マネキ からっぽな物語り

レス19 HIT数 1700 あ+ あ-


2008/07/07 01:20(更新日時)

🐘朴ぼくです🐘はじめて小説書くから沢山失敗すると思うお叱りコメントよろしくお願いします✋

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No.1158192 (スレ作成日時)

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No.1

酷い痛みの中で

ゆがんでゆく景色の中で


あなたの頬の汗を
指先ですくった。





柔らかなレースの外には
黄色い光に照らされた
青のコントラストが広がっている。
今日は晴天のようだ。

薄い物干し用のベランダに
小鳥がたかってレーズンを
つついている。

このレーズンは僕がわざと
糸にくくりつけ下げて
おいたものだ。

無機質な毎日に小さな変化を
もたらしたかった。

No.2

起き上がると
体のあちこちから
バラバラに痛みを感じた。


四畳ほどの広さだろうか、
コンクリうちっぱなしの
この部屋で僕は
何度朝を迎えたのだろう...



窮屈なくらい強く膝を抱え
コンパクトに体を縮める
頭も埋める。

こうすると体温が
冷たくなってしまった
皮膚や指先を暖めてくれる。
こもった息までもが
暖かいと感じる。


朝は
だるい身心に
重たく冷たい
この部屋の空気に
光をもたらし
暖め変化をあたえてくれる。

生きている事を静かに教えてくれる。



長い時間この体勢でいると
苦しくなる。



息が続かず顔だけあげたら
床が視界に入ってしまった。

残像が頭をよぎる。

血のかすれた線がはうように
床じゅう広がっている。
真ん中には密集して
線がえがかれており
壁にも血で掌のアトが
長くひっかくようにのびている。

No.3

頑張って書いてまぷ🐘
読んでくれてる人が居たら
嬉しいな✨

No.4

ドアの方から鍵をあける音がする。

迎がきた
やっと出られるのだ。


山崎さんが何も言わずに入ってくる。
カジュアルな感じのスーツに眼鏡
彼はまだ若く黒い
髪を無造作にワックスてたてて
手には大きな紙袋を下げている。

スタスタと歩き僕に近付き
背中を撫でる。

「こりゃ酷くやられたな」

そう言いながら眉間に皺を寄せている。

「仕事ですから」

No.5

「まあな、…」


僕の体には傷がある。
自然に出来たものではない
意図してつくられた傷だ。

服に隠れる所なら
胸、腹、背中、尻、...
下にも。

猫がひっかいたような
ペンチで捩られたような
ムチで打たれたような

可哀想な人が可哀想な僕に
忘れたりしないようにと
残していった。


山崎さんは紙袋からマキロンやら
保湿クリームやらを出し、
僕の背中を消毒て
薬を塗り始めた。

彼は僕が所属する
プロダクションで
タレントのマネージメントを
職としている。
つまり彼にとって僕は商売道具でしかない。

No.6

「コッチをむいて…

―山崎さんの方を向く―

こんな上の方まで
切られちまったのか、、
まいったな
胸の開いた服は
控えた方が良いな」

胸から首の間で
傷の無い場所を図るように
親指と人指し指を開き
肌に押しあて
遠目に見たりしている。

「何処を切られようが同じですよ
僕は人形でしかないんだ。」

シラケた口調で
そう言った僕に
彼は一度目をあわせ
淡々とこう言った。

「でも、首から上に
傷をつけないようにするのも
早く傷を治すのも
お前の仕事の内に入っている。」

胸に何かがひっかかったような
気持ちになった。

何故?
なら、僕はどうして
こんな行為を受けなきゃいけない?
どうして、どうして、...
頭の中を駆け巡るジレンマに
寂しさと孤独を感じてしまう。

僕は弱い人間だ。

山崎さんが胸の上を
何時もより丁寧に
塗ってくれている。
それを見ていると少し安心できた。
だから口を滑らせてしまった。

No.7

「山崎さん…

―山崎さんがコチラに目線をやる―

もう少し早く迎えにきて欲しいんです…僕」

彼は僕が全て話終える
前に答えた。

「無理だ」

彼の手は休まずに
動き続けている。

「どうして」

彼は僕の悲痛な叫びを聞きながし
繰り返すだけだった。

「無理なものは無理だ」

「どうしてぇ、
何時も夜が明ける
前には終ってます。
待っている時間が嫌なんだ
早く終ればなおさら
この部屋に一人で居たくないんだ、
山崎さんには今より2、3時間早く来て
もらうだけで良いんです。
もぅその時には絶対
僕だけになっているから
大丈夫です。
それが駄目ならこの部屋に
電話を置いてくれたら
僕が直接山崎さんに
電話するようにします。
お願いします。」

