ニャンニャン💓三国志

とある一室にて――。

ショウキョウ　どーもー月も隠れ、花も恥らう江東の二キョウが一人、ショウキョウと

ダイキョウ　その姉ダイキョウでございます。

ショウキョウ　本日はお忙しい修行の日々の中、こうして集まっていただき、ありがとうございます。

ベン夫人　お忙しい中は良いけど、何のようで私達は呼び出されたのかしら？

ショウキョウ　皆様にお集まりいただいたのは、先日ジョカ娘々が西王母さまにこう仰いました。

『最近退屈なのよね』

西王母さまはまた始まったかと思ったそうです。そしてこう仰いました。

『漢王朝はすでに命数が尽きました』

チョウセン　まさか……。

ショウキョウ　そのまさかです。

ベン夫人　漢王朝を滅ぼせと？

ショウキョウ　その通りです。

コウゲツエイ　インや周、そして秦のようにせよと？漢王朝は、ジョカ娘々のお遊びで成立したのに……。

ベン夫人　あの時はグ姐々やリョ姐々が、大変な苦労をされたのよねー。

チョウセン　あの時の姐々の役割を私達にせよ、と言うのですね。

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ショウキョウ　実は、それだけではないのよ。

一同　？

ショウキョウ　ジョカ娘々の副官が、寿退職されるそうで、その席が空くそうなんです。

コウゲツエイ　今の副官は、グ姐々だったわよね？

チョウセン　はい。

チョウセン　グ姐々ご結婚されるんだー。相手はどなた？

ベン夫人　相手は一人しかいないじゃない！

ショウキョウ　はい、このたび長い歳月をかけまして、やっとお許しが出たそうです。

チョウセン　え？え？どなたです？

ベン夫人　バカね、コウセキ殿しかいないでしょう！？

ショウキョウ　コウセキ殿も神将として登用されるようです。

ダイキョウ　まあ、オメデタイお話よねー。

チョウセン　ハッ！？

ダイキョウ　まあ、どうしたのチョウセン？

チョウセン　まさかその副官の候補なんですか、私達？

ショウキョウ　今日はカンが良いわね、チョウセン。功績が一番の者を副官に登用するそうです。

ベン夫人　ここだけの話、謹んでご辞退申し上げたいわ。

チョウセン　あの方の副官なんて、考えただけでもゾッとします。

コウゲツエイ　勤労意欲が萎えるわね。

ショウキョウ　その辺も考えてるようです。漢王朝滅亡が成功しないと、グ姐々の結婚は無かったことにするそうです。

チョウセン　ゲゲッ！？

ベン夫人　とんだとばっちりね。

ショウキョウ　一番働きの悪かった者には、ジョカ娘々直々にキッツイオシオキがあるそうです。

コウゲツエイ　もう脅迫ね、それ。

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ショウキョウ それでも、神仙であるジョカ娘々の命ですし、私達としては従うより他ありません。

ダイキョウ それに、西王母さまも、漢王朝はすでに天命は尽きているはず、と。

ベン夫人 天命尽きた王朝が、どうして今現在続いてるの？

ショウキョウ ねーさま、その疑問はもっともです。私も西王母さまにそれについて質問してみましたが……。

ベン夫人 ？

ダイキョウ 天命尽きた王朝を、延命させ続けていた一族がいるみたいなのよ。

チョウセン え!?それってどういうこと!?

ショウキョウ つまり、ジョカ娘々のように、天命尽きた王朝を終わらせる存在がいるように、天命の尽きた王朝を延命させる者たちがいるということよ。

コウゲツエイ それが、どなたか分かっているのかしら？

ダイキョウ 分かってるのは三氏族。

チョウセン それは？

ショウキョウ チョウ氏、オウ氏、バ氏の三氏族……。他にもまだいるかも知れません。氏族だけではなく、仙界・神界の者や、その影響を受けた者、そして儒者……。

ベン夫人 つまり、邪魔する者がいる訳ね？

ショウキョウ その通りです、ねーさま。

ベン夫人 頭が痛いわね。

ショウキョウ で、漢王朝の現状ですが……。

チョウセン 何か、私達が手を出す前に、もう目茶苦茶なんですけど……。

ベン夫人 黄巾の乱ね……。

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チョウセン チョウカク、チョウホウ、チョウリョウの三兄弟が、太平道信者を率いた反乱ですね。

ベン夫人 太平道と言うから、仙界の関係者なのかしら？

ショウキョウ 仙界とは関係ありません……。

チョウセン え!?

ショウキョウ これ、アホが起こした大事件です。

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コウゲツエイ アホ？

ショウキョウ はい、アホです。リュウゲントクと言う大馬鹿者が引き起こした大事件です。

チョウセン 誰、それ？

ダイキョウ 本人曰く、漢王室の血筋とかで、自分の立身出世のため、この騒動を起こしたのよ。

コウゲツエイ 意味がわからないわね。

ショウキョウ いつまでも試験に合格できず、役人になれないため、功なり名なりをあげて、出世しようと考えたんです。

ダイキョウ 頭がダメなら、腕っ節で何とかしようと、太平道をでっち上げ、地方で反乱を起こさせ、それを自分自身で鎮圧しようと考えたんです。

一同 ……。

ショウキョウ 一地方の反乱のつもりが、どんどんリュウゲントクの手を離れ大きくなり、太平道の信者の一人は朝廷の宦官と内通し、洛陽（首都）を内と外から同時蜂起する計画にまでなり、リュウゲントクは相当困ったようです。

