記憶『過去』

しんやは転校した。私は高校を続けて通う事にした。お母さんと住み始めて私は幸せだった。私の父は浮気、ギャンブルが絶えなかった。私が小学三年の冬休み父と母の元に帰ってきた時に父と母はケンカ(父の浮気)してた。私としんやは 父の姉ますみの家族の家に急遽泊まった。家に行ってすぐしんやと私寝かされ、中々寝つけなかった。父の姉ますみは私に聞こえるようにあなたたちは捨てられた子供だ。って言われ悲しくてしんやと泣いた。次の日父と母じゃなく父と浮気相手ありさが迎えに来てくれた。父にお母さんは？と聞いたが何も答えてくれなかった。

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父との記憶はそれしかない。父親ってどういうものかわからない……。
しんやは学校に行かなくなりﾂﾚと遊び回ってた。私は学校に行きながら、なおやと遊び回ってた。高校一年の冬、お母さんに授業料使った？って聞かれ、学校に持って行ったよと言った。お母さんは担任から電話かかってきた話をした。授業料払われていませんって言われて……。私はお母さんに疑われた事が腹がたち、なんで疑うの？施設にいれたくせに。って言ってはいけない事を平気で口にした瞬間、お母さんは涙をこらえる事が出来ず泣いていた
結局授業料は担任のミスだった。私は行く気にもなれず学校を辞めた。

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１月に学校辞めてからの生活は遊んでばかりだった。３月からなおやが私の家に住むようになる。私も遊んでばかりいられないと思い朝９時から17時まで工場にバイトしだした。それから五ヶ月過ぎた頃、なおやと大ゲンカが起きる。原因は夕飯。私が作る事になっている。バイトで疲れてて初めて夕飯を作らなかった私になおやが怒った。男の仕事と女の仕事一緒にするな！って言われ、なおやと付き合っていく自信がなくなり私は家を飛び出した。

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一つ上の先輩かなに電話してみる。かなと遊ぶ事となり、家に泊めてもらった。次の日、かなの知り合いのたけしと会う。たけしに好きと言われ会ったその日にＨをしてしまう。心の隙間をうめたくて……。たけしと付き合った。なおやと別れてもいないのに…。家に帰らない日が二週間続いた。お母さんから電話が沢山かかっていた。無視をしていたが二週間も連絡しないのは心配するかなと勝手に思い一人で家に帰る事にした。
家に帰るとなおやがいた。会いたくないと思いつつ別れたいと伝えた。なおやが謝ってきた。でも許せなかった。なおやに対しても自分のした事に対しても…。なおやは実家に帰った。別れを受け入れてくれた。

別れてから三日…生理が遅れてるのに気づく。検査薬で調べた。陽性だった。なおやかたけしかわからない………。どうしよう………

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とりあえず産婦人科に行った。赤ちゃんのエコー写真見た。やっぱり出来てる。でも産む勇気がない。看護婦さんにおめでとうございます。と言われ、おろします。とは言えなかった。家に帰ってからお母さんに話をした。一度なおやときちんと話をしなさい。と言われたがなおやと話をしたくなかった。

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なおやに連絡し家に来てもらった。赤ちゃんがいる事伝えた。なおやは怒らず泣きながら赤ちゃん産んで欲しい。と言ってきた。自分の子供じゃなくても産んで欲しいと言ったなおやに突き放すしか出来なかった。自分勝手な行動でなおやを傷つけたんだ。一緒になる資格ない。結局おろす事に決めた。お母さんに話をした。産婦人科に行きおろしたい事を伝えたら看護婦さんが嫌な顔した。次の日、赤ちゃんに申し訳ないと思いつつおろした。
家に着いた瞬間、しんやは姉貴は殺人や！！と言われ何も言う事が出来ずひたすら泣いた。


赤ちゃん、私の自分勝手な行動で傷つけてごめんなさい。なおやを傷つけてごめんなさい。お母さん産んでくれた体、傷つけてごめんなさい。しんや、ダメな姉貴でごめんなさい……………。

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たけしと付き合いだして四ヶ月過ぎた頃、たけしにバイトの給料全部使われる日々に嫌気がさし、バイトを辞めた。たけしと別れた後ﾂﾚの紹介でピンサロに働きだした。もうどうでもいいと思って入った風俗。適当に客をあしらって金手に入れて遊び回ってた。お母さんとおっちゃん(お母さんの彼氏)に迷惑かけまくってた。

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ピンサロ働きだして半年後、一人暮らしをしようと思った。保証人がいる…。お母さんに電話した。家に帰らず一度も連絡もせず、半年も家に帰らなかった私に何も言わず、保証人になってくれたお母さん。それから私はピンサロを半年だけ続行して働き辞めた。貯めたお金で教習所に行くが時期悪く途中で辞めてしまう。仕事も決まらずﾃﾞﾘﾍﾙで働く事になる。無駄遣いを少し減らしお母さんに今まで苦労かけたぶん少しずつお金を渡すようになった。

