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続 カヤの依存

レス246 HIT数 140326 あ+ あ-

ちゃら( 30代 ♀ 3bHK )
13/04/19 10:33(更新日時)

カヤの依存

続きです





このスレで終わりますが


完結まではまだ少し時間が掛かります







見て下さっている方…


ここまでも長期に渡ってしまい
すみませんm(_ _)m


今までお付き合い下さいまして

本当にありがとうございます
m(_ _)m



皆様のお陰でここまで来る事ができましたので

完結に向けてもう少し頑張らせて下さい











ちゃら💪

No.1293998 10/04/10 13:48(スレ作成日時)

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No.246 13/04/19 10:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 245 「考えさせて下さいってゆーのやめて
今考えても後で考えてもどーせ答えなんて一緒だろ
でも急だし10秒やるからそれで答え出して」

そう言うと坂本さんは当然カウントを始めた

パニクる

動揺する

緊張感から物凄く動悸がした

「……………9…」

「お願いします‼」

自由ってよくわからない
でも心がいつまでも歩に捕らわれている感覺の自分に疲れ
自由という言葉に憧れた

「…え?!マジ……………?!絶対ダメだと思ってた…」

強気だと思われてた坂本さんの声色が拍子抜けした物と変わった

「はい…私で良ければ……………」

お互いしばらく放心状態

「戸田の事、大切にするから…
元カレの事、引きずってるなら…忘れさせる様に……………俺も頑張るから…」

本当に坂本さんの私への気持ちが

このとき要訳伝わってきて

歩の事は忘れよう
この人を大切にしていこう
好きになろう


私はそう決めた


お互い、携帯番号とメアドを交換して

私は自宅まで送って貰った

No.245 13/04/06 02:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 244
その日お互い打ち解け色々話せた

坂本さんの印象が今まであまり良くなかった分、その振り幅は大きく

新鮮だった

正直楽しかった

今までストレート過ぎてデリカシーに欠けると思っていた部分は悪気無くただただ正直なのだと

理屈っぽいと思ってた部分はなんでも頭で考える事ができ、頭脳派というか知的なのだと

でもその分、誤解もされがちで、ある意味不器用なんだと
私の中の受け止め方が変わった

お礼をしたかったが、誘ったのはこちらだと結局奢ってもらってしまった

車に戻るが坂本さん はなかなか車を出そうとしない

あのさっきまでの豪雨は嘘みたいにすっかりあがっていた

「…あのさ、俺戸田の事すきなんだわ…」

さっきまで皮肉を交え楽しく飲んでいた為、あまりの展開に
酔っていた私は

「またまた~、まさかこの短時間で好きになれちゃうんですか?」

と笑いながら返した

そんなノリ的返しをしたがあまりにも唐突で予期せぬ言葉に内心ドキドキしていた

「…違うって。
……………今日、忘れ物取りに来たって言ったけどあれ嘘。
さっきの雨で…自然に誘う形にするなら今日しかないって思った…

だけど、他にも送るって名乗り出てきて、失敗したら今後お前に更に警戒されて二度と誘えなくなるって焦った
だから、方角が一緒とか自転車乗せれるとか最もらしい事言って、無理矢理みんなを黙らせたけど…」

気付くと私は
また歩の事を考えていた

歩の事を考えながら坂本さんの言葉に耳を傾ける

歩が好きだと思い知らせれる瞬間はいつだって
私の中に更に歩が刻まれるようで痛い

付き合える訳がない

「あの……………私」

「待て、
あのさ……………もし元カレ引きずってるとかならもうよくねー?
いい加減さ…自由になれよ」





自由?

No.244 13/03/29 02:16
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 243 「やっぱ、おまえ結構喋れるんだな」

「だから、慣れればですって!」

「じゃあ、俺にはもう結構慣れてくれたんだ」

「まぁ、だいぶ慣れたかもしれないですね…お陰様で…って、どんなヤツだと思ってたんですか?」

「陰気でウジウジした感じ(笑)」

「…まぁ、それも当たってますよ」

「こないだ…悪かったな……………」

「こないだのどれですか?」

「そんなにねーだろ!」

「結構ありますよ……(笑)
ウソです、何がですか?」

「元カレの…」

自覚してたのか

「いーですよ、確かにダサイですもん」

「いや…マジごめん……………」

「……………はい」

「お前って尚の事どー思ってんの?」

あー、尚ちゃんの言ってた遅番の噂ってやつか

「好きですよ、先輩として、尊敬してますから…てか早番はみんな男女関係なく、尚ちゃんの事好きですから。そーゆー意味の好きです」

「アイツ、遅番でもそんな感じだったもんな」

「坂本さんも尚ちゃんと仲いいじゃないですか、確か中学の同級なんですよね、聞きました」

「そうそう、アイツ昔からあんな感じ、自由でかっこよくて、優しいんだよな」

「ぷっ… 坂本さんにも優しいとかわかるんですね」

「は?俺どんなヤツだよ!ひでーな」

「先輩としてのあり方が真逆ですもん(笑)
でも、だから坂本さんと合うんじゃないですか」

「まぁね、アイツ早番移るって聞いた時、俺含めてみんなショックだったわ…キャラもだし、仕事も出来るから勿体ねーって」

「ほら、やっぱり早番バカにしてるじゃないですか!」

「……………あ、」

「もーいーですけどね(笑)」



No.243 13/03/28 07:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 242 「ごゆっくりどうぞ~」

私は試合を放棄し、投げやりにお酒に口をつけた

「それ、正論!」

「何がですか…?」

「そうだ、そうだ。
あ――っ!俺とした事が……!!」

悔しそうな表情で坂本さんもお酒に口を付ける

「…主旨ズレしてたわ。
そうそう、俺が聞いたのにその答えに主張してどーする…
論点のすり替えだろ!

俺のミスだ……………悪い…
つまりさ、俺が効率的に良かれと思ってしてた事が全部裏目に出て戸田に怖いと思わせてたって事だろ?」

えぇ――っ?!
こっちは無理矢理さじ投げる為の捨て台詞でしたけども

「いや、そう言われるとそーゆー意味ではなく…」

「いやいやそーだよ、とにかくスマン!

でもさっき言った通りの意味があって、そこは今後も直せないし直すつもりもないから慣れてってくれると有難い!」

もぅ本っ当に勝てない
私のは感情論だと終始論破されまくった訳だ

「もーいーですよ!わかりました!
こちらこそ何か、すみませんでした!」

こんどこそ気持ち良く負けた

No.242 13/03/28 04:08
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 241 「は?ますます意味わかんね」

大丈夫、響いてない

イラッとした

お酒を勢い良く飲み欲し

「だから、そーやってこっちに隙を作ってくれないじゃないですか!

何でもストレート過ぎるんですよ、ハッキリしすぎなんですよ!白黒付けたがる、言いにくい事言うし言わせようとするし、もぅちょっと言葉選んだり、気持ち汲んだり、オブラートに包んだり…

だいたい人の気持ち考えた事あります?

言い方も怒鳴るのとはまた違う高圧的ってゆー かバカにしてるってゆーか上から目線だし

そーゆーのがもう目とか雰囲気に全部出てて近寄り難いし萎縮しちゃうし怖いんですよ!

賢い、仕事出来る、俺は間違ってないオーラが!!」

言い切って呼び出しボタンを押す

「それのどこがいけないわけ?
むしろ長所だろ

ストレートでハッキリしてる方がわかりやすいだろ
仕事にグレーゾーンなんてあんのかよ

言葉選んだりオブラートに包む必要もなくね、時間の無駄にならなくてお互い合理的だろ

大体隙ってなんだよ
言い訳する時間くれって事?」

「お待たせしました。ご注文で宜しいでしょうか?」

「すみません、同じの下さい…」

「こっちも!」

「かしこまりました。少々お待ち下さいませ」

「上からってのも当たり前だろ、上からなんだから、バカにしてるっつーのはそっちの被害妄想だろ
寧ろバカにされてるって思うって事はそっちに非があるって認めてる証拠だろ言い返せないんだからさ」

坂本さんは口が達つが、間違ってない、だけどそーゆー事でもありそーゆー事だけでもない
追い詰められる

「…確かに間違ってませんし長所かもしれませんが、私は怖いと思う理由を聞かれたので正直に答えた迄です!」

「大変お待たせ致しました~」

No.241 13/03/28 02:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 240 「今日は有難うございました」

乾杯をして改めてお礼を言った

なんだか不思議だな……………

バイト先で一番苦手だった人と二人で飲みに来るなんて

様々なアクシデントがあってそれどころじゃなかったけど、改めて向かい合わせに座ると急に緊張してきた

「戸田って、意外と喋るんだな」


「人見知りは激しいですよ、慣れたら喋りますけど…」

「俺って怖い?」

ストレートな答え辛い質問がいつもの坂本さんらしくて困った

「正直……さっきまではちょっと苦手でした」

ちょっとを付けるのが精一杯だった

「やっぱりな~

結構嫌われてんだろーなとは思ってたけど

想像以上に嫌われてるって実感した、さっきお前送ってくって店で言った時

戸田は硬直するわ
みんな、守るように自分が自分が…って言い出しただろ

あれ見てそんなに?って結構ショックだったわ~ 」

思い出してちょっと笑ってしまった

「どこら辺が怖いの? 」

またまた答えづらい

「……………雰囲気ですかね…」

「具体的には?」

流石にそーゆートコですよなんて言えない

タバコに火を着け考える…慎重に…言葉を選ぶ…

「……………」

「え?そんなに難しい事聞いてる?」

「そーゆーとこですよ!!」



……………言ってしまった

No.240 13/03/28 00:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 239 「ちょっと、あんたさっきから行ったり来たりバタバタと何してるの?」

母親だった

「お母さん!ごめん、今から職場の人とご飯食べてくるから今日のご飯いらない」

私は手早く着替え、乱雑に頭を拭くと
メンズブランドのTシャツを持ち家を出た

――――――――――――
ちょっと脱線します
父親と母親は一度別れていまして、この時既に父親は居なかったと思います

今後出てくるか未定ですが後二人は寄りを戻します

離婚した理由は父親の借金や相変わらず職を転々とする、改善が見られない事が原因でした

再婚理由は兄が複雑に絡んでいますがここは今の所伏せさせて頂きます

○○週間とか○○ヶ月とか○○日は曖昧で適当に書いてますので時系列の狂い時代背景の狂いがとてもあると思います

ぶった切る様な書き方や、逆に無駄に回り道したり
順を追って思い出すがままに、また思い出せない部分は適当に繋ぎ合わせて書き出している為、色々な多くの表現の仕方、意味でも雑な部分が目立ち読みにくい事と思います


本文戻ります

――――――――――――
「お腹空いてる所、本当に何度もすみません、良かったらコレ着て下さい」

Tシャツを差し出す

「コレお前の…?」

「そーですよ、メンズ物だし坂本さん細いから全然着れると思いますよ」

坂本さんはTシャツを着てくれた

サイズは余裕だった

「坂本さん、ヤッパリ細いですね~」

「俺は気を付けてんの!」


そう言いながら漸く今度こそ坂本さんは車を発進させる事が出来た

「戸田って飲めんの?」

「飲めますよ、強くはないですけど好きですね」

国道沿いの新しくできた居酒屋に行った

No.239 13/03/27 20:36
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 238 バイト先を出た時より更に酷い雨になっている
私は急いで自転車を置き


バスタオル二枚と傘を持って
慌てて坂本さんの車に戻る

「大丈夫ですか?!
本当にすみません!これ使って下さい!」

一枚を坂本さんに無理矢理押し付けると後部座席の扉を勝手に開けようとする

開かない

「すみません!後ろのロック解除してもらえます?!」

「ちょちょ、何やろーとしてんの?!」

「後ろ濡れちゃったのでタオル引きます!」

「マジいーって早く乗れよ!」

「でも!!」

「いーから早く乗れって!!」

数回の押し問答の末、かなりテンパっていたが、坂本さんの言葉にようやく従い車に乗る

「テンパり過ぎだろ、落ち着けよ」

「すみません、あ、坂本さんも早く拭いて下さい!」

「はいはい。わざわざありがとね」

苦笑しながら坂本さんは大袈裟に拭いて見せると私を安心させた

安心からようやく少し落ち着きを取り戻した私に

「…あのさ、自分も拭いた方がいいと思うけど? 」

「あ、私は大丈夫です!これはあとで後ろ拭く時に使うので」

「…むしろ着替えてきた方がいいレベルだと思いますが…俺的にもそうしてきて貰えると有難いんですけど…」

あの坂本さんが言葉を選んでいる事に気付き自分を見る

!!!

押し問答してる間に坂本さんより雨に濡れ過ぎてしまっている自分

Tシャツから下着が透けている



「しばし、お待ちを!!」

慌てて再び車から降りる

何しても空回り

最早、恥ずかしいとかの次元を超え、もうヤダと猛ダッシュ

No.238 13/03/27 18:11
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 237 確かに自転車で帰れそうな状態ではなかった

坂本さんの言葉に早番のスタッフが数名送ってくれると名乗り出てくれた

苦手意識を持つ道中の気まずさに配慮してくれたのであろう

結局、方角が一緒であり自転車をつめる一番大きな車である坂本さんに送って貰う事になった


後ろのシートを全部倒して自転車を横にし乗せる

たったこの作業でかなり坂本さんは濡れてしまった

横殴りの激しい雨

悪い事してしまったなという気持ちと、本当にこの雨なら自転車どころか徒歩でも大変だと痛感し、有難い気持ちになった

二人車に乗り、各々濡れた顔や頭を適当に拭く

一息付いて冷静になってみると坂本さんの車がかなり綺麗な事に気付く

「もしかして新車ですか?!」


「去年買ったけど」

私は雨に汚れた自転車をとっさに振り返る

気付いた時にはもう遅く

「すみません‼車まで汚してしまって‼」

「いや、いーよ。家○○だったよな?」

「はい…本当にすみません…」

車が動き出す


申し訳無い気持ちでいっぱいになった

今まで嫌な人だと思ってた事にも後ろめたさを感じ俯向く

「プッ…なんつー顔してんの?」

坂本さんが私の顔を見て吹き出した

きっと苦々しい気持ちが顔に出ていたんだと思う

「あー、腹減った~、メシ付き合って貰っていい?」

「あ!なら私に出させて下さい‼お礼させて下さい‼」

「いーよ、別に。つか何か食いたいもんある?」

「それより自転車一回置いてきていーですか?もう遅いけどご飯食べるならその間に車どんどん汚れちゃう!」

「は?もぅ別にいーし」

「嫌、ダメです!それとも一刻を争う位に腹空いてます?!」


坂本さんが再び笑いだす

「チャリと車にどんだけ必死だよ
わかった、わかった、それじゃ食ってても急かされそうだし先お前んち寄らせて貰うわ」

自宅の目の前まで送って貰い、自転車を出して貰う


げっ……………
今度は再び坂本さんを濡らしてしまった

本末転倒とは正にこの事

No.237 13/03/27 04:08
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 236 それから私は尚さんに言われた通りに
自分が考えられる余裕を持ってラスト30分前位になると
尚さんに話掛けたり、出来るだけ側にいない様にした

尚さんだけでなく、早番皆の評価を自分のせいで下げたくないので
みんなと距離をとった

勿論その時間以外は普通通り


ある日

バイトが終わりいつも通り一服しに休憩室に行く

扉を開けると坂本さんがいた

私服だった

「おつかれ様です、どうしたんですか?」

誰からともなく自然に出るであろう疑問

坂本さんが遅刻とか珍しい

「おつかれ、あ、今日オレ休み、忘れ物取りに来ただけ」

休憩室にはいつも誰かの私物が無造作に置かれていた

マンガとか、プラモデルとか……………


席に座り、タバコに火を着ける


こんな時に限って尚さんは休み

早番みんなにとっても、最も苦手な存在に
一同、緊張感からいつもの様に談笑出来ない

気まずい空気……………

「てか戸田、お前チャリだろ?」

「はい…」

「送ってくわ、この天気じゃチャリとか無理だろ」



外は大雨暴風の日だった

No.236 13/03/26 12:41
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 235 ある日

「おい、戸田」

尚さんに声を掛けられる

「遅番で俺ら付き合ってる噂になってたみたいだわ」

何の事かサッパリわからないが噂なんてそんなものだろう

私と尚さんは確かに仲良かったけどそれは職場だけの中の話であって、尚さんのライブに皆で行ったりする程度で
プライベートで会ったり遊んだりする事は無かった

早番の皆とは近いし仲良いので、私と尚さんが付き合ってるのではないかなんて疑問を持つ人なんかいないが、交代時にしか関わらない遅番にはそれがわからないのだろう

「えー!本当に?ウケんね~」

「おいおい、気にする奴もいるかもしんないし、一応否定しておいたけど気をつけよーぜ」

尚さんの事好きな人が遅番にいるのかなと思った

職場内での恋愛禁止なんて無かったし、現に遅番には付き合ってるカップルが数組あったし
皆、店長含めて公認だ

早番の私たちすら知ってるのだから、仕事をちゃんとやってさえいれば今更公私混同と釘打つわけ無い

いつものノリやジョークが好きな尚さんらしくない言葉だったけど

尚さんにはマジメな部分も強くあるのは、私が歩にフラれた時にそのままバイトへ行った私を帰したり、店長に期限後も残す事や皆に迎え入れてやろうと掛け合ってくれたのもあって
身をもって知っている

それから、私だけではなく皆に対しても尚さんは平等で誰かが落ち込んでればいち早く察して
話を聞くなり、励ますなり、笑わすなり
そういった全体的ムードメーカーな役割をスマートにこなせる才能があり

見た目は派手だしチャラチャラした印象だが、意識的でも無意識でも根っこは回りに配慮ができる、思いやれる優しいマジメな人

「わかった!でも気を付けるって何を気を付けたらいーの?」

「ん~そーだな、取り敢えず遅番が出勤してくるちょい前になったら距離おこーぜ、後は今まで通り!」

それとも遅番に仕事中ふざけてると思われ注意されたのかな?

