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キキ( IlBSh )
09/09/05 12:20(更新日時)

恋。なんでこんなものが存在したの。。。

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No.943385 09/08/09 12:00(スレ作成日時)

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No.1 09/08/09 12:12
キキ ( IlBSh )

幸せってゆうのは、人それぞれ。
私は今、幸せなのか。。
他人から見れば、幸せなのかもしれない。

でも、幸せなんて 所詮 いつか終わりが来る。
何の為に頑張るのか。

…終わりを迎える為に?

蝉の鳴き声が耳につく。
10年前、私は中学生だった。

No.2 09/08/12 09:27
キキ ( IlBSh )

中学生時代は楽しかった。
普通に遊んで、恋愛もして、はしゃいで、少しくらいは勉強もした。

あの頃はまだ、恋に対する憧れもあって なにより純粋だった。
人の気持ちを真剣に考えて、他人の為に何かをしてあげたい そんな気持ちもあった。

No.3 09/08/12 10:06
キキ ( IlBSh )

大人はみんな汚く見えた。でも、そう見えたのは、自分が真っ直ぐだったから。
中学時代の私が 今の私を見たら、たぶん近付きたくもないだろう。
みんなもそうかな?
みんなももがいてる?

永遠なんてものは無い。
そう思い込んでいるのか、実際に永遠なんてものが無いのかは 25歳になった今でも分からない。

No.4 09/08/12 10:11
キキ ( IlBSh )

蝉の鳴き声は、鳴り止まない。
彼等も永遠の愛をさがして もがいてるのかな。
たった一瞬でもお互いに求め合って 本気で愛されてると感じるのと、長い時間 相手の嫌な所を我慢しながら 無理して″永遠″を手に入れるのでは
どっちが幸せ?

No.5 09/08/13 00:43
キキ ( IlBSh )

たとえ永遠を手に入れたとしても、それが永遠だったかは 終わりを迎えるまでわからない。

みんなは何故、無理してまで人を愛するの?
愛?
愛って何?目に見えない物を信じて、一体 何を得られる?

子供は無償の愛をくれる。でもそれは、生き抜く為の本能。
男の愛は種をまく為。
女の愛は安泰の為。

人はなぜ愛なんかを…。

No.6 09/08/13 00:48
キキ ( IlBSh )

中学を卒業する頃、初めて彼氏ができた。
最初は楽しかった。
お互いを思いやり、優しさを持って接していた。

でも、愛されるほどに面倒になる。
束縛。ワタシハアナタノモノ??
そんな疑問が頭をよぎる。
もらった指輪が手錠にさえ思えた。

No.7 09/08/13 01:00
キキ ( IlBSh )

別れを告げるまで 時間はかからなかった。
いらない物は捨てる。


アナタガワタシノモノ。
そんな意思表示。

自分の物として接してたのは私だった。


優越感。自由になった喜び。
いや 違う。残ったのは虚しさだけだった。

No.8 09/08/20 07:02
キキ ( IlBSh )

大人に対する憧れ。
簡単処女を捨て、男も捨てて。お酒を呑み、タバコを吸う。。。

そうやって自分を無理に大人にさせる事で何が変わるのか。

理由なんか無い。ただ大人とゆうものに憧れていただけだった。


私は、バカだ。
単純なバカ。

No.9 09/08/20 11:43
キキ ( IlBSh )

メイクをすませて、流行りの服を着る。
外見ばかりを着飾っても
心は成長なんてしない。

周りに大人だと思って欲しいと願うほど、本当の大人達に利用される。

所詮15歳。
利用されてる事にすら気付けるはずも無かった。

No.10 09/08/20 14:11
キキ ( IlBSh )

家に帰ると、母が泣いていた。父はソファーに座り 肩をおとしている。

父の経営していた会社がいよいよ危ないらしい。
よくある話だ。別に、元から上手くいってた訳でもなく、正直どうでも良かった。
高校なんていつ辞めてもいい。
適当に働けば生きていける。

携帯の請求書に書いてある納付日が、3日後にせまっていた。

No.11 09/08/20 14:18
キキ ( IlBSh )

携帯が使えなくなるなんて有り得ない。

でも、財布の中には329円。
桁が2つ足りてない。


バカな私は、迷う事無く援助してくれる人を探した。

オヤジは嫌。臭そう。
太ってる人も、顔が変な人も嫌。
何よりも1回、5万以下は無い。

それだけ条件を付けても 相手はすぐに見付かった。

No.12 09/08/20 15:28
キキ ( IlBSh )

