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地球に・・・

レス67 HIT数 13092 あ+ あ-

旅人
13/05/08 14:14(更新日時)

「お前もう、あの星から帰ってきてたの?
あーなんだっけか・・・・
地球? あ!地球だったな」


からかうようにポットが言う


『悪かったな、もう帰ってきちゃって💢
帰りたくてかえってきたわけじゃないんだ!
変な病気にかかって・・・・』

「んで、またいつ行くんだ?あんなしょうもない星に!物好きだよなお前も!地球っていえば
あの汚い生き物に汚染されてさぁ・・・あ!おい!待てよ!サイ!」


地球は確かに、綺麗とはいえ言えなかった
生き物も汚い所がたくさんあった


でも・・・なんだかひかれてしまう


だから今は
あまりあの星の悪口は
正直聞きたくなかった

No.1872525 12/11/05 14:33(スレ作成日時)

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No.1 12/11/05 15:03
名無し1 ( 20代 ♀ )

続きを書いて下さい、オジサン。

No.2 12/11/06 14:42
旅人0 

>> 1 ありがとうございます
がんばります

No.3 12/11/06 14:49
旅人0 

地球・・・・
青く美しい星だった

だったというのも
人間という生き物が生まれてから
地球は形を変えたから


砂漠化
温暖化
気象異常
etc・・・・


青に緑の栄えていた
その星は
昔の姿を失い
今や滅びにむかおうとしているのに・・・・


「なぜ、わからないのだろう・・・
こんな危機的状況を
人間たちはしっているのに・・・・」

  • << 5 遠い地球の姿が浮かぶ 丸い水晶玉のような球体をそっと覗く 『また、あの星に行ける(転送できる)だろうか・・・・』 」

No.4 12/11/06 16:11
名無し1 ( 20代 ♀ )

何かツライのか?
オッサン

No.5 12/11/07 16:19
旅人0 

>> 3 地球・・・・ 青く美しい星だった だったというのも 人間という生き物が生まれてから 地球は形を変えたから 砂漠化 温… 遠い地球の姿が浮かぶ
丸い水晶玉のような球体をそっと覗く


『また、あの星に行ける(転送できる)だろうか・・・・』


No.6 12/11/08 15:51
旅人0 

>> 5 「サイ!!!!お前ラッキーだぞ!お前の地球での受容体が見つかったぞ!
十四歳
男性
日本在住だろ!」


『ホントか!』


「ああ!お前が地球についてレポート出してた時、かなり興味が沸いたんだ!
『地球の生態系の破壊と生物との相関性』
俺も不思議なんだ!
あの星の生き物は
星が壊れようってのに
何故か破壊行為しか行わない
サイ!是非とも調べてきてくれ!」



『OK👍
ご協力ありがとう
ところで その受容体は
なんで体を提供してくれたんだい?』


「あぁ!
自殺しようとしていたらしい」


『え・・・自殺?』


「地球人とは誠に奇なり
自分で命を絶つなんて

まぁラッキーだったな」

『自殺って・・・
その受容体大丈夫か?』

「検討を祈る!
では転送するぞ」


『ちょっと待て!
地球人で自殺といったら環境的に・・・・』


「行ってらっしゃい!
サイ!」


『いや!だからやばいって!あぁあぁあ・・・・』


嬉しそうな友は
俺を無理やり転送ポットに入れると
明るく手を振った


ま じ か よ!


それから
俺は
ゆっくりと
意識を失った

No.7 12/11/08 15:57
旅人0 

>> 6 目覚めると辺りは暗闇に包まれていた


机にうつ伏せていたらしい
頭に軽い痛みが走り
手首がズキズキと痛む


手首?


『ヒィイイ!』


小さく声をあげたのは
俺の手に握られていた
ナイフに驚いたからではなく

『酷いな・・・これ・・・』


左手首に残る無数の切り傷が癒されずパックリと切り傷を残す・・・・


机上には
95点の答案用紙が一枚

No.8 12/11/08 16:04
旅人0 

>> 7 『95点・・・頭いいなコイツ。』


改めていろいろ調べたかったが、如何せん、左手首がズキズキと痛む
何かで手当をしなくては

そう思い、立ち上がるとトントンとドアをノックする音が聞こえた


「冬樹さん。ご飯です」


高い声、知っている
これは女という性別の生き物の声
そして、同じ家にすんでいることから推測すると
この声の主は・・・・母親。
ちょうどよかった!
母親ならこの傷に驚き、手当てしてくれるはず

No.9 12/11/08 16:13
旅人0 

>> 8 トントンと階段をおりる音が聞こえたので
俺は慌てて部屋のドアを開けた!


