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歌う流木

No.12 17/11/19 18:55
不知火ほのか ( ♀ E4gYnb )
あ+あ-


潮騒署署長の指示の下、昨日の捜査員が燻と穂波を車で海岸に案内した。

「こっからは歩きになります」


「ありがとう。…あの海の家はまだ営業してるんですかね?」
燻が捜査員に質問した。その言葉で穂波も砂浜を見渡すと、人気は無いが、海の家のような建物がぽつりぽつりと見えた。
「いえ。あれは、ほったらかしになってるものがほとんどです」
「ほったらかし?」
穂波も気になり、聞いた。

「海開きの7月1日から、8月末まで営業するのが一般的なんですけどね。海の家っていうのは、7月半ばから8月半ばまでが勝負なんですよ。そこで売り上げが上がらなかった店は、解体する費用がままならず、放置してしまうんですよ。バカ高い権利金を払って、ひと夏で大儲けを夢見てたんでしょうけどね…」

「権利金?」


「ええ。海の家の営業は保健所の許可以前に、まずは土木組合の許可が必要なんですよ。新規での許可は認めていませんから、権利を持っている者だけが商売できるわけでして、その権利が売買されているんです。それは500万とも1000万とも言われてます。…ああ、ここです」
捜査員が砂浜の流木を指差した。「これに座っていた女に竜崎達が声をかけたそうです」


燻は腰を落として流木をじっと見つめた。


「なあ、穂波。殺された竜崎は出所後、海の家でバイトしてたんだよな?」
「はい。すぐにクビになったようですが…」
「小野塚と青田の二人がここで竜崎と女に会った後のアリバイは?」
「えーっと。友人の家で酒を飲んでたようです。証言もあります」
「その友人って?」



穂波がごくりと喉を鳴らして唾を飲み込んだ。
「海の家の…店舗責任者です…」













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