龍。31歳。会社経営。
写メ有ります。
割り切りで。


それだけ。その文を読んで、初めてのウリの相手は この人だと思った。

メールを送ると、間もなく返事は返って来た。
隣の県の人らしい。
もう9時を過ぎているとゆうのに、今から来ると言われた。

No.13 09/08/21 15:43
キキ ( IlBSh )

2時間くらいで着くらしい。
2時間。初めてのウリまで2時間。


変な人が来たら、逃げよう。
写メでは、普通のお兄さんって感じだったけど。。。
何をされるんだろう。
病気持ちじゃないだろうな。。
色々な事を考えているうちに時間は過ぎていった。

No.14 09/08/21 15:51
キキ ( IlBSh )

電話がなって、待ち合わせをした 家の近くのコンビニに着いたとゆうことを告げられた。

親は出掛けている。

私は、売春婦?
ワタシハ………。

自分の体なんて どうでも良かった。
お金が欲しい。ただそれだけ。

家の鍵を閉めて、走ってコンビニに向かった。

コンビニに着くと、黒塗りのベンツによく似合う 悪そうな お兄さんが待っていた。

No.15 09/08/27 11:06
キキ ( IlBSh )

悪そうな顔に似合わないくらい優しい笑顔で 彼は話し掛けてきてくれた。

『はじめまして。龍です。』

私は返事をするのを忘れてしまうくらい 彼に見入ってしまっていた。

こんなに格好良い人が、援助?


『あれ?咲ちゃんだよね?』

私は、はい と返事をするだけで精一杯だった。

No.16 09/08/27 11:27
キキ ( IlBSh )

車に乗り込むと、
彼は暫く私を品定めでもするようかのに見つめていた。

『咲ちゃん、可愛いね。今日から俺の物になってくれない?もちろん、お金は払うから。』

龍さんのその言葉は、私にとって 好都合だった。
何人もの男に会うより、龍さんに飼ってもらっていた方が心配も少ない。

私は、深く考える事もなく Yesの返事を告げた。

No.17 09/08/27 14:36
キキ ( IlBSh )

彼とは 月に2、3度会った。
会う度にセックスをするわけでは無く、2人で笑いながら会話をしたり キスをしたり。まるで恋人同士のように過ごした。

凄く楽しかった。

ただ、お金を受け取る時だけは 2人が恋人同士では無いとゆう事実を私に思い知らせた。

月に2、3度会って
1ヶ月 20万。

携帯代を払って、買いたい物を買っても 龍さんと会うようになって4ヶ月後には 貯金が30万になっていた。

No.18 09/08/27 21:23
キキ ( IlBSh )

欲しい物を買いあさっては、不安と寂しさを紛らわした。
名前と歳。彼の事は それしか知らない。
名前すら本名なのかも分からない。
私は何も知らない…。

本当に欲しかったのは、メイク道具でもバッグでも無い。



私が本当に欲しかったのは、龍さんからの愛だった。

No.19 09/08/27 21:28
キキ ( IlBSh )

会う時には、笑顔で。

重いと思わせてしまう事は言わない。

彼を困らせてしまう事は聞かない。

極力 連絡はしない。

私が愛してる事は伝えない。


私が勝手に決めたルール。
できる限り、彼と時間を共有するためのルール。

少しでも愛してほしくて、良い子でいようと思った。

No.20 09/08/27 21:36
キキ ( IlBSh )

彼の左手の薬指にシルバーのリングが輝いているのは、初めて会った時に気付いていた。


でも、その事に触れたら
きっと彼は現実に戻ってしまう。
彼にとって私は…?


前に、
『咲が大人になるまで側で見ていたい。』
そう言われた事がある。

大人って何?
私は、龍さんが側に居てくれるなら 永遠に大人になんてならなくて良い。



…愛して。

No.21 09/08/27 22:01
キキ ( IlBSh )

愛されたくて、
愛されたくて。

それだけ。
ただそれだけ。

私を見る彼の瞳は優し過ぎて、
私に触れる彼の手は優し過ぎて。

私は愛だけを手に入れられずにいた。

愛してるの。
大好きなんだよ。

気付いて欲しくて、何度 心の中で言ったのか。

彼に触れる度に、心の中で泣いて。
電話で話す度に、見せる事のできない涙を流した。

No.22 09/08/28 09:38
キキ ( IlBSh )