『待って!か・・・
母さん?
少し怪我をしたんだ!
手当てしてよ』


母と呼ばれた人は少し
驚いたような顔をして
振り向き
俺の手首を見た


『酷い傷だから・・・
その・・・手当してやってほしいんだけど・・・』


バチン・・・・


俺の頼みに対する
その人の答えは平手打ちだった


「あなた!またくだらないことして!
お父様に見られたらどうするの!!
はやく隠しなさい!」


まるで嫌なものでもみるかのように
手首をシッシッと振ったその人は
いそいで学校の支度をしなさいと階段を降りていった

No.10 12/11/08 16:19
旅人0 

>> 9 えと・・・・
あの人・・・母親だよな?

俺は以前
他の家庭の男の子として暮らしていた
弱い体の男の子だったからだろうか
母親は暖かく居心地がよかった


・・・・そうか
あれは、母親ではないかもしれないな


考え直して
学校の準備をする
これは以前の体でもしていたからよくわかる

No.11 12/11/08 22:37
旅人0 

>> 10 運良く?部屋に包帯が落ちていたため
ろくに手当もせずに左手首に巻いた


あぁ・・・運良く包帯が落ちていたのではないな


この体の主もきっと毎日こうしてきたのだろう


だって、包帯の巻き方を主の体が覚えている・・・


「冬樹さん!いそいで!
なにをもたついているの!お父様がいらっしゃるわ!」


ぼんやり包帯をまいていると
階段の下からヒステリックな声が聞こえた
時計の針は3をさしている


外は、まだまだ薄暗い


3時に朝ご飯って
普通なのか?
前の体は早くても6時半だったけど・・・?

No.12 12/11/08 22:47
旅人0 

>> 11 疑問に思いながらも
支度をすませ階段を急いでおりた


食卓と言われる場所には温かな食事がならび


それを囲む多分血縁であろう男と先ほどの女は
目を閉じて静かに座っている

男の方は、カタカタと苛ついたように指で机を叩き
女はただただ怯えるように俯いている


「三時に一分遅れだ
冬樹。」


男は机を叩いていた指を止め、まるで机に話しているかのように低い声で言葉を発する


「三時に一分遅れだ・・・」

No.13 12/11/08 22:58
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 12

きっと男は
俺に何か返答を求めている


でも、なんて答えればいいんだろう?


一分遅れてすみません
だろうか?


確かに決まった時間に遅れてきたのかもしれない

でも、もし男が父親だとしたら
まず、遅刻したことよりも
手首にまく包帯だとか
青ざめた顔色だとか

気にかけてくれるものではないのか?


しかも、この体の主は
自殺未遂をおこして・・・・・・・・


「冬樹💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢」


バシーンと俺の前にコップが飛んできて耳をかすめて壁に当たった


相当な力で投げつけられたであろうそれは
割れて粉々になり
ガラスの破片がキラキラと床に散らばる

No.14 12/11/08 23:10
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 13 「三時に一分遅れだ」


『遅れて申し訳ありませんでした』


なんだか気にそぐわないがその場しのぎの言葉を述べる


左手首が痛むのに
頭まで怪我したのではたまらない


男は俺の言葉に 納得したかのように
多分俺の席であるだろう場所を指差した


示されるままに座り
静かに手を合わせる


それから男はまるで会話を遮るようにテレビをつけた


・・・・・・沈黙


食卓に並ぶ食べ物は温かいのに
それを囲む人たちは
独りはただテレビを貪るように見つめ
独りはその人の動きをビクビクと伺っている

No.15 12/11/08 23:13
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 14 面白い✨


悪いが研究者としての
血が騒ぐ


何故この人たちは
こんな状態で食事をとっているのだろう?


何故この人たちは
このような主従関係が完璧に成り立っているのだろう?

No.16 12/11/12 15:41
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 15 地球の生き物には
弱いものが強いものに従うという不思議な習性がある

この場合
女が男に従っている


何故・・・・


じっと二人を見ていると男と目があった


男は冷めた目で俺を見ると
思いついたように女の方を見た


「あいつの成績はどうだ?」

No.17 12/11/12 15:46
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 16 女はびくりと肩を動かすと、俺に目配せをした


成績?あぁテストのことだな?
さっき机上に置かれていたあれか

なかなかいい点数だったけど・・・


「冬樹!早く見せて!」


男がカタカタとまた指で机を叩き出したのを恐れ、女が俺を急かす


俺はなんだか二人が滑稽に思え、ゆっくりと鞄からテストの答案を出すと

男の前に片手で差し出した

No.18 12/11/12 15:51
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 17 ガシャン!!!!!!!
バリーン!!!!!!!!


目の前で机がひっくり返るという現象を始めてみた


男は答案用紙をぐちゃぐちゃにして肩で息をしている


表情は怒りに満ちており・・・・・

あぁ!そうか!
怒りのあまり声にならないというのはこれか!!


女は部屋の隅で振るえている


なんじゃこりゃ?


行動に疑問点が多すぎて訳がわからない

No.19 12/11/12 16:00
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 18 とにかく俺の中で整理することにした


『父さんは何を怒っているのですか?』


「・・・・・💢💢💢💢💢」


『母さんは何を怯えているのですか?』


「・・・・・・・・」


『二人とも大丈夫ですか?』


「・・・・・っ!冬樹!
危ない!」


女が叫ぶのと、頭に鈍痛が走るのと
そう時間差はなかった


ガシャン!!


