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続・ブルームーンストーン

No.128 19/06/25 12:41
自由人
あ+あ-

「そろそろ支度しないと遅れますよ?」

ギリギリまで仕事をしていた私に大川君が気を使って声をかけてくれた。

「そうだね、じゃあ悪いけど支度させてもらうね。」

慌てて休憩室の奥のロッカールームであたふたと着替える。

そんなにかしこまった服装はしなくても良いとは言われていたが、今年は例年より豪華になるとの事で会場もいつもよりランクの高いホテル。
男性はスーツ、女性は少し華やかなスーツやワンピースが良いだろうという事になった。

白衣とスニーカーを脱ぎ、
膝丈のフワッとした女らしいワンピースを着てサマーニットのカーディガンを羽織る。

普段履くことの無い華奢なミュールを履き、わざとカッチリ編み込みをしていた髪をほどいてウェーブのついた髪をルーズにまとめ上げ、夏らしく淡いブルーのストーンの飾りの付いたヘアコームを差し込んだ。

耳にはピアス。

ヘアコームと合わせて、
いや…
本当はヘアコームの方をわざわざ合わせて買ったのだけど、
耳には大ちゃんからもらったブルームーンストーンのピアスを付けた。

このピアスを付けていると不安な気持ちがスーッとおさまっていく様な気がする。

「よしっ!行くか!!」

気合を入れて時計を見ると、予定の時間をかなりオーバーしていた。

ヤバイ!!!

今日は公休だった大ちゃんと最寄り駅で待ち合わせしていたんだ。

慌ててタクシーを呼び駅へと向かう。

駅に着いた時には待ち合わせの時間がまた更にオーバーしていた。

はおっ…
終わったな…

心臓が口から出そうなほど緊張し、憂鬱な気分で改札前の人混みの中に大ちゃんを探す。

ふっと人の切れ目に大ちゃんの姿が見えた瞬間、私は大ちゃんに向かって猛ダッシュを開始した。

「す、すみませ~ん!遅くなりました~!」

声をかけながら駆け寄る私に、

「遅いっ!!!」

と大ちゃんが言いかけ、私を見た瞬間大ちゃんの動きが一瞬止まった。

…えっ?

「あ、あの、すみません…」

「あ、ああ、あ、何か雰囲気違うな?」

「あ、へ、変ですか?」

「いや、うん、似合ってる…」

「良かった…」

シーン…

「あっ!電車来ます!早く行きましょう!」

何となく気恥しい沈黙を破る私の声に大ちゃんも頷き電車に乗り込み、私達は決戦会場のホテルへといざ出陣した。

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