注目の話題
他人が剥いたリンゴ食べれる?
デブの彼女って嫌ですか?
30代40代の女性の方教えて下さい。

歌う流木

No.1 17/11/08 14:22
不知火ほのか ( ♀ E4gYnb )
あ+あ-


夏も終わりに近く、夕暮れの浜辺では寄り添うカップルの姿がちらほらと夕日に照らされていた。
真夏にはたくさんあった海の家も今ではそのほとんどが影も無い。


かなり前に砂浜に流れ着いた風貌の乾いた流木に桃花は一人、ぼんやりと座っていた。
そして水平線の向こうに今にも沈みそうな夕日をじっと見つめていた。

ふと、背後に気配を感じて振り返る。

「よお。一人?」
「かっわいいじゃん、カラオケでも行かねー?」

二人連れのチャラ男をチラリと見た後、桃花は夕日に視線を戻した。

「あれっ?シカト?」

男たちはしつこく話しかけてくる。
それでも桃花は口を真一文字に結んだまま、男たちの話しかけに応じることはしなかった。


「おい、おまえら。何やってんだよ」

「リョウさん…」
「いや…このコがさ、こんな時間に一人でいるのが危ないからさぁ…」

「あぶねーのは、おめぇらだろうが!」

「チッ…わかったよ」
「行こうぜ」


「あのさぁ。あーゆーヤツラ、結構いるぞ。変なことに巻き込まれる前に帰れよ」



桃花は立ち上がることも、返事をすることもしなかった。

その様子を見て、後から来て“リュウ”と呼ばれていた男は「ったく…」と愚痴ってから桃花から少し離れた場所に腰を下ろした。


浜辺に、雲に、流木に、そして桃花とリュウに、鮮やかな赤い夕日が「まだ沈むものか!」とでも言っているように名残惜しげに最後の輝きを放っていた。


最初
1レス目(13レス中)

新しいレスの受付は終了しました

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