「てめぇ!こんな点数とりやがって!
この一族の恥曝しめ!
弟の息子わな!学年トップだ!
なのにてめぇはなんだこりゃ!あぁ!
このままじゃ
父の病院はあいつと
あいつの息子のもんじゃねーか💢
おまえみたいな出来損ないがいるから
全部弟が持って行っちまうんだ!
てめぇなんて
死んじまえ!」

No.20 12/11/12 16:19
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 19 怒りがおさまらないのか男は女の胸ぐらを掴み
さらに吠え続ける


「てめぇの教育がなってねえから
こんな出来損ないに
なっちまうんだよ!
あぁ!
母親なら弟の妻みたいに立派な人間に育てろ!
てめぇもグズなら
子供もグズにしかならねえのか💢
くそっ!」


男はそのまま女を壁に叩きつけるとドスドスと部屋を出て行った

No.21 12/11/14 14:09
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 20 女が危ないと叫んだおかげで、運良く?男が振り下ろしたであろう瓶は俺の頭に軽く当たり、床に落ちて砕け散った


『マジで殺す気かよ・・・💧』


地球にこれたのに、すぐに故郷の星に帰るなんてことになったら
またポットに笑われる


頭をさすりながら改めて辺りを見回す


ひっくり返った机
割れた瓶・コップ・・・
ぐちゃぐちゃになった食べ物
壁にもたれて呆然とする女


『大丈夫?』


とりあえず、女に手を差し伸べる
女は虚ろな目で俺をしばらく見ていたが

その目つきが憎しみを込めたものに変わるのに
そう時間はかからなかった

No.22 12/11/14 14:18
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 21 「あんたが!
あんたが!できそこないだから!
アタシがこんな目にあうのよ!」


女は髪を振り乱し
俺の肩をつかみ激しく振る


「いっつも!いっつも!
いってるじゃないの!
あの女の息子に
負けちゃいけないの!
あんたは病院の長男の息子なの!
次男は黙ってひっこんでればいいのよ!
あぁ・・・・
そうよ・・・そうなのよ・・・
あんな女・・死んじゃえばいい・・・・」


女は散乱した床を幽霊のようにフラフラと歩き、部屋を出て行った


『・・・・・💧』


コイツが自殺した意味が分かった

No.23 12/11/14 14:30
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 22 さて・・・・
どうするかな・・・・


男はきっと医者で
弟に病院を奪われようとしている


だから弟の息子に負けたくない


俺はその道具
女は道具の躾役
・・・・


『すごいな・・・』


じゃあ今から俺がやらなきゃいけないことは・・・・・・・


散らかった部屋はあまり好きではないので淡々と片付けながら考える


そもそも俺がこの星に来たのは、
なぜこの星は滅びに向かっているか調べたかったからだ


そして、願わくば
この青く美しい星を救いたい


ならば、成績は優秀でなくてはならない
生徒会に入り、自分のポジションも確保しなければ

No.24 12/11/14 14:32
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 23 『なぁんだ
大したことじゃない』


利害関係が一致した


この家の男と女は
成績上位を望んでいる


俺もその必要性を感じている

No.25 12/11/14 23:02
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 24 包帯の巻かれた左手首をさすりながら
制服を着て帽子を被る


部屋は驚くほど綺麗になった


『気持ちいい~♪』


なんだかんだあって
時計の針は6時半をさしていた


眠い目をこすり、
冷たい水を飲み
大きく背伸びをした


せっかく貰った機会だ
有効に使わせてもらおう

鞄を持ち、ドアを開けると、お化けのように女が廊下で天井を見ていた


可哀想だな・・・


『母さんおいでよ』


俺はぼんやり座るその人の手を引いて
片付いたばかりの部屋の椅子に座らせた


そして先ほど洗ったカップに
温かいココアをいれてあげる


「・・・・・ありがとう?」


『どういたしまして』


「・・・こんな・・・はじめて・・・・・」


『そうだっけ?
まあ、のみたかったら
いつでもいれるよ』


「・・・・・っ」


女の目から涙がこぼれ落ちる


いや
女ではなく


この人はきっと
母さんだ

No.26 12/11/14 23:10
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 25 『じゃ行ってくるね』


「まって冬樹!」


母さんはそういうと
温かいおにぎりを急いで作り
持たせてくれた


「お腹すいて勉強できないと困るから」


『わかった・・・ありがとう』


先ほど鬼の形相だった母が
柔らかい顔で俺を見送る

これだから人間は面白い


悪意は悪意で
善意は善意で返ってくる

No.27 12/11/15 14:54
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 26 靴を履きドアを開けると
冷たい風が顔にあたる

息が白い


『さむぃ!』

が心地いい


昔使っていた体は
病気で弱っているものを使っていた

この体は違う!
左手首の痛さはあるが
軽い!