いや、元々は長く遅番やってた尚さんなのだから
そこは遅番もわかるはず

兎に角、尚さんに迷惑掛けたく無かったが

後は今まで通り

の言葉に安堵した

No.235 13/03/25 21:34
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 234 夜になると苦しくなるが

尚さんと職場で話せばそれがどんな意味でも結局楽になれたので助かった


遅番と交代時、遅番リーダーの坂本さん
「今日、あそこやったヤツ誰?」

恒例のダメ出しだ

しかも今回私だ
これで二度目だ


「私です」

「戸田かよ、ったく何やってんだよ!普通考えれば分かるだろ!」

ミスと説明を受ける

以前の通しでの頑張りは評価してくれたが、当たり前だけどだからと言ってそれはそれ、これはこれといった感じで
前回怒られた時同様、容赦なく語気が強い

楽しそうに笑顔で尚さんが寄ってくる


「ケン~、戸田オトコと別れたばっかりで落ちてんだからあんまイジメてやるなよ」

「え?!お前、カレシと別れたの?!」

私の事情は早番止まりだったので、遅番である坂本さんも勿論知らなかった

「はい…まぁ…」

険しい表情が驚きから今度はニタニタとうすら笑みに変わる
「落ちてるってフラれたのか?!」

私の気持ちなど汲むどころか不躾に好奇心のまま言葉を選ばない

「はい、そうです…」

「ダッセーツツ!!」


超笑顔

他人の不幸をこんなに面白がる坂本さんに対し


前回の感動も無かった事になったくらい
私やっぱりこの人本当に苦手だわと再確認した

前回同様、助け舟のつもりで話をすり替え回避させようとしてくれたのであろう尚さんも
助け舟所か坂本さんと一緒に笑ってるし

尚さんに対してもこの時ばかりはチッと舌打ちしたい気分だった

No.234 13/03/25 19:52
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 233 尚さんはオシャレでカッコ良くて音楽もやっていたからお客さんにファンもいて

だけどいつも片想いだった…というか

面白いのが、スパンがとても短く切り替えが早く
告らずしてその対象者が次々に変わってゆくのだ

その都度傷心の身でもある私にさえ気を遣わず
どこで出会ったとか今度ご飯行くとか話してくれる

目を輝かせて意気揚々とするその姿は

純粋に恋を楽しんでる

正にそんな言葉がピッタリな感じ

正直告白したらOK出してた子の方が多いだろうし、期待して告白待ちしてる子が殆どだと思う


「尚ちゃんってなんでそんなにすぐ違う子好きになれちゃうの?」

私とは余りにも対照的過ぎて皮肉ではなく素朴な疑問だった

いや、確かに素朴な疑問でもあったが自分の状況と女の子たちの心境を勝手に重ね少しは皮肉も入ってたかも


「わっかんねー、でもその時は本気でどの子も好きだって思ってる訳、メールとか電話してご飯行ったりして徐々に距離縮めてっていつ告ろうとかちゃんと考える訳。でもその間に違う子とたまたま出会っちゃって、恋に落ちちゃうんだよなー」

あっけらかんと悪気無く本当に素直な人で笑ってしまう

その割に紳士なので付き合うまで手を出さない
が彼のポリシーらしくある意味では最終的に誠実でもある

「逆に戸田はなんでそんな一人に執着できる訳??しかも別れた相手に対してって、それって楽しいの??」

悪気がないのはわかるがさすがにグサッとくる

「楽しい訳ないじゃん!嫌いになって寧ろ楽になりたい位だよ
……………でもそれが出来ないんだから理屈じゃないんだよ」

「理屈?シンプルに楽しいか楽しくないかで考えられないって事?」

なんだか私の頭がカタブツで融通のきかない馬鹿みたいに思えてくる

議論にならず結局また笑うしかなくなる

No.233 13/03/25 10:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 232 性生活に疲れたなんて言える訳がない

「なんか……………ちょっと疲れたんですよ……………
愛情表現がよくわかならくなったっていうか…」

私にできる嘘にならない言葉選びなんてこんな程度ぐらいしか無かったと思う


寧ろそこは察して欲しく無かった部分でもあるわけだ


そうやって、疲れたという言葉で曖昧にしたんだと思う


「よくわかんねーけど、早く他にいーヤツ見付けろ」

歩以外なんて考えられない

心の中で呟いた

No.232 13/03/22 10:05
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 231 「それはさ~、完璧オンナだろ」

休憩中の尚さんのストレートな言葉に
女性たちは私の心中を察してか、少し俯向き加減で眉間に皺を寄せ黙り
男性たちは遠慮がちにも小さくうんうんと頷く

この頃になると私は自分から自分の地雷であった部分を少しずつみんなに打ち明けられる様になっていった

正確に言うと
そうやって私の心を開かせていってくれたのはみんなのお陰だった

「友達にも言われた…」

友達とは美也子たちの事である

「でも、毎日電話くれたんですよ?」
安心材料であったそれに
愛されていたと思わせてくれたそれに
私は縋り付いていた


「だから毎日出来てた事が急に出来なくなるから別れるって事だろ
忙しさや、仕事に集中したくて恋愛どころじゃなくなったってんなら、自然とその回数は減ってくだろ
それが急に全く出来なくなる状態ってのは、他に好きなオンナが出来てうまくいったか、いきそうだったからじゃねーの

そもそも美容師って出会いも多そうだし、仕事上だとしても客やスタッフと密接になりそうじゃん

直接触る訳だし、それが仕事なり練習台とか?なり」

「でも、出会いや密着感だったら学校でも沢山ありそうじゃん、その時は私凄く不安だったけど大丈夫だったんだよ!」

そうやって私は築いてきたと思っていた信頼関係を主張する

納得出来ない部分を主張する

言ってくれなかった

知りたかった

何度も電話した

だけど少し経てば逆にとてつもなく怖くなり東京へ足を運ぶ事さえ考えられなくなってしまった

歩に問い質す事が出来なくなってしまった真実

それでも取り憑かれたかのように消えてはくれない

押し寄せる何故?

尚さんにその疑問をぶつける

「その時とはそもそも状況が違うだろ
一緒に暮らしてたんだろ?

事実上距離が出来たわけじゃん

ズルイ男だったら相手が遊びなら、本命やキープしておきたい女にはちょっとでも時間作って電話くらいして安心させる事もできる

それくらいお前より本気になる女ができた

そもそもそんなに好きだったならなんで離れたんだよ

その期間限定の同棲解消みたいなのはいったいなんだったわけ?」

No.231 13/03/16 12:30
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 230 それから尚さんとはそれまで以上に仲良くなり、私は年齢も、仕事も上であるのに呼び方は尚ちゃんに変わり自然とタメ口になっていった

他のスタッフとも同じでまるで学校や部活に行ってる気分だった

それ位楽しかった

相変わらず、歩が電話をくれていた時間になると
虚無感や孤独感、悲しみと寂しさで一人ひっそり涙を流していたが

親も妹にも、ちゃんとご飯を食べ、休まずバイトにも行き、休日は美也子やサヤカたちと遊んだりできるようになった姿を見せる事で安心させてあげられてたと思う

そうする事が自分の為であり、家族の為にもなるとわかっていたし

与えられている自分のそれぞれの居場所や一緒にいてくれる人達を大切にしたかった

時が癒してくれる
という言葉があるが、時とは一体どの位経てばその傷が癒えるのか

人に癒されても時間を少しずつ消化していっても

歩を思い出さない日なんてなくて

そのいつか癒えるであろう時間が本当にくるのか、どの位待てばいいのかと考えると

途方に暮れた



美也子が、スッキリしたいなら
東京へ行って会ってこい
と言ってくれた


以前、黒澤さんへの気持ちを打ち明けた時もそんな風に背中を押してくれた

あの時は本当にそれでスッキリできた


しかし、歩の新居は知っていても


別れた理由を知りたい気持ちを強くもちながらも

なぜだか知ってしまうのがとても恐ろしくて
どんな現実を突き付けられるのか
その真実を、私は一体受け止めきれるのか


スッキリする所かあの時の様にまた錯乱する自分に戻るのではないか






どうしてもどうしても
出来なかった

No.230 13/03/13 14:44
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 229 翌朝出勤すると

「おい、ブス!元気か~?」

尚さんだ

私の感謝の気持ちが一瞬消えかけてしまった位あまりにも脳天きな口調と言葉につい笑ってしまった

「お陰様で元気ですよ、色々ご迷惑掛けてしまいすみませんでした
後、私を残す様にしてくれたのって尚さんなんですよね、店長から昨日聞きました

あの、 …本当にありがとうございました!」

頭を下げお礼を言う


尚さんは少しの遠慮もなくマジマジ私の顔を見て

「てか、相変わらずすげぇーブスだな(笑)

一体どーゆー生活してたらブスがそこまでブスになれんだよ(笑)」


え?!私、今この人にお礼言ったよね??

さすがに唖然とする私を気にも止めず

今度は遠目にしてみて全身を見る

「ゲーッ!!しかも痩せ過ぎできめぇ…

まぁ、確かにちょっとは元気になったみたいだけど、あんま自分虐めんなよ……………



あ、それから最終的にお前残すの決めたのは店長だから、俺にそんな権限あると思う?(笑)」


慰めてんのか貶してんのかわかんない言葉に結局また笑ってしまった


違う

尚さんは笑わせてくれたんだ

No.229 13/03/12 07:12
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 228 朝礼終わりに店長に事務所に残る様に言われた



店長から今回の事は全て尚さんのお陰だった事を知った

あの日、私を帰した後尚さんは店長に私の事情を話し
休んでいた間も、もし私が来たら残してやって欲しいとお願いしたらしい

店長と尚さんが話し合った結果

プライベートな事だけど、私が来たら皆には普通に接する様にと早番の皆には話したと

尚さんと店長の心遣いに感謝した

そんなありのままの私を優しく受け入れてくれた皆にも感謝した


この日私はこうして何度も泣きそうになった

尚さんはこの日休みだった

明日、お礼言わなくちゃ……………


働く事で歩を一時的にも忘れられる時間の大切さ

居場所を与えてくれている皆の人柄や、その気持ちの大切さに

気付かされた日となった







No.228 13/03/09 13:55
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 227 「今日はよく、来たな。でも確かに休み過ぎだ。通常クビだが、今回は大目に見る。
一応ペナルティーとして、明日からの一ヶ月分のシフトはこっちが勝手に組ませてもらうから休まずちゃんと来るように」

「え……………?」


「それとも予定通り今日付けで辞めたいのか?」

店長の言葉の意味を漸く理解した

「……………ありがとうございます……………頑張りますので宜しくお願いします!」


私は店長と皆に深々と頭を下げた

再び涙が出そうになり目頭が熱くなる


泣かない

ここではもう泣かない


私は必死で涙を堪えた

No.227 13/03/09 10:26
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 226 休憩室で仕事前の一服をしていると

次々にスタッフが入ってきた

みんな私を見るなり

笑顔で「おはよー」と言ってくれた

良かったー

来てくれてありがとう

大丈夫だった?

大変だったね

などと優しさばかり溢れる言葉を掛けてくれ、私の不安と緊張感を取り払い、自然と笑顔にさせてくれた

内心、有り難くて泣きそうになったが必死で堪えた

折角みんなが笑顔にしてくれた
どんな感情でも今は泣いてはいけないとガマンした

事務所に行くと、店長はおう来たか!

と責める事もなくいつも通り接してくれ




通常通り朝礼があり

その日の予約状況や新しく導入されたものの説明を受け

何かあるヤツいるか?

という質問がされた

これはスタッフが、改善点や問題点など意見がある人が挙手しそれを今後皆で考えていこうという
意見交流のようなものだ


私は挙手し
穴を開けた事やみんなに掛けた迷惑や非礼を心から詫び
今日まで良くしてくれた事に感謝の気持ちとお礼を言い
今までありがとうございました
今日は一生懸命働きます

心ばかりで恐縮ですが皆さんで召し上がって下さいと持ってきた菓子折りを皆の前で店長に渡した

No.226 13/03/09 09:10
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 225 翌朝、引き篭もりスッビンにスウェットが定番になっていた私は久々まともなメイクをした

昨夜まともにごはんを食べ、睡眠を得る事が出来、泣く事もしなかった私は

まるでゾンビだった姿から
たった1日でも少し私らしさが戻っていた事や、客観的にそうやって自分を見る事が出来た事に安堵した

荒んだ数日を送っていたのでやつれはあるが、若さというのはそういった回復力はめざましいなと
今思う

メイクもいつもながらの流れ作業ではなく、少しでも健康的に見える様にチークを使い血色をよく 見せようとか

見る相手側を考える様に心掛けた

朝ご飯も食べ、緊張を振り払うかのように元気に家を後にした

いざ着いてみるとやはり緊張と一抹の不安はあったが

最後
という今日に私は気持ちを切り替えた


女子更衣室に入る
いつも何故か一番だったが、その日もやっぱりそうで、早々に着替えるとメイクや表情を何度もチェックした

制服はブカブカになっていたが、それでも大丈夫と言い聞かせ

今日だけは元気な私を演じよう

そして心から感謝の気持ちを態度や言葉だけでなく
最後の仕事も精一杯頑張ろう

No.225 13/03/07 17:04
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 224 シフト最後の日

散々シフトに穴を開け
もぅ用済みだろうけど、最後に多大なる迷惑を掛けてしまった事、逆に皆の気持ちを逆撫でするだけで、自己満足かもしれないが
お世話になった感謝の気持ちを込めてお礼をする為出勤した

出勤前日菓子折りを買ったはいいが

尚さんの言っていた言葉を思い出すと、行こうか行くまいかとても悩んだ


今更どんな姿であろうと、無責任な事をした私を見るだけでも嫌悪感を抱く人もいるかもしれない


行くならせめて、あの日の様な姿は晒せないと思い

久々まともにご飯を食べた

挨拶に行く為に皆と顔を合わせる事に緊張し

その日は自然と歩の事を考えなかった為

あれだけ眠れなかったのに、一時的でも歩から解放された脳内は

ようやく体に睡眠という安息を許し
とても早くに眠りにつく事が出来た

No.224 13/03/07 04:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 223 家族に悲しい思いをさせているとわかっていても

歩への気持ちを諦める事や封じる事などできなかった

歩が毎日電話をくれていた頃の時間になると毎日数度電話をした

すればするほど
惨めになり苦しむというのに

電話に出ないが歩の答えと思い知らされ
わかっていてもその衝動をやめる事はできなかった

責める対象は自分だった

何故、歩から一時でも離れてしまったのか
こんなに苦しむなら
苦痛になって決断した、夜の営みなどガマンすれば良かったと

眠れず、食べれず
美也子が気晴らしに私を連れだそうと思ってくれた心遣いにも応える事ができなかった

あの日からバイトは行かなくなっていた


気力も無かった

休む連絡を入れていたか記憶していないが
あの時の精神状態を考えれば

きっと無断欠勤だったと思う

そうやって私は大切な人たちの気持ちを踏みにじって、義務や責任まで放棄した

No.223 13/03/07 01:49
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 222 お母さんは悲しそうだった

朝見た以上に目を腫らし、手当たり次第部屋を散らかし憔悴しきったその光景は恐怖でさえあったと思う

お母さんは
「……………当たり前じゃない…あなたが出てった時も言ったけど…ここはあなたの家なのよ……………」

それだけ言って後は何も詮索してこなかった

その光景で全てを察したのだろう

ご飯を呼びに来てくれても

いらない
と言えば無理に食べなさいとも強要せず

そっとしておいてくれた


トイレやお風呂に行く時チエと会ってしまう時

チエはまた悲しそうな瞳をしてた


内心母も悲しませ、私も悲しんでる



私はこの子に何度こんな辛い思いをさせたか……………


一人篭れば歩の事ばかりだったが


チエと会えばまた違った悲しみと罪悪感で苦しくなった


お母さん
チエ

ごめんなさい

No.222 13/03/06 16:12
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 221 疲れた

泣き叫び、狂うだけ狂ったらまた抜け殻の様になった


灰皿がタバコの吸い殻で山になりいつ崩れてもおかしくない状態、灰は散乱していた


「どーしたの?!……………っ!!」


母親がパートから帰ってきたようだ

血相を変えていた

やかまし過ぎる音楽に驚いて何事かと慌てて来たのだろう


私も母親のノックする音が聞こえなかった

錯乱した後の
私の姿と荒れた部屋を目の当たりにして
驚いた表情はすぐに青ざめ、絶句していた


私は音楽を止め

もう既に声にならない掠れた声で

「お母さん……………私まだここにいてもいい…?行くとこ…無くなっちゃった……………」

No.221 13/03/05 14:28
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 220 不快だと尚さんに言われたけど