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日々が流れ19歳になった時お金を稼ぐ為、地元を離れ地方に行く決心をする。地方でまたﾃﾞﾘﾍﾙで働きだす。お金を服に注ぎ込み、お母さんに今まで迷惑かけた分の償いとして少なかったけどお金を渡していった。19の秋におっちゃん(お母さんの彼氏)が亡くなる。 お母さんは生きる気力を失っていた。

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しんやから、お母さんの様子がおかしい。と電話がかかってきた。急いで実家に帰った。確かに様子が違う。話をしても元気がない。夜しんやが寝た後私は寝る事が出来なかった。次の日お母さんの親友に電話し来てもらった。会話を一時間程した後、お母さんの親友は『何かあったらすぐ電話してね』と言い残し帰っていた。お母さんは表情が少し落ち着いてるように見えた。夜、お母さんに『れん、しんや息抜きしておいで。お母さん眠たいから』と言われ眠たそうなお母さんを見て安心し、しんやと私は家を出た。近くのｹﾞｰﾑｾﾝﾀｰに行き遊んだ。

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途中で遊ぶ気分じゃなくなった。しんやに帰ろうかと言いしんやも遊ぶ気分じゃなくなったのか帰る事になった。家までの車内は二人とも無言だった。しんやは家の鍵をあけ、家の中に入った瞬間、お母さんが座っていた。

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お母さん何処に寝てるの？としんやが言うが返事はない。私は黙ったまましんやを見てた。しんやはお母さんの足をさすったが反応がない。しんやは息してない事に気づいた。れん、お母さん死んでるって言葉を聞いて何も言えなかった。ただ信じられなかった。頭の中が真っ暗になった。

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しかし何故か涙は出なかった。救急車ではなく警察に電話した。すぐに警察の人二人が来た。私としんやは状況を説明し家の中を調べられ自殺と断定された。遺書があったのを見せてくれた。何も考えたくなかったがそういう訳にもいかずただ虚しさが込み上げてきた。警察の人は近くの内科の先生を呼んだ。先生は死因を調べ窒息死と断定した。明け方まで続き警察の人と内科の先生は帰っていた。弟と二人で葬式の事で話していた。朝になり近くの内科に行き死亡診断書を取りに行った。

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市役所に行き死亡診断書を提出しようと思ったが葬式場が決まってから提出して下さい。と言われたが、二人合わせて40万ちょっとしかなかった。私が17歳の時、おじさん(お母さんの弟)が亡くなった時葬式に100万少しかかったのを思いだし、足りない。でもどうにかしないといけないと思い私は葬儀場に電話した。理由を一部始終説明し、何とかしましょうと言われた。

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しんやと葬儀場に行き中村さん(担当者)と話をした。お布施(戒名代込)10万 で後の30万で葬式する事になった。お母さんの写真を見た瞬間、中村さんは約二ヶ月前に男の人が亡くなった時にお母さんが通夜に来てた事を教えてくれた。それはおっちゃんの事だった。印象強かったらしい。偶然ってあるんだね。おっちゃんの時と同じ担当者になるなんて。奇跡なんかなと思った。お母さんとおっちゃんは結ばれる事が初めて出来たんだね。小学６年の冬休み初めておっちゃんを紹介してくれたよね。台所でお母さんと私になった時、私に『お母さん結婚していい？』と聞いてきた。私は初対面だし、わからないので嫌と答えた。

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嫌って言ってから、死ぬまで一度もそういう話はしなかった。本当はしたかったのかな。もう聞く事も出来ない。世間から見ればお母さんとおっちゃんは不倫関係だが、私は本当に二人が幸せそうな顔をしてたから、悪い事だと思えなかった。私のお母さんだからこそ幸せになってもらいたかったのに私、迷惑かけちゃったね。

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仮通夜の時、中村さんと一緒に住職さんの控室に行き、中村さんが住職さんに経緯を説明してくれた。宜しくお願いします。と私としんやはお辞儀をした。その後、住職さんから話をしてもらった。話の内容覚えてないが住職さんの優しさ、気遣いがあった。涙こらえながら控室を後にした。無事、仮通夜が終わり寝た。

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通夜、お母さんの友達ママとまきが来てくれた。まきを初めてみたのは私が17の時だった。お母さんと一緒にご飯食べに行った時にママと初めて会い挨拶交わした。それからどの位経ったか忘れたが『まきの子供生まれて病院に行くけどついて行く？』とお母さんに聞かれ、ついて行った。初めてまきを見た。私より一つ下で未婚だがお腹に赤ちゃんがいて産む事もお母さんに聞かされてた。まきに『おめでとう』言い『ありがとう』とまきに言われた。後日、家に遊びに行ったのがきっかけとなり仲良くなった。