山崎さんの手をとめ
頭を下げる。

もぅ聞きたくない言葉が
頭にふってきた。

「無理だ」

考えもせず
そう答えた事に
腹がたった。

「どうしてですか?
理由を教えて下さい」

「教える事はできない。」

No.8

「僕の仕事です。
僕には知る権利がある
そして山崎さんは僕のマネージャーだ
僕に仕事を把握してもらう
義務があります。」

僕が追い詰められた時の
でたらめな言い回しだ。
山崎さんが
疲れたように切り返す。

「俺は君に仕事の事を
把握してもらっているつもりだ。
現に君は仕事をこなしている。
そして俺はこの仕事に関して
君に必要以上を知らせたくない
知る事により仕事自体に
支障をきたすと考えているからだ。
そこに権利や義務があるのなら
マネージャーを変えてもらえ」

頭がぐちゃぐちゃになる。

「そんな話ききたくない
どうして分かってくれないんですか、」

彼は黙って僕の
吐き出す言葉を聞いている。

「何時もこの部屋に
入れられる時は
何も聞かされない。
何故目隠しされるのかも分からない。
何故知らない人に
犯されているのかも分からない。
何故あの人達は僕を切るのか
何故あの人達は
そこに快楽を見い出すのか
何故僕は耐えているのか...
時には顔さえ見れない
声さえ聞こえない

―感情が高ぶって涙が止まらない―

No.9


でも、
でも、違うんだ
1番苦しいのは
その行為に感性がある
自分に対してなんだ。
誰も分からない。
分かる訳ない。
僕は狂っている。
孤独の中で
正解の出ない
自問自答を繰り返し
苦しみ続けねばいけない
性なんだ。
僕はその苦しみさえ
天性のような
汚い生き物なんだ。」

僕はおえつが出て程泣きじゃくり、
山崎さんは過呼吸気味で
ヒクつかせている背中を
小さくリズムよく叩いてくれた。
ソレは褒めてくれているような
包みこまれるような
柔らかなモノで、
もし僕に母がいるのなら
こんな風に暖かなのだろうか
と、思わせるようなものだった。

No.10

僕の呼吸が落ち着くと
山崎さんも手をゆっくりとめた。

「さ、まだ薬
塗りおえてないから
体を上げて」

僕が体を上げると
下を隠していた
毛布をはぎ
腹、そして下に
また薬を塗り始めた。




しばらく彼が僕の下に
薬を塗っていると
拒もうと頑張っていても
軽く起き上がってしまった。

昨日の客が僕の始末を
しなかったのを思い出した。

No.11

あの人達は自分の
欲求を満たせれば良いのだ。
僕も疲れていると始末を忘れて
体を休める事を優先させてしまう。
だからこういう事は良くある。

だからといって馴れる事はない
別次元の話である。

僕が赤面していると
山崎さんが

「抜こうか?」

と聞いてきた。
すぐ首を横にふり

「いえ、後で自分でします。」

と、答えると
山崎さんはそのまま
薬を塗り始めた。

山崎さんがそのまま何もないように
塗ってくれた事が有り難かった。
山崎さんとあまりそういう風に
なりたくなかったからだ。

No.12

けれど黙っていても
体は反応してしまう。
痛い(良い)所に入ると
息を飲んでしまう。

思わず力んでしまう。
手にしっとり汗が滲む

きっと僕の顔は
だらしなく歪んで
しまっているのだろう。
歯を噛み締めていても
眉間に皺を寄せているのだろう。
顔を横へ向けた
見られたくなかった。



やっと山崎さんの薬を
塗る手はとまった。

もぅ僕の下もシッカリ
起き上がってしまっている。

No.14

プハァ(-д-)y-~~~大分書いた🐘疲れてきた。謎の消去レスがあったり🔥見てくれてる人がいるんヵ❓ま✋がんばりまぷ

No.15

読んでますよー😃

先が気になります✨

頑張ってください☺

No.16

桜さん🌸あざーっす🙇桜さんも小説書いてたら教えてくらさあい😁続きがんばる🐘

No.17

コチラを見ている。
眼鏡の奥は、ほりが深い人特有の
くっきりとした二重と
栗色の瞳をしている。
その吸い込まれるような
すわった視線の中に
自分を写されていると
何もかもみすかされているようで
ビリビリと痛い。

山崎さんが軽く僕の手の甲をなぞった。
思わずビクンとそりあげてしまう。

No.18

そのままその手の人指し指で
ゆっくりと腕、二の腕、肩..
と、触れるか触れないか
の所を線を描くように動かしている。
視線も指と同様に
腕のラインをなぞりながら
のぼってくる。

No.19

肩まで上がりきると
指先はとまり、
山崎さんが目線を
僕の目にあわせた。

ノドはカラカラにかわき
めがしらが熱い
鼓動がコントロールできない早さで動く

なによりその眼差しが
僕の深い深い所を
動かしている


「…あなたを、下さい。」


苦しくて、苦しくて、苦しくて…
やっと出たその一言と同じに
大きな水の塊が

ボトリ

と、胸に落ちた。



彼は優しく僕を抱き
ゆっくりと寝かせた。


繊細でクラシックのような
柔かな動きに身をゆだね
深く呼吸を繰り返しながら
白い光の中の彼を見つめていた。


唇を噛み締めても
溢れだす水分は
こめかみヘ流れ
猫毛な髪の毛を濡らし

冷たいコンクリートに落ち
深く深く染みていくのだった。

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