尚さんだけじゃなく、他の皆も今の私とどう接したらいいか困惑し、やりづらくなってたと思う

尚さんは、他の皆の事を思って自らが悪役となり私にその事を気付かせてくれたのだった


私は一人休憩室で再び泣き、何本目かのタバコを吸い終わると

ノロノロと着替え、静かにバイト先を後にした


途中CDショップにより適当に何枚かアルバムを買い帰宅した

幸い誰もいなかった
妹は学校、父母は仕事の様だ

買ってきたCDを爆音で流し
ベットに入る

どうせ眠れないが
しかし
尚さんに気付かされると私はとても自分が仕事など出来る訳がないほど疲れているとやっと自覚した

天井を見上げる


あんなに泣いても
再び涙が頬を伝う


何故?
が何度もまた
私の脳内を駆け巡る

気が付くと声をあげ、嗚咽交じりに泣き叫ぶ

呼吸が乱れる

苦しくて苦しくて

必死で出てくれるはずもない電話を歩に掛け

出ないという
現実を突き付けられ

そうやって自ら更に苦しみに追い打ちを掛けた

苦しくなればなる程
歩を好きだと思い知らされ

耐え難い痛みに頭を掻きむしり

疲れている体に更に鞭を打ち続けるほど錯乱状態に陥り泣き叫んだ

No.220 13/03/04 10:12
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 219 明らかにいつもの姿、様子と違っても誰も何も言って来ない、聞いてこない

とても触れられる状態ではなかったのだと思う

それを不思議とか当たり前だろうなとか、自然に繕えてるんだとか
思える思考も持ち合わせていなかった


朝礼が終わるといつも通り店内の掃除から取り掛かる

普通に出来ていたと思う

するとそこへ尚さんが私の前にきた

「…戸田、ちょっと来いよ…」

掃除の途中だったが言われるまま黙って尚さんの後について行った

まだ始まったばかりだというのに休憩室だった

パイプ椅子に座ると尚さんはタバコに火を付けた

尚さんの正面に座ると私もタバコに火を着けた

暫くお互い煙を吐き出す音だけが続く静寂の中

尚さんが静かに切り出した



「何があった?」


「別に何もないですよ…」


「なんも無いワケねーだろ、その顔で」

内心めんどくさいと思いながら諦めて打ち明けた


「……………彼氏と別れただけです」

「なんで?」

「わかりません。昨日一方的に電話でフラれただけですから」

「わかった。今日は帰れ」

「嫌です。仕事はちゃんとします」

「はぁ?新人が思い上がんじゃねーよ、その面で客の前に出るつもりかよ」

「なら裏仕事します」

「つか正直に言わせてもらうわ。他のヤツらはどー思ってっか知んねーけど、公私混同すんなとかプロ意識持てとか仕事がどーこーとか言ってんじゃねーから、今のお前見てると俺が不快だから帰れっつってんの」

この言葉で漸く私は顔を上げ尚さんの顔を見た

不快

本当にその言葉そのままの尚さんの表情に

涙が出た


「泣いてもいーけど、あんま泣きすぎんなよ
ブスが更にブスになんぞ」

言葉は荒いが、尚さんの口調から先程の吐き捨てる様に言った刺はもう無くなっていた

店長には俺が話しておくから誰にも挨拶もしなくていーから兎に角帰れ

そう言って一人先に休憩室から出ていった



尚さんの心遣いに感謝した

No.219 13/03/03 21:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 218 どんなに泣いても
泣き疲れて眠りにつく
なんてレベルのものじゃなかった
一睡もできなかった


泣くだけ泣いて朝を迎えたらすっかり覇気がなくなり
魂を抜かれたような状態だった

仕事…
非現実的な状態で現実の事を考える不思議な感覚

そこに感情など無かったと思う

朦朧とした意識で顔を洗いに洗面所に行く

母親が私の顔を見て驚いてたと思う

鏡を見ると泣き腫らし、充血しながらも真っ黒なクマに虚ろな瞳

多分そんな感じだったと思う

だけど別に何とも思わなかった
メイクも普通にした
いつも通りの一連の流れ作業的な

化粧が出来ない程でも
メイクで少しでも誤魔化さなきゃと思える程の
どちらでもなく

ダラダラと勝手に覚えてる動きに任せて


ご飯だけは食べる気にならなかった

No.218 13/03/03 16:23
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 217 バイトが終わるのも後10日切るか切らないか位だったと思う

いつもの歩からの夜の電話

でもいつもと違う雰囲気だった
歩のモシモシから始まる声がいつもと違った

「……………ごめん…別れて……………」

「どうして…?!」

「本当にごめん…全部…俺が悪い……………」

「理由教えて!納得出来ない!!別れたくたい!
だってもぅすぐそっち帰るんだよ?!何で?!どうして?!」

「ごめん、もぅ連絡できない……………」

ブチッ……………

一方的に電話を切られた

何度も掛け直した

何度も何度も
お願い出てってって祈りながら


泣きながらリダイヤルボタンを押し続ける




そのうち電源が切られたのか

機械的な女性の声のアナウンスが流れる




なんで ばかりが頭の中で反芻し




苦しくて苦しくて呼吸が乱れる

No.217 13/03/03 15:41
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 216 中田さんは翌週辞めていった

送別会をやった遅番スタッフが中田は酒が相当強いと話していたのを偶然聞いた

やはり本当は飲めたようだ

美也子たちとも残された限られた時間を楽しんだ

公私とも残された時間に集中した

来月からは歩とはまた一緒に毎日過ごせるのだから

漠然とした不安より、今を楽しもう

今だけは、歩より今近くにいる人たちを優先しよう

気持ちも時間も

No.216 13/03/03 14:25
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 215 「みんな翌シフトは明日までに出すように」

朝礼で社員から言われる

「あの、私は今月までの契約なんですが…」

「…?……………あぁそうか、戸田はじゃあ今シフトまでって事か……………遅番は確か中田が来週でぬけますよね?」

社員が店長に確認する

「あぁ、戸田の契約忘れてたな……………求人早番も出さなきゃな……………まぁ、残念だけど仕方ないな…わかった、戸田はじゃあ今月までって事で…後三週間ないのか…じゃあ戸田以外は明日までに翌シフト出すように」


朝礼が終わると、早番のみんながそれぞれ声を掛けてくれた
残念がってくれた
送別会やろうねって言ってくれた
皆の気持ちが有難かった


辞めたくないな……………

でも歩の所に戻らなきゃ、突如襲ってきた得体の知れない不安な感情に早く会って安心したい


結局私は何よりも歩を選ぶのだった

No.215 13/03/03 13:39
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 214 「俺だったら絶対に行かせない……………」

翌日中田さんのその言葉が蘇る

歩からは心配する素振りも感じられず、昨日の一件は楽しむ様に聞いていた

違う、信頼関係があるから余裕で聞けていたのだ

「口説かれた?」
そうなる展開をわかっていたの?

私を試したの?


バイト終わり、遅番との交代時、中田さんは昨日

今までの気持ちを打ち明けてくれたにも関わらず
気まずさを微塵も感じさせずいつも通り変わらず接してくれた

有難かった

夜、いつも通り歩から電話がきたが、支配的な歩ではなくいつもの優しい歩だった

歩は優しい人、今まで私に優しい気持ちをいっぱいくれていた事をいくつも思い出した

今は優しい歩だけを感じていたい

No.214 13/03/03 04:58
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 213 「どーだった?楽しかった?」

「うん、楽しかったよ」

「何したの?」

「ご飯ご馳走になって話しただけだよ」

まるでわかっていたかのように切り出す歩
「ふ~ん…口説かれた?」

「……………口説かれたとかじゃない
……………告白してくれた…」

「で、断ったんだろ?」

「断ったとかじゃない、諦めたって先に言われた」

「へ~、いいこだね」


歩は楽しそう

なんだろな
なんだろな

「私もそろそろ契約切れるからそっち帰るね」

「あー、もぅそんな経つか……早く会いたいだろ?」

「うん、会いたい」

「それだけ?」

歩が何て言葉を望んでるかわかってる


「したいよ」

歩がクスッと笑う

「カヤのそーゆートコやっぱたまんね~」

そんなやりとりを手短に終え電話を切った



さっきまでなん度も聴いていたオルゴールを急に聴く事が出来なくなった

なぜだろう
どこかで綺麗な物は私には相応しくないって思ったのかも、わからない

久々に聞いた支配的な口調の歩に相変わらず応えようとする自分


好きだから

やっぱり歩が好きだから




中田さんの綺麗な気持ちを汚したみたいな苦さが入混じるのがキツクて

それを自覚したくなくて


何も考えたくない

思考から逃れる様に眠りについた

No.213 13/03/03 01:43
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 212 「さ~て、あっち行ったら早くいい人みつけよーっと」

いつもの中田さんの口調になっていた


家の近くまで送ってもらった

「戸田さん…幸せになってくださいね」

「中田さんも……………」


「これ……………」

何か小さな紙袋を渡された

「あの…っ、コレは」

「大した物じゃないんで、おやすみなさい!」


猛スピードで、走っていってしまい
あっという間に見えなくなった中田さんの車


スーパーマンの様だった彼らしい去り方だった


帰って袋を空けると綺麗に包装された包み紙から

可愛いオルゴールが出てきた


切なさが増した


やりきれない思いがこみ上げる

オルゴールを何度も聞いた


電話が鳴る


歩からだった

No.212 13/03/02 23:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 211 1日違いで入ってきた中田さん
その1日早い方が私だった

中田さんはすぐに私を追い越し
物凄いスピードで仕事を覚え
私と格段の差がついて私はいつも中田さんに助けて貰っていた

何か困っていたらすぐ察してきてくれたり
対処してくれた

私は事実上も頭が悪いので、自分の出来無さぶりに中田さんと比べ落ち込んだりもしてた

でも落ち込んでると笑わせてくれたりした


中田さんは私を助けたくて、必死に仕事を覚えたと打ち明けてくれた

ちょっと困った顔見たら、誰よりも先に気付こうと仕事しながら観察してたと

「女性ってもっとそーゆーのに敏感だと思ってました」

と苦笑した

聞けば聞くほど、自分という人間が痛々しく感じた


「ちょっと本来の意味と違いますが、恋は盲目ってヤツですかね?それくらい戸田さんには彼氏さんしか見えてないんでしょうね……………
……………悔しいんでちょっと強がっていーですか?」

そう言うと中田さんはニッと笑顔を私に向けた


「……………はい…」

「彼氏さんより絶対俺のが戸田さんを幸せにできましたよ!」


「……………?…」

「ヒントあげます…。彼氏さんに了解を得て今日来たと言ってましたよね?」

「……………はい…」












「俺なら絶対に行かせない……………」

No.211 13/03/02 22:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 210 何にも言葉が出てこない
中田さんが誠実過ぎて、まっすぐすぎて
言葉にならない


私は本当にダメ過ぎた

勇気を振り絞って言ってくれたのに


沈黙を再び破ってくれたのは中田さんだった

私は再び衝撃をうける

「あ――、やっぱり困らせちゃいましたね

わかっててホント勝手ですみません…

でも気にしないで下さい
オレ、来週で辞めるんスよ。

もともとの予定です。
だからもし付き合えても、今の彼氏さんより遠距離になっちゃうし、だから色々ダメだってわかってたんで遅番移れてからは正直助かりました」

そーいえば、中田さんも短期契約だった

パイロットの資格を取る学校がどのようなものなのか知らないけど

そういう学校があるのは知ってたが、あるのは隣県でなぜ一時的に地元でもないここに来ていたのか、
それからどこかは忘れてしまったけど、今度は四国だったかな…兎に角ずっと遠くの方へ行くと教えてくれた

どこまでも私に気を遣わせない様な言葉を掛けてくれる中田さんの心配りが今思い出しても辛い

「……………私の事、好きになって下さってありがとうございます…………」

やっと言葉にできたものは、こんな陳腐なものだった

だけどこんな素敵な人に好きになって貰えて有難すぎた私なりの精一杯の言葉だった

「いえいえ、てか本当に少しも気が付かなかったんですか?!」

コクリと頷くしかできない自分が本当にバカみたいだった

No.210 13/03/02 19:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 209
「美味しい……………」

私は一口食べるとそう呟いた
本格的とか本物とかいうのはこういう事を意味するのか


ハンバーグをマジマジ見つめた

「でしょ?!マジ旨いんスよ!!」

中田さんは嬉しそうに食いつき気味で私の表情を見ながら言った

「ハイ!!マジ旨いっす!!」

中田さんは他にも色々頼んでくれていたようで
サラダやフライなどのサイドメニューが他にもテーブルに並べられていた

ハンバーグは絶品だが、サイドメニューもどれこれも美味しかった

美味しいものを食べて沢山談笑した

何故閉め作業の号令でミニモニジャンケンぴょんが流れるのかと聞いたら
パート社員の○○さんの趣味ッスよ(笑)

と、ちょっとした裏話も聞けて

とても楽しい時間を過ごした


帰り道

「戸田さん……………」

先程までとは違う改まった口調に

私は返事をしながら中田さんの横顔をチラリと見る

まっすぐ前を見つめ真面目な表情で運転したまま

「オレ、戸田さんの事好きなんス…最初に一緒に入った日から…」

驚きのあまり言葉が出なった…


今まで全く気付かなかった…


「だけど、さっき来る途中…彼氏さんの話聞いてたら戸田さんは彼氏さんの事、本当に好きなんだなって…少しも俺が入れる余地はないってのがわかったんで、もう諦めました(笑)
…だけど元々今日告るつもりで来てたんで、もぅ伝えんのも困らせるだけだって思ったけど、言わせてもらいました。すみません」

No.209 13/03/02 17:37
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 208 中田さんが連れてってくれた場所はハンバーグ専門店だった

内装がとてもオシャレで入った瞬間、感動した

ハンバーグ大好きだったけど、外で食べる時はよくあるチェーン店やファミレス位だった


「素敵なお店ですね…」

席に通され座っても、店内をキョロキョロ見回してしまう

「良かった、気に入ってくれたようで。ここのハンバーグマジ旨いんスよ…って戸田さんそれじゃメニュー所じゃないッスね(笑)」

「あ!すみません!」

「いーですよ(笑)好きなだけ見てて下さい、じゃあ俺のオススメのヤツでいーッスか?飲み物どーします?
俺は運転あるんでソフトドリンクにしますけど、酒もあるんで戸田さん好きなの飲んでください」

勿論法律的にはダメだったが
当時まださほど現在の様に飲酒運転が厳しく無かったので
美也子たちと飲みに行く時は誰の車でも皆飲んでいたので、内心驚いていた

おそらく、警察官でもプライベートではやってただろう
その位誰でもやっていたであろう時代

マジメだな

もしかしてお酒苦手なのかな?

でも本当は飲みたいのに運転の為にガマンしてるなら、私だけ飲んだら可哀想だな…

どちらかわからないけどアイスコーヒーにした

「え?!戸田さん、お酒飲まないんスか?遠慮しないでホント好きなの飲んで下さい」

逆に中田さんが何故飲まないのか聞きたいくらい不思議だったが、結局そのままアイスコーヒーをお願いした



今思えば、パイロットになる為の中田さんの心得だったのかなと思う

後日、彼は相当お酒が強い事が判明したから

No.208 13/03/02 16:31
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 207 初めて中田さんと外で会った

そのせいか、いつも通りの中田さんなのにちょっと緊張した


しかし中田さんの車に乗ってみるとすぐにその緊張は解けた

確かロードスターとかいう車でとても小さく
外見通りツーシートで中も狭い


その手の車に乗りなれていない私はちょっと苦労した

今はどうなのか知らないがシートも座りにくかった

「狭い車でしょ(笑)」

中田さんの優しい気遣いにも、そんなこと無いですよなんて言えなかった

「初めて乗るタイプの車なんでびっくりしてます(笑)」


中田さんは大笑いした

「戸田さんって正直者ですね
確かに女性を隣に乗せるタイプの車ではないでんすよ」

助手席から見る世界も
今まで乗ってきた車とは全然違った

とても面白かった


その車で中田さんは
峠をよく一人で走っているそうだ

兎に角運転が好きらしい事がよくわかった

「大丈夫です。今日は珍しく女性を乗せているので安全運転で行きますよ
あ、女性じゃなくても人を乗せる時は慎重に運転してます。一応、これでもパイロット目指してるんで、そこは信用して下さい」


仕事の時と同じ中田さんは本当に誠実な人だと感じた

「彼氏さん、本当に大丈夫だったんですか?正直そーゆー男性珍しいと思います」


「大丈夫でしたよ。ちゃんと言ってきました。彼にも同期で仲良い女の子がいるので、理解してくれてます」





「…信用されてるんですね」

「信用してくれてるのもあると思いますが、自信があるのかもしれませんね…私が好きなのよく知ってると思うから」

「…じゃなくて、戸田さんが彼氏さんの事を……………あ、なんつーか、そーゆー信頼しあえる関係って素敵ですよね。羨ましいな、俺も戸田さんの彼氏みたいに器のデカイ男になりたいッスね」

No.207 13/03/02 14:12
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 206 夜、歩との電話で
その事を伝えた



いいよ、行っておいで



いつも通りの優しい口調

予想通りの答えだった
やはり歩にも同じく同期に仲の良い異性がいるからか少しも躊躇していなかった


私は
歩が私の事を信じてくれてる事が嬉しかった

お互いその様な信頼関係を持て、何でも話せる、話してくれる事が嬉しかった




それから東京の時のバイトの仲間たちのお陰で

男女の友情は成立する事を実感出来た事で、私は異性という枠だけでなく

人として見るフィルターを身に付けた事に自分の成長を実感した

だから、あれだけ嫉妬深かった私が


歩とマナミちゃんに対して疑う事が無かった様に


それを素敵な事だと











思っていた

No.206 13/03/02 05:50
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 205 休みが明けた翌日

