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神社仏閣巡り珍道中・改
神社仏閣巡り珍道中・改  東北路編(ふたたび)
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No.42 19/03/17 19:08
旅人
あ+あ-

ずっと長いこと私の心に深く深く残るこの【鎌原観音堂】に、残された歴史と悲話、どうしても子供たちと共に訪れたくて、
もうかれこれ十五年以上も前に、参拝をいたしました。
子供たちには事前にその鎌原観音堂に伝わる話を伝えて。

あのとき、実際にその石段に立ち、当時助かった村人たちが立ち尽くした境内に立ち、私はそこで子供たちとあえて語ることなく、
「自分だったなら┉」とひとり心の中で長いこと考えておりました。

親子、でなかったかもしれないのであります。
祖母だったかもしれないし、嫁と姑だったかもしれません。
隣の家に住むご近所さんにすぎなかったかもしれないのです。
┉自分だったなら┉



背負うた人を降ろしても、
背負われていた人も、逃げ延びた人も、
誰一人、その女性を責めたりはしなかった状況であったと思うのであります。
それでも、彼女は背負った女性をおろそうとはしなかった。
五十段もの石段を背に老女を背負ったまま、かなりの高さまで登ってきていたようでありました。
登りきれると思ったのかもしれない。背負った女性をおろす時間すらがおしかったほどに緊迫した状況であったかもしれない。
長いこと、長いこと、考えて┉
答などない、生きるということ、生きているということ┉
一人一人の生きざま、死にざまを、
ただただ、ぼんやり考えただけでありました。


昨年、ふたたびこの鎌原観音堂を訪れました。
御堂にはお年寄りたちがあつまって、談笑されておりました。


私はといえば、おんなじように
答などない人の生きること、生きているということ、
これからの自分の生きざま、死にざまなどを
ぼんやりと考えて、御堂を見上げてまいりました。


ここは、そんな恐ろしいときをみつめた、見まもった、
観音さまが今日も静かに村の人たちを見まもっておられます。







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