両腕を空高くあげ背伸びをする


寒い!足が地球にくっついていて不思議!
空が蒼い!


『青い!青い!青い!』

空を見上げながら、ゆっくり歩く


地面にあたる時の靴音がザりっザりってなって
面白い!

No.28 12/11/15 15:42
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 27 靴音を聞きながら空を見上げて暫く歩いていた


あまりの軽さに自然と歩みが早まり
走るような形になっていたのだろう


当然のように俺は何者かにぶつかった


「ってぇ!冬樹てめえ!」

突然胸ぐらを掴まれる


あぁ、この星の生き物はなんて野蛮なんだ


『ぶつかってすまない
空をみていた』


「はぁ?わけわかんないこと言ってんじゃねぇよ!このカスが!」


『カス?俺の名前は冬樹だ。
まぁ落ち着いたらどうだい。
ぶつかったことは謝ったが
他に君が怒る理由は・・・』


「うっせぇ!
カスのくせにえらそーな口きいてんじゃねぇ!」

No.29 12/11/15 16:01
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 28 朝に続き二連発・・・
この体の主は殴られやすい人物だったらしい


そいつは俺の腹をいきなり蹴り上げ
倒れた所を靴で踏みつけた


「次そんな口きいたら
コロス!」


騒ぎを聞きつけ、他にも学生が集まり始めた


ひそひそ話し声がするが誰一人俺に声をかけるものはない
ただただニヤニヤした顔でこちらを見て
平気で
胸ぐらを掴んだ男に
軽く挨拶をしたり雑談したりしている


変だな・・・・

周りを見渡しながら
ゆっくりと立ち上がり、膝の土を払うために前屈みになった


「おっと!こけちまったぁ!」


『わ!わ!わ!・・・』


ズザッ!


突然押され、またもや地面に倒れ込む


「ごめん!ごめん!
ちょっとあたっちまったぁ!」


ニヤニヤと笑いながら
先ほど胸ぐらを掴んできた男のそばで、友達らしき者が俺を指差す


転んだ俺の姿をみて
周りの者がクスクス笑う

No.30 12/11/16 15:04
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 29 不思議だ?

なぜ笑うのだろう


何か原因があるとしたら自分が押されて転んだことだ


しかし面白いことだろうか?


俺の星では誰かが転んだら助けるが
この星の者はなぜ笑うのだろうか?


俺はまた転がされぬよう周りを見ながらゆっくり立ち上がった


そして,皆に問う


『なぜ笑う?』


皆が笑うのをやめた?


『なぜ笑うのだろうか?俺は転んだというのに?』

No.31 12/11/16 15:14
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 30 「うるせーんだよ!
さっきから、カスのくせに!
お前が勝手にコケて
無様だから
笑ったんだよ!」


沈黙を笑うように
はじめに俺を蹴った、眞樹とよばれていた奴が
両腕をポケットに入れたまま、一歩前にでた


『勝手に転んだのではなく、そこの人がおしたのだろう
それに、転んだ者がいたら助けるべきではないか?』


「転んだ者がいたら助けるべきではないか?
だってよ
ヒャッハッハッハ!」


ギャハハハハハハ!


眞樹に合わせるように
周りにいたものたちが笑う


『何故笑う?意味を教えてほしいんだが?』


「るっせーんだよ!てめぇ!」


バキッ!!

No.32 12/11/16 15:22
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 31 頬に痛みが走り
俺はまた、地面にうつ伏せた


ギャハハハハハハ!


また笑い声が聞こえる


俺は今度は勢いよく立ち上がった


ひっ!

何者かが声をあげるが
全然構わなかった


不思議だ!
面白い!
面白いっつ!


『何故笑う?
何故殴る?
何故楽しい?』


あぁ!眞樹でなくてもいいんだ!答えてほしい!
この行動はなぜ起こる?

なぜなんだ!
なぜなんだ!


「うっせー!失せろ!
行こうぜ!こんなカス相手にしてる時間がもったいねー」


『ま!まて!
眞樹!教えろ!
なぜ・・・・・・
行ってしまうんだ・・・?』

走るように去っていった奴らを呆然と眺めた


周りを見回すと
誰もが視線を避けるように去っていく

No.33 12/11/16 15:31
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 32 ポタリ・・・ポタリ・・・
地面に血の後が残り

今頃になって頬に痛みが走る


鼻から血がでていて
唇は切っているかもしれない


『たしかに・・・
この顔では逃げ出してしまうかもしれない』


唯一理解できたのはこのことだけで
他のことは全く分からなかった


『まぁ・・・いいか』


ポケットから先ほど握ってもらったオニギリを取り出し
口に運ぶ


温かくほんのりきいている塩味が旨みを引き出す

空は青い
食べ物はうまい


あとは
あの行動の意味がわかったらまるで問題ない!