遅番リーダーの中学の同級生であるバンドマンの
彼から

「戸田~!昨日ケンがお前の事褒めてたぞ
早番も頑張ってんだなって」

因みに彼の名は尚さん

尚さんの言っているケンさんというのは
それまで私が最も苦手としていながらも、昨日褒めてくれた遅番リーダー

ケンさんって呼ぶのは尚さんだけで

私や他の人は苗字の方の坂本さんと言っていた

他の早番の皆も、一昨日はおつかれ様
大丈夫だった?や
ゴメンネなど

と心配や労いの言葉を頂けてもらえて
ホントにいい職場だなって思えた

中田さんが出勤した時、代わってくれてありがとうございましたと言ってくれた

まだ中田さんが早番の時、同期ながらもいつも助けてくれてたので
その中田さんへの恩をほんの少しだけ返せた気 がして嬉しかった

まだ本調子じゃなさそうだったけど、中田さんの笑顔に安心した

お礼に今度ご飯奢らせて下さいと言われたが

お世話になっていたのでお礼してもらえるほどの事ではないし、逆に申し訳ない

その様に伝えたが

あの日本当に助かったのでとしきりに言ってくれるので
中田さんの気が済まないのかなと思い

では彼氏に了解取れたらという事になった

中田さんも元早番なので、私に彼氏がいる事は知っていた

No.205 13/03/02 04:55
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

携帯にいつもどおり歩から着信があった

じかんが既に2時とか3時だったから

折り返さず

出れなかった理由とおやすみメールをした

歩の声が聞けなかったのは残念だったけど

達成感と疲れで気持ちよく眠れた


翌日休み、夜、歩の声が一日ぶりに聞けて

昨日嬉しかった話を聞いて貰った

歩の声が聞けるのがこんなに嬉しいなんて

1日空いた分嬉しくて仕方なかった

歩は疲れと明日早いから早く切ったけど

聞いてくれる人
聞いて欲しい人がいるって幸せだなって思った

No.204 13/03/02 04:29
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 203 もともと煩い程音楽が掛かっている職場だったが

突如ミニモニジャンポンが掛かると

スタッフがフロントにぞろぞろと集まりだした

リーダーに
「戸田!ジャンケンするからお前もこい」

訳わからず、皆とジャンケンした

何が勝ちで何が負けかわからないが
どーやら閉め作業の分担を決めるものらしい

ジャンケンした後にリーダーから

「取りあえず、流しにある食器洗っとけ
でコイツが全フロアーの灰皿回収してくるからそれも全部洗え」

言われたままにやった

途中から蛍の光が流れてきた

時間など気にして無かったけどやっと終われると
この時やっと安堵した

終礼
リーダーが最後に

「今日は中田が休みになって急きょ、早番の戸田が通しでやってってくれたけど、早番もやって疲れてる中、戸田が一番頑張ってたと思う。
戸田、今日はありがとう。本当におつかれ様でした」

遅番リーダーに初めて褒められた

苦手意識一杯だった方々から拍手を貰った

嬉しくて泣きそうになった

No.203 13/03/02 03:44
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 202 兎に角必死だった

中田さんの代わりになれる訳ないし
そこは遅番さんも期待してないとはわかっているが

不本意でも入ってしまった以上、最低限他の人の足は引っ張りたくない

自分が入った事で更に余計な仕事が増えたと思われたくない

せめて猫の手位にはなりたい

バカにされてる早番の名誉も掛かっているプレッシャー

普段挨拶しかした事ない、苦手意識を持った人ばかりの中に放り出された私

萎縮や緊張を
動く事で払拭するしかなかった
それがその時の私の逃げ道でもあった

遅番の人と並べる訳がない
技術もキャリアもない
遅番は愚か早番ですら一番の下っ端なのだから

誰でも出来る初歩的で基本的な仕事を兎に角一心不乱に片付けていった

大きな予約客が無事捌けた後も

安心など出来なかった

やはり早番とは違い、一般客も途切れる事がない

結局忙しい

ペースを崩さずやり続けた

休憩時間どのように過ごしたか記憶に無い

休憩時間も緊張感を途切れさせては行けないと思ったと思う

そもそも苦手意識を持った人達と休憩だからと息抜きできる程器用でもない

食事もまともに喉を通らず、やたらタバコ吸ってたと思う

遅番さんの悪いイメージしか書いてないけど

数少ない女性スタッフさんはみんな通常時も笑顔で挨拶してくれてた

残念ながら担当が違う為、同じ所にはいない事から癒される事も無かった

でも癒されてたら甘えが出て、あんなに頑張れなかったかもしれない

No.202 13/03/02 01:37
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

ある日中田さんが体調を壊したらしく急きょ休みになった

その日遅番はギリギリの人数で、大きな予約も入っていた

交代時、遅番のリーダーの人が

「おい、早番で誰か残れるヤツいる?」

って聞いてきた

私はこの人が一番苦手だった
仕事は凄く出来るけど、偉そうにしてるし、言ってる事は全て正しいけど
早番に対して明らかにバカにしたような傲慢な態度

よく男性バイトを怒ってて
怒鳴るとかじゃないんだけど、雰囲気が怖い、目付きが怖い

引き継ぎ時私も自分が担当した所でミスをした事があって
私が本当に悪いんだけど一回怒られたのが凄く怖かった

この問いに
この人と唯一まともに話せる男の人が

オレ、これからバンドの練習だから無理だわ

って答えた

この男の人は元遅番だし、仕事もできる
遅番リーダーと同じ中学の同級生で呼び捨てでお互い呼びあってた

私が叱られてた時も、
お前そんなにイジメて、コイツが好きなの?
コイツ彼氏いるよ(笑)

って茶化す形で助けてくれた

彼はバンド中心にする事で元々遅番から早番に移ったらしく、

でも彼は私たち早番をバカにするような発言や態度は一度もなく、誰に対しても遅番同様平等に接していた

他、早番スタッフは皆下をむく

遅番チームリーダーが

「明日休みのヤツ誰?」


本当に最悪、私翌日休みだった

小さく手を挙げる

「お前、残れ」

逆らえないし、怖くて言い訳や嘘を付く余裕など無かった

No.201 13/03/02 00:43
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

私にもバイトだけど同期がいた

1日違いで入ってきた

歳は一個上だったけど学生でパイロットの卵だった

歩とマナミちゃんみたいに個人的に仲良くはしていなかったけど

職場では仲良かったので

だから歩がマナミちゃんと仲良くなったのも自然と理解出来ていたのかもしれない

その人は中田さんといって
同期といえどとても仕事が出来てあっという間にどんどん私を追い越し先に進んでいった

同期なのに優しく仕事のフォローしてくれた

確か私と同じ様に短期希望だった
丁度一ヶ月位して早番から遅番に変わった

元々遅番希望だったのか、学校の都合なのか、遅番に引き抜かれたのかは忘れたけど

バイト先は社員もバイトも早番と遅番の二交代制で

遅番は深夜まで働くので高時給だったし
同じ仕事内容でも忙しさも全然違っていて
時給の格差はうなずけた

皆仕事が出来る人だった

私は免許も車も持っていなかったので自転車で通うしかなく帰りを考えると抵抗を感じたので
最初から早番希望だったけど

遅番だったらとっくに辞めていたと思うほど
遅番は大変な混みようだと売り上げ見ても需要的に見ても感じたし

早番のヤツは仕事が出来ないって遅番の人たちからバカにされてるのを誰かから聞いていて

早番の人はそれをみんな知っていたから

交代時は早番も遅番もやってた人以外、遅番さんにほとんどの早番スタッフ、特にバイトは萎縮していた

私もだからなんか怖かった

だけど中田さんは仕事が出来たから、遅番に移ってからもすぐに受入れられたみたいで

改めて中田さん凄いなって思った

No.200 13/03/01 23:49
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 199 電話は毎日だったけど、お互い疲れていたり次の日の事も考えたり
自然と時間は少なくなっていった

声が聞けたらそれでいい

お互いを気遣えるようになったのだと思っていた

信頼関係が築けているのだと思っていた

歩は卒業した

歩から、要さんも結局近くに引っ越してきて
また歩と近い他の美容室で働いる事を聞かされ

男同士でもこんなに仲がいいんだって微笑ましく感じていた

歩の働く美容室に
学校は違えど歩と同じくして卒業して入ってきた女の子がいたらしく
同期なので仲良くなり、家も近所の為一緒に帰ったり、要さんを交えご飯を食べたりしているようだった

その子は私と同じ歳だった

名前はマナミちゃん

どうやら要さんは、マナミちゃんを好きらしいと歩が言っていた

要に幸せになって欲しいから出来ればうまくいって欲しいと

異性と仲良くなっても
それを、ちゃんと私に言ってくれる事で歩の誠実さを感じていた

大切な友達である要さんを思う気持ちにもあったかくなった

帰ってきたら四人で飯行こうなって言ってくれてる歩

私と同じ歳だし私もマナミちゃんと仲良くなりたいなって思った

要さんの恋が叶えばいいなって私も陰ながら応援していた

No.199 13/03/01 23:12
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

歩は引越しを終えると
学校へ行きながら見習いとして就職先に決まっていた美容室で働いていた

毎日夜遅くなってしまうけど電話を必ずくれた

歩も新しい環境で忙しいなかでも充実しているようだった

学校でたまに講師として来ていた時に歩を拾ってくれたオーナーの人柄とか、他のスタッフさんの事とか話してくれた

私も同じで、美也子たちと遊んだ事とか、サヤカの子供の事とかバイト先での出来事とか
たわいもない話していた

毎日電話をくれる事が凄く嬉しかった
離れていてもおもってくれてる事に安心できたし

毎日身体を刺激される事に怯える事もなく
純粋に楽しめた

距離感で愛されてる事に益々自信が持て

性癖から生じていた葛藤もなくなり


歩は疲れていたからか以前の様に帰省している時にまで電話でそれを要求する事も無くなっていた

私の苦痛は無くなり
歩を好きな気持ちだけが純粋に大きくなり


愛されてる喜び
愛する喜びに満たされていった

No.198 13/03/01 05:20
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 197 誰も読んでいないと思いますが
自レスにさせて頂きました

お叱りや励ましの言葉は有り難く受け止めました

いつか完結できたら再度お詫びさせて頂きます

No.197 13/03/01 04:51
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

実家に帰った私は
美也子とサヤカと、面識のあった美也子の高校時代の同級生のルミと瞳と

遊ぶようになった

懐かしかった、嬉しかった

サヤカは旦那のDVで離婚していた
嫌いだったあの子はデキ婚し、離婚しその後子供を親に預けたまま他の男と蒸発したと誰かから聞いた

二ヶ月でもOKな短期のバイトを始めた

バイトは楽しかった

歳の近い人がいっぱいいて、みんないい人で新しい交友関係も生まれた

充実していた

No.196 13/03/01 04:35
パンナ ( 30代 ♀ 3bHK )

ハンネ変えました

チャラでもカヤでもなんでもいーです

すみません

不快な思いをされた方今までお付き合い頂けた事感謝しますm(_ _)m

覚えて下さった方へ
皆様に何度も励まされながらも結局裏切る様な形で結局書く事をやめたので終わりを期待して下さってる方、どうか期待しないで下さい

思い出す為にわざわざ過去スレ、過去レス読み返す必要もありませんので、このスレはもう忘れてスルーしてください

現在記憶障害あります
時系列更におかしくなると思うので矛盾点多々あると思います

何度も裏切ったのでもう書かないと自分の中で決めたのに
また書く事をお許しください

――――――――――

好きだった

身体は限界だった

一緒に住んできた事で
ヤキモチで心配症の私も
歩は浮気しないと信頼関係も築けた

求められる安心感とは反比例し兎に角夜が怖かった

好きだけど毎晩体を求め続けられる事に最早限界だった

バイトも辞めるし
引越しを機に
歩に二ヶ月位帰りたいと話した

言い訳は忘れた

反対してくれた歩に更に安心し
初めて泣いてくれた歩に愛されてると思えた
二ヶ月後必ず帰ると約束した

親には少し都会に疲れただけ
彼氏とはうまく行ってるから安心して

勝手に出てって申し訳ないが二ヶ月だけ置いてくれと頼んだ

母は快く承諾してくれた

思春期沢山、反抗して迷惑掛けたのに
親の心遣いが嬉しかった

バイト仲間と泣きながらお別れした

それまでの残された時間、歩とのセックスは消化試合だったのか

セックスから離れられる安堵で、本来の歩を愛おしむ気持ちが蘇り心から受け入れてたかも覚えていない

No.195 12/05/02 21:17
小雪 ( 30代 ♀ 2WI8h )

>> 194 こんなに間があいてたら😒わかってますよ 失礼なのも。完結しない 小説 沢山あるし。主にも 事情あるだろうし 金💰もらうわけじゃないしね。楽しみに見ている人は 更新させたと思ってるんでしょうからスマナイとも思ってますよ⤵

No.194 12/05/02 08:40
門口 ( ku4vnb )

>> 193 失礼なコメントですね
読まなければいいのに
結論だけって(-_-;)
結末だけが知りたいんですか?

No.193 12/05/01 06:21
小雪 ( 30代 ♀ 2WI8h )

一年経ちましたね⤵結末だけ書いて終わらせばいいと思います😔

No.191 11/05/14 16:30
あ ( 20代 ♀ HSdCh )

>> 190 しつこい方ですね
人には人のペースというものがあります
そう何度も書き込まなくてもちゃらさんには伝わっていると思いますよ
ファンだから…って急かすのは違うのではないでしょうか

No.190 11/05/13 17:20
匿名 ( Muegi )

ちゃらさんどうお過しでしょうか⁉ 📝が止まっていますが、大変かと思いますが 最後まで📝 宜しくお願いします🙇

No.189 11/04/09 03:18
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 187 いつからか セックスの時 甘く淫らな声をあげながら 歩に気づかれないほどの薄目を明け 天井の一点を見つめるようになっていった … 歩が私の体に

もはや快楽ではなくなってしまったそれらを
与え無かった日は

確か

私が風邪で高熱を出した時と膀胱炎になってしまった時

歩がインフルエンザになった時くらいだったと記憶している


ある日転機が訪れた

歩の就職先が決まったのだ

歩の通う学校に
たまに臨時だか特別講師として来ていた

とある美容室のオーナーさんに拾って貰った歩は



そこへ就職先が決まるなり早々に


卒業を待たずして


その美容室の近くへと引っ越すと言ってきた


どうやら引っ越し先も
そのオーナーさんが知り合いの不動産屋さんを紹介してくれ

条件の良い部屋を幾つか見付けてくれたようで


歩の気に入った部屋が見付かったみたいだ


当時私たちが住んでた街からは
同じ東京と言えど

かなり離れていた



私はすっかり愛着を持った
バイト先のコンビニを辞めなければいけなくなった

No.188 11/04/05 18:07
匿名 ( Muegi )

ちゃらさんお久し振りに📝して頂いて有難うございました🙇又、📝が止まっていますが完結まで📝して頂けるのを楽しみにしています。ユックリで良いので📝して下さいね!ちゃらさんのファンより。

No.187 11/03/01 00:10
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 186 いつからか

セックスの時


甘く淫らな声をあげながら


歩に気づかれないほどの薄目を明け


天井の一点を見つめるようになっていった


濡れないのは
毎晩快楽を得ているからだと疑わない歩は

なおもローションを使い

私の身体を弄る


疲れた



本当に疲れた


愛しているのに
そんな事を考えてしまう自分に自己嫌悪を覚える

歩に気付かれていない事に安堵しながらも


益々エスカレートしてゆく要望に

私はいつからか

本当に夜が怖くなってしまっていた


歩が帰る前に寝てしまっていても
生理でも


そんな事

歩はお構いなしに


あらゆる物を使い

私の中を掻き回す

  • << 189 歩が私の体に もはや快楽ではなくなってしまったそれらを 与え無かった日は 確か 私が風邪で高熱を出した時と膀胱炎になってしまった時 歩がインフルエンザになった時くらいだったと記憶している ある日転機が訪れた 歩の就職先が決まったのだ 歩の通う学校に たまに臨時だか特別講師として来ていた とある美容室のオーナーさんに拾って貰った歩は そこへ就職先が決まるなり早々に 卒業を待たずして その美容室の近くへと引っ越すと言ってきた どうやら引っ越し先も そのオーナーさんが知り合いの不動産屋さんを紹介してくれ 条件の良い部屋を幾つか見付けてくれたようで 歩の気に入った部屋が見付かったみたいだ 当時私たちが住んでた街からは 同じ東京と言えど かなり離れていた 私はすっかり愛着を持った バイト先のコンビニを辞めなければいけなくなった

No.186 11/02/28 23:57
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 185 東京へ帰ると


歩はすぐに私の唇貪り
洋服を乱暴に剥ぎ取った


こんなにすぐ求めてくれる幸福感と


まだ始まっていない快楽に
相反して身体中に疲労感が駆け巡る


歩への気持ちと

身体の異変に気付かれまいと
自分自身を盛り上げるように

歩のペニスを一心不乱に貪り

甘い声を上げる


身体を開き


蜜を垂らす


いつもの生活に戻った



アダルトビデオ
淫らな本
ピンクのローターと
白いローター
人魚とイルカの形をしたバイブ

乳首には選択ばさみ

街中では遠隔操作され

ビデオショップのアダルトコーナーや


大人のおもちゃ屋に連れていき


まるで私が淫らな女だと
他人に見せつけるようだった


「みんなお前の事、スケベな女だって見てるよ…」


その都度そっと耳元で囁き


家に帰れば


私が見られて感じていたと

冷たい目付きと
鋭い言葉で


お尻が真っ赤になるほどスパンキングする


そしてアナルセックス


セックスや快楽への心は

日に日に
益々
無になっていった



普段の歩が優し過ぎて


愛する事を

止める事は

出来なかった

No.185 11/02/28 23:22
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 184 二次会には欠席した

