注目の話題
美容院での会話が苦手
【愚痴】スーパーで起きた理不尽な出来事【聞いて欲しい】
声を掛けられなくなった

続・彷徨う罪

No.157 14/02/27 01:26
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-


他の研修生から離れて、病院に潜入していた柳原の部下の手引きで修也さんの病室へと案内された。

柳原の部下は、警察内部や病院の職員も含めて何人もいた。

修也さんの担当医、小平医師もその一人だ。

仲間を殺されたのに、柳原が修也さんをそれほどまで執着する理由は分からない。

知りたくもない。
そんなのはどうでもいい。

だって、いずれは俺だけのモノになるんだ。

「修也君、お客さんだよ。」

線の細い身体付きで膝を抱え蹲る白い少年…。

ティッシュ箱くらいの小さな窓から漏れた光を受けながら、その少年は小平の声に反応して顔を上げた。

「あ…っ」

声が出なかった。

彼は、俺が想像するよりも遙かに美しかった。

「少し前に話しただろ?
彼が長岡君だ。」

人払いがされた静かな空間。

「修也…さん?」

ウソだろ…

俺の目の前にいるのは天使の様に柔らかな笑みを浮かべる少年だ。

「初めまして…長岡君。
君は、僕の友だちなんでしょう?」

柳原が彼に何を言ったのかは知らない。
小平が俺を彼にどう話したのかは知らない。

ただ…俺は、溢れるこの感情をどう表したら良いのか分からずに涙を流した。

こんな感動を味わう事が出来た奇跡。

俺の神様が、手を差し伸べ微笑みを向ける。

「あ…っ、会いたかったです…。
ずっと…ずっと…貴方に…っ」

握られた手を忘れない。

冷たくて細くて柔らかい…あの感触を…。

俺が貴方に触れた、あの最初で最後の指先でした抱擁を…忘れない。





157レス目(159レス中)
このスレに返信する

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