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軟禁されてるけど質問ある?

【黒い糸】

No.20 11/08/09 23:23
@白猫@ ( BGhZh )
あ+あ-

伊島と向かい合い、席に座ると、更に奥へと続いている細く狭い通路の扉が開き、伊島の助手と思われる白衣を着た50才くらいの女が、脳波・心拍・脈拍・血中成分等を計測する器材を運び出して、慣れた手つきで私に取り付け始めた..

質問に対し、虚偽の有無を心理状態や生理現象の反応を見て確認しているようだ..

この一連の儀式を終えて、伊島の質問が始まる..

「八波冴子、水戸エリの事は知っているな?」

「はい..」

「水戸エリと個人的な付き合いはあったか?」

「いいえ..」

言葉を発する度に計器類が騒がしく動き始める..

「水戸エリと西原麗華について何か調べていたか?」

「いいえ..」

計測器の針が乱れた音がした..伊島の表情がわずかに変化するが、それ以上追及されることはない..

助手が質問の項目ごとに波形の数値を打ち込んでいる..

「最後の質問だ..野中数馬、水戸エリが鑑査員であることを知っていたか?」

私が応える代わりに計器類が慌ただしくリズムを崩していた..

「いいえ..」

伊島は当然だろうな..という態度で椅子にもたれかかり、小さなため息をついた..

「ご苦労..仕事に戻りなさい」

伊島はそう言うとスッと立ち上がり、細く狭い通路の扉の奥へと姿を消した..

助手が無言のまま、取り付けた計器類を取り外していく..助手とも会話することは禁じられていた..

以前、二人だけになった時に話しかけたが、人差し指を口に当てる仕草をして、扉の近くにある本棚の方向を目配せした..

おそらく盗聴器とカメラが仕掛けられているということだろう..

片付けが済むと助手は伊島の後に続くように扉を開いた..

「野中主任と水戸エリが鑑査員だった..」

十四階建てのビルに十四人の鑑査員..野中数馬と水戸エリの死亡により十二人となった..

冴子は二人の死亡と西原麗華との関わりを疑わずにはいられなくなっていた..

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