ダイキョウ 困り果てて、リュウゲントクはその計画を朝廷に密告、洛陽に潜んでた信者は処刑され、それを知った他の信者たちの怒りは爆発して……。

ショウキョウ 各地方で反旗が上がり、今や漢王朝すべてを飲み込む勢いです。

ベン夫人 ある意味凄いわね、そのリュウゲントクって……。

ショウキョウ はい、凄い人物です。大ホラや、大フロシキを他人に信じ込ませる何かを秘めた人物です。そのクセ本人はほとんど何も考えてないと言う、迷惑な人物です。

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ベン夫人 もう、そのリュウゲントクにお任せで、漢王朝は滅びるのじゃなくて？

ダイキョウ それが、そう簡単にはいかないのよ～。

チョウセン でも、黄巾の勢いは、漢王朝を倒しても不思議じゃないわ。

ショウキョウ 先程も言いました、抵抗勢力が……。

ダイキョウ その人たちがこの乱を利用しようとしているの。

ベン夫人 利用する？どうやって？

コウゲツエイ ああ、なるほど。

その反乱を見事鎮圧したら、国の威信を上げるチャンスになるわね。

それに、内包する不満分子や反乱分子をあぶり出す手段にもなる。

ダイキョウ それに、この反乱の死者を、イケニエとして呪術的延命も図るはずよ。

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ショウキョウ　と、言うことですので、このままほっとく訳にもいかないのです。

ベン夫人　う～ん、黄巾の乱に加担するのが一番楽そうだけど……。

コウゲツエイ　アホの起こした騒動に乗っかるのは、正直プライドが許せないのよね。

ベン夫人　その気持ちは良く分かるわ。

チョウセン　では、反乱は速やかに鎮圧し、この反乱を漢王朝滅亡の契機にしましょう。

ダイキョウ　アラアラ、我等の末義妹には、何やらグッドアイディアがあるようね。

ベン夫人　どんなアイディアなのか、私たちに説明できて、チョウセン？

チョウセン　別にそんな難しいことや大それたモノじゃありませんよ。

反乱鎮圧のお手柄を、漢王朝ではなく、各個人のものにすればいいと思ったの。

コウゲツエイ　それは、リュウゲントクが本当にやりたかったことかしら？

チョウセン　そうです。反乱鎮圧の英雄を生み出し、その英雄を各地の群雄とすれば、それがいずれ漢王朝滅亡の布石になりませんか？

ベン夫人　なるほど……。

コウゲツエイ　漢王朝に対する民衆の不満は、反乱の勢いで明らか。しかし、反乱軍は賊と同意で、民衆の被害も酷いわ。そんな太平道を手放しで支持する人間は少ない。

ショウキョウ　反乱鎮圧の英雄となれば、民衆も応援しやすくなりますね。

チョウセン　それに無秩序な反乱より、英雄を群雄としたほうが私たちもやり易いと思うんです。

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ベン夫人　それでは、民衆には申し訳ないけど、反乱勢力にはもう少し暴れてもらったほうがいいわね、あと、鎮圧のサジ加減も考えなければ。

コウゲツエイ　そうですね、その後のことを考えると、ある程度は各地に残党がいた方がいいわね。

ダイキョウ　群雄もそのほうが動きやすいし、私たちも動かしやすいわね。

ショウキョウ　しかし、その群雄も万が一その残党に負けたりしたらどうします？

ベン夫人　その程度の実力しかない人間には、早々に退場していただいて問題ないでしょう。

チョウセン　残党がウンヌンはまず置いときましょう。

反乱鎮圧→群雄の育成、この方針で良いでしょうか？

ベン夫人　その方針が妥当かしらね？

ダイキョウ　私たちが直接漢王朝を叩き潰せれば、手っ取り早いんだけどね～。

ショウキョウ　それは当然ダメです！

ダイキョウ　いや～ね～、ジョーダンよジョーダン。

ベン夫人　（あんたが言うと冗談に聞こえないのよ）チョウセンの案で動くとして、具体的にどうする？

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ショウキョウ 現在、コウホギシン、シュコウイ、ロシカンが反乱鎮圧に頑張ってるみたいですね。

コウゲツエイ その三人をバックアップする？

チョウセン 三人ともイイお歳ですし、英雄としてはインパクトが弱いです。

ベン夫人 それなら、私はコウホギシンの下で動いている、ソウモウトクをバックアップするわ。

ショウキョウ それなら、私とダイキョウねーさま二人で、シュコウイの下の、ソンブンダイをバックアップします。

コウゲツエイ なかなか面白い人選ね。

チョウセン コウゲツエイねーさまは、どうします？

コウゲツエイ 私は、この先長くなりそうだから、一度お父様と相談して来ようと思うの。

ベン夫人 コウショウゲン師父と？

コウゲツエイ はい、この先英雄を支える人材も必要になると思うし、その点はお父様がお得意だから。

ベン夫人 若人育成が趣味ですものね。

コウゲツエイ ハイ。

ショウキョウ チョウセンはどうするの？

チョウセン 私は一度、リュウゲントクに会っておこうかと思います。この人も、面白い人材なのは間違いなさそうですから。

コウゲツエイ ナルホドね、私はお父様にも協力してもらって、抵抗勢力とやらの詳しい実態も探っとくわ。

ベン夫人 それは大変有り難いわね。

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