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続・彷徨う罪

No.148 13/11/13 00:33
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-


「長岡…っ…なんで、お前が…っ‼」

いつも困った様に笑って、それでも俺に着いて来たその従順さが好きだった。

あれは…俺を、俺たち(警察)を陥れる為の演技だったのか?

全部が…嘘だっていうのか?

数年を共に過ごした可愛い部下だった長岡の笑顔が走馬灯の様に頭の中を駆け回る。

「完璧だと思ったのになぁ〜。
何で分かったの?」

パーカーのポケットに両手を突っ込みながら、少しだけ前屈みになった長岡が俺を見据える。

歪んだ口の端とは逆に目付きは鋭い。

「…岩屋だよ。あいつが、お前のネット回線の足取りを掴んだ。」

中東のネットServerから送った、あの脅迫状だ。

足跡を遮断して証拠を消したつもりだったんだろう。

だが、岩屋がその回線を自らが開発したアプリでデーターを復元させた。

あいつが、俺の隣りで常にパソコンをいじっていたのはそのアプリを開発させる作業だった。

「岩屋かぁ〜…やっぱ、あいつスゲぇー‼
ははっ!マジかよ、あの野郎‼
俺が付く奴、間違ってたかもな〜…」

長岡は身体をピョンピョンと跳ねらせて喜々とした後に、髪をぐしゃりと一撫でしながら俺を再度鋭く睨みつけた。

「まぁ、あんたが間抜けなお陰で今日まで俺は『あの人』の計画を実行できた訳だ。」

長岡が『あの人』と指す人物は澤田だろう。

「お前と、澤田の関係性は何だ?」

こいつらに、どんな接点が?
長岡の様子だと、心底澤田に崇拝心がある事が伺える。

何だ…この胸糞が悪い感じは。

「関係性…ねぇ…。何だろうな〜。
あの人は俺の神様で、俺は神に仕える使徒って感じかな?
檻に閉じ込められた罪なき神に代わって、俺が手となり足となって悪に裁きを下してたんだよ。」

つまり、身動きの取れない澤田に色々な指示を受けて実行したのが長岡だ。

そんな事は、こいつを容疑者として認知していた時から察しがついてる。

俺が聞きたいのは…

「お前と澤田が、何処でどうやって知り合ったのかを聞いている。」

グリップを握る手に力を込めながら、俺は長岡を睨む。

ポケットの中の奴の手には起爆装置が握られている。

残りの爆弾が何処に仕掛けられているかは分からない。

その特定が出来ない限り、俺はトリガーを引けない。


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