デリドラ日記

black heart suitトゥー○○black heart suit

ここのオーナーのもとでドラを始める

多趣味で気性の荒い社長【喜村・仮名】は気分屋で、電話口から聞こえる口調ひとつでご機嫌が伺える


トゥルル…

主
「はい」

喜村
「ホテルヒマワリ16号室によろちんこ～♪本指やて😄」

主
「了解しました、向かいます…」

ピッ

およそ大体の店は系列を持ち、喜村社長の会社は基本、ワンドラだ


勿論、ドラは嬢と深い関係になる事はご法度…バレたら罰金ものだ


しかし、１対１でお互いに仕事で乗り合わせる間柄。稀に禁を侵す奴も居る


主の場合、そういった感情は無かった…持てなかったというべきだが…

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主が担当する嬢【とめ子・仮名】は一応、店でナンバーを張る実力派。彼女の売りは癒し系だ

本番NG・キスNG・ごっくんNG・イマラチオNG・即尺NG・ＡＦNG…これで延長率は常に上位をキープしてるのが正直、凄いなと思った

リピ率は伸び悩みだが…




主
「とめ子さん、本指名が入りました。ホテルヒマワリに向かいますのでお願いします」

とめ子
「はぁ～？ヒマワリかよ…誰だいってぇ💢どうせ貧乏人だろうからとっとと出るに限るわマジ😲」


業界に入って知った事だが、高いホテルと安いホテルでは客層が大きく異なる

高いホテルを利用する客は無理強いや値切りもしなく、遊び方をわきまえている


しかし、向かったホテルは薄利多売の安ホテル…嬢のテンションは最悪だ


道中の車内ではご機嫌斜めなとめ子。しかし部屋の前に横付けしてオートロックを解除してもらう為にインターホンで喋る彼女は別人に思えた




…化けたな…

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しばらくすると会社から着信


トゥルル



喜村
「180分ね♪あ、それから」

主
「了解…はい？」

喜村
「時間あるしホテルタンポポに飛んで優子(仮名)拾ってきてや😃とめ子と一緒になったら事務所で待ってるしオトシ回収するで😃」

主
「優子…さん？ですか？」


喜村
「あ、知らんか😃良いよ、お前の車のナンバー教えてあるから出口に居てくれりゃよ😃」

主
「了解しました…」


いったいどんな嬢だろ？

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ホテルタンポポに到着して取り敢えずたばこを吸いながら、まだ見ぬ優子さんを待つと、程なくして１人の女性が歩いて来た


優子
「お疲れ様で～す」

主
「あ、優子さん？」

優子
「あぁ、はい。」

主
「あ、お疲れ様でした。」


会社に電話する主


主
「お疲れ様です、優子さんキャッチしましたんでヒマワリ向かいます。」

喜村
「あいよ～ろちくびぃ～😄」


今日は機嫌が良いみたいだ。しかし…仕事とはいえ、初めての女性を乗せるのは緊張する。労いの言葉をかけようにも言葉が見付からない…走る車の中は妙な沈黙に包まれていた


主
「灰皿使います？」

優子
「あぁ、有り難う御座います」


携帯灰皿を渡すと笑顔を見せてくれた





２人きりの会話終了💦




変に疲れる…

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とめ子
「お疲れ様～」

主
「あ、お疲れ様です。」


ヒマワリで待ってると、とめ子さんが戻って来た


優子
「とめちゃん久しぶり♪どうだった？」

とめ子
「んも最悪っ！💢玄関の靴見て『あ、コイツやっぱ貧乏人だ』って思ったら３時間だら～💦」

優子
「え？良かったじゃん♪なんで？」

とめ子
「朝から呑んでるもんで中々イかんしずっと２時間手コキもダメってマジ『死ねよ💢』って感じ!?いい加減アタシが死ぬって😠」

優子
「うっわ💦そんなんローションぶっかけて手コキで…」

とめ子
「だ～か～ら～！ローション嫌いなんだって言われてずっとフェラしてって言うからしょうがないじゃん💢マジ死んだわ💢」



会話の内容を余所に主は優子さんは無口な訳じゃないんだ、と知った


まあ…沈黙を維持されてるよりはマシか。しばらく相づちを打つタイミングでも見計らうとしよう…



事務所へ急いだ

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とめ子
「優子ちゃんはどうだったよ？」


聞かれて含み笑いをする優子さん


とめ子
「何？イケメンだったとか？」

優子
「違うって😉あのね、その前に付いた客がさ、アタシにバイブ突っ込んで興奮するからってソイツに馬鹿みたいにでかいの入れられてヒリヒリしててさ💦」

とめ子
「でかけりゃ良いと思ってる奴居るよね…ウッザ～💦」

優子
「違うの😉んでね、さっき付いた客が本番したいって言うからアタシもアソコ痛いじゃん？だからフッかけてやったの😉痛いからやりたくなかったしデブのザビエルヘアで多汗症だったし💦」