No.34 12/11/16 16:16
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 33


鼻血、口切、頭瘤それに加え左手首の傷
色々傷だらけだったので
とにかく学校につき次第保健室に行くことに決めた


学校の場所は同じ制服の者について行くというアイデアの本無事遂行された・・・というほど大したことじゃないが・・


『失礼します!
怪我の手当てをおねがいします』


保健室というからには
女性がいると思っていたが
そこにはゴツい男が小さな丸い椅子に大股を広げて座っていた


「おぅ!どこ怪我した?」

『ここと、ここと、ここと・・・・・』


場所を説明していると
ムスッとした顔がさらに歪んだ


保健の先生は何も言わず治療してくれた

左手首も丁寧に薬を塗り包帯を巻く


頭に氷を入れた袋を当てると、かなり痛みがひいた

『ありがとうございました!』


部屋を去ろうと立ち上がるとでかい掌が肩にかかる


「怪我したらいつでもこい!」


『あ!はい!ありがとうございます』


怒ってるのか、困ってるのかよくわからなかったが、ぐっと力がこもった腕と言葉に押され
感謝の言葉を述べる


まぁ・・・これ以上の怪我は本当に勘弁だけど・・・・・・

No.35 12/11/17 07:30
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 34 保健室を出て教室へ向かった


クラスはだいたいわかる・・・というのも
朝見た答案用紙に
3の2とかかれていたからだ


冬樹と呼ばれる人物は
中学三年生で
まさに受験を控えている

自分の目的を遂行するために
まず成績をあげなくては

朝あんな騒ぎがあったため、教室のドアを開けると、もうすでにホームルームが始まっていた


「冬樹さん遅刻よ!理由は!?」


いかにも厳しそうな年配の女性の先生が、眼鏡を軽くあげ質問する


『はい。朝起きて、自殺を図っていたらしい左手首を治療し、
朝食中に父が暴れた為頭を負傷し、
登校中に数名の生徒に殴られ・・・・』


淡々と説明する俺を見て、静かに席に座っていた生徒たちがざわざわと話し始める
その様子に慌てたように先生が席を立った


「皆さんお静かに!
冬樹くん!理由はもういいですから、お座りなさい」


『しかしまだ続きが・・・』


「はやくっ!」


ヒステリックに叫ぶ先生に押され
俺は渋々席についた


俺の説明は
間違いなく、遅刻をしたという現象を納得させるものであるのに・・・・


どうもこの星の生き物はせっかちで困る
原因解明にあまり興味がないようだ
とにかく問題を速やかに解決・・・・ではなく
速やかに終わらせたいらしい

No.36 12/11/18 07:42
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 35 机に座ると眞樹という人物がこちらを向き、中指を上にあげ


「コロス!」


と口を尖らせて象った


『・・・・?』


先生の怒り方と、眞樹のコロスというメッセージから考えると
俺の話した内容はあまり理解されずに終わったかのように思う


だから最後まではなしたかったのだが・・・


俺は両腕を組み、眞樹をじっと見つめた


『・・・・・』


「・・・・・💢💢💢」


眞樹という人物は
何か気にくわないような顔をして、またもや中指を立て、


「ぶっ殺す」


と小さな声で言った。


まぁ分かってはいたが、この星では声に出さなければ何も伝わらない


俗に言う、テレパシーなどというものは存在しないらしい


何にせよ、眞樹という人物・・・もとい以下眞樹にしよう
まどろっこしい

眞樹は同じクラスにいる

まだまたいくらでも、はなす機会はあるだろう

No.37 12/11/18 08:07
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 36 「少年老いやすく學成り難し」


昔、病気の体でこの星に生存していた時、学んだ言葉だ


確かに、この星の生き物はなかなか知識を吸収できない


午前中、授業を聞きノートもとったが
知識として取り入れた部分は少ない


我が星の体であれば
この位の内容は完璧に覚え
さらにそこから推論を立て、新たなる仮定を・・・・・・
まぁいい。
やや興奮してしまったがとにかく
現時点の問題点に戻ると
まだ理解できていない事柄があるため、昼休みでも職員室にて、先生にたずねることが、一番の対策に思えた


何故か班から一人席を離され、女性から

「汚い」


と罵られた給食を終え
(勿論、何故そう思うか聞いたが、答えはなく
逆に怒りをかってしまった?何故だろう?
きっと彼女たちは、
いやもしかしたら、包帯だらけの俺に・・・あぁ
ここで推論は置いておこう、読者の方達が、大変に読みにくくなってしまうし、今読者の方は百人程度で有り難いことに毎日少しずつのびていて
しかも更新するとすぐみてくれる有り難いそこの方!
俺の考えに同調しているのですね!
あぁならば是非たずねたい!この星の生き物は・・・・・・)


ぶつぶつ言いながら、教科書やノートをまとめ、教室の後方のドアに向かうと
眞樹とその友だちらしき人物4~5名が
ドアの横に立ち

眞樹はドアの前で、まるで俳優のように片足をあげ、俗に言う、通せんぼをしている


カッコイいのだが


『・・・・・』


「・・・・・・」


邪魔だな・・・・

No.38 12/11/18 08:15
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 37 この場合は・・・
午前中学んだことから実践してみる


