ロイヤル・クラブ

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つゆり( 1i5di )
14/11/23 09:09(更新日時)



二日酔いでゴロゴロしてるので、ありがちな人生の一部分を。

軽ーく小説として読んで頂ければ幸いです。



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No.2160443 14/11/22 13:01(スレ作成日時)

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No.1 14/11/22 13:12
つゆり ( 1i5di )


クラブ「ロイヤル」

ここに勤めて半年がたった。
色んなお客様がいる。

純粋に楽しみに来る人。

女の子をバカにする事を楽しみに来る人。

仕事じゃなく、素を出して接して楽しませてくれと言う人。

枕営業を求める人。

付き合ってると勝手に思ってしまい、周りに言ってしまう人。


No.2 14/11/22 13:16
つゆり ( 1i5di )


「リナちゃん、電話だよ」

ボーイさんに呼ばれた。


今日は給料日。
まただ、と思った。
電話の相手は見当がつく。


父親だ。

No.3 14/11/22 13:24
つゆり ( 1i5di )


重い気分で受話器を耳に当てる。

「もしもし」

「あのさ、今困ってて。10万だけ都合つけてくれないかな?」

「…わかった。じゃあ30分後に店の前に来て」


電話を切り、店長に話しをする。
本来なら閉店してから渡される給料袋。
そこから10万先に貰った。

そして30分後。
電話の主に渡した。

なるべく顔は見たくなかったので、事務的に渡した。

No.4 14/11/22 13:37
つゆり ( 1i5di )


水商売に入る前は普通の事務員だった。

手取り11万。
そこから食費代として毎月親に3万渡す。

給料は安かったが有給や厚生年金、労働組合はしっかりしていて何より楽しかった。

勤めて4年経った頃。
父親が始めた事業が傾いた。

母親は自宅で自営業を営んでいた。

ある時、母親に話があると言われた。


消費者金融でお金を借りて欲しい、と。

No.5 14/11/22 13:46
つゆり ( 1i5di )


理由はこうだ。

消費者金融では自営業だと少額しか貸してくれない。
株式会社に勤めてそれなりの勤続年数があれば、30万は貸してもらえる。


戸惑った。
母親は自営の技術職だ。
私の4倍は稼いでいるはずだ。

それなのに私に消費者金融に行けと言うなら、よっぽどなのかもしれない。


そして次の日、駅前にある消費者金融に行った。

No.6 14/11/22 13:59
つゆり ( 1i5di )


消費者金融はすごく怖いイメージがあった。
融資の理由を聞かれた。

「旅行に行く為にお金が少し足りなくて」

これは母親に先に言われていた事だった。
理由を聞かれたら旅行の為と言えば大丈夫だから、と。


会社への在籍確認が一番嫌だった。

自分で会社に電話をかけ、会社の誰かと話す。
それを消費者金融の人が横で聞いて、話が合うかどうかの確認をするのだ。

私は会社に電話をかけ、財布を忘れていないかどうか?という内容の話をした。

ちょうど直属の上司が出てくれたので、電話はスムーズに終わった。

貸付金30万。
ここからが始まりだった。

私って考え甘い(爆)
まあ二十歳そこそこだったしな(爆)


No.7 14/11/22 14:17
つゆり ( 1i5di )


そして帰宅してから母親にお金を渡した。

「やっぱり借りれたね!こういう時は会社勤めっていいわ!」

そこで母親はもう借りに行って断られたんだろうとわかった。

父親が出てこないが、私が中学の頃から帰ってくるのは月に2~3回だったからだ。

親の役に立った事が嬉しかった。
高校は学費の高い私立に行かせてもらったので、少しは恩返しできたかな?なんて思った。
貯金も全て母親に渡した。
役に立てて欲しかった。


私は利息の怖さをわかっていなかった。
そして親を甘く見ていた。

No.8 14/11/22 14:32
つゆり ( 1i5di )


