Re'夜は貴女華へ

「おかえりなさい、あなた。」
と妻が出迎える。
「パパ、おかえり」
と娘が口を開く。
「ただいま」
と私がつぶやく。
何気ない帰宅時の光景。
夕食を食べながらの一家団欒は毎日恒例である。
数時間前までは仮面を被っている私だが…

• 共感0
• レスに返信

第１射

「あ〜娘が風邪ひいて病院に…」
「部長〜休みっすか。」
一回り年下の部下は上司に対して口の利き方を知らない。
「嫁が出張で明日まで帰って来ないんだ。」
まぁ…実話である。出張とは言っても夏休みの娘を連れて里帰りなのだが。
「わかりました。僕にまかせて娘さんをちゃんと病院に連れて行って下さい！」
意気揚々な部下の返答に嬉しい反面、こいつを病院送りにしたろか…と思ったりする。

さぁ休みも取った。嫁も娘も居ない。
とりあえず休みが取れない場合を考え念の為、会社に向かっていたが車をUターンさせる。

携帯を開く。いつものサイトを開く。

「今日は何人掴まったかな…」

秘かに微笑む自分がいる。

• 共感0
• レスに返信

８人かぁ…

何てことはない。

出会い系サイトである。

若いの2人。ババァ4人。同年代2人。

「微妙やなぁ…」とつぶやく。

とりあえず、撒いた餌には責任を取らないと。

「返信ありがとう。もしよければこれから会いませんか？」

単純な返答。

実はこれには意味がある。

本気で逢いたい人は必ず何かしらの確認、条件を返信してくる。

確かにこんな文面ではどんな男かわからないからね。

でも…どうしても逢いたい方は連絡がくる。

…苺とかゴム有りなどと記入して…

• 共感0
• レスに返信

直ぐ返信がくる。

確実に逢いたい貴女は返信が早い。

まぁあちらに関しても餌を撒きまだかまだかと携帯を握りしめているのだろう。

「はじめまして。ホ別2、ゴム有りで。どう？」

若い女からの返信。

今の若い者は部下も含めて口の利き方を知らないようだ。

無視。

直ぐ新しい返信が２件。

一件は前と同じ阿婆擦れ女。

もう一件は阿かん婆さん。

無視、無視。

また返信が来たが場所が遠い。

「すいません。場所が遠いので。返信ありがとうございました。」

ちょっと紳士を装う。

それから数分、返信がない。

「今日は空振りか。」

だからと言って返信の来た女性に妥協はしない。

車の助手席に携帯をなげ、コンビニに入りコーヒーを買う。

何気に嫁がうるさいパチスロの本をこっそり買う。

エロ本よりタチが悪い。

「ダメな日はパチスロ、パチスロ」

レジで支払い車に戻ると携帯が光っている。

メールの着信が一件。

運転席に座り期待なくコーヒーを飲みながら開く。

「やりたい…すいません^^;」

プッっとコーヒーを吹き出す。

やりたい…なんて卑猥で素晴らしい言葉なんだ。

更にすいません^^;って。

…かわいい…。

見てもいないのに既に頭の中はお下げ髪の処女。

まさかのメガネっ娘。

妄想は膨らむばかり。

とりあえずこんにちは、とかいきなりホ別2とかよりは斬新なメッセージに心が弾む。

やっぱパチスロにコイン入れるより貴女花にインしないとね。

携帯の文字を打つ指が我を蘇させた。

• 共感0
• レスに返信

「やりましょ笑
ガンガン攻めますよd(^_^o)
お口や下のお口に激しく出し入れしたい。
フィニッシュは顔がいいかな？それとも中かな？とりあえず待ち合わせ場所は何処かな？」
強気に責める。