眞樹は説明が苦手で聞く耳も持たない人物
朝少しだが交流が持てたため、理解できた


よって、伝えたい事柄はストレートに伝えよう


『オマエ、ジャマダ』


「💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢」


伝わったのだろうか?
眞樹は今朝の父親であろう男と同じ顔をしている

朝の二の舞であれば
殴られるだろう


申し訳ないが
またあの大きな体の保険医に世話にならなければならない


どうでるかと、眞樹を見ていると、彼は意外にもニヤリと笑い
突然肩を組んできた


「冬樹!少し話がある!
来てくれないか?」

  • << 40 眞樹はそういうと 数名の友だちとまるで隠すように俺を囲い込んで、トイレに連れ込んだ トイレとは用を足すところ 『・・・?俺は先ほど済ませた。 ここに用はないが』 ヒハハハハ 眞樹の連れのものたちが(面倒なので以下こう呼ぼう、名乗り出たらそれぞれ紹介する) 変につくったような笑い声をあげる 先にそこにいたものたちは、彼らを避けるようにそそくさと出て行った 眞樹は俺をその一室に入れると また、俳優立ちで 片足をあげ、ニヤリと笑った 「オマエ、ジャマダ!」 先ほど俺が言ったセリフだ 繰り返し使うのには 何か意味があるのだろうか? しかし、邪魔なのは俺ではなく、トイレになど入りたくないのに一室に閉じ込め・・・・・ あぁ!わかった! 俺はここに閉じ込められたのか これはあまりよい状況ではないかもしれないな・・・・

No.39 12/11/18 08:29
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 38 ~読者様へ~


どうしても、サイがさっきの話を続けたいみたいなので、(どちらかと言うと勝手に話を切って先に進めた私に理由を聞きまくるので
迷惑かもしれませんが
このページを使わせてください


『読者の皆様に聞きたいことがある
先ほども述べたし、いま実際起こっていることで疑問点が多いのだが

まず
1つめ!
なぜこの星の人物は話をきかないのだ?

行動には理由がある!
だからこそ話をしたいし話を聞きたいのに
なぜ話さない?
すぐに暴力にでたり
暴動を起こしたり
戦争に発展したり


一部のメディアが流した垂れ流しの言葉の原因を突き止めずに
ただ怒り、責めたて、敵にするのはなぜだ?

まあ話しは飛躍しすぎたが・・・

よかったら答えてほしい

・・・・・・

やはり答えるのはこの星の美学に反するのか?』

・・・・自由投稿にしてあります💧よかったらご意見ください💧なんかすみません。(作者)
このページ載せたくないなぁ・・・・

No.40 12/11/19 07:20
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 38 この場合は・・・ 午前中学んだことから実践してみる 眞樹は説明が苦手で聞く耳も持たない人物 朝少しだが交流が持てたため、理解で… 眞樹はそういうと
数名の友だちとまるで隠すように俺を囲い込んで、トイレに連れ込んだ


トイレとは用を足すところ


『・・・?俺は先ほど済ませた。
ここに用はないが』


ヒハハハハ


眞樹の連れのものたちが(面倒なので以下こう呼ぼう、名乗り出たらそれぞれ紹介する)
変につくったような笑い声をあげる


先にそこにいたものたちは、彼らを避けるようにそそくさと出て行った


眞樹は俺をその一室に入れると
また、俳優立ちで
片足をあげ、ニヤリと笑った


「オマエ、ジャマダ!」


先ほど俺が言ったセリフだ


繰り返し使うのには
何か意味があるのだろうか?


しかし、邪魔なのは俺ではなく、トイレになど入りたくないのに一室に閉じ込め・・・・・


あぁ!わかった!
俺はここに閉じ込められたのか


これはあまりよい状況ではないかもしれないな・・・・

  • << 43 伝えたい事柄をストレートに伝えるというのは あまりうまくいかなかったようだ 「ぎゃははは! きったねーな! オマエ、ジャマダ! ぎゃははは!」 そのままトイレに閉じ込められた俺の頭上から、異臭のする液体が、息ができぬほどジャバジャバと降りかかり 逃げようと無理やりドアをこじ開けた所 箒やバケツで散々殴られた 俺の頭を踏みつけながら眞樹がいう 「オマエ、ジャマダ、 死ねよ! 生きてる意味ねーし!」 『生きている意味・・・・?』 不思議な響きに体中の痛みが吹き飛んだ 生きている意味!!!????