1ヶ月後。

「もう一回別の金融会社に借りに行って欲しいの」

母親からそう、もちかけられた。
きっと相当困ってるんだと思った。

そうして合計3社から借りた。
2件目からは他の金融会社で借りている事がわかるので、当然聞かれる。

「友人の結婚式が重なって」

その時は他の理由が思いつかなかった。

3社目は消費者金融とは言えないような、チラシに乗っている所から借りた。

そして、金融会社から私の職場に頻繁に電話がくるようになった。

在籍確認の為だと思う。

あちこちから個人名で私に電話がかかってくるので、周りには不振がられた。

そして3社への返済。
利息がついて私の手取り11万では返済できなくなってしまった。


会社はやめた。

No.9 14/11/22 14:42
つゆり ( 1i5di )


退職金がもらえたのは本当に助かった。

退職金60万。
半分は母親に渡した。
残り30万は残して、次の仕事につくまでの為に取っておこうと思った。

そして母親からの追撃。

「マコトがホストになりたいらしくてスーツを買わなきゃいけないの。だから20万都合つけてくれない?」

※マコトは弟っす。もちろん仮名(笑)

No.10 14/11/22 14:52
つゆり ( 1i5di )


これには流石に反対した。

「スーツ代って…。ホストになりたいならまず先にお金貯めて、自分で買うのが普通でしょ?それにはお金は出せないよ。
私だって貯金渡して、もう30万しか持って無いんだし」

それでも母親は毎日食い下がった。
高校中退してからフラフラしていた弟が、ホストとはいえ仕事に就くのに望みをかけたんだろう。

一週間後、20万を渡した。

残金10万。
月々の返済もある。

水商売を選んだ。

No.11 14/11/22 15:17
つゆり ( 1i5di )


そして「ロイヤル」を見つけ面接を受けた。

クラブを選んだのはカラオケが無いから。
だって私、音痴なんだもんっ!

キャバクラで人前でなんて歌えない。
恥ずかしくて死ねる。
ロイヤルはピアノの生演奏のお店だ。

夜8時~朝4時まで。
時給3000円。
面接に受かってホッとした。

借金と親への援助の為に頑張った。
指名料も入り、月60万は稼げた。

朝方まで喋り、お酒を飲み、クタクタになって失業保険の申請には行けなかった。

キャバとかクラブって12時までしか営業しちゃいけないハズなのに、なんで朝4時まで営業できたんだろう。
昔はゆるかったのかな?

No.12 14/11/22 15:34
つゆり ( 1i5di )


父親は愛人の所に入り浸りだった。
愛人宅が本宅のような状態。


「仕事が忙しくてサウナに寝泊まりしている」

とずっと教えられていたから、疑わなかった。
母親も意地で信じたかったんだろう。

ただイライラは姉の私にきた。

「男に媚びた目を使うのはやめなさい。みっともない」

「洗いものはしないで。お湯がもったいない」

「誰もあんたの事なんか興味ないんだから黙ってなさい」

中学生の頃に言われて、私は喋り方がおかしくなっていたらしい。
気づいたのは隣のおばさんだった。

「つゆりちゃん、喋り方が変じゃない?」

普通に喋っているつもりだったので、わからなくてポカンとした。

「違うのよ、この子。テレビの真似して喋ってるだけ」

それもわからなかった。
だって普通に喋ってるつもりだったから。
テレビを見て、自分の喋り方の違いを考えたけどわからなかった。
喋るのが怖くなり、無口なった。

当然、友達も減った。

No.13 14/11/22 15:45
つゆり ( 1i5di )


どうしても行きたい高校があり、担任と話した。

父親の意見は?と聞かれ

「3日くらい前に帰って、すぐまた仕事行っちゃったから、次に会えるのはいつになるかわかりません」

普通に答えた。
だってそれが普通だったから。

何故か担任の顔色が変わって

「失礼な話だけど、お父さん出ていっちゃったの?」

いま思うと担任の感覚が普通だ(笑)

ただ当時の私はウケて笑ってしまった。

「違いますよ~!仕事なんです(笑)」

自営業はそんなもんだと思ってたしな!
当時はわからんかったのだ!

No.14 14/11/22 15:52
つゆり ( 1i5di )



喋るのが怖くなった私は文章を書くようになった。

そこで痛恨のミス。
ポエムを書いてしまった。

純粋ペパーミント。


うああああ!
殴って止めたい、あの時の自分!


