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続・彷徨う罪

No.105 13/03/22 17:34
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-


警察病院に運ばれた時、修也も零も瀕死の状態で微かに息があっただけだった。

「二人共、輸血が必要です。
RH−O型の血液が足りません!」

血の繋がりが無い二人が、同じ型の血液なんて可笑しな話だ。

「僕の…ち…を…全部…れい…に…」

タンカーで運ばれながらも、修也は零を気に掛けていた。

ならば何故、零を殺そうとしたのか。

本当に気が狂っていたのか。

この修也が、本来の修也なのかは分からない。

「俺は、RH−O型だ。
俺の血液を使え。」

高瀬が腕を捲り上げて、看護師に差し出した。

「でも…一人では…院内にあるパックは数個しかありません。
到底、血液を入れ替える程の輸血量には足りません…。」

「俺もRH−のOだ。
センターから輸血パックが届くまで、俺たちで繋げられるだろ。
献血量は規定量を無視した、ギリギリまで取っていい。」

俺も同じ型だと伝えると、高瀬は少しだけ驚いた様子だった。

だが、よくよく考えてある意味、納得した様に軽く哀を含んだ笑みを浮かべた。

そうだよ、俺と「佐々木 真里」は血の繋がった姉弟だから。

柳原が自供した通り、被害者の抜かれた血液は闇ルートで海外に売られていた。

皮肉紛れに、柳原が俺に向けて言ったセリフを、お前も一緒に聞いていたもんな。

“貴様の姉さんは、色々な意味で高く売れたよ…岩屋。”

高瀬は草臥れて、厳格を無くした柳原に対しても容赦無く奴を殴り飛ばしたけど、俺はもう…なんだか、そんな柳原を哀れにさえ思えたよ。

全てを失った柳原に同情でもなく、ただ、ただ、憐れみを感じた。

そこまで落ちぶれたのだと…。

だから、

「当たり前だ。
俺の姉ちゃんは、世界一価値のある女なんだよ。」

そう言えた時に、やっと笑った顔の姉ちゃんを思い出せたんだ。

それでもう…誰も怨む事もない。


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