送信ボタンを押す。

悪笑をしながら…

• 共感0
• レスに返信

ティロリロリン🎶
奇妙な着信音がなる。
早速携帯を開きログイン。

「よろしくお願いします(^^)場所は○○でお願いします。すごく楽しみです(=^x^=)」

あらま…

ほんとにいいんだね…

• 共感0
• レスに返信

「30分で行きますd(^_^o)」

返信してコンビニに寄りコーヒーとカルピスを買う。

15分で目的地に着く。

…すでに待っている。

歳は19、細身の可愛らしい子だ。

カルピスで正解だった。

• 共感0
• レスに返信

車を近づけ窓をあけ声をかける。
左ハンドルは便利だ。
「あっ！よろしくお願いしますm(__)m」
会釈される。

助手席に招き入れる。

いい匂いがする。

「凄い車ですね！」

大抵そう言う。

たかがポルシェだ。

• 共感0
• レスに返信

「私、ミキっていいます！」

可愛い。

「三人姉妹の末っ子ですσ^_^;」

可愛い。

「今は大学で物理学を専攻してます。」

可愛い。

「恥ずかしながら…キティーちゃんが大好きです(=^x^=)」

…可愛らしい。

• 共感0
• レスに返信

まぁ…よくしゃべる。

まぁ…いずれその口を黙らせる。

しゃべるのではなくしゃぶる口に…

• 共感0
• レスに返信

「あっこれどうぞ」

カルピスを渡す。

「ありがとうございます…でも私…カルピス飲めないんですσ^_^;」

…カルピス飲めない…

そんな奴いるんだな…

数十分後には濃いカルピスを飲ませてやるっていうのに。

• 共感0
• レスに返信

渋滞にハマる。
コーヒーを口にしながら色んな事を考える。

まずは軽くキス…シャワー浴びて…

「あの〜」

「ん？なに？」

妄想の途中なのに(u_u)

「私…初めてなんです」

プッ！

コーヒーを噴き出してしまった…

「あ〜…大丈夫大丈夫」

何が大丈夫なんだか。

初めてかぁ…

もう一度、バージンバージョンで妄想を始める。

• 共感0
• レスに返信

「あの〜引きましたよねσ^_^;いい歳して初めてだなんて」

「いや〜大丈夫だよ」

…だから何が大丈夫なんだ…

確かに今の時代、高校辺りで失う時代。

珍しい…いやいや。

やはり女性は大和撫子であるべき。

直ぐパンパンする女なんて外道だ。

とわいっても今のAVはそれなりの顔の持ち主。

年齢も若いのにレイプじみたことやお尻の穴や、終いには20人連続中○しなど底辺をそれなりにこなしている。きたないオヤジにパンパンされても仕事だと割り切っているのか。

そんなメス豚が幸せになれるとでも思っているのだろうか。

私利私欲なら恐ろし未来が待っている事だろう。

お世話になってるので強く言えないが人生終わってるやろ。

自分を大切にしないと。

「大切にしないと…」

ついつぶやく。

• 共感0
• レスに返信

「えっ？」

…聞こえたみたいだ。

「君…好きな人はいないのかい？」

「いないです」

「では君を好きな人は？」

「…わかりません。」

「そうか…では君を大切に思ってる人は？」

「…私を大切に思ってる人…一人います。」

しばらく沈黙が続き…口を開く。

「母です」

• 共感0
• レスに返信

どうやら彼女は母と二人暮し。

姉二人は嫁いでしまったとの事。

３歳の頃に離婚し女手ひとつで三人育てたとか。

そんな母が入院。

ガンらしい…それも末期ガン。

「私…もう…必要ない人間なんです…」

• 共感0
• レスに返信

その角を左に曲がればホテル街。

期待膨らませ右に曲がる。

「えっ！ここ何処？」

パチンコ屋。大人の遊園地。

「初めてだろ。多分勝てる。ビギナーズLUCKってやつ」

案の定、彼女は大連チャン。

私は相変わらずダメ。ムカつくわ。沖ドキ。

彼女は何がなんだわからない間に10箱はこえていた。

換金し彼女に渡し初めて会った待ち合わせ場所へ。

• 共感0
• レスに返信

失う物は多々ある。

生きたくても失う者もいる。

要は自分が自分であるかどうか。

それが正しいと思うなら突き進めばよい。

大切な何かではなく大切な自分。

貴女に…幸あれ！

• 共感0
• レスに返信