幸せの景色

No.2 19/06/27 23:29
漣音 ( ♂ PFdSnb )
あ+あ-

2月24日

この日は冬のこの時期にしては朝から暖かく穏やかな日だった。いつも通りに起きて、いつも通りに仕事に向かう。2月最後の週末という事で道路は多少混雑していたが、何も変わらない1日が始まった。

もうすぐ会社に到着するというところで僕の携帯の着信音が鳴った。車の運転中ということもあり、応答出来ずにいた。10コール程度だったと思うが電話は切れた。

会社の駐車場に着いて車を止め、着歴を見ると
健二の家電の番号が残っていた。
僕はその時、健二からの〝相談したい〟という言葉を思い出した。
健二はいつも携帯から電話をかけてくるのに、何故家からかけてくるのだろうと若干の違和感とともに嫌な予感がした。
僕は駐車場から会社に向かう途中で健二の家に電話をかけた。

「携帯にお電話頂いていたみたいなのですが」
少し声が違って聞こえたが、出たのは健二の奥さんだった。
「今朝早くに警察から電話があって、警察に来て欲しいって。健二が……」
後は言葉なのか泣き声なのかわからない声をあげていた。

要するに、僕に一緒に警察へ行って欲しいということだった。
僕は会社の前まで来ていたが上司に休みをもらい、警察に同行することにした。

警察署に着くと健二の奥さん【千里】が待っていた。僕と健二は小学校から高校まで同じ学校の同級生で20歳で千里さんと結婚した後も家族ぐるみで仲良くしている。

千里は僕の姿が見えると駆け寄ってきて、僕の胸で泣きじゃくった。
僕はその時、健二に起きた最悪の出来事を予感していた。

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