No.15 14/11/22 16:06
つゆり ( 1i5di )


そして舞台はロイヤルへ。

お客様に合わせて喋る、飲む。
だんだんと疲れていった。

稼いでも借金返済で無くなり、父親からのお金の無心。


その頃はもう生まれ育った家は競売にかけられ無くなっていたから、母親と賃貸に2人暮らしだった。

両親も離婚した。
それでも両親は連絡を取っていた。
不思議。



そんで引っ越した賃貸なんですが、安い物件なのに有線とかついてて音楽聞けるし、風呂はピカピカだしでヒャッホウと浮かれた!

賃貸最高!

No.16 14/11/22 16:31
つゆり ( 1i5di )


水商売で精神的にきたのかジンマシンが出るようになった。

枕営業なんてしたら客なんてそれで来なくなる。
ギャルゲーで目的の子を落としたら満足するみたいな感じだ。

それがわかっていたから接客に力をいれた。
メモ帳には来たお客様達の名前。
話題。
延長時間。
ビッシリだった。


借金ももうすぐ終わるかもしれない、そんな頃。
父親が逃げたらしく私はヤクザに探されていた。

教えてくれたのは仲良くなったお客様のヤクザさん(笑)

私をソープに売るつもりで探しているとの事。

今はわかるんだけど、それは違法だからそんな事できないんだけどね。

当時は知らなかったから怖かった。
ソープじゃなくても何されるかわからない。

そして母親も探されていた。

すぐ逃げた(笑)
引っ越しって疲れるよねホント。



休憩入りま~す
なるべくまとめて短編で終わらせねばばばば~
(ノ><)ノ

No.17 14/11/22 18:19
つゆり ( 1i5di )


逃げる事を決め、店長と部長に理由を話して辞めさせてもらった。

本当なら罰金ものなのに、給料もちゃんとくれた。
父親がしている仕事を知っていたからだ。

違法ゲームのリースと経営。
当然、ヤクザとの付き合いもある。
だから、普通の家庭もみんなヤクザとの付き合いがあるんだと思って育った。

違うって知ってびっくりした、マジで!(笑)

住んでた賃貸を引き払うには家具や家電が邪魔になる。
リサイクルショップに来てもらって、ぜーんぶ引き取ってもらった。

全部に値段なんかつかないから、引き取ってもらった合計金額は1万5千円だったけど充分だった。

会社員時代に買った車をメンテナンスに出して、布団と飼い犬のモモを載せて母親と親戚のいる土地へ向かった。

家無くなったから賃貸で内緒で犬飼ってました。
ごめんなさい!

車の運転好きだから、長距離ドライブは楽しかった。

親戚のいる雪国に1日半かけて車を走らせて、途中でソフトクリーム食べたりトウモロコシ食べたり観光気分。

あのソフトクリームまた食べたい。
至高のソフトクリームだった~!

(*´∀`)

No.18 14/11/22 18:36
つゆり ( 1i5di )


親戚の家に間借りさせてもらい、健康ランドの仕事を見つけた。

時給3000円から
時給600円になったけど楽しかった。

半年くらいで母親も仕事に慣れて、母方の親戚もたくさんいたし、ほとぼりも冷めたらしいので私は戻る事にした。

付き合ってた彼氏がいたから。

そしてまたロイヤルに戻った。
スキーやりに雪国にきた店長が連絡くれて、会ったんだ。
戻ったらまた雇うから連絡しろって言ってくれたので甘えた。

また車で戻り、友達の家にシェアさせてもらって車は手放した。

ロイヤルに勤めてお金貯めて、ワンルームも借りれて生活してた。

また店に父親から連絡がきた。

No.19 14/11/22 18:47
つゆり ( 1i5di )


やられた事より自殺してないか心配だったからホッとした。

たまに会うようになって、父親も更正したと思った。

ワンルームの家賃を払う時に

「その不動産屋、お父さんの知り合いだから払っておくよ」

確かに不動産屋の知り合い多かったんだ。
だから家賃を預けてしばらくしたら退去願いの貼り紙がドアについてた。

家賃ぱくられてた(笑)