とめ子
「笑える😉最悪じゃん💦うん、それで😃？」





【…いや、見た目は割り切るしか無いだろう？本番はとにかく…】





優子
「客が２万出すって言ったからアタシ突っぱねたの👆『アタシ２万やそこらでヤる女じゃないし😠』って😉そしたら２万が３万、４万って値を吊り上げてくるじゃん？どんだけ出す気!?って思って『10万は普通に貰ってるから😏』って言ってトドメを刺してやったらマジで出してきたもんで、これ以上開かないってくらい足をパカッて開いてやった😉」





笑うところだろうか…

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車の中は盛り上がっていた。ただ、主を除いてだが…


やがて事務所に到着してとめ子さんと優子さんが車を降りた。主は、後に残った車内のゴミやら吸殻を片付ける



支払いを済ませたとめ子さんが再び待機の為に主の車に戻って来た。主は持参してきていた毛布を貸す


暖房を焚いてあげたいところだが一晩中暖房を焚くのは流石に赤字になるからだ。とはいえ…嬢に風邪などひかれてはドラ代にも響く


とめ子
「主さんはこうやって気を遣ってくれるから有難いわ♪他のドラだと毛布を用意するって発想も無いし暖房も付けてくんないし…」



些細な気遣いが親近感を持たせたようだ。とめ子さんとなら何となく話しやすい主がいた



主
「優子さんとは仲が良いみたいですね😃」

とめ子
「はぁ!?ちょっとマジ勘弁して💦アタシ枕営業する娘と腹割って話さんから😄💦」

主
「え？だってさっきはあんなに…」

とめ子
「同じレベルに合わせてやってるだけ👆『本番しないアタシにまでとばっちり来るから枕営業とかしないで』なんて言ったら揉めるだけじゃん。迷惑してんだアタシゃ😠」


会社では客との本番行為は黙認している。やりたきゃやれば良い…リピ率も上がるがあくまで自己責任で、というヤツだ


主
「まあ…密室だし稼ぎたい人は証拠もある訳じゃあるまいし、この業界じゃ本番する娘がいるのは仕方ないかも知れませんね💦デリって所詮、交渉次第なんじゃないんですか？」

とめ子
「会社によりけりだよ。チェックマン使って本番してないか定期的に調べるところもあってね、チェックマン相手に本番オッケーしたら即罰金なんてところもあるし。」




…性病蔓延の可能性の問題もある

稼げる娘とそうじゃない娘と差も出るだろうし本番出来ない娘にしたら強要されるなどの問題もあり得る

主はこうした問題を解決するためにも本番行為の禁止をすべてのデリ業界に厳しく定めるべきではないか？と思った



しかし、彼女から聞いた話しは更に酷いものだった

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逆に、会社が嬢に本番を強要する所も存在する、という…しかも


