あんなやつにわたさない

「ルウカ様、朝ですよ」
いつもの朝。
窓の外は雪だ。
だいぶ冷え込んでいる。
「雪が降るなんて…今日誕生日なのに」
ルウカは少し悲しそうにうつむいてしまった。その時

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「ルウカ～僕のお人形なくしちゃった~」
アナザが走って部屋に入って来た。
顔が涙でぐちゃぐちゃだ。
(まただ~どうしよう)
メイドはさっき部屋を出て行ってしまった。部屋にはルウカとアナザの二人きり。ルウカはふとなにかを思いついた。
「泣かないの!男でしょ」
「だって！」
「同じ年なのにダサッ」…
効果があったのかアナザは泣くのをやめた。

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6時。
豪華なルウカの誕生パーティーが始まった。パーティーはセレナという女の子が氷魔法をひろーしたり、踊ったりするだけだった。
10時、パーティーは無事に終わった。
自分の部屋に戻ったルウカはいきなり疲れが出たのかベッドに倒れこんでしまった。

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(苦しい…誰か助けて)
一人の少女が水に流されてもがいている。
(もうだめ…)
そう思った時ふわりとからだが浮いた。
助かった。
「ありがとう…あなたは誰？」
少女は閉じていた目をひらいた ドキッ
目の前にはさらさらの黒髪、光輝く宝石のような瞳の王子さまがいた。
「俺はサライエア国のサラン」
……
「ルウカ様、朝ですよ」
聞き覚えのある声でルウカは目覚めた。

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窓の外は真っ白で何も見えない。
いつもなら朝起きても何も考えないルウカの顔が少しだけゆるんでいた

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(サラン…なんで今まで思い出さなかったのかな?)
ルウカは不思議に思った。
サランが闇の魔法使いだとしらずに。


「ルウカ様、アナザ様がいらしてます」

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「ルウカ？なに考えてるの」
アナザが部屋に入って来た。もちろん自分でドアを開けてだ。

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