私の半生
私の名前はりか
小さい時に両親が離婚し母親に引き取られた。今現在私の記憶にある一番古い物は当時住んでいたアパートの大家さんの所に行って煙草を吸って咳こんでいる風景…当時幼稚園時だった私。
その次にある記憶…
配達の仕事をしていた母親の車の中での寝泊まり…
次の記憶…
知らないおっさんとの3人での生活…
次の記憶は…
私の祖母と母親の弟との3人の生活でした。
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二時間後、優一がご出勤。
おはようございます、良く眠れましたか?
おぅ、ご苦労さん
ご苦労さんじゃないよ
マスターが激怒してるよ
さっさと謝っておいでよ。
マジかぁ…謝ってこよ
少し大袈裟に優一に教えた。いいよね、これくらい、無断外泊した罰だ!
肩を落としてマスターの所に行く優一の後ろ姿が何とも可愛いかった。
暫くするとマスターと優一のいる部屋から怒鳴り声が聞こえてきた。
何考えてるんだ!お前最低な奴だな!
なに?何?
マスター本気で怒ってる…二時間遅刻はやっぱりまずかったか…
コッソリ隙間から覗いてみると今にもマスターが優一を殴ろうとしていた!!
待ってマスター!私も謝るから殴らないで!
止めに入る私にマスターがまた怒る。
何でりかが謝るんだよ!お前優一のした事許せるのか!
えっ?二時間の遅刻はそれは……
遅刻で怒ってるんじゃない!見てみろ、コイツの首!
あっ……キスマーク……
優一は涙目になっている
違うんだよ、知らないんだよ、俺も今言われて知ったんだよ…
嘘つくな!正直に答えろ!
マスターは真っ赤な顔をして今にも殴りそうだ。
あの…優一もそう言ってますし、後は優一と話ししますから…。
私があまりにも冷静な態度なのでマスターは怒りの先をゴミ箱に向けていた。
大量のゴミが散乱した。
優一、このゴミを片付けて今日はもう帰れ!
そう言い残しマスターは出ていった。
部屋に残された2人…
本当に知らないんだよ…
と呟きながら優一はゴミを片付けていた。
さぁ早く片付けて、家で待ってて、帰ってから話し聞くからさ。
わかった。りか、信じてくれるよな…
はぃはぃ、帰ってからね!
さっきより一段としょんぼりしている優一の後ろ姿が少し笑えた。
キスマークは確かについていた
普通なら気が動転してパニックになるのだろう。でも冷静だった。いや…冷静を装ってたのだ。
何で…
自信? プライド?
優一の事信用してる?
違う……
嫉妬はしてるのだ。優一を責めて捨てられるのが怖いんだ…
もう誰にも捨てられたくないよ……
でもすぐに優一の浮気疑惑は晴れた。
優一が帰った後、後輩達が来て一部始終教えてくれた。
私に視線を送るあの子…
笑みを浮かべながら優一の元に言ったあの子の仕業だったのだ。
カラオケでお酒を飲んで寝てしまった優一にあの子がわざと付けたらしい、後輩達は止めに入ったが間に合わず、濃いキスマークをつけた優一を返す訳にも行かず後輩の家に泊めたらしい。起きたら優一は帰った後で慌てここに来たと。
本当にすいませんでした!
後輩達は私に頭を下げて謝っている。
そこへマスターが入ってきた。
りか、もういいじゃないか、こんなに謝ってるんだから許してやれよ!
って!!一番怒ってたのはマスターですが……
まぁ誤解も解けた事だし、今日は少し早く上がっていいよ。優一待ってるんだ、安心させてやれ。
マスターに甘えさせてもらって早めに帰る事にした。
さて、どんな顔して帰ろうかな、ふててみる?泣いてみる?………いゃ、涙はでない。
まぁ誤解も解けたし、普通に帰る事にした。
ん?臭う ………
あぁ?りかちゃんおかえりなさいまし……
おちゅかれさまぁぁぁ…
まさか……
分かってるよ!誤解だったって分かったよ!
なんだよぉ…りかは俺の事好きじゃないのかよぉ…
はぁ?何でそうなるのよ!好きだから一緒に居るんでしょ!訳分からない事言わないでよ!
じゃぁ何で嫉妬しないんだよ。何でキスマーク見たのに冷静でいられるんだよ!
それは……信用してるからだよ!
嘘だ!!!!
そう言いながら優一は私を押し倒した。
泣きながら私を抱く優一
ねぇどうしたら私が優一の事を思ってるって分かってくれるの?
りかとの子供が欲しい…
無理に決まってるじゃない、まだ早いよ。
このままだと私の中で果てそうな優一から体を離そうとした瞬間……
バチンっ!!!