とめ子
「○○(地名)方式って言ってね、客が指名するんだって。『ＮＮでお願いします』って。」

主
「ＮＮ？…何ですかソレ…」

とめ子
「『ナマで中出し』…頭文字を取ってそう言うんだよ。それが『○○方式』ってここらじゃ隠語で使われてるよ」




耳を疑った。主も風俗に興味が無いと言えば嘘になるがこれは流石にドン引きだ


主
「そんな💦避妊は出来ても性病は確実に増えるじゃないスか💦つか警察は動かないんスか!?犯罪じゃないスか💦」

とめ子
「主さんがいくら『スカスカ』って言ってもその警察と癒着してるから無理だよ。女の子達は病気になっても会社は棄てるだけ…責任なんか取らないからね。」




そんな不条理な事がまかり通る現実に主は、恐怖さえ覚えた








【そんなにヤりたきゃソープに行けよ💢】

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そんなある夜、突如問題発生⚡


とめ子さんをヒマワリで下ろした俺は会社からの連絡を待っていた

何分の仕事なのか電話で教わり、このあたりは10分前コールをするのが決まっていたからだ


喜村
「120分でよろちん～♪」

主
「了解しました…」



…二時間か。

【充分に時間がある。洗車機まですぐだな♪】


早速スタンドに走り、洗車機で汚れを落として一時間ほど経過して液体ワックスを塗り広げていたまさにその時、



トゥルル…




会社から予想外の着信だ…何だろう？




主
「お疲れ様です。」

喜村
「お前今何処におんのや？ヒマワリか？」

主
「いえ…近くのスタンドに居ますが？」

喜村
「ほならソッコー戻って客の車押さえろ💢そしたら電話せいや！」

主
「…了解。向かいます。」



客と何らかのトラブルが起きて、その際に客の逃走を阻止するために客の車の前に自分の車を停めて動けなくする場合がある。まさにその指示を受けたのだ


取り敢えず指示通りに車を押さえて会社に電話する



主
「主です。今押さえました。ナンバーは……、……。黒っぽいトヨタの……です。」

喜村
「おっしゃ💢逃がすなや!?」

主
「りょ…了解しました…」


【んな事言ってもオメ…】


程なくして部屋の電光案内が【入室】から【準備中】に変わった

しかし誰も部屋から出て来ない。社の規程に基づき踏み込んだ

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自動精算機の前に嗚咽しながら泣き崩れるとめ子さん

トイレから出てきたのは年配の客

どうやら必死にとめ子さんは足止めをしていたらしく、手には客の車の鍵を握り締めていた



主
「お客様、失礼します。先ほど会社から連絡いただきまして、社の規程に基づ…」

客
「なんだ!?コゾウ…テメェ何様のつもりだよ!?ざけんなよ!?コゾウがぁ💢!!」


前振り無しにいきなり髪をわしづかみされて床に叩きつけられた。自慢じゃないが主は喧嘩がからきし弱い


必死にとめ子さんの持つ鍵を取ろうとしていたのでとっさに客を後ろから押さえ付けようとするも、あっさり振りほどかれる

しかし、その隙にとめ子さんはトイレに走って鍵を流してしまった


少なくとも車は動かせない

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鍵を便器に流された事に更に激怒した客だが、会社から応援が踏み込む事になる


社長の後ろに居たのは明らかに関わりたく無い人種。主は社長に後を委ねて車に戻り、指示を待った

やがて社長らが乗って来たミニバンにとめ子さんを始め、あの関わりたく無い人種…客も全員乗り込んだ


客は罵声を浴びせられながら乗せられたといった感じだが…



トゥルル…

主
「お疲れ様です」

喜村
「車分かるな？後ろついてこいや、ええか💢？」

主
「あ、了解しました」





【何処へ行くんだろ？】

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到着したのはとある総合病院。社長に呼ばれた主はとめ子さんと３人で中に入った


喜村
「主、お前暴力振るわれたよな？診断書を作るから待っとけ」

主
「俺っスか？そんな大したことな…」

喜村
「いいから💢形だけだから！」

訳が分からない。確かに髪を掴まれ叩きつけられたが大した怪我もしていないのに…

診断書は後日出来るとの事だ…しかし、とめ子さんの事が気になる。まだ待機中だからと再び彼女を主の車に伸せて車を走らせた



こんな事があったのに、それでも今夜は仕事をさせるってのか!?