アルコールと得体の知れない何かに支配され
フラフラ状態の私に



唯一救われた気持ちは

サヤカへの祝福への気持ちと


例え切なくとも
リョウと香織への祝福の気持ちだった


それは今思い出しても
私の本当に純粋な気持ちだった



その夜

まだアルコールの抜けない頭に


携帯の着信コールが私の目を覚ました



歩からだった


「毎日俺にイカされてたんだから、身体が疼くだろ」



「…うん…」


快楽から解放されたかった気持ちとは
裏腹に口から出てしまう自分の言葉


深夜音楽を掛け

寝静まった家族を起こさぬよう

気付かれぬよう


声を殺して


歩とテレフォンセックスをした


歩の命令通り

なかなか反応してくれない自分の身体を必死に弄り


吐息だけで応答した



電話の向こうの歩は
楽しそうで
満足気だった

No.184 11/02/28 23:04
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 174 なんと香織は 自ら私とリョウを二人きりにしてくれたのだった 驚きと困惑に 見送った香織の背中が扉の向こうに消えてからも その背中をいつ… 「…今…
……幸せなのか?」

「…幸せだよ」


私は躊躇せず
満面の笑みをリョウへ向け
答えた



夢にすら見た事もなかった
愛する歩と毎日一緒にいられるのだ


毎日身体を重ねているのだ

幸せでないはずがない


笑顔の後で


幸せなはずの自分を
とても切なく感じた

No.183 11/02/09 09:13
のこ ( 30代 ♀ 3wyL )

ちゃらさん、ずっと読んできました🎵

もう 書いて下さらないのでしょうか…❓

最後のちゃらさんのレスから4ヶ月ぐらい経ちますよね…😩

とっても最後を楽しみにしていました。

ちゃらさんも ここまで頑張って書いてこられたのに、勿体ないです💧何か 事情があるなら致し方ないですが、もし続けられない事情があったら一言でもいいので、レス下さいますか❓きっと皆さん 理解してくれると思います😃


ちゃらさん、お願いします🙇

一言だけでも、レス下さい🙇

No.182 11/01/23 14:34
匿名 ( ♀ Muegi )

ちゃらさんどうしていっらしゃるのでしょうか?お元気で有ればほんの少しずつでいいですから📝して下さい。小説をたのしみにしている多くのファンの方達の為に宜しくお願いします🙇 ちゃらさんのファンより🌈

No.181 10/11/03 22:15
永ちゃん ( rJDMh )

完結の前に燃え尽きた…のかな😊ちゃらさん、元気で幸せに暮らしていてくださいね✨✨✨

No.180 10/10/18 21:50
ツバサ ( EZX5h )

二ヶ月以上音沙汰無しというのは放置ですか❓
完結しないのでしょうか❓
更新を楽しみにしている
ちゃらさんのファンより

No.179 10/10/03 23:25
小雪 ( 6I2Kh )

>> 178 でも待ちくたびれたよ~😞

でも待っちゃうんだけど😆

まさか投禁⁉

No.178 10/10/03 18:42
ピロ ( xk2Oh )

>> 177 待つ事知らないんですか?

No.177 10/10/03 16:50
匿名 ( ♀ Muegi )

こんにちは😊 ちゃらさん長い間更新しておりませんがどうなされているのでしょうか⁉ 小説を書くのは大変だと思いますがとても楽しみにしてますし生き甲斐でも有りますからほんの少しずつで良いので更新宜しくお願いします🙇 ちゃらさんのファンより🍀

No.176 10/09/13 15:39
匿名 ( 40代 ♀ DNt1nb )

ちゃらさん、初めまして。

私は昨晩このスレを見付け、パート1から一気に読みあげ睡眠一時間

素晴らしい文才ですね。

とても感動をし涙が溢れました。

私とちゃらさんはどこか重なります。

でも、ちゃらさんは私より数百倍強い昀

今は幸せなのかな?坥

更新、無理をしないでちゃらさんのペースでお願いします。

またお逢い出来る日を楽しみに…。

私も日々頑張りますね~

No.174 10/09/02 01:33
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 171 「香織!!」 その声に 私たち2人は一斉に声の方へと顔を向けた リョウだった その表情は驚きと困惑で強張っていた 無理もない… なんと香織は
自ら私とリョウを二人きりにしてくれたのだった


驚きと困惑に
見送った香織の背中が扉の向こうに消えてからも

その背中をいつまでも追うように

私は一点を見つめ、しばらく立ち尽くしていた

「…久し振りだな…」

リョウが私の前にきてタバコをくわえる

「うん…久し振りだね
リョウ、元気そうだね…
それに幸せそう」


私も釣られたようにタバコに火を付けた

私は約一年振りの再会に緊張をしていた
そしてリョウも
きっと同じだったと思う

「東京はどう?
もう慣れた?

あ…

留守電…返さなくて悪かったな…」


首を横に振りながら
「だいぶ慣れたよ」

懐かしいリョウの声と
ぎこちない会話


だけど相変わらずリョウの眼差しは暖かく私を包み込んだ


タバコ一本をゆっくり吸いながら過ごした束の間の時間

すぐ目の前にいるリョウに


もう触れる事は出来ない

  • << 184 「…今… ……幸せなのか?」 「…幸せだよ」 私は躊躇せず 満面の笑みをリョウへ向け 答えた 夢にすら見た事もなかった 愛する歩と毎日一緒にいられるのだ 毎日身体を重ねているのだ 幸せでないはずがない 笑顔の後で 幸せなはずの自分を とても切なく感じた

No.173 10/08/26 00:05
カナ ( ♀ E0l6h )

🌱ちゃら様🌱

毎日お疲れ様です😁
夏バテしてませんか❓毎日暑いですね😥

もし、ちゃら様にお子様が居るなら今は夏休みだから忙しいですよね😠
私には小学生の子が居るので毎回バタバタしてて夏休み後半から疲れてきました💧

これからも【カヤの依存】を楽しみに待ってます😉

更新はユックリでいいですよ😁
時間がある時にお願いします🎵
私は楽しみに待ってます💖

No.172 10/08/12 18:25
匿名 ( ♀ Muegi )

ちゃらさん更新はしないのでしょうか⁉毎日暑い日が続いていますから大変ですよね😥 ほんの少しずつで良いですから更新宜しくお願いします🙇

No.171 10/08/03 22:51
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 170 「香織!!」


その声に

私たち2人は一斉に声の方へと顔を向けた


リョウだった

その表情は驚きと困惑で強張っていた


無理もない

私たちが一緒にいる事

しかも私は目を腫らして泣いているのだ

リョウから見れば
とてつもなく不自然な光景だったに違いない


しかし香織は
何でもないように
落ち着きを払い
ごく自然な口調で言った

「今ね、こちらのお嬢さんといいお式ねって話していたところ

ミツルくんのお嫁さんのお友達でね

とても友達思いで
感動して泣いてらしたのよね」


香織はリョウに背を向け、こっそり私に
まるで無邪気な子供のように
イタズラな笑みを向け、ウインクをした

そんな余裕を浮かべる香織とは対称的に
私はドキドキしながら大きく頷くのが精一杯だった


「リョウちゃん、ちょっと飲み過ぎみたいだから
ここでちょっと一服して酔いさましていきなさいよ

私は先に戻ってるね」


そう言って香織は

再び私の方を向き
会釈をする素振りに、笑顔のまま小さく口を動かした






「ありがとう」

  • << 174 なんと香織は 自ら私とリョウを二人きりにしてくれたのだった 驚きと困惑に 見送った香織の背中が扉の向こうに消えてからも その背中をいつまでも追うように 私は一点を見つめ、しばらく立ち尽くしていた 「…久し振りだな…」 リョウが私の前にきてタバコをくわえる 「うん…久し振りだね リョウ、元気そうだね… それに幸せそう」 私も釣られたようにタバコに火を付けた 私は約一年振りの再会に緊張をしていた そしてリョウも きっと同じだったと思う 「東京はどう? もう慣れた? あ… 留守電…返さなくて悪かったな…」 首を横に振りながら 「だいぶ慣れたよ」 懐かしいリョウの声と ぎこちない会話 だけど相変わらずリョウの眼差しは暖かく私を包み込んだ タバコ一本をゆっくり吸いながら過ごした束の間の時間 すぐ目の前にいるリョウに もう触れる事は出来ない

No.170 10/08/03 22:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 169 「ありがとう…」

香織の柔らかく優しい言葉に


私は彼女のお腹に手を当てたまま
自分が泣いている事に気が付いた


リョウが自分を好きになってくれていた事に

香織の優しさや心遣いに

そして2人の間に宿った命に



私はあの時の
リョウと離れるという選択が

間違いでは無かった事に
心の底から安堵した
しかしそれは

私の選択ではなく


2人の運命によってもたらされた結果だったのだと悟った


あの時の私にとっても
リョウの存在はとても大きく


歩への気持ちを埋めていたはずが

いつの間にか
リョウをも好きになっていた


離れたのは
香織への罪悪感ではなく

本当は
香織を愛するリョウの気持ちから

逃げ出したかっただけなのだ


あの時本当に
リョウが私の東京行きを引き止めていたら

私はどうしていたのだろう


だけど
やっぱりそれ自他が有り得ないのだ


全てはなるべくしてなったのだと


やはりそれが


揺るぎない2人の運命なのだから…

No.169 10/08/03 21:36
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 166 しかしその時 香織は、元旦那にではなく結婚生活に執着していたのだと気が付いた 仕事も家柄もルックスも 自分の描いていた結婚相手として 元… リョウの存在の大きさに気が付いた香織は
この時生まれて初めてプライドを捨て

男に…リョウに…
泣いて縋ったのだと言い笑った


浮気相手に本気になっていた旦那とは
何の障害もなく離婚が成立し

それから間もなく妊娠が発覚した

香織の大きなお腹をみつめる私に

香織はふふっと笑い

「心配ないわ
間違いなくリョウちゃんの子よ」


私はそんなつもりじゃなかったが

香織の言葉になんだかとても動揺してしまい
きっとあわあわと酷くマヌケだったと思う

その様子に香織は吹き出し

私も釣られて
一緒になって笑った

「お腹…触らせて貰ってもいいですか?」


香織は快く承諾してくれ

私は目の前の大きなお腹に手を延ばし、そっと触れた

No.168 10/07/31 02:03
匿ちゃん ( b6ZM )

夏バテされてませんか❓頑張ってくださいね☺ゆっくり待ってます✨

No.167 10/07/19 17:38
匿名 ( ♀ Muegi )

ちゃらさん レスが 無いのでどうしているのか 私の生き甲斐は ちゃらさんの 小説を読む事が楽しみにしているので 更新待っています😊

No.166 10/07/10 12:18
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 165 しかしその時
香織は、元旦那にではなく結婚生活に執着していたのだと気が付いた


仕事も家柄もルックスも
自分の描いていた結婚相手として
元旦那は完璧だったそうだ


元旦那が浮気をしてる事に気が付いた時も


自分より五つも年上で地味な女相手に

まさか自分が浮気されて離婚するなんて

プライドが許せ無かった

夢に描いていた結婚生活を手放すなんて考えられなかった


そんな現実から
いつでも変わらず自分を愛してくれたリョウで
女としての自信とバランスを取っていたのだと

正直にそう話してくれた香織は
少し恥ずかしそうに呟いた

「本当に…嫌な女だったわ…」


私は自分に向けられている
香織の誠意に胸が張り裂けそうになっていた

だってあの時見た彼女は
よく知らない私から見てもボロボロで


そのプライドと折り合いを付ける為に

どれだけ苦しい思いをしてきたのか


見ず知らずの私に
自分の闇を口にするのもまた

どれだけのプライドと勇気がいる事だろう

  • << 169 リョウの存在の大きさに気が付いた香織は この時生まれて初めてプライドを捨て 男に…リョウに… 泣いて縋ったのだと言い笑った 浮気相手に本気になっていた旦那とは 何の障害もなく離婚が成立し それから間もなく妊娠が発覚した 香織の大きなお腹をみつめる私に 香織はふふっと笑い 「心配ないわ 間違いなくリョウちゃんの子よ」 私はそんなつもりじゃなかったが 香織の言葉になんだかとても動揺してしまい きっとあわあわと酷くマヌケだったと思う その様子に香織は吹き出し 私も釣られて 一緒になって笑った 「お腹…触らせて貰ってもいいですか?」 香織は快く承諾してくれ 私は目の前の大きなお腹に手を延ばし、そっと触れた

No.165 10/07/06 23:22
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 164 「あの時は本当に焦ったわ

リョウちゃんの気持ちをずっと知っていたし…


カヤちゃんとの関係に気付く所か

まさか自分がフラれるなんて思ってもいなかったわ…


まさかリョウちゃんが、私以外の人を本気で好きになるなんて…


リョウちゃんってね、昔から割とモテたのよ

私が誰かと付き合うと、ヤケになって
告白してきた他の子と付き合うんだけどね

私が別れると
決まってリョウちゃんもすぐにその子たちと別れてきちゃってね…

だから私も
随分と女の子たちに嫌われてきちゃってね…

でも私も、どこかで優越感に浸っていたんだと思う…

リョウちゃんの気持ちに対して
絶対の自信があったし

きっとあぐらをかいていたのよね

だからその気持ちに漬け込んで

前の旦那とうまくいかなくなった時

その寂しさを埋める為、リョウちゃんを利用しているつもりだった…」

No.164 10/07/06 23:17
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 163 「あなたの…
ねぇ、カヤちゃんって呼ばせて貰ってもいいかな?」


「は…はい!」

現に私は
少しもそれを嫌だと感じなかった


「カヤちゃんのお陰でね…
私、ようやく目が覚めたわ……」


ある日突然
リョウは香織に
この関係を終わりにしたいと告げたという

香織が理由を聞くと
好きな奴ができた
そいつが東京へ行く前に気持ちを打ち明け
出来れば引き止めたい

リョウはそう言ったのだという


私はリョウの携帯に入れた留守番電話を思い出していた

No.163 10/07/06 22:21
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 162 予期せぬ唐突の出来事に

私はどんな顔をしていたのだろう


表情を取り繕う余裕などある訳もない

そんな私に
香織はもう一度
ニッコリと優しい笑みを向け


「あなた、東京の【カヤ】さんでしょう?」


私の名を口にした



大きいお腹を目の前にすると

不思議と今度は冷静になり

私は慌てて煙草の火を揉み消した

「はい…」

「やっぱり!
さっきあなたが挨拶した時
名前聞いてピンときたの!

ちょっと珍しい名前だったから絶対そうだって思ったの!」

香織は嬉しそうにそう言った


「ごめんなさいね
あなたの名前…
私、リョウちゃんに無理やり聞き出した事があってね…

あなたは私の事わかるかな?」


真摯な眼差しと優しい口調
柔らかい物腰の
女神のような彼女に

嘘をつく事なんて出来無かった


「…香織さん…ですよね…」


私も真っ直ぐ
彼女の瞳を見て返すと


彼女は頷いた


「私…あなたにとても感謝しているの…」

近くで見る香織は

より美しいかった


突然の香織の告白を前にしているというのに


それでも
見とれてしまうほどだった

No.162 10/07/06 21:30
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 161 披露宴

のっけから私は飲みまくった

すぐに回ってきてしまう出番に

緊張と動揺を打ち消すように
一気に出来るだけ流し込んだ



酒が弱い私は
名前を呼ばれる頃にはすっかり酔い

お陰で勢いと開き直りを得て、
堂々と前に出て役目を終えたのだった


しかし、それから一度も

リョウたちが座るテーブルを見る事が出来なかった



披露宴も終盤に差し掛かかり

トイレへ行った私は用を済ませると

煙草を吸いながら、一人ロビーでソファーに座り


先ほどの
勢いと開き直りの代償と向き合っていた


すると前から香織が歩いてきた


きっとトイレに行くのだろう

香織は私の事など知らない


わかっていても


私を苦しめていた
その酔いさえも吹き飛びそうなほどの緊張が
一気に体中を駆け巡った


「こんにちは」



横を通り過ぎると思っていた香織が


私の目の前で止まり

私に声を掛けてきた

No.161 10/07/06 20:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 160 結婚式

せっかくのサヤカの晴れ舞台だというのに

頭の中はリョウと香織の事でいっぱいだったのだろう


きっと感動的だったであろうそれを
私はあまり良く覚えていない


動揺からか
身を隠すようにコソコソとしていたと思う


私は貰った披露宴の座席表を確認した


リョウの名前の隣には香織の名前があった



同じテーブルに
同じ苗字で並んでいた




頭の中が真っ白になるほど衝撃的だった


友人代表を務める私は

どの道
名前も姿も
あと数分で公になるというのに


それまでずっとコソコソとしていた

No.160 10/07/06 20:12
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 159 しかしあの日偶然目撃してしまった

痩せ細り、頬はこけ、虚ろな目をした姿ではなく


線は細いが、女性らしい肉付きに

顔も少しふっくらとし
透明感のある白さの奥から仄かに桜色が浮かび
艶がある


心身共に健康そうで
更に美しさに磨きが掛かり

以前の物悲しい雰囲気は見受けられず

自信に満ち満ちとし
しかしその柔らかい表情や物腰に嫌みは感じられないほどだった



私が何より驚いたのが


香織のお腹が大きかった事だった



私の鼓動は更に早くなっていった

No.159 10/07/04 12:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 158 リョウはみつるの職場の先輩だ

