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続・彷徨う罪

No.110 13/03/23 21:32
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-


ーー…

空が近い…。
手を伸ばすと、届きそうな太陽の光。

足元には、小さく動く車と人々。

『何もかも忘れて幸せか?』

あの人の言葉が木霊する。

「幸せだったかも…」

真っ新になれたら、もう一度、あなた達に出会って今度こそ幸せになれたかも知れない…そんな淡い期待を抱くだろう。

だけど…

手摺りから両手を離して、足を一歩ずらす。

さぁ…準備は出来たよ。

修也…強い風を送って私を吹き飛ばして。

「れーいっ、みーっけ!!」

あと一歩って時に、背中に受けたあの人の声。

「来ないでッ!!」

私は、その声に振り向かずに叫んだ。

「何でーっ?
そこ、気持ち良さそうだなーっ?」

「何言ってんの⁉」

ふざけた口調に腹が立って、思わず振り返ってしまった。

「なに…してんの…?」

岩屋は、しゃがみ込んで陸上競技のスタートポーズをとっていた。

「on your mark…」

強い眼差しをこちらに向けて動いた唇。

「まさか…!やめて!!」

「SETっ!!」

閃光嵌合の様な速さで、岩屋は策を飛び越えて私の横を掠めた。

下はコンクリートの奈落だ。

「いやぁーーっ!!」

まさか…いや…いやだ、いや…

「聖二…っ!」

慌てて下を覗くと、縁に片手を掛けてブラブラと宙を舞う岩屋の姿があった。

私は腰が抜けてその場にへたり込んだ。


「あっぶねぇ〜…死ぬかと思った。」

自力で這い上がって、岩屋も私の隣にへたり込んだ。

「なにしてんのっ⁈
あんた、何考えてんだよっ!!」

岩屋が死んだかと思った。
怖かった…岩屋を失う事が、とても怖かった。

何度も岩屋の胸を叩くと、一気に涙が止まらなくなった。

「お前がしようとしてた事を先にしてやったんだよ。
自分が何をしようとしてたか、事の重大さを思い知っただろ!」

岩屋は私の手首を押さえて、思いっきりこの身体を抱き締めた。

「何で…ひどい…カマをかけたんだね…」

「うるせーよ!
お前の下手くそな嘘なんて、簡単に見破られるんだ。ナメんじゃねーよ…!」

そう…だから、あの時、視線を逸らしたの

記憶を失くしたなんて嘘を見破られない様に…。

そうじゃないと…

私は、自分の命を絶たない限り話してしまうだろうから…。

修也と二人で隠した真実を…。







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