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続・彷徨う罪

No.152 14/01/30 00:09
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-

ーー…

訳が分からない…

高瀬と岩屋が長岡と攻防戦を繰り広げる。

その光景を目にしても、私は混乱した頭を整理する事が出来ずに立ち竦んでいた。

え…?黒幕?誰が…長岡が??

だって、だって、だって…

だって、あんた…言ってたじゃん…

『高瀬さんは、僕の憧れの人です。』

あれは、ウソ?

瞳を輝かせて照れたように笑って言った、あんたのあの言葉はウソだったの?

あ……

その時に走った違和感の正体。

長岡が用意したフリフリの服。
私の顔を見た時に一瞬だけ光らせた瞳。

長岡は、芽衣を知っていた?

私と彼女が一卵性双生児という情報を…彼女が高瀬の婚約者だという情報を知っていたとしたら…

私に芽衣の様な格好をさせたのはワザと?

高瀬が傷つく事を嘲笑う為の演出。

「こいつ…」

二人掛かりの攻撃を華麗にかわして余裕の笑みを浮かべる長岡に、私は怒りを通り越した憎悪を募らせた。

まんまとそれに乗っかってしまった自分に悔しさが溢れる。

「高瀬さんも岩屋さんも大したことないな。
喧嘩なら、俺の方が強いって事ですかね?」

「ちっ…」

汗を滲ませる二人が、本気を出せないのは長岡のポケットに入っている起爆装置が原因だ。

開いたドアの影から三人の様子を伺うと、長岡が私の視線に気が付いた。

「れーいちゃん!」

獲物を捉えた様な鋭い瞳に身体が強張る。

長岡は高瀬のパンチをよけ、岩屋のキックを腕でかわしながら身を翻して素早く私の髪を掴み上げた。

「てめえ、零にさわんじゃねぇっ…」

長岡の肩を岩屋が掴んだその時、銃声が鳴り響いた。

「ぐっ…うぁ…っっ」

「岩屋っ‼岩屋…っ‼」

目の前で岩屋が倒れる。

「どうしたんすか、岩屋さん。
俺が躊躇なく発砲しないと思いました?」

床が…真っ白な床に真っ赤な血が流れる…

「長岡…てめえ…」

「あぁ…怖い顔してますね。
高瀬さん、俺はあなたのその顔が好きでした。
犯罪者を憎む、その顔が。」

血が流れる…

いや…いや…

「岩屋さん、痛いっすか?
痛いっすよね〜…脚には防弾チョッキ付けれませんからねぇ。」

「ぐっ…‼」

更に痛めつけようと長岡は岩屋の傷口をグリグリと踏みつける。

「なんだよ、マグロかよ。
もっといい声で鳴いて下さいよ、岩屋さん。」

痛みに顔を歪ませながらも岩屋は悲鳴の一つも上げずに長岡を睨みつけていた。

「やめろ…、やめろよ‼」

やっとの思いで声を出した時には私の顔には幾つもの涙が流れていた。

岩屋を失う事は耐えられない。

私は岩屋にまだ何も伝えてない。

死ぬ間際に岩屋に言いたかった言葉を…

だから、岩屋をこれ以上傷つける訳にはいかない。

「長岡…あんたの目的は私なんだろ!
だったら、二人でサシを付けよう。
岩屋と高瀬を解放して、爆弾の解除も…。
あと、警察関係者も傷つけないで。」

「…それは無理だよ、零ちゃん。
だって俺は高瀬も岩屋も嫌いだし。」

お願い。

「お願い…」

お願い…岩屋を助けて…

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