呼ばれていてもおかしくないはずなのに

覚悟どころか
私は想像すらしていなかった



一年振りに見るリョウの姿から

慌てて目を逸らし
私は美也子の動揺をなだめた


しかし心臓は爆発しそうだった

もう一度
恐る恐るリョウに目を遣る

リョウは私に気付いていないようで


一年前と変わらない
優しい笑顔で誰かと話しているようだった


自然に視線はその相手に流れる


美しい女性


一度見たら忘れられないほどの
美しさと華やかさ、存在感を放っているその美しい女性は


リョウが長年愛し続けていた

香織だった

No.158 10/06/29 23:34
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 157 サヤカの披露宴で
私は友人代表のスピーチを頼まれていた

スピーチどころか
友達の結婚式や披露宴に出席する事すら初めてだった私は
前日からとても緊張していた


式場で美也子と合流し
何度か遊んだ事がある
サヤカの中学生時代の友人の懐かしい顔ぶれに会い

私は緊張を忘れ、夢中で会話を楽しんだ

やよいがその場に現れなかったのは

サヤカの友人の彼氏を寝取ってしまったからだと美也子から聞いていた

やよいもまた、若くして
その男の子供を身籠もり

それをきっかけに
サヤカとも美也子とも絶縁状態になってしまったのだという

やよいに対し
私は何の感情も湧かなかった



「カヤッ!
どうしよう!」

突然美也子が小声で囁く

その声はとても動揺していた


「…後ろッ!」

なおも小声で囁く美也子に

カヤはそっと後ろを振り返る


そこには美也子がかつて付き合っていた
シンの姿があった

みつるの友人として招かれたのであろう
元彼の姿に動揺する美也子の姿が可愛くて
思わず顔が綻びかけた次の瞬間


私は凍りついた


その目が映し出したもの


それは




リョウの姿だった

No.157 10/06/29 22:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 156 私が帰省する時には
毎回私の家族の為に
歩はみやげを持たせてくれた

特にお洒落が好きだった妹には
妹の好きなブランドの洋服を沢山買ってくれた

私の妹に対する償いの様な気持ちを

形にしてくれたのだった

歳の割に
悲しいくらい冷静な妹が
飛び上がるほど喜んでくれた姿に

私はそれ以上に嬉しい気持ちになった

手伝いなどした事もなく
感謝の言葉など口にした事も無かった私の変化に

両親も喜び、歩にとても感謝していた


家族とこんなに良い関係になれたのは

間違いなく歩のおかげだ


私を変えてくれた歩の存在に私は誇らしさを感じ


その優しさや誠実さに

セックスで、身体に多少疲れを感じたくらいでは

歩への気持ちが揺らぐはずなどあるわけが無かった


絶大な信頼を抱き

一年、毎日一緒だって
未だ
「好きだ」と言ってくれない歩を


好きにさせるどころか

好きになるばかりだった

No.156 10/06/29 00:04
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 155 ある日私は帰省する事になった


みつるの子供を再び身ごもった、サヤカの結婚式に呼ばれたのだった


その日まで待ち遠しかった

今度は絶対産むんだと

母になる決意と妻になるという幸せが溢れる文面の手紙で報告してくれた
サヤカのウエディング姿を見る事や


久し振りに美也子や、自分の家族に会える喜びの中で


歩との夜から解放される事にどこかで安堵したのかもしれない


求められる事が幸せだと思っていた

歩にいつでも応えられる自分でいたかった

私をもっと好きになって欲しかった


心ではいつも歩を追い求め





しかし身体は休息を求めていたのだと思う

No.155 10/06/28 01:37
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 127 東京に来てもうすぐ一年 帰省した時以外 その間一日たりともセックスをしない日は無かった 「最近濡れるのが遅くなったな…」 歩がそう… 秘部を濡らし欲情する私に喜び

それから歩は毎日

アダルトビデオをテーブルの上に置き、学校へ行った


毎日違う快楽を映し出す映像に、私も興奮したが


毎日となると
視覚による興奮も日に日に衰え、再び濡れにくくなり


歩はバイブやローターなどの玩具を私にあてがう様になった

血の通わない
冷たく無機質な振動を繰り返すそれに
意志とは関係なくあっという間にイカされる感覚


歩を愛している
それが私の全てだった

私の中で芽生えた小さな感情に

私は気付かない振りをし

強制的に導かれるまま
快楽に身を沈めた


歩は
喘ぎ
悶絶し
顔を歪める私を見るのがとても好きなようで

自身がイカなくとも
例えセックスすらしなくとも
毎日必ず私をイカさなければ気が済まないかのように


私に快楽を与え続けた


「私はあなたのオモチャです
今日も可愛がって下さい」


歩は毎日私にそう言わせると

見下した目に
しかし満足そうに口元には笑みを浮かべ

まだ濡れてもいない私の秘部に
ローションを塗り
バイブをねじ込む

No.154 10/06/28 00:43
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

皆様のお言葉に涙が出ます…

ただただ、「ありがとうございます」という言葉と
ご期待に添えるかわかりませんが
綴り上げる事だけが私にできる誠意だと感じております





ちゃら

No.153 10/06/27 20:46
umi ( ku4vnb )

>> 150 ただ、皆様それぞれがどんな意見をお持ちになっても 今まで「カヤの依存」を一度でも、一行でも読んでくださり、貴重なお時間を頂けた事を 心よ… 遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます!!

ちゃらさん、とても誠実な方ですね。
文章力もとてもあると思います。
私もかげながら応援しております。
無理せず更新してくださいね。
ぜひぜひ最後まで応援させてください!

No.152 10/06/27 16:32
応援者 ( IaDCh )

>> 150 ただ、皆様それぞれがどんな意見をお持ちになっても 今まで「カヤの依存」を一度でも、一行でも読んでくださり、貴重なお時間を頂けた事を 心よ… 心より応援しています。
大変ですが頑張って下さい✨

No.151 10/06/27 15:44
カナ ( 20代 ♀ E0l6h )

ちゃら様🌱

大丈夫ですよ😁
何も気にする事なんてないですよ💕

【カヤの依存】のファンは、みんな素晴らしいですね☺
少し荒れかけたけど、すぐに落ち着いたじゃないですか😁

みんな静かに、ちゃら様の更新を楽しみにしています☺

これからも、ちゃら様のペースで頑張って下さい💕

PS
ちゃら様の文書で読みにくいなど思った事などないですよ☝

No.150 10/06/27 13:34
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

ただ、皆様それぞれがどんな意見をお持ちになっても

今まで「カヤの依存」を一度でも、一行でも読んでくださり、貴重なお時間を頂けた事を

心より感謝しております


読んで下さった方、応援して下さった方ありがとうございます

どんな意味でも不快にさせてしまった皆様、本当にすみません



皆様
本当に本当にありがとうございました




ちゃら(カヤ)より皆様へ

感謝とお詫びを込めて…

  • << 152 心より応援しています。 大変ですが頑張って下さい✨
  • << 153 遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます!! ちゃらさん、とても誠実な方ですね。 文章力もとてもあると思います。 私もかげながら応援しております。 無理せず更新してくださいね。 ぜひぜひ最後まで応援させてください!

No.149 10/06/27 13:34
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

たった一度ではありますが、ドラッグの経験や
まだ書いていませんがとある経験は若気の至りではとても済まされない事だと思っていますので
振り返り、再び反省し、記すだけでは清算出来るはずもない事だとわかっておりますが

書き続けるうちに
読んで下さっている方がいる事に

責任のような気持ちが生まれ

いつの日か
書き終えた時に、私という未熟な人間の
未熟な人生に目を通して下さった事、応援して下さった事にお礼をするつもりで打ち明けようという気持ちに変わりました


相変わらず更新は遅いのですが

今日まで進めて参りました


一昨日、私は31になりました

予定より一年遅れてもまだ完結には至れておりません

編集力のない私ですが、足りない頭で要点だけを絞りもっと読みやすく簡潔に綴れるように努力しますが、なにぶん私の事ですので
結果また手探り状態になってしまい皆様をイライラさせてしまう事があるかもしれません


皆様の期待に応えられる物になるかという自信など
最初から持ち合わせておりませんので
これからも最後までお付き合い下さいなどとは言えませんが


続きます

No.148 10/06/27 13:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 147 未成年の喫煙、セックスやドラッグの描写は
事実に限りなく近い形で書く事で
カヤの【依存】体質を表現できると思いましたが

しかし同時に
読み手様に、多大な不快感を与えてしまった事に、何度も迷いが生まれました

それでも描写を変えずセックスにこだわったのは

それらが私の人生に大きく影響を与え
それなくしては、私の技量では表現できなかったからです

最近では同じような事を繰り返し書いてしまい、退屈だとは思いますが

歩の影響力をどのようにして描けばいいのか、私自身模索しておりました


私の人生ですので、本当にそれは退屈でつまらないものです
皆様を楽しませる為に脚色して変えたくとも

私にはそのような能力もありません

申し訳なく思っております


バカな私は書き始めた当初
これを30歳までに書き上げるつもりでした

それが出来ず、徐々に意欲が薄れ、記す事の意味もわからなくなり(もともと意味など無かったはずなのですが)
何度も放棄しそうになりましたが

皆様に励まされ

再び書き始めました


続きます

No.147 10/06/27 13:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

それは今までの人生の清算や自分への戒めなどの深い意味ではなく
単純に何かに記したかっただけの無責任なものでした


小心者の私は
ハンドルネームと主人公の名前を違え

語り手を
「私は」
ではなく
「カヤは」
と第三者的に書く事 と

時代背景を変える事
当時はまだ携帯電話があまり主流しておらず、ポケベルが流行り、PHSが出始めた頃でした


それを携帯電話に変える事で
当時の背景から私の人生だと悟られないようにしました

(なので本当は
私(カヤ)は前述した通りそれらを持っておらず
歩はポケベルとPHS両方を持っていて
PHSを携帯に変えた事で私にポケベルを与え、すぐ後に私自身がPHSを持った事になります)


しかし
序盤で何度か【私】と書いてしまったり
時代背景を変えた事で、(ユキからの間違いメールなど)色んな部分で何度かミスをしてしまったり非常に書きづらかったり

無理や矛盾が出てきたりで

後悔しました

この部分が構成した部分になります



続きます

No.146 10/06/27 13:25
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

皆様へ
削除されたレスを読めなかったのですが
他の残りのレスを拝見させて頂き、私なりに解釈致しました


ご批判下さった方も、擁護して下さった方も
そしてそっと静観して下さった方も

これまで「カヤの依存」に貴重なお時間を頂きまして本当にありがとうございます


以前、
もし書き終える事ができたら
最後に皆様にお話したい事もあります
と書きましたが


途中で閲覧を止めてしまう方もいらっしゃると思いますし、
これからその方々にお詫びをする機会が無くなってしまうと思いますので途中ではありますが

お話とお詫びをさせて頂こうと思います

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが
「カヤの依存」
は私の人生に
一部構成を加えたものであります

書き始めた当初
私は29歳で
目の前に迫る30歳という歳にとても節目の様な物を感じておりました
丁度そんな時、たまたま実家で思春期の頃日記変わりにしていた手帳を見付けました

振り返ってみて、私のちっぽけな人生を何かの形で記しておこうと、この場をお借りする事にしました


続きます

No.144 10/06/22 21:51
匿名 ( ♀ VLoLh )

>> 139 削除されたレス あなた…言葉遣いできてないですね。
主さんに対して すごく上から目線で言ってますよね。 【いいかげん…】とか やったら偉そうですね😅


皆様 あまりにも??と思ったもので 書き込んでしまい失礼しました。
主さんの更新を 楽しみにまちましょうね♪

No.143 10/06/22 15:38
匿名 ( ♀ Muegi )

ちゃらさんの小説の更新を毎日楽しみにしているのに前からの愛読者は陰ながらちゃらさんを応援していた方が多くいたのにガラが悪くなりました。ちゃらさんを見守って頂きたいです。ちゃらさん頑張って下さいね💪

No.142 10/06/22 11:56
匿名 ( 40代 ♀ o8EEh )

>> 141 ちゃらさんの小説が読みたいので、喧嘩ならよそでやって下さい💢
更新されたかと思ったら、またくだらないレスだし🔥

ちゃらさん、皆様失礼しました🙏
二度とレスしません🙇

No.140 10/06/22 10:34
まるまる☆ ( 30代 ♀ lTGqnb )

>> 139 ウザイは主さんに言ってるんじゃないのは、もちろん分かってると思いますよ😅
言葉遣いが悪いってことでしょ💧

自覚してって言葉も使い方間違ってますよ😅
この場合、自覚するのは言った本人ですよね。

言い方一つで、印象ってガラリと変わるので、今後の為にも気を付けて下さいね

主さん、皆さん、横レス本当にすみません😞

携帯小説に初めてはまりました✨ちゃらさんのペースで進んでください😌

No.138 10/06/22 09:06
匿ちゃん ( b6ZM )

>> 136 削除されたレス なら、みるな!お前の為に小説かいてるんじゃない。
感想スレたてようがたてまいが、
小説書こうが途中でやめようが、主さんの勝手。
読み手はただで読ませてもらってるんだからだまりなさい。

No.137 10/06/22 08:54
umi ( ku4vnb )

>> 136 「いいかげん、感想スレ作ってくれませんか?」
とか「正直ウザいです」とか。。

主さんに対して失礼な発言だと思います。

同じことを言うのでも「言い方」ってあると思います。

主さん、応援しています。
無理しないで下さいね。

No.135 10/06/22 07:45
シュガーれもん ( KlAGh )

一応削除されるのは覚悟して書きました。

主さん、頑張って下さいね。😃

No.134 10/06/22 01:30
黄色 ( ♀ Nc7Bh )

>> 133 同感。

No.133 10/06/22 00:54
杏子 ( typ8h )

>> 132 うっざ(笑)

いちいち小言いらないっしょ❓

No.131 10/06/21 19:14
♀178 ( BEKbi )

初めまして。

私も応援している一人です😆あんなレスする人は見ないでください


ちなみに削除されているのは、小説内容ではなく、変なレスだと思います。


楽しみにしています!頑張ってください😆

No.130 10/06/21 19:08
匿名 ( ♀ Muegi )

⬆に同感 私はちゃらさんの小説をとても楽しみにしているのに削除するなんて失礼です😣 削除するなら見ないで❗

No.127 10/06/19 18:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 126 東京に来てもうすぐ一年

帰省した時以外
その間一日たりともセックスをしない日は無かった


「最近濡れるのが遅くなったな…」


歩がそう呟いた翌日

バイトから帰宅すると


テーブルの上に
卑猥なパッケージのアダルトDVDとメモが置かれてあった


メモには歩の字で
【俺が帰るまでにコレを見ておく事

それまで自分で勝手にしない事】


そう書かれていた

カヤは自分で勝手にした事など無かった

ひとりでする時は
いつでも歩が望む時
歩の目の前だけであった


昨夜の

「最近濡れるのが遅くなったな…」


歩の言葉を思い出す

歩はすぐに濡れる女がいいのだと


いつの間にか
セックスに慣れ
快楽に慣れてしまった自分の身体に
カヤは不安を抱いた

家事を済ますと

カヤはテーブルに置かれているDVDを見始める


第三者の視覚による無責任な快楽の刺激に


カヤの身体は反応し
いつの間にか蜜がショーツを濡らしている事に気付く

安堵の気持ちと

歩に我慢させられているんだという気持ちで

カヤは甘い溜め息を尽きながら


歩の帰りを待ちわびる

  • << 155 秘部を濡らし欲情する私に喜び それから歩は毎日 アダルトビデオをテーブルの上に置き、学校へ行った 毎日違う快楽を映し出す映像に、私も興奮したが 毎日となると 視覚による興奮も日に日に衰え、再び濡れにくくなり 歩はバイブやローターなどの玩具を私にあてがう様になった 血の通わない 冷たく無機質な振動を繰り返すそれに 意志とは関係なくあっという間にイカされる感覚 歩を愛している それが私の全てだった 私の中で芽生えた小さな感情に 私は気付かない振りをし 強制的に導かれるまま 快楽に身を沈めた 歩は 喘ぎ 悶絶し 顔を歪める私を見るのがとても好きなようで 自身がイカなくとも 例えセックスすらしなくとも 毎日必ず私をイカさなければ気が済まないかのように 私に快楽を与え続けた 「私はあなたのオモチャです 今日も可愛がって下さい」 歩は毎日私にそう言わせると 見下した目に しかし満足そうに口元には笑みを浮かべ まだ濡れてもいない私の秘部に ローションを塗り バイブをねじ込む

No.126 10/06/19 17:38
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 125 美也子やサヤカを忘れる事はなく文通を続ける事で

離れていながらもその友情の絆は益々深まり


身近な所で出会ったまた新しいその友情の絆も日に日に深まり


カヤはその対照的などちらも大切にしていった


そして離れているからこそ、素直に思い合えるようになった家族とも度々連絡を取り合い
その関係は良好で

カヤは幸せの一途を辿っていった

それを歩も微笑ましく見守っていてくれる事で


全ては歩のお陰だと
カヤは今日も
歩好みの女になろうと


セックスに情熱を燃やした

No.125 10/06/19 16:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 123 歩がパチンコから帰ってくると カヤは胸を弾ませ歩に駆け寄る 「今日マイマイが誘ってくれたんだけどね、来週の日曜日バイト終わってから他のバ… 日曜日、バイト終わりに
麻衣子と近くの公園へと行く


見た事のある顔ぶれとはいえ


ろくに会話を交わした事の無かったカヤはやはり緊張したが

麻衣子がいる安心感と
みんなの気さくで優しい心遣いに

すっかり打ち解け
会話と花火を楽しんだ


それから何度と遊んだが

歳頃の男女が六人
一見バイト仲間らしい爽やかな関係に見えるそれにも

カヤはそこには必ず
誰かが誰かに
ひっそりと恋心を抱き秘め
それを表に表さない事で
無理やり友情を確立している部分が
どこかにあるはずだと

注意深く目を凝らしていた


しかしカヤの想像は、見れば見るほど
覆されていった


皆、それぞれ別の場でパートナーがいたり
好きな子がいたりしていたが

友達というより
まるで家族や兄弟のように
懸命に相談や応援し合うその姿に

真の男女の友情など
あるわけがないと思っていたカヤは

その度に心地良い衝撃を受けていった



そして
美也子やサヤカとはまた違い

本来の年相応の無邪気さを持つ

健全な会話や友情に

カヤ自身新しい青春を謳歌していったのだった

No.123 10/06/15 01:12
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 122 歩がパチンコから帰ってくると

カヤは胸を弾ませ歩に駆け寄る

「今日マイマイが誘ってくれたんだけどね、来週の日曜日バイト終わってから他のバイトさんたちと一緒に花火してきてもいいかなぁ?