No.41 12/11/19 07:44
匿名41 ( ♀ )

この星の住人は

立場の強いやつらがエライんだよ

情けない星だぁー

お気に入り登録してます👍

No.42 12/11/19 15:00
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 41 レスありがとう
確かにこの星の住人は強いものがエラいように
思える(眞樹や父親を含め)
しかし皆が何に怯えているかが分からない
これから彼らを観察し、レポートしてみたいと思う
引き続き意見を頂けると嬉しい


サイ

No.43 12/11/19 15:12
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 40 眞樹はそういうと 数名の友だちとまるで隠すように俺を囲い込んで、トイレに連れ込んだ トイレとは用を足すところ 『・・・… 伝えたい事柄をストレートに伝えるというのは
あまりうまくいかなかったようだ


「ぎゃははは!
きったねーな!
オマエ、ジャマダ!
ぎゃははは!」


そのままトイレに閉じ込められた俺の頭上から、異臭のする液体が、息ができぬほどジャバジャバと降りかかり
逃げようと無理やりドアをこじ開けた所
箒やバケツで散々殴られた


俺の頭を踏みつけながら眞樹がいう


「オマエ、ジャマダ、
死ねよ!
生きてる意味ねーし!」


『生きている意味・・・・?』


不思議な響きに体中の痛みが吹き飛んだ


生きている意味!!!????

No.44 12/11/19 15:21
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 43 『おまえ等は、いや!
眞樹!おまえは
生きているのに何か意味があるのか?』


頭を押さえている足を振りほどいて彼の腕を掴んだ!


『生きている意味とはなんだ?
おまえ等は生かされているのではなく
生きているのだな
何か意味をもって
生きているのだな!』


あぁ!すごい!
この星の生き物ときたら自分で生きているのだ


俺たちのように
研究するために
生かされているのではない!


そして彼は
どんな意味をもって
生きているのだっ?


「さわるんじゃねぇ!
きたねー!くせー!
このゴミ男!」


『この際、ゴミ男でもなんでも構わない!
お前が生きている意味を教えろ!
俺はそれが知りたい!』

どんなにふりほどこうとしても食いついてくる俺から、顔をしかめて逃げる彼を何度も何度も掴んだ


おつきのもの達も
俺の異臭を嫌ってか
このもみ合いに参加せず鼻を摘んでアタフタしながら傍観している

No.45 12/11/19 15:32
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 44 もみ合っているうちに、いつの間にか、トイレの外に出ていた


眞樹の腹につかみかかり、顔を近づけて何度もたずねる俺の姿を見た
一般生徒たちが
ざわざわと集まり始める

「ヤメロ!このクソゴミ野郎!はなせっ!」


『いや!はなすまい!
こんな興味深いことはない!
答えを!答えをくれ!
お前はなぜいきる!
何故なんだ!』


渡り廊下で、もみ合って大声を出していれば
人が集まるわけで・・・・
残念ながらそのせいで俺の疑問は解決に至らず・・・


『我を忘れたことは反省している・・・』


時間がたち少し冷静になった為
考えを正した


俺たちは程なく、先生方にとらわれ、職員室に連れ込まれた


先ほど物事を迅速に終わらせたがっていた女先生は、俺たちを職員室の床に座らせ睨みつけている

No.46 12/11/19 21:46
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 45 『騒ぎを起こしてよくなかっただろうということは分かる。申し訳ない。しかし、ことの原因は』

「冬樹君がトイレでバケツの水をひっくり返して被ってしまったようなので助けました。
彼は助けてあげたのに、僕があたかもバケツの水を罠をしかけるように置いていたんだと責めました
でも僕そんなことしません
先生ならお分かりですよね!」


俺の話の途中で勝手に眞樹が真剣な眼差しで淡々と喋り出す

よくもまぁ・・・・こんな嘘八百・・・

あまりの堂々とした態度にあきれ果ててしまう


しかし、例の女先生は眼鏡を片方つまみ上げ
厳しい表情で黙ってそれを聞いていた

No.47 12/11/20 14:56
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 46 職員室にはほかにもたくさんの先生がいた


しかし
俺たちをちらちらとのぞくばかりで誰一人興味を持つ様子はない


それどころか、一人・・・また一人と部屋から去っていく


「冬樹さん!どこをみているのです!」


女先生はヒステリックに叫ぶ


「あなたは不真面目すぎますっ!」


『しかし先生・・・・』


「毎回!毎回!毎回!
問題を起こすのはアナタ!
先日も騒ぎを起こしたばかりじゃないですか!