とめ子さんは随分落ち着いてきてはいたものの、やはり言葉は少なげだ。当たり前だろう


途中、自販機で買った彼女の好きなデミタスコーヒーと、バージニアスリムをおごることにした

通常、嬢は後部座席に乗せるものだがこの時ばかりは助手席を片付け、そこへ招いた。社長が文句を言おうが嬢だって人間…人間としての最低限の扱いをしてやりたかった

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とめ子
「いいよ、普通に後ろで」

主
「いえ、前にどうぞ。こんな事があって仕事させる喜村の気が知れないっスよマジ💢
普通休みとかにならないんスか💢!?あ、コーヒーとたばこは俺からおごりです👍」

とめ子
「え💦でもアタシ別に貰う義理…」

主
「このくらい良いっしょ？てかもう買っちゃったし俺、メンソール吸わないスからマジ😄」


戸惑うとめ子さんだった。だが遂には根負けしたのか、デミタスコーヒーとたばこの入ったコンビニ袋を渋々受け取った

とめ子
「じゃあ…もらうね？有り難う。…でも」

主
「あ、灰皿は普通にこれ使って下さい😄よいしょっ…と」

とめ子
「ここ…『恋人専用～』ってダッシュボードに💦」

引き出し式の灰皿を引っぱる主に、困惑した表情の視線で指した【恋人専用席】のステッカー

主
「あぁ…中古で買った時から粘着テープでついていただけス、すいませんね？ど中古で👽💦」

とめ子
「え？あ…そうなの？💦」

主
「いや、流石に童貞じゃないスけどね？一応😒」

とめ子
「誰も聞いてないから(笑)」


あれ以来初めて笑顔を見せてくれたとめ子さんに少し…安心した



本当は当時、付き合っている彼女がいた…咄嗟に嘘をついていたのだ


【またそのうち話そう。こんな時だ…嘘も方便💦】


せめて、待機時間を終えるまでは電話が鳴りませんように…

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ラブホテルは割と建てられる場所が限定されてくる。広い土地を必要とし、そして学校などの近くには基本…建ててはならない

高速道路のインター・チェンジ付近や海沿いの国道から見える位置…そして駅周辺のビジネスホテルも時々だが仕事が入る

その、どこへ行くにも遠くならない距離にカラオケ設備の整ったアミューズメント店が存在した。

基本的に待機時間内はどこで何をしていても問題は無い。会社からの電話に対応出来、そしていつでも現場へ飛べば良いのだ

主
「たまには俺、気晴らしも必要かと思うんス😃というか実はとめ子センセーにレクチャーしてもらえたらなぁ？なんて都合良く😉」

とめ子
「一応、待機中だしそれはマズいよ💦それにアタ…」

主
「大丈夫ス♪最悪電話きてもすぐ行ける距離スよ？別にヤバい橋渡る様な真似するつもりも無いしとめ子センセーには授業料も払ったスし😏」

とめ子
「コレかよ!?みたいな💦」

飲みかけて吹き出しそうになったコーヒーの缶とたばこを手にするとめ子さん

主
「うっわ💦きったなっ😜❗てかタダより安いものは無いって事で宜しくっス、セ～ンセ😜」

とめ子さんの職歴にパーティーコンパニオンの経験があり、チーフまで張っていた彼女の歌唱力を高く評価されたのを主は本人から以前聞いて知っていたのだ

主
「中でフリードリンクと軽食くらいならお供えしますし😄」

とめ子
「地蔵かよっ💦」





作戦成功…(笑)

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カウンターで受付を済ませて部屋を取った主は、車の中にひとり待つとめ子さんに携帯電話で部屋へ案内した。気付かない所で誰かに目撃されて疑われるのを防ぐためだ


ほどなくして部屋に入ったとめ子さんにカシスオレンジとパフェが来た。主は…烏龍茶(汗)


一息ついた所で早速レッスン開始。主が選んだ曲はシカゴの【素直になれなくて】

…実をいうと主はそこそこカラオケには自信がある。スナックで時々歌うと、店内から雑談が少なくなり、小声で賛美する客の囁きさえ耳にしたものだ

レッスンとは実は方便だ。せめて彼女に精神的な癒しを与えたかった主が、限られた状況下で自分に思い付いた手段がこのカラオケだったのだ

柔らかいバラードの曲調のこの歌は、主が当時…自らを癒す為に好んで聴いていた歌だ。訳す事も出来ない主だが何故か癒されたものだ


とめ子
「え❓ちょっとヤバくない❓」

「マジうまいんだけど💦」

「うまいじゃん❓💦」

歌の出だしから連発するとめ子さん。流石にレクチャーとは単に口実だった事に気付かれた


とめ子
「主さん結構遊んでるよね❓絶対😉」

主
「つか何でそうなるんスか❓💨」

とめ子
「遊んでる男ってカラオケ結構上手いんだよ😉❓歌でナンパしたクチだね絶対😏」

主
「けなしてんのか誉めてんのが、どっちスか❓💦」

彼女の笑みに曇りは無く、主が知るいつもの顔がそこにあった。

主
「じゃ、今度は路線を変えて…と😏」

(ピピピピピピピピ…)

ＸーＪＡＰＡＮの【ジョーカー】を選んだ

とめ子
「変え過ぎだろ😜❗」

主が歌を歌っていると、彼女もリモコンに手を伸ばして曲を入れてくれた

【部屋とＹシャツと私】


実は原曲も知らなかった主だが、彼女の歌声を聴いて確信した

















下手だった(笑)

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ふん♪

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