まさか娘の家賃ぱくるとは思わなかったから、呆然。

とにかく住む所探さないといけないし、滞納になっちゃってる家賃払わないといけなくなっちゃったからロイヤルの寮に入れてもらった。

また借金を返さないといけなくなった。

No.20 14/11/22 19:07
つゆり ( 1i5di )


ストレスが溜まるから週4に減らしてた出勤を、フルにして働いた。

彼氏はそれが面白くなかったらしくてケンカになって別れた。
水商売で稼いだお金は汚いって。


ある日、初めてついたお客様に誘われた。

「うちの店に来ない?」

仕事内容はウエイトレス。

ただ違法カジノのウエイトレスだった。

時給は変わらないし、ロイヤルでお世話になった店長は移動しちゃってた。

カジノは違法だけど、寮もあったしお客様と話さなくていい。
飲み物やフードを運ぶだけ。
ストレスが溜まらない。

もうその頃は、お金はお金。
人を騙したり傷つけたりして得るお金以外は、稼いだお金に綺麗も汚いも無いって思ってた。
あ、今もそう思ってるな。
(笑)

そしてカジノデビュー!

お金貯めて本屋さんの店員になるのが前からの夢だったのだ。

(*´∀`)

No.21 14/11/22 19:43
つゆり ( 1i5di )


バニーかと思ったら意外や意外。
チャイナ服だった。
なんでだ?(笑)

そっから楽勝モード。
夕方から朝7時まで働いた。

働けば働くほど、給料増えて借金も返せた。

周りはクスリや葉っぱをやったりしてる人が多かったけど、小心者な私は怖くてできなかった。
なんか狂いそうで怖いしお金モッタイナイ。

店のトイレに注射器が捨ててあるのは見ないふり(笑)

常連のお医者さんが薬やってるのは驚いた。

ある程度お金が貯まった時に、体がおかしくなった。

病院行って検査したら、甲状腺の機能がかなり悪くなってた。

しばらく療養になってしまい、本を読んでるうちにまた文章を書いてみたくなった。

それからアレコレあって、旦那と知り合えて結婚して出産。

振り返るとどれも今の自分に必要な事だったなって思う。

人生万事塞翁が馬ってホントだよなーって。

やられた!とは思ったけど、困った状態になっただけで別に不幸じゃなかったし。

考えてみると不幸な時って無かったなあ。

逆にテンション上がって、問題をクリアして楽しかった!


自分語りおしまいです。
お付き合いして下さった方、ありがとうございます。

二日酔いでボケーッとしながら、ちょっと人生振り返ってみました(笑)

よし!
短編で終われたぞっと!

(*´∀`)ノシ

No.22 14/11/23 09:09
つゆり ( 1i5di )


~おまけ~

鬼「だーから、これじゃ何を言いたいか伝えたいか、わかんないわけ!本当に本読んでんの?」

私「……」




鬼「ここはもう少しタメて。書くのは時間かかるけど、読者はあっという間に読むから。あと心理描写もっと詳しく書き直し」

私「語彙少ないんですよ!例えば?」




鬼「うん、いいんじゃないか?時間あったら焼き肉でも行く?」

私「やったあああ!」


~~~~~~~~


鬼「おっまえ、○○に聞いたぞ!いい加減にしろ!携帯の電池パック抜くから」

私「DVだよ!やってるから!アイデア探してるだけだから!」

鬼「この携帯ゲームからどんなアイデア?聞かせてくれる?電池パック抜くだけでプライバシーは見ない。DVにはならない」



オマケでした。
結婚してから父親とは和解しましたが、今年旅立ちました。

孫を溺愛する、いいおじいちゃんでした。

享年65
好き勝手やって、女にモテて、孫を溺愛してポックリ逝けたいい人生なんじゃないでしょうか。
ちょっと早かった気もしますが。

生前、ポックリ逝く家系だからとよく言ってたんですが本当にポックリでした。

人生途中は、なんだかんだありましたがキャッチボールとかしてくれるいい父親でした!


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