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糸使いと異能マンションの住民たち

No.11 17/05/14 01:54
小説大好き5
あ+あ-

2、悪魔A&B、脱走。捕獲セヨ。

「もしかして空間移動?」
糸乃は呟いた。その言葉にサージュが答える。
【その通りです。せっかくエレベーターを迎えに下ろしたのですが。途中で満様が白石様を連れて空間操作をし、直接こちらにいらしたようで。】
「ハハハッ!驚かせちゃったみたいだね。ごめんごめん。」
朗らかに笑って謝る黒いスーツの男が、糸乃の養父、若葉 満だ。あなたどこの国のハーフですか?と言いたくなるような白い肌に、整った顔と背の高さ。空間操作の異能を持っている。怒ることは滅多に無く、いつも笑っているが、キレると恐ろしい。
糸乃は満の養子ではあるが、満とは仲がいい訳ではない。どちらかと言うと、満は相手に自分を掴ませないようにしているので、苦手としている。自分の年齢は30代だとは言っているが、それにしては外見がいやに若すぎるのもその原因だった。満は時には10代と間違えられるほど若い。糸乃にとっては、外見が若すぎて父親という感覚がない。本心が見えないせいもあって、糸乃は満に警戒心を抱いていた。
「何の用?」
糸乃が素っ気なく尋ねると、満が苦笑して答えた。
「相変わらず素っ気ないなぁ。糸乃に会いに来たんだよ。」
こんなことを言っているが、満も満で、糸乃と慣れ合う訳でもなく互いに距離を置いている。薄々気付いているのだ。お互いに、秘密を持っていること。隠し事をしていることを。
「不必要な演技はやめたら?そこまで暇じゃないでしょ。」
満の言葉を跳ね返す糸乃。他の面々は少し冷や汗をかいていた。
「大事な話があるからなんだけどね。ほら、立てよ賢一。ホント酔いやすい体質だなぁ。」
「まったく。大人しくサージュのエレベーターに乗っていればよかったものを・・・。」
青ざめた顔を上げた賢一はそばにあったイスを引き寄せて座り込んだ。
満の空間操作は様々なことができる。瞬間移動もそのうちの一つだ。今自分がいる空間を移動したい場所の空間と入れ替えるらしい。が、その時に道連れにされると、酷く酔うのだ。これは慣れるまで時間がかかる。
「それじゃあ、具合が悪そうな賢一は放っておいて。」
「勝手に話を進めるな、満。ここは私が話す。」
賢一は咳ばらいをしてから近くのイスに掛け、話を始めた。
「先程、魔界から連絡があった。悪魔A&Bが魔界刑務所から脱走したらしい。」

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