(子供だ…)
アルは矢を放ったが、その前にウィルはクイーンワームに斬り込める範囲にいた。
「いっただき~!!」
ウィルの斧はクイーンワームの体にめり込み、そのまま押し込んだ。
血は吹き出し、クイーンワームは真っ二つに割れてもピクピクと痙攣していた。
「俺のかっち~!」
「ウィルが足早くなかったら僕が勝ってた!」
「だから喧嘩しないで下さい!!💧」
(やっぱ子供…)
その時だった。クイーンワームの痙攣が止まり死んで大量の血が地面に流れたせいか匂いを嗅ぎ付け、小型魔物がゾロゾロ集まってきた。
(こんなに集まってくるなんて…)
リオがその数に圧倒されてたら
「よし!多く殺したら奴が勝ちね!ビリはシュークリームおごりで!!」
「それ乗ったよ!リオもだからね!」
「…Σえ!あれ一つかなり高いんですよ!」
と、囲まれているのに関わらず緊張感が無い二人に少し呆れたリオだが
「次は、おごって貰いますからね!」
>> 48
🌙第四章 理由
―司令室―
「ん?」
ソニアはパソコンにメールが受信されていたのに気付いた。
(なになに…)
クリックすると可愛らしい音がなり、メール内容がパッと出てきた。
(…………なーんだ、もう終わったのか。案外楽勝過ぎたか…)
ソニアは椅子から立ち上がると、本棚から資料を出しパラパラとめくって見た。
(さて…と)
その頃、三人は任務帰りに義務付けられている為医療室に居た。
「はい三人共、体に異常無いよ」
ニッコリと笑ったのは水色の下に結んだ長い髪に銀縁眼鏡の医療管理者
「だから最初っから大丈夫だっていってんじゃん!!」
「と、言っても、万が一って事もありますよ?そしたら苦しまなくなるのは貴方ですからね」
「……え?どんな事になるんですか?」
リオは服着ながら尋ねた。
「あぁ貴方は新人の方でしたね。魔物の血液には僕ら魂操者にしか作用しない毒が含まれていまして、身体の中に入ると少し厄介な事になるんです。まぁ皆さん、返り血だけで身体の中には入っていませんから大丈夫ですよ」
その人は笑っていた。
>> 49
医療室から出た三人。アルとウィルは互いにじゃれ合いながら走って何処かに行ってしまった。
(……ほーんと子供だなー…)
リオは双子が行った逆方向に歩き出した。
(子供だけど……実力は全然違う…か)
リオはため息をついた
―司令室―
「ソニアさーん!」
「ただいまぁー」
アルとウィルがドアを元気よく開けた。
「お帰り~…」
ソニアは資料を見ていた、気になったアルとウィルはソニアの後ろからチラッとその資料を見た
「…そ~んな古い資料を見て何やってんの?」
「調べもの?」
「いや違うよ、ちょっとね」
「?」
「?」
アルとウィルも頭の上にクエスチョンマークが付いている
- << 51 「でぇ~あの子!タイプは!💢」 「フィア💧今ゼウルゆするのやめろ!💦出血止まんないだろがぁ!」 ラウンジでフィアがゼウルに突撃したせいで頭からの出血が凄かった。 「………俺と同じだっつってんだろ。だからゆするなよ…」 「嘘だぁ~!💢アルに勝ったんでしょ!?ならもっと凄いタイプじゃないと!私みたいな!」 「いや勝ってない💦勝ってない💦しかも何ナルシスト発言してんだお前は」 メイがフィアにつっこんでも、ゼウルがゆすなっと言っても、無視してむくれていた。 「ふーんだぁ!私が本人に直に聞いてくるもん!」 フィアはそう言うとラウンジから走って出ていった。 「全く…あいつの性格はどうにかなんとかならねぇかな…。ゼウルー、出血止まった?」 「後少しで止ま…あーまた出てきた。フィアのやろ、ゆすり過ぎだ」 「何かつっこむ所違うぞ…まぁいっか、そーいやー新人の名前…リオだっけ?もう帰って来たんじゃねぇ?」 ゼウルは頭を押さえていた手を下ろすと、カップを持って、入っていたコーヒーを一口飲むと 「別に…俺はあいつのこと、どうもしませんよ」
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