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まきと過ごす時間が増えた事でまきの家族と話をする事が増えた。まきのお父さんはお酒好き。真面目でおおらかな感じだった。まきと知り合ってから二年過ぎた位にまきのお父さんは自殺してしまう。まきから電話が鳴った。いつものように電話出る。『れん、お父さん亡くなったんだ』急に言われビックリして思わず、嘘でしょ？と言ってしまった。まきは私に『嘘つく訳ない』って言われ、私の頭の中はパニックになった。昨日まきのお父さん家にいて元気だったから信じれなかった。

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次の日お母さんはまきのママに会いに行った。お母さんが帰ってきた。私に話をしてくれた。まきのお父さん首を吊って亡くなった。原因はまきの兄の借金だった。返済期日が過ぎ滞ってたらしい。そっとしておいたほうがいいかなと思い、私からまきに連絡しなかった。無事にお父さんの葬式が終わって、数日経ってからまきから電話がかかってきた。

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今から家に来ない？って言われたのでうんと答えて出掛ける準備をした。まきの家につきまきとママに出迎えられた。二人は父親の事を話してくれたが、聞くだけで何も言葉かけてあげる事が出来なかった。死を受け入れるのって難しい。何とも言えない気持ちだった。

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それから約二年後に私のお母さんが自殺した。まきとママは通夜に駆け付けてくれ、大丈夫かと心配してくれた。無事に通夜が終わり、次の日葬式が終わり火葬場へと向かった。お母さんが亡くなってから実感わかず泣く事はなかったが、最後の別れの時堪える事が出来ず泣いてしまった。待合室で待たされ、火葬場の職員に呼ばれ遺骨を見た瞬間、現実に起きている事なんだと突き付けられた。その時は悔しくてやるせなくて自分自身を責めた。何も事実は変わらないのに。お母さんの腕には無数のためらい傷があった。痛かっただろう。苦しかっただろう。辛かっただろう。親孝行。意味は知ってる癖に出来ずにゴメンね。私を産んでくれてかつやとしんやを産んでくれて感謝しています。

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お母さんの葬儀を終えてから慌ただしかった。香典返しを私としんやで買いに行くがお金がない。あるのは葬儀に来てくれたしんやの会社の人とおばあちゃんとまきとママとおじさん(おばあちゃんの弟)の香典を車の中で開け買いに行った。生命保険の担当者が家にやってきた。死亡保険はおりるが、しんやが未成年だった為、後見人が必要だと言われた。身内はおばあちゃんかおばあちゃんと同居してるおっちゃん(三男)。おばあちゃんは自己破産してるからなれるのは私だけ。しんやの後見人になるには色々な手続きがあった。

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何とか教えてもらい手続き出来た。保険おりてきたのはぎりぎりだった。しんやと半分ずつした。私は半分ずつしたお金からお母さんの残りの借金返済約200万円を一括で払った。残った金額は約800万。お金を手にすると周りにいる人間が変わってくる。お金を貸してと言われる事が多くなった。まきもママも言ってきた。まきのお父さんが亡くなって保険金1000万のうち借金の返済にあて、一部はママが経営してる(ｽﾅｯｸ)備品などにあてられた。それでも借金を返す事が出来ず、私に言ってきたのだ。事情は知っているがお母さんの残してくれた保険金を貸すのはどうか？と散々悩んだ挙げ句、150万だけ貸した。お母さんの友達だったし、まきとも仲良しだしほっておけなかった。

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貸してから一ヶ月経つか経たないかぐらいに貸してくれとまきに言われた。家売れたら返すからと言われ100万貸した。残り550万。二年間働かず同棲してた彼氏(あきら)と毎日ﾊﾟﾁﾝｺ屋行く生活になってた。結局底ついた。お母さんがせっかく残してくれたのに何してんだろ。と思いﾊﾟﾁﾝｺを断ち切る事にした。昼間のバイトするが思うように稼げなくて辞めてしまう。結局夜の仕事(ｽﾅｯｸ)をするようになる。あきらとは当然すれ違い、浮気を繰り返されてた事もあり別れる事にした。別れてから、違うとこに引っ越しをしようと思ったが、お金がなかったので男友達の家にお金が貯まるまで住ましてもらうことにした。

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男友達とはｻｲﾄで知り合った。遊びに行った事が何度かあり仲良くなった。車で荷物を運んで貰い一緒に暮らすようになった。男友達はﾊﾞﾂｲﾁで子供なし一軒家に住んでいる。結婚した時に購入したらしい。一階の部屋を使わして貰ってた。

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