1度だけ、小さな賭けをした。
次に会った時にギューってして下さい と、メールを送った。
忙しい彼が覚えておけるはずの無い約束。

甘える事が苦手な私の精一杯のわがままだった。

一緒に居ない時に、少しでも良いから私を想って欲しかった。

No.23 09/08/28 09:42
キキ ( IlBSh )

1週間後、、、
普段どうり会いに来てくれた彼は約束を忘れていた。
分かってたよ。覚えてくれているわけないって。

でも、、でもね…
小さな賭けに負けてしまった私の中で また見えない涙が溢れた。

No.24 09/08/28 10:04
キキ ( IlBSh )

涙は見せない。
嫌われてしまったら、会う事すら出来なくなってしまう。

いつもどうり笑って過ごした。
明け方、家の近くまで送ってくれた彼と離れるのが嫌で 馬鹿みたいに明るく たわいのない話をしてなかなか車から降りてあげられなかった。

たぶん私は、約束を思い出してほしくて一生懸命だったんだ。

でも、彼は思い出してはくれなかった。

笑顔で居る自信の無くなった私は、帰りますと告げ車を降りた。

最後に小さく
『…約束、覚えていて欲しかったな。』
と言い、笑顔を見せて。

たぶんヒドイ顔だったろう。今にも泣きだしそうな、苦しそうな顔だったはずだ。

No.25 09/08/28 10:19
キキ ( IlBSh )

私は、ドアを閉め 振り向かずに歩きだした。
振り向いたら、涙を見せてしまう。

愛してる事がばれてしまう。

後ろで、彼が車から降りてくる音と同時に 龍さんが私を呼ぶ声がした。

『咲!』
急に後ろから抱きしめられた。
『ごめんな。約束、思い出したよ。』

うつむく私の前に来て、
彼は優しく抱きしめた。
11月の冷たい空気を感じないように、自分の上着で私を包んで いつまでも抱きしめてくれた。

泣かないと決めていたのに、涙は溢れた。
涙を見せたら嫌われてしまう。
そう思っていたのは私だけ。
彼は、
『咲は本当に可愛いなぁ。』そう言ってくれた。

No.26 09/08/28 10:29
キキ ( IlBSh )

龍さん、好きです。


思わず口から出た その言葉。彼に聞こえてしまったのだろうか。
彼は何も言わず、ただ抱きしめていてくれた。



龍さんの携帯がなって、
私は現実に引き戻された。
慌てて離れて、走って家に帰った。

No.27 09/08/28 10:53
キキ ( IlBSh )

言ってしまった。
伝える事の無いはずの気持ち。
愛してはいけない人。

出会いは最低。
直感的に選んだウリの相手を真剣に愛してしまった。

愛してる。
龍さん、愛してるよ。

私をさらって欲しいくらい。あなただけの物にして下さい。
他に欲しい物なんて無い。
貴方が居てくれたら、それだけでいいの。

神様お願いします。
私から彼を奪わないで。
いくらでも我慢しますから。
お願いします。。。

No.28 09/08/28 12:00
キキ ( IlBSh )

それからしばらく、
龍さんからの連絡は無かった。
嫌われてしまったのか、
忙しくて連絡ができないで居るのか。
どちらにしても、私から連絡する勇気は無かった。
もし、連絡してキッパリ別れを告げられてしまったら。
そう考えただけで、連絡する気になんてなれなかった。


あの日から5日。
夜遅くに、知らない携帯から電話がかかってきた。
まさか、奥さん?
そんな考えが頭をよぎったけど、その1本の電話に出ないと もう龍さんと会えないような気がして 私は無言のまま電話に出た。

No.29 09/08/28 12:08
キキ ( IlBSh )

『もしもし…。咲ちゃんの携帯ですよね?』

電話の相手は龍さんでも、奥さんでも無く
知らない男の人だった。

『俺は、龍の友達なんだけど。龍がね、事故にあって。怪我はたいしたこと無いんだけど、一様入院してるんだ。
しばらく連絡とれないけど、待っててって龍から伝言。あと、心配しないでって。』
そう言って、その人は電話を切った。



…事故?
龍さんが?