私凄く行きたいんだ!」


キラキラ目を輝かせるカヤの首筋に


早速舌を這わせながら歩が耳元で囁く


「いいよ
大好きなマイマイと遊びに行けるなんて良かったじゃん…」


歩はTシャツの中へと手を滑り込ませると

片側のブラのカップを下げ
乳房を揉み乳首を転がした


「あ~たまんねぇ…
今日もバイトでいっぱい汗かいてきたんだろ…

パンツの匂い嗅がせろよ…」


羞恥に困惑するカヤの顔を

今日も楽しそうに眺めながら



夜の顔になった歩が
耳元でゆっくりと

命令の言葉を囁く



その言葉とは

対称的なまでに


優しい声で…

  • << 125 日曜日、バイト終わりに 麻衣子と近くの公園へと行く 見た事のある顔ぶれとはいえ ろくに会話を交わした事の無かったカヤはやはり緊張したが 麻衣子がいる安心感と みんなの気さくで優しい心遣いに すっかり打ち解け 会話と花火を楽しんだ それから何度と遊んだが 歳頃の男女が六人 一見バイト仲間らしい爽やかな関係に見えるそれにも カヤはそこには必ず 誰かが誰かに ひっそりと恋心を抱き秘め それを表に表さない事で 無理やり友情を確立している部分が どこかにあるはずだと 注意深く目を凝らしていた しかしカヤの想像は、見れば見るほど 覆されていった 皆、それぞれ別の場でパートナーがいたり 好きな子がいたりしていたが 友達というより まるで家族や兄弟のように 懸命に相談や応援し合うその姿に 真の男女の友情など あるわけがないと思っていたカヤは その度に心地良い衝撃を受けていった そして 美也子やサヤカとはまた違い 本来の年相応の無邪気さを持つ 健全な会話や友情に カヤ自身新しい青春を謳歌していったのだった

No.122 10/06/14 21:54
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 121 ある日曜日

いつも通り麻衣子と楽しく仕事を終え
事務所に二人でタバコを吸っていると

「ねぇ、戸田ちゃん
来週の日曜日
バイト終わってから夕勤メンバーで花火やるんだけど
戸田ちゃんも一緒に行かない?」

麻衣子の突然の誘いに

カヤは飛び上がるほど嬉しくなり即答で承諾した


他の学生バイトとは未だ挨拶以外の言葉を交わした事などなく

いつものカヤだったら不安で少しは考えただろうが

それよりも
麻衣子からプライベートの誘いを受けた事がとにかく嬉しかったのだった


「オニイサン平気?」


麻衣子と歩は面識が無かったが
すっかり心を許した麻衣子に
殆どの事情を話していた為

麻衣子もカヤとの会話の中で
顔も知らない歩の事を
【オニイサン】と呼ぶようになっていた

「うん!今日帰ったら話してみるけど
マイマイが誘ってくれたって言ったら
絶対に大丈夫だと思うよ!」

また
歩にも大好きな麻衣子の話しをよくしていた為

カヤが麻衣子の愛称の【マイマイ】で
歩に話は通じていた

No.121 10/06/14 21:14
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 120 平日4人体制で働いているこの時間

オフィスや工事現場が休みの日曜日は
お昼の弁当ラッシュもなく、比較的ヒマな為
いつも二人体制でやっているんだと


麻衣子が説明してくれた

てっきり学生が数人いると思ってきたカヤは

複数の輪の中に入れるか心配していたが
麻衣子と二人だけだという事を聞き
また安心した


話し上手で聞き上手の麻衣子にカヤはすっかり打ち解けた

歳の近い女の子と話すなんて久々だったし
美也子とサヤカと離れてから
文通を交わす度に
友達の有り難さを痛感していたカヤは
いつか東京でも友達が出来たらな
と夢見ていた為

麻衣子との時間はとても楽しくあっという間に時間が過ぎていった


それからカヤは
麻衣子と働ける日曜日が楽しみで

日曜日が来る事が待ち遠しくなっていった

No.120 10/06/14 02:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 119 「おはようございます…」


元気に努めようと思っても
出た声には張りがなかった


ユニフォームに着替えた見た事のある顔が


事務所の奥から顔を覗かせる

カヤの姿を確認すると

彼女は長い髪を結びながら人懐こい笑顔を向けた


「おはよー!!」

明るく弾むような声に
まるでずっと前から友達だったかのような親しみが込められた口調

カヤはホッと一安心をし

笑顔を向けて再び挨拶をする

「今日から日曜日ご一緒させて頂く事になりました、戸田カヤです!
宜しくお願いします!」


緊張が尾を引いてしまった為か
力が入り、不自然に語気の強いカヤの言葉に


彼女は笑った


自分でも恥ずかしく感じたそれに

彼女が素直に笑ってくれた事で
カヤは救われ一緒になって笑ってしまう

すっかり緊張がほぐれたカヤに

「こちらこそ宜しくね
私は井上麻衣子」


カヤより3つ年上の大学生で
この店には高校入学時からバイトをしており、今年で五年目なんだと自己紹介してくれた

No.119 10/06/13 22:43
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 118 平日の昼前から夕方まで働いていたカヤは
丁度学校帰りの学生バイトと交代をする為

何人かの顔は知っていても


挨拶程度で名前も知らない


自分と同じ年頃のバイト同士が
楽しそうに和気あいあいと仕事をする姿を目の端に映しながら
そそくさと店を後にしていた



東京で友達が居ないカヤにとって

その光景は
なんだか眩しく映っており

いつもどこかで羨ましいと思っていたのかもしれない


しかし、実際自分もあんな風に仲良く楽しく輪に入れるのか自信がない


人見知りの強いカヤは
優しいオーナー夫妻や主婦と働いている方がずっと気楽な気がして

いつもより重い足取りで

日曜日の店へと向かった

No.118 10/06/13 22:33
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 117 半年後


「戸田ちゃん
もし都合良ければでいいんだけどさ…

いつも出てくれてた子が、ちょっと日曜日都合悪くなっちゃったみたいでさ

これから日曜日も、戸田ちゃんにお願いしたいと思ってるんだけど…どうかな?


勿論その代わり、違う日に休みもあげるし…どう?ちょっと頼まれてくれない?」


カヤのバイト先のオーナーの急な申し出に

ほんの少し考えたのち

カヤは2つ返事で承諾した


カヤにとって日曜日は
歩と一日中一緒にいられる貴重な時間だったが
いつもお世話になっており、可愛がってくれているオーナーの頼みとなれば
やはりそこは力になりたいと思ったのだった


日曜日は学校が休みの学生が多くの時間を任されていて


就業の時間帯はいつもと変わらなかったが

初めて学生たちと仕事をする事になりカヤは少し緊張していた

No.117 10/06/08 23:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 116 「オニイサン…
私の事…
もう好きになってくれたの…?」


カヤの期待に瞳が潤む問いに


歩は悪戯な笑みに
もったいぶるように言った

「あれ?
カヤはこれで余計な心配しないで

これからもっと俺を好きにさせる事に
心置きなく専念するんぢゃねーの?」



思わずカヤは
吹き出した


いつか
歩の口から
「好きだ」
と言って貰えるように
もっともっと頑張ろう


カヤは
【愛の前払い】をプレゼントしてくれた
歩の気持ちに

1日も早く応えようと更に決意を固めながら


歩が与えてくれた
この幸せな気持ちに感謝し

またより一層深く歩を愛したのだった

No.116 10/06/08 23:19
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 115 歩から貰ったリングは
カヤには少し大きかった


「あ~、やっぱりサイズちゃんと計ってかなきゃダメだったかー

『多分ちょっと細め』って言って

おねーさんがコレくらいですかね~
って出したのまんま買ってきたんだよな


まぁ、サイズ直せるって言ってたし

また行ってきてやるから」


そう言う歩に

カヤは
リングを中指にはめ直し
そこにピッタリとはまるそれを見せ


今度は感激の涙にしゃくりを上げながら激しく首を横に振る

このままでいい…
このままがいい…


歩がわざわざ
カヤの為に
カヤを喜ばす為に

選び買ってきてくれたそれを


カヤはそのままの状態ではめていたいという気持ちと

もう一時もそれを自分の身から離したくないという
強い思いからだった

No.115 10/06/08 22:30
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 114 「はい、プレゼント!!」


未だ凄みが尾を引く歩の声と


突如
目の前に差し出されたものは


綺麗にラッピングされた小さな包みだった



「…ぇ…?」

凄みにすっかり怯んだ
情けないカヤの小さな声に

歩は慌てて口調を和らげ言った


「開けてみろよ…」

カヤが包みをほどき
箱を開けると

中には
シンプルで品よく光り輝くリングが入っていた


驚きに歩を見るカヤに

「誕生日プレゼント!

まぁちょっと遅れたけど

誕生日当日も結局帰り遅くなっちまったし


あ!因みに俺も…」


そう言って
歩は自分の右手をカヤに見せた


薬指には
男性用にと少しゴツめに作られた同じデザインのリングが光っていた



それはカヤとのペアリングだった



「今日はコレ買いに行ってた

内緒にして喜ばせよーと思って


俺こーゆーの

本当は柄ぢゃねーし、別にモテてもねーけど…


カヤがこの前、俺の事心配っつってたから


少しは安心すると思って


女除けっつーの?」

歩はすっかり
いつもの
優しさと照れくささが重なった

カヤの大好きなあの笑顔を向けた

No.114 10/06/08 21:47
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 113 「カヤ…
…カヤ……聞けよ…!」


名を呼び問いかける歩の声に


カヤは激しくイヤイヤと首を振る



聞きたくなどない




歩と誰かの


事情や
情事や
現実など



何度も呼び掛ける歩の声に

カヤは更に激しく抵抗する


「いーからこっち見て聞けよっ!!!」



歩が怒鳴り
無理やりカヤの顔を上げる



今まで一度たりとも聞いた事のない

歩の凄むような迫力のある口調と声に


カヤの身動きが止まる

No.113 10/06/08 21:26
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 112 「ただいま」



歩の声に
緊張が走る

自分に責める権利などないとわかっていても


終わりのない妄想に
刺激された感情は


歩の姿を前にした途端


制御できずに
涙となって
溢れ出す



当然訳が分からず
駆け寄る歩に


「ウソツキ!!」



カヤは思考と感情を爆発させ叫ぶ


「パチンコなんて嘘じゃん!!
オニイサンのウソツキ!!!」


それからカヤは突っ伏して


声を上げ
わあわあと泣いた




歩はカヤの前にしゃがみ込むと


「嘘ついたのバレちまったみたいだな…
…ゴメンな…」


歩の優しい声と

謝られた事で


妄想はいよいよ確信をつき
現実になってしまったのだと


胸に熱く苦い物がこみ上げ


嗚咽をあげながら
カヤは更に
言葉にならない悲鳴をあげ

泣き喚くのだった

No.112 10/06/08 20:46
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 111 歩がもし
誰かに好意を持っても
持たれても


そんな相手と
どこで何をしていようが


それがその場限りでも
本気でも



どんな場合に限らずとも

決して「浮気」になどならない


責める事も
咎める事も
縋る事もできない

相変わらず不安定なこの関係に
カヤはいつだってビクビクしていた



歩に好きになって欲しくて

歩が喜ぶようにと
努力はしているが



しかし
果たして
それがどの位の結果を出しているのか
わからない


歩はいつだって優しい
初めて会った時から優しいのだ



歩の優しさから

愛を計る事など


カヤに出来る訳が無かった

No.111 10/06/07 03:19
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 110 いつだかそんな不安を冗談混じりに口にしてしまったが


歩はいつものように
高笑いして言っていた

「きっとあの頃は俺のモテ期だったんだろうな

誰にでも一生涯で一度くらい、そんな時期があるって言うだろ


まぁそれもギターや音楽のお陰で

本当にいつでもモテるヤツっていうのは
そんな事当たり前でいちいちとって置くワケねーよ」



しかし美容師の学校など

美を追求し兼ね備えた美しい女性が多くいるような気がして

カヤはなんだか気が気ではなくなってしまったのだった


そんな妄想が膨らみ

カヤはまたしても息苦しさを感じる

No.110 10/06/06 13:42
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 109 たまたま用事があってこの辺を通り掛り

歩がいるか寄ってみただけだと

カヤは適当にごまかしその場を去った


しかし
要の言っていた
【アナザー】とは
先程カヤが見てきたあのパチンコ屋の事だった


この辺にはもう
思い当たるパチンコ屋は無かった


もしかすると
歩は既に家に帰ったのかもしれない


そうだ、きっと行き違いになってしまったのだ


カヤはまた足早に家へと戻った




しかし
部屋には歩の姿など無かった


シンと静まり返る部屋にひとり


カヤの思考は
嫌な方へと向いてしまう



パチンコ屋にいると言っていた歩


一体どこまで行ってしまったのか


それよりも
もしかするとそれ自体が歩の嘘なのではないか



嘘だとしたら一体何の為に…



ユキの一件以来
カヤは更に歩に対して心配を募らせるようになっていった


ユキへの想いがもう過去のものである事は納得できたのだが

下級生から貰ったあの手紙の量を見てから

歩は本当は
自分とは不釣り合いな程にモテるのではないかと…

No.109 10/06/06 10:01
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 108 しかし
その店でも歩の姿を見つけ出す事が出来なかった


何で…?!




歩は一体どこに行ったというのか

会えると思っていた歩に会えず


カヤの心はざわめく



「猫ちゃん?」


声に振り返るとそこには
要の姿があった



要と一緒かもしれない

期待でカヤの顔が綻ぶ


「あ…要さん
こんにちは!

あの…オニイサンと一緒ですか…?」


一緒に暮らしているというのに
用もなく歩を探しに来てしまった自分が
何だか急に照れくさくなってきた


「歩?
今日は一緒じゃねーよ
俺、今ぐるっと一回りしてデータ見てきたんだけど
歩ここには来てねーと思うよ

【アナザー】にいるんじゃん?」


「あ…!
そうですか
すみません、変な事聞いて…」



「…ったく、歩
猫ちゃんに黙って出てきたのかよ…

とんでもねー飼い主だな…

月曜日、俺からも歩に言っといてやるからな!」


そう言って要は
優しい笑顔をカヤに向けた

相変わらずの要独特の言い回しに
カヤは酷く恥ずかしくなった

No.108 10/06/06 08:48
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 107 美也子とサヤカに手紙を書き

少しは時間も稼げたが

しかし
書き終えてしまえば
一時間もするとまた
ガマンできなくなってくる


カヤは待ち切れず
とうとう歩がよく行くパチンコ屋へ行ってみる事にした




休日に歩のパチンコに付き合う事は何度かあった

意味のわからないカヤにとっては退屈だったが

歩の隣にいられるのだから


こんな風に家でひとり悶々とするより
遥かにいい気がしたのだった


パチンコ屋に着き

店内の隅々まで歩を探した


しかし歩の姿は見当たらず

たまたまトイレに立ってしまったのかもしれないと
何度もコースを行き来した


しかしやはり
見つけられず


カヤは肩を落とし
店を出た


駅と反対側に
もう一軒パチンコ屋がある


そこにも歩がよく出入りしているのだ

ここでなければ
そこにいるはずだ


カヤは歩に会いたい一心で
足早に向かった

No.107 10/06/06 08:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 106 とある土曜日
カヤが目覚めると
隣に歩の姿が無かった


土日は二人とも休みで

歩がカヤより早く目覚める事は珍しかったが


きっとパチンコにでも行ったのだろうと

歩の帰りを待った



歩と毎日共に暮らしているにもかかわらず


カヤは一緒にいれる時間はいつでも歩といたいのだった


また寂しさが募る


東京へ来る前は
リョウがいたとはいえ
一体どのようにして凌いでいたというのだろうか


あの頃に比べたら
本来ならばとても幸せなはずなのに


絶対に歩が帰ってくる場所に居られるというのに


日に日に益々
歩と居られない
一人の時間が耐えられなくなってゆく



まるでそれは
タバコを何時間も吸えないような
イライラと空虚感に似ていた


思わず歩の携帯に電話を入れる


「もしもしカヤ?
どーしたよ?」


カヤのそんな気持ちなど
わかる訳もなく
歩ののん気な声に
ようやくカヤは安心する

案の定
歩はパチンコ屋にいるという


寂しいが
早く帰ってきてとも言えず

電話を切った

No.106 10/06/05 21:03
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 105 手紙なんて形に残るし何か重いかな…