えっ?………
何ヵ月か経った頃、マスターから病院に行く事を勧められた。
優一がマスターに相談していたのだ。
お前か優一、どちらかに原因があるんじゃないか?早めに検査してみろ。
あぁ私が妊娠しない事を心配してくれてるのか……
その内いきます!
とだけ言っておいた。
私はあれ以来ほぼ毎日優一に殴られていた。
顔は殴らない…
見えない所ばかり殴ってくるのだ。
りか、明日病院いくぞ!
いける訳ないじゃなぃ!
何でだよ!とまた殴られる。
アザだらけの体を見られてもいいの!!!いいならいつでもいきます!
その日から優一の暴力は止まった。
一時的に………
この頃私は優一の顔色ばかり伺いながら生活していた。
暴力が止まり、付き合いが始まった頃の優一に戻っていた。
私は安心していた。
シンナーで少しおかしくなってただけ、もう大丈夫だ。前の優一に戻った!
静かな毎日、笑い声、毎日が幸せだった。
風邪を引いたから病院にいってから仕事にいくよ。
マスターに伝えててね!
分かったよ。無理しないようにな!
心配そうに優一は仕事に出掛けた。
ごめんね、まだハッキリ分からないから優一には言えないや…
半年間ほぼ毎日、体を重ね、私の中で果てていたにもかかわらず妊娠しなかったのに………。
市販の検査薬もあてにならないのかも。
軽い気持ちで産婦人科に向かった。
おめでとうございます。
妊娠してますよ!今2ヶ月に入った頃ですね。
えっ?本当ですか?
先生ちょっと言いにくいんだけど……
なに?
この半年間、ほぼ毎日やってたんです。でも妊娠しなかったんです。何で今になって妊娠したんでしょう?
毎日?と言いながら先生はカルテに目をやる
暫し沈黙………
17歳かぁ…彼氏は幾つ?
一つ下で16です
あのね、数打ち当たるって訳ではないのよ……
何も知らない私に先生は丁寧に体や妊娠の仕組みを教えてくれた。
どちらかに原因がある場合もあるけど、体が今は駄目って拒否してる場合もあるしね。
拒否ですか?
そうよ。貴女は大人のつもりでも体はまだ子供よ。
妊娠しても出産出来ないと体が判断してる事もあるし、原因はストレスで解消された途端、妊娠って事もあるしね。
ストレス………
確かに半年前は今妊娠しても優一とやっていく自信はなかった。
今は普通に幸せだと思ってる………
何か思い当たる事がある見たいね。で、どうするの?
どうする?
私は産むという事しか考えていなかった。
まだ誰にも話してないし、決まったらまた来ます。
とだけ言って帰った。
優一喜んでくれるかな?
優一の親はどう思うのかな?いゃ、優一の親はお堅い仕事をしてると聞いた、堕ろせと言われるだろうな…
祖母は……まぁいっか。
私の中に母親には教えると言う考えはなかった。
無かったと言うより私の中に母親と言う存在は無かったのだ。
優一はどんな反応するだろうかと考えながら喫茶店に向かった。
おかえりっ!
具合はどう?
心配そうに聞いてくる優一にそっと耳打ちした。
そぅ………
はっ?えっ!本当に!
マジか!
やったぁ!!!!!
と奥に走っていった。
満面の笑みを浮かべながら優一とマスターが立ち尽くす私の元に寄ってきた。
良かったな、りか。
俺もじぃちゃんか……
はぃ、って違います!
マスターは我が事のように喜んでくれた。
後は親御さんだな。
日曜に休みやるから行って話してこい。駄目だと言われたらワシが面倒みてやるから安心しろ。
マスターの優しさが一層喜びを倍増させた。
日曜日。
お父さん大丈夫?かな。
親父?わかんねーけど、反対されても関係ねーよ。
それより俺はお前の方が心配だよ。
私のとこは問題ないよ。
今まで好き勝手やってきて全て事後報告で生きてきたから、産みます。結婚します。で報告だけだよ。
だよな。俺達が育てるんだから関係ないか。
と話しながら先ず優一の実家にむかった。
前もって行く事は伝えてあった。
お邪魔します。
初めまして、りかです。
緊張してる私。優一は余裕だった。
応接間に通され向かい合って座った。
わぁ~やっぱりお堅い仕事してるだけあって堅そうなお父さんだわ。完璧に反対される……。
優一はゆっくりと経緯、希望、決断を話し始めた。
優一の話しを最後まで聞いたお父さんが話だした。
お母さんとも話てたんだが、優一が喫茶店で働く、りかさんと暮らすと行ってきた時から早かれ遅かれこうなる覚悟は出来ていた。
今まで優一には散々頭を痛めてきたが、今回の事がきっかけで優一が真面目になるなら私達は反対しない、なぁ母さん。
そうね。でも優一、一つお願いがあるの
これからお金も掛かるし、保険とか色々大変よ。
いつまで喫茶店では駄目。ちゃんとした仕事を探しなさい。
わかったよ。すぐには無理だけど探してみるよ。
反対覚悟で来ていた私は拍子抜けしていた。
優一がまだ16だって事、忘れてるんじゃないかな…
そう思っていたところ、お母さんが、どうするの?と聞いてきた。
私は籍の事だと分かったので私なりの考えを説明した。
まだ詳しい話は何も決めていません。優一君とも何も話していませんが、新しい仕事が決まったら今の家も出ないといけなくなります。アパートを借りても良いのですが、祖母の所に暫く居候させてもらえたらいいなと思っています。
おばぁちゃんは了解してるの?