怪我? 入院って…

心配で心配で、頭が混乱した。

No.30 09/08/28 12:22
キキ ( IlBSh )

連絡ができないくらいヒドイの?
なんで事故なんて…。
声が聞きたい。
会いたい。
今すぐ会いに行きたい。
…龍さん。


高校生の私が会いに行けるはずも無く、
家でただ無事を願うだけで精一杯だった。

…待っててって、そう言ってくれた。
私は、待ってていいんだね。
ねぇ、龍さん。
いつか私に、聞いた事があったね。もし、咲が俺の子を妊娠したらどうする?って。
私は、生みたいから逃げるって答えた。

貴方は、私が家出をして親から逃げるんだと思ってたね。
でもね、本当は龍さんから逃げて生むって意味だったんだよ。
貴方は、望んでいないと思ったから。

龍さんとの思い出を思い出しながら、不安を消すように静かに横になった。

No.31 09/08/28 15:09
キキ ( IlBSh )

春になったら、海に行こうね。
カラオケにも行こうね。

2人で手を繋いで歩こうね。
誰も知り合いが居ない所に旅行に行って、沢山思い出をつくろうね。


いつの間にか、いっぱい約束をした。
いつも笑顔で居られるように、貴方は頑張ってくれていた。

早く会いたい。
またあの笑顔で私に会いに来て。

No.32 09/08/29 05:43
キキ ( IlBSh )

あの笑顔。
暖かい腕、優しい声…。
両肩の龍と虎の入れ墨。

彼を思い浮かべながら、いつの間にか眠ってしまった。



それから3日。
相変わらず龍さんからの連絡を待っていた。

連絡が無いとゆう事は、元気なのだろう。
そう自分に言い聞かせ どうにか不安を消そうともがいていた。

No.33 09/09/02 23:47
キキ ( IlBSh )

真夜中の電話。
龍さんだけ特別に設定してある着信音。

私はとび起きた。
少しでも早く声が聞きたくて。1秒でも早く彼の元気な声を。。。


『もしもし…。心配かけてごめん。咲、良い子に待ってたか?』

懐かしい声。数日しかたっていないのに、
何年も聞けなかったかのような気持ち。

龍さん。良かった。。。
やっと声が聞けた。

私は、胸がいっぱいで
話したい事は沢山あったはずなのに 何も言えず
ただただ泣いてしまった。

『あの~寒いんですけど…。』
泣きやめずに居た私に、龍さんが言った。

…寒い?
『ごめんなさい。外で電話してくれたんですか?』
そう聞いた時、家の外でクラクションがなった。

No.34 09/09/03 00:08
キキ ( IlBSh )

窓から外を見ると、龍さんのベンツが停まっていた。
龍さん!!!

逢いたくて逢いたくて、どうしようも無かった龍さん。
…会いに来てくれた。


私は、着替えもメイクもしないまま 部屋を飛び出した。
親を起こさないように、静かに でも極力急いで。
龍さんは、私の姿を見て、笑いながら車から降りてきた。
あの笑顔。いつもの笑顔…。
龍さん、ずっと良い子に待ってたよ。
私は龍さんがいないと、生きていけないよ。。

龍さんは、黙って抱きしめ続けてくれた。

No.35 09/09/03 07:02
キキ ( IlBSh )

どれくらい時間がたったのだろう。

彼は笑いながら、
『咲、パジャマのままだな。寒くないか?』
そう聞いたけど
龍さんに抱きしめてもらっている時だけは、寒さなんて感じる事も無かった。

『咲、待ってるから。
でかけられるように用意しておいで。』


龍さんの手を離したくなかった。
離してしまったら、もう2度と逢えなくなってしまいそうで。




この時初めて、
私だけを愛して欲しいと願った。

No.36 09/09/04 22:03
キキ ( IlBSh )

急いで支度をして、彼の元へむかった。




あの頃の私は、良い事と悪い事の差も分からないくらい子供だった。
愛されたくて精一杯だった。
周りなんか見えなくて
ただ龍さんが居てくれれば、他に何もいらなかった。
ねぇ、龍さん。。。
jamrin from one's heart
今でもまだ覚えてる?

No.37 09/09/05 12:20
キキ ( IlBSh )

身支度をととのえ、彼の車に乗り込むと彼は優しく話し始めた。
『咲、今度 この町で飲み屋を開く事にした。
これからは今まで以上に逢えるよ。
まぁ、店が落ち着いてからだけどな。今から、物件を見に行く。咲も一緒に選ぶんだぞ。』


龍さんとの時間が増える。それは、私にとって何よりも嬉しい事だった。

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