いい・・・かげんに・・・
してちょうだい💢💢」


バアンと怒りにまかせて机を叩く女先生を
呆然と眺めていた


先日の事はしらないが
今回は、間違いなく眞樹が悪いだろう


しかしこの女先生は勘違いし
理由も聞かずに怒り狂っている


その様子は
なんだか滑稽にすら思えた。

No.48 12/11/20 22:35
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 47 ホームルームの時間も遅刻の理由など、興味のない様子だった


多分、現時点で弁解したとしても
耳を傾けては貰えまい


そうは思ったが一応
ことの次第を伝えることにした


『先ほど俺たちが渡り廊下でもみ合っていた理由は・・・


「あなたが眞樹くんに絡んで喧嘩をしかけたのでしょう。
先ほど眞樹くんから聞きました」


『そうではなく、眞樹たちが無理やり俺をトイレに連れ込み・・・・』


「先生!
俺はそんなことしません!先生なら分かって頂けるかと思いますが。」


「そうね。
優秀なあなたがそんなことする訳ないわね。
分かります」


『いや、間違いなく、
眞樹がトイレの一室に俺を閉じ込め
頭から汚い水をかけ・・・』


「冬樹くん!いい加減にしてくれ!
僕は断じてそんなことはしていません!
信じてください!
先生!」


『俺は先生に真実をつたえたい
眞樹はすこし黙っていて・・・


「黙るのは
あなたです!
冬樹さんっ!
いい加減になさい!
どこまで
あなたは
どこまで
嘘つきなの!!!!!!!!!」

No.49 12/12/06 06:21
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 48 案の定、理解してはもらえなかったようだ


「先生 僕生徒会の仕事があるので、行ってもいいですか?」


眞樹は先生の答えを待たずに、平然とした顔でいや、明らかに女性先生を見下したような顔で
席を立った


「えぇ、えぇ、いいのよ
時間をとらせちゃってごめんなさいね
生徒会の仕事、お願いね」


女先生も、明らかに機嫌をとるような声(俗に言う猫なで声)で眞樹に微笑みかける

ピシャリ・・・・


いかにも自分が正しかったように堂々と出て行く彼と
無実の罪で未だ職員室で尋問されるであろう俺・・・・・


なんかおかしい


見上げると、女先生の勝ち誇ったような顔が映った


「さて・・・・冬樹さん
あなたにはそれ相応の罰を受けてもらわなければ・・・さて・・・どうしようかしら・・・・」


なんだか嬉しそうに見える女先生に疑問を持ちながら眺めていると
後ろに白い影がちらつくことに気づく


職員室は誰もいなかったはずだが
幽霊か?


白い影は、ゆっくりと俺たちに近づき、小さな声で呟いた


「あのぅ・・・伊丹先生・・・

鼻息を荒くして、これから行う楽しいことを想像しているかのように、高揚していた女先生(イタミ先生と言うのか・・)の後ろから、背中を丸めた大きな白衣の男が姿を現す


「ぼくぅ、今日午後からいないんですよねぇ・・・
だから・・・その・・・
冬樹クン、結局そんなずぶ濡れで怪我してたら、保健室くるんでしょう?
早く治療済ませて
帰りたいんですが・・・
その・・・・」

No.50 12/12/06 14:53
シノァ・オーギュスト ( INTknb )

>> 49 「はぁ💨💨💨💨💨」


イヤミ先生は(読者が覚えやすいようにイタミ先生からイヤミ先生に変えてみた
以後この名前でよぶことにしよう)
わざとらしく深いため息をつくと、白衣の男を
睨むように横目でチラッと見た


「あのぅ・・・
えっと・・・・・・・・

・・・・・・
僕が帰った後、伊丹先生が治療してくださるならそれでも・・・」


「・・・・・」


確認するように俺の姿をまるで景色でもみるように眺めた、イヤミ先生は
まるで汚いものでも扱うように、シッシッと手を振り、白衣の男に目配せをした後、立ち上がった


「冬樹さん
罰は放課後の教室掃除です。必ず独りでやりなさい。忘れることがないように。」



「なぜ?」


「私が言いたいことは以上です💢
二度と騒ぎを起こさないように💢!」


イタミ先生はそれだけいうと、怒りをぶつけるように大きく扉を閉め職員室を後にした


・・・・・・
なぜだ?
・・・・



「冬樹くん・・・・・
行こうか・・・・」


イヤミ先生が去っていった扉をボンヤリと眺めていると
白衣の男は俺の肩に
躊躇する様子も見せず
ふわりと自分の白衣を着せてくれた


暖かい・・・・


そういえば、体中びしょ濡れな上に
あちこち痛いな・・・

  • << 51 怪我したらいつでも来いと言われたが まさか今日中にまたくることになるとは・・・ 保健室の薬品の匂いをかぎながら ずぶ濡れの服から体操服に着替える 眞樹たちに蹴られた所は痣になっていたため 湿布を貼ってもらった よく見ると、先ほど蹴られた所以外にも 点々と痣が残る 日常的に、こんな仕打ちをうけていたのか? 「・・・・独り言だけど・・・ 白衣の男が傷を手当しながら、ボソッと呟く 「眞樹君たちには 関わらない方がいい・・・」 ゆっくりと包帯をまいてくれる大きな手を見ながら、不思議に思う 窓の外からは、鳥たちの楽しげな鳴き声が聞こえる 空は朝からずっと絵の具で同じ色を塗り続けているのではないかと思われるほど、蒼く蒼く澄んでいる 光はいつまでも暖かく俺たちを照らす なのに 「・・・こんなに満ち足りているのに なぜ、人は こんなにも怒りにみちているんだ?」
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