いぇ、何もかもこの後話しにいきます。
わかった。とりあえずおばぁちゃんに話しして困った事があったら言っておいで。
わかりました。ありがとうございます。
なんだか拍子抜けしてしまって体の力が抜けていた。次はおばぁちゃんだ!!!!
なっ!大丈夫だって言っただろ!
と何か自慢気に歩く優一
だが次第に喋らなくなっていた
どうしたの?
やべぇ何か緊張してきた
あははっ 無問題、無問題
でも…
今までは事後報告だったけどさすがヤバイかな?と考えていた。
到着!
おかえり、りか。
いらっしゃい、優一君。
笑顔で2人を迎えてくれた。
くつろぐ私に優一からSOSが出た。
りか、お前言ってよ
なにいってんの、ここは男の見せ所でしょ。
頼むよぉ~
少しして祖母がお茶菓子とお茶を持ってきた。
りか、そうやってゴロゴロしてるから太ったんじゃない?
これはそうゆう太りじゃないの!
いけないっ!優一の台詞とっちゃう所だった。
あの…その…えっと…
シドロモドロしている優一に少し苛々してしまって結局私が報告した。
ばぁちゃん、私妊娠した、さっき優一の親御さんに会ってきて了解もらった。
喫茶店もじきに辞める
そしたら暫くここに住むから。 以上!
どうせ何言っても無駄でしょうから敢えて何も言わないけど、2人で決めてたんなら頑張りなさい。
展開の早さに優一は固まっていた。
あの…よろしくお願いします
はぃはぃ、よろしくね!
反対もなく話しは進み、後は今後の事だけを考えなくてはならない。
私は祖母に報告よりも、マスターにいずれ辞める事を言わなければならない事の方が言いにくかった。
沢山心配してくれて、可愛がってくれたマスター。
出来る事なら辞めたくはない。
めでたい事なのに気持ちは下がっていた……
優一は………
何も考えてない様子…
はぁ気が重い。
家に帰る前に喫茶店に寄った。
おぅおかえり!
どうだった?
はぃどちらもOKでました!
そうかよかったな!優一、お前も父親になるんだ、しっかりしないとな!
早くまともな仕事を見つけて養ってやれよ!
…………えっ?
マスターは私の顔を見てうなずいていた。
後で分かった話しだが、優一のお母さんが私達が帰った後にマスターに電話していたのだ。
そののち優一は大工の仕事が決まった。私はいつでも辞めて良いというマスターからの提案を中々受け入れなかった。
居心地の良い喫茶店から離れたくなかったのだ。
中々辞めない私にマスターから首を宣告された。
お前いい加減に辞めろよ。
嫌です。
嫌って…おばぁちゃん待ってるだろ。安心させてやれよ。
………帰りたくないよ。
お前なぁ、この店も客が減って厳しんだよ。お前が辞めてくれると助かるんだがな!
渋々辞めて引っ越しの片付けをのんびりしながら毎日優一の帰りを待っていた。
ただいまっ!じゃぁ~ん!みてみて!
優一は婚姻届けを持って帰ってきた。
出産の時には俺まだ18になってないけどさ、俺の誕生日に籍入れよ!
そっか、私未婚で産むんだよね。
戸籍はどうなるんだろう。実子なのに養子になるのかな?聞いてくれた?
………………。
もう!肝心なとこ聞いてないじゃん!
なんとか引っ越しも終わり、祖母との3人での暮らしが始まった。
そうだ、今日は喫茶店の給料日だ。
何か美味しいものでも優一に作ってあげよう!
足早に銀行に行った。
………、何か多くない?
いつもは通帳記入しないんだけど、多く感じた私は記入してみた。
やっぱり………。
毎月18万きっちり入っているのに今回は50万入っていた。
しかも振り込み名の所にはキュウヨ ケン イワイ
給料と祝い?
岩井さんから給料?
いゃ、マスターは岩井ではない。
お祝いだ!!!!
慌てて喫茶店に向かった。
閉まってる………
隣のクリーニングのおばちゃんに尋ねた。
あらっ りかちゃん。
お久しぶりです。あの…店閉まってますけど?
聞いてないの?りかちゃんが辞めた1週間後、ガサ入れが入ったのよ。マスター捕まったわよ。
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