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続・ブルームーンストーン

No.33 18/11/10 13:09
自由人
あ+あ-

「えっ?本当に間に合うの?」

お客様が不審そうな声を出すも、

「はい!入荷次第お届けに上がります!」

大ちゃんが深々と頭を下げる。

「いや、近所だからそれはいいよ。
じゃあまた出直すから入荷したら電話して。」

「はい!申し訳ございませんでした。」

大ちゃんはもう一度深く頭を下げ、
お客様が帰られたのを見届けると、
バックヤードに入るよう私に目で合図をした。

「申し訳ありません!」

「何故、確認を怠った?
お客さんに迷惑をかける事を何とも思わないの?」

「すみません…」

情けなくて声にならない。

「もういい。ウジウジしてる暇あったらやることサッサとやって!」

大ちゃんに厳しく言われ涙が出そうになるのを必死でこらえながら私は電話に手を伸ばした。

商品移動。

店舗間で商品のやり取りをする事。

発注ミス等で過剰な在庫を他店舗に貰ってもらったり、品切れになった商品を分けてもらったりする。

同じ地区の近隣店舗に片っ端から電話をかけ商品移動のお願いをした。

困った時はお互い様とどの店舗も快く商品を譲ってくれることなったがそれでもまだ数が足りない。
どこもそんなに大量の在庫を抱えている商品では無いのでそれは無理からぬ事だった。

やっと20個か…

受話器を置き、少しためらいながらも近隣店舗の電話リストの最後に載っている店舗の番号を確認しつつダイヤルボタンを押す。

「はい!お電話ありがとうございます!…」

電話の向こうから元気の良いハキハキとした声が響いてきた。

「あの…お疲れ様です。
〇〇店の田村です。」

「おお!お疲れ様です!
先日の会議はお疲れ様でしたね。」

気さくで親しげな声に妙な安心感に包まれた私は少しホッとしつつ、

「お忙しい所、申し訳ありませんがお願いがありまして…」

事の次第を説明し、商品を1個でも分けてくれるように頼んでみた。

「あ~そうなんですね、あと30個足りないのか…
ちょっと待ってて下さい。」

電話の向こうから保留音が流れ出す。

あ、これ未来予想図IIのサビの部分だ。

優しいオルゴールの音色にざわついていた心が落ち着き癒されていく様な気持ちになる。

何回目かのサビのメロディーが突然途切れ、

「お待たせしました!うちの在庫は10個ですね。」

と電話の相手が戻ってきた。

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