ウキウキした気分でポストに入れたはいいが

しばらく経つとそんな気がしてきてカヤは不安になる


てっきり返事はメールで来ると思っていたが


数日後美也子とサヤカからの手紙が届く

二人とも最初に
カヤからの手紙が嬉しかったと書いてあり

カヤはホッと胸をなで下ろした


そしてあの後、
サヤカはやはり
みつるとの子供を中絶した事


美也子はシンと別れた事

それから美也子もサヤカも援助交際をやめた事

サヤカはスーパーのレジ打ちでバイトを始め

美也子はドーナツ屋に面接に行き
今は結果待ちだと言う事や

やよいだけは
未だにひとりで援助交際をしているという事が綴られていた


カヤの中に沢山の感情が入り乱れた


しかしやはり
二人が援助交際をやめてくれた事を


カヤはとてつもなく
嬉しく感じていたのだった

No.105 10/06/05 16:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 104 再びカヤは帰宅するなり

買ってきたレターセットを広げ

直ちに美也子とサヤカに手紙を書き始めた


通信手段などいくらでもある、こんな便利な時代

今まで誰かに
改めて手紙など書いた事があっただろうか


メールでは
あれだけ言葉に詰まってしまっていたというのに


しかし
紙面と向き合えば
スラスラと言葉が出てくる

カヤがメールや電話でよく気にしていた
絵文字や文面、口調や沈黙などの効力に
変に気を使う事も煩う事もなかった



そんな雑念から解放され、素直になったカヤは



離れてみて気付く


当たり前だと思っていた友達の存在

その
大きさや
有り難さに


感謝の気持ちがペンの先から溢れ出す


この日からカヤは

こんな風になんとなく寂しい夜は

美也子とサヤカへ
手紙を書き
送るようになったのだった

No.104 10/06/05 15:44
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 101 少し遅めの朝に目覚め 歩を起こさぬように静かに支度をし そっと頬にキスをし家を出る 仕事から帰れば歩は学校に行った後 カヤは家事を… カヤは18歳になった

誕生日当日
早く帰ると言ってくれていた歩の帰りは

やはりいつも通り
夜遅いものとなった

カヤの誕生日を知らない要に付き合い
結局
いつも通り
パチンコやスロットに行ってしまった事など想像できる


そう…いつも通りなのだ

気にしなければ気にならなかったのだろうが

早く帰るという言葉に期待をしてしまった事で


カヤは普段以上に寂しさを募らせていった


テレビを見ても気は紛れず


時間と寂しさを持て余しているそんな時
メールが届く


差出人は
美也子とサヤカからだった


そこには
カヤの誕生日を祝う言葉と
慣れない土地で暮らす寂しさや不安、また体調などを気遣い、労う優しい言葉が連ねてあった



カヤの心は
火が灯ったように
一瞬にして
明るく温かくなっていった


すぐさまお礼の言葉を返信しようとするが


何か自分の伝えたい事が
とても物足りないように感じる


数分間苦闘しながらメール文を考えるが

結局手短な言葉で感謝の気持ちを送ると

カヤは財布を持ち
家を飛び出した

No.103 10/06/05 15:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 102 ☺✨✨💕



🙇🙇🍀🍀




✊🔥✊🔥✊🔥



匿名さん🍀いつもありがとうございます💘✨✨




ちゃら🐌💨

No.102 10/06/05 11:12
匿名 ( ♀ Muegi )

ちゃら様更新を毎日首を長~くしてお待ちしております。 少しずつで良いのでお身体に気を付けて頑張って下さいね💪ファイトちゃら様✌

No.101 10/05/30 01:43
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 100 少し遅めの朝に目覚め
歩を起こさぬように静かに支度をし

そっと頬にキスをし家を出る


仕事から帰れば歩は学校に行った後


カヤは家事をし
歩の帰りを待つ


歩が帰ると


朝愛し合えなくなった分を補うかのように


もっと深く激しく求め合うようになっていった


歩にもっと愛して欲しくて
歩が今まで生きてきたまでの
その歴史の一番になりたくて


歩の言う事をなんでも聞き
また歩の齎す快楽に乱れ
自らも深く深く溺れた



仕事でどんなに疲れていても
眠たくても

歩に抱かれなければ
眠りになど付けぬのではないかと思うほど



カヤは
歩と
歩のセックスに依存していく

  • << 104 カヤは18歳になった 誕生日当日 早く帰ると言ってくれていた歩の帰りは やはりいつも通り 夜遅いものとなった カヤの誕生日を知らない要に付き合い 結局 いつも通り パチンコやスロットに行ってしまった事など想像できる そう…いつも通りなのだ 気にしなければ気にならなかったのだろうが 早く帰るという言葉に期待をしてしまった事で カヤは普段以上に寂しさを募らせていった テレビを見ても気は紛れず 時間と寂しさを持て余しているそんな時 メールが届く 差出人は 美也子とサヤカからだった そこには カヤの誕生日を祝う言葉と 慣れない土地で暮らす寂しさや不安、また体調などを気遣い、労う優しい言葉が連ねてあった カヤの心は 火が灯ったように 一瞬にして 明るく温かくなっていった すぐさまお礼の言葉を返信しようとするが 何か自分の伝えたい事が とても物足りないように感じる 数分間苦闘しながらメール文を考えるが 結局手短な言葉で感謝の気持ちを送ると カヤは財布を持ち 家を飛び出した

No.100 10/05/29 18:37
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 99 カヤは昼前から夕方までの6時間

月曜日から金曜日のシフトになった



本来歩のいない時間に働きたかったが


こんなふわふわとした状況の自分を受け入れてくれ、優しく親身に接してくれた二人に
カヤは感謝と暖かい気持ちに包まれ
やる気に満ちていた

それに偶然運よく土日休みになれたのだ

土日は歩も学校が休みで一緒に居られる
充分だった




カヤの時間帯はオーナー夫妻と
主婦の前田さん
いつも同じメンツだった


みんなカヤと同じ位の子供がいるからなのか

カヤをとても可愛がってくれた


心地良い職場に

歩以外の人と接する時間は


とても新鮮で楽しく

更にカヤを生き生きとさせたのだった

No.99 10/05/29 18:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 98 自分が育ってきた田舎と違い


土地勘もなく
沢山の改札口に沢山のホーム
複雑に交差しあう路線を乗り継ぎ

あの多くの人間が乗り合わせるような電車を1人で利用する事など

途方もなく自信の持てないカヤは


やはり徒歩圏内で通えるような
近所で探した



本来ならばまだ高校生である歳に
履歴書に書かれた高校中退の文字

当然小、中、高とも東京ではない事に

何故東京に来たのかと尋ねられる


男と2人で暮らしている事情にも関わらず

カヤを受け入れ雇ってくれたのは


徒歩五分ほどで通えるコンビニのオーナー夫妻だった


「一応ルールなんだけど…大丈夫かな?」
となんだか申し訳なさそうに手渡された
保護者のサインが必要な書類を
カヤは両親へと郵送し、記入してもらうと
それを再び送り返して貰い
提出した

No.98 10/05/29 16:47
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 97 カヤが東京へ来て一週間が経った


学校帰り
毎日閉店まで要とパチンコやスロットに興じる歩の帰宅時間は遅く
カヤは寂しさを感じる事はあったが


翌日歩を迎えにくる度に

「猫ちゃん、いつもごめんね~!」
と甘えるように詫びを入れ

忘れずパチンコの残り玉に当てた菓子をカヤの為に持ってきてくれる要に


カヤは歩を独り占めしないようにと

要や歩に気を配った


カヤにとって唯一無二の存在である歩は

要にとっても
形は違えど、親友として同じく掛け替えのない存在なのであろう事は見ていればわかる


そんな要に
いつだってカヤは好感や親しみが持てたし


歩が帰ってくるまでの寂しさは

セックスで情熱となって表れ


それが歩を喜ばせた



しかし、ひとり退屈や寂しさを膝に抱え
歩の帰りを待つ時間というのは


どうにも息苦しく、慣れそうにもない



歩を待つ時間から目を逸らす為に

そして歩の親は知らないであろうが
その仕送りで自分も生活させて貰っている事に

カヤは申し訳なさを感じ

せめて自分の食い扶持くらい稼がなくてはと

アルバイトを始めた

No.97 10/05/29 13:42
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 94 「大好きだよ… 苦しいよぉ…」 歩はカヤの涙を 優しく指で拭き取った 「アイツの事… もう忘れた?」 「………???」 「… 「プレイヤー交代」

歩がカヤの頭を撫でながら言う

「え?…」

「今度はカヤが俺をマジにさせる番だろ?」


カヤの顔を覗き込み笑顔でそう言うと


歩は熱く唇を重ね
深く舌を絡ませた



その歩の言葉と
先程のユキへの嫉妬が
起爆剤となり



カヤは情熱的に
歩の唇や舌を貪った

濃厚に激しさが増していく



ジーンズ越しの歩のあの部分に
カヤ自ら
手の平をあてがうと

窮屈そうに大きく固くなったそれを
ゆらゆらと擦り始める



「おりこうさんだね…

どうしたら俺が
もっとカヤの事を好きになるのか


ちゃんとわかってるんだね…」


耳元でそう囁く歩の言葉に


カヤは甘い息を洩らし

秘部をじゅんと熱くさせる


擦る手の平全体が汗ばむほど


歩を興奮させるように

そして自らも
歩のそれを
欲しているように


その動きは益々大きくなっていった

No.96 10/05/29 11:48
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 95 ☺✨✨💕




🙇🙇🍀🍀




💐➡😭☺





✊🔥✊🔥✊🔥






ちゃら🐌

No.95 10/05/27 17:46
☆レイ☆ ( 30代 ♀ UHPAh )

ちゃら様お体大丈夫ですか?

いつも拝見させて頂いてます。無理はなさらないように

😊💐

No.94 10/05/23 16:16
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 93 「大好きだよ…
苦しいよぉ…」



歩はカヤの涙を
優しく指で拭き取った


「アイツの事…
もう忘れた?」


「………???」


「カヤが
ここに来る前に
俺とどっちが本当に好きなのかわかんねーって言ってたヤツの事だよ」



歩が言う【アイツ】とは
リョウを指している事に
カヤはやっと気付く


リョウの事は
忘れた訳ではない


しかし、歩の部屋に入ったあの時
一瞬脳裏を掠めただけで


再びその存在を思い出す事は無かった


それ程までに
心はがむしゃらに


歩だけを追い求めていた事に気付くと



カヤは大きく頷いた


歩は指折り数えながら呟く

「土…日…月…

もう日付替わってっから火曜日だろ…


まぁ、3日半ってとこか…」



カヤが不思議そうに歩を見つめる


その視線に気付いた歩は


「カヤが俺にマジになるまでに掛かった日数


思ったより早くクリアーしちゃったみたい」


そう言って
ニッと
悪戯に笑うと
Vサインしてみせた

「…バカ……」


カヤはまた
涙を浮かべ
歩に抱きつき泣いたのだった

  • << 97 「プレイヤー交代」 歩がカヤの頭を撫でながら言う 「え?…」 「今度はカヤが俺をマジにさせる番だろ?」 カヤの顔を覗き込み笑顔でそう言うと 歩は熱く唇を重ね 深く舌を絡ませた その歩の言葉と 先程のユキへの嫉妬が 起爆剤となり カヤは情熱的に 歩の唇や舌を貪った 濃厚に激しさが増していく ジーンズ越しの歩のあの部分に カヤ自ら 手の平をあてがうと 窮屈そうに大きく固くなったそれを ゆらゆらと擦り始める 「おりこうさんだね… どうしたら俺が もっとカヤの事を好きになるのか ちゃんとわかってるんだね…」 耳元でそう囁く歩の言葉に カヤは甘い息を洩らし 秘部をじゅんと熱くさせる 擦る手の平全体が汗ばむほど 歩を興奮させるように そして自らも 歩のそれを 欲しているように その動きは益々大きくなっていった

No.93 10/05/23 13:55
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 92 「俺が男だからじゃん?」


涙を浮かべキョトンとするカヤに

「男って、そーゆの思い出として取っておくんじゃねーの

まぁ、女はすぐ捨てるって聞くけどな」


そんな自分をちょっとかっこ悪いみたいに

照れくさそうに
歩は答え

カヤがそれを取り出したあの収納スペースから

歩はもうひとつダンボールを取り出した


「中学ん時の彼女や、下級生から貰ったヤツ」


中にはやはり
沢山の手紙が入っていた


「男ってバカだろ?」



歩はバツが悪そうな顔でカヤに微笑みかける


「カヤが嫌なら今すぐ全部捨てるけど?」


歩の言葉に
カヤは声を上げ泣き出した


「ごめんなさい…!
私の為に捨てなくていいよ…

いつか本当に思い出も全部いらなくなって

私だけが全てになって

オニイサンが本当の意味で
もういらないって思った時に捨ててくれれば…いいよ…

じゃなきゃ意味ないもん…」



思い切り顔をぐしゃぐしゃにして
子供のように泣きじゃくるカヤに


「俺の事、そんなに好き?」


歩はカヤの顔を覗き込み

優しく問い掛ける

No.92 10/05/23 13:33
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 91 「誰がまだユキの事引きずってるって?」


歩がまた笑いを含みながら

カヤの髪を優しく撫で
言った


「だって!
私と出会った時
まだ引きずってるって言ってたじゃん!

それに…
あんなに可愛い人の事
忘れられるはずないよ!!」



カヤの剣幕に

堪えきれずというように

歩は吹き出し、とうとう声を上げ笑い出した



怪訝な顔で見つめるカヤに


歩は更に笑いながら
散らばった手紙や写真を拾い
乱雑にダンボールへと投げ入れながら言った


「俺は、俺の事を一番必要としてるヤツじゃなきゃ側に居たいと思わねーの


ユキの事は引きずってたかもしんねーけど
俺が一番ぢゃねーなら
結局意味ねーなって思ったし


ユキが彼氏の事を俺に相談してくる時点で

アイツの中では
もぅ俺ぢゃねーって事だろうよ」



「じゃあ、オニイサンは何でそれ全部取ってあるの?!」

No.91 10/05/23 13:03
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 90 放心状態
どれくらい時間が経たのだろうか…



気が付くと

歩が目を見開き

カヤと散乱している手紙や写真を目の当たりにし


立ち尽くしていた



「カヤ…
お前…
部屋あさったのかよ?」



「……
オニイサンの…
文化祭のライブ映像に…

ユキさんが出てきて…」


カヤは虚ろな目で

悪びれる様子もなく
力無く答える




カヤの言葉に
歩は少し考え

間を置いて

思い出したかのように言った

「アレ、最後まで見ちゃったのか…」


コクリとカヤは頷いた



「ユキさんって…
私がオニイサンから貰った携帯に

間違ってメールしてきた人でしょう…?」



歩はカヤの言葉が
一体何を意味しているのかを考えていた
やっとその事を思い出すと

「あぁ…アレね…」


少し笑いを鼻に掛け
歩が答えた


「彼氏の相談にのっただけだけど?
それがどーした?」




「だって!
オニイサンがまだユキさんの事引きずってるの知ってて
彼氏の事相談してるんだとしたら!

酷いじゃん!」


カヤは感情的になり
再び涙を流した

No.90 10/05/23 12:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 89 そして
先程偶然見つけた

あのキャラクターのパジャマをお揃いで着ている写真もあった


この部屋ではないが


ギターが置いてあるのが確認出来た為

おそらく歩の実家だという事が想像でき


実家に泊まれる程
歩の家族公認だったのかと


カヤの写真を持つ手は震えた



歩とユキの
過去の愛に
カヤは嫉妬で狂い
涙した


息はもう
これ以上続かないのではないかという程乱れ




何故にして
こんなに苦しい想いを
自らの手で
手繰り寄せてしまったのかと


後悔した



歩の過去に
執着心を持ってしまった事への

代償は


自信喪失と
心を抉られるほどの
辛い物でしかなかった



カヤは力なく

ただそこに小さくうずくまり


全身を襲う
切なさや苦しさに


震えて泣いた

No.89 10/05/23 12:10
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 88 手の届かない収納スペース


カヤはテーブルを引きずって
脚立代わりにした


ダンボールが幾つかある


一番奥の小さな箱を取り出す


中には手紙や写真が箱いっぱいに入っていた


手紙の差出人は全てユキからだった


歩が東京へ来てからの物もあったが


高校時代、授業中にノートの切れ端に書いたような小さな物まで
大切に保管されていた


手紙の中でも
ユキは歩を
【あーちゃん】
と呼んでいた


やはりあの
カヤの所にきたメールは


ユキからだったのだ


そのひとつひとつを
カヤは一心不乱で読み漁る


ユキの手紙から歩がとても愛されていた事が伺い知れた


そして
手紙の内容には
どれも歩がユキにしてあげた事への感謝の言葉が綴られており


歩のユキへの行いや
それを全て取っておいてある事から


やはり歩もユキを
とても愛していた事を思い知らされた



写真には
歩とユキのツーショット写真や

お互いが撮り合ったであろう写真が
沢山あり

そのどれもが
キラキラと幸せそうな顔をしていた

No.88 10/05/22 23:21
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 87 どうして
あの時
ユキは連絡をよこしたのか

高校入学時にカヤが一目惚れした黒澤と付き合っているのではなかったのか


何故いまだに歩と
繋がって居るのだろうか




カヤは胸が押し潰されそうに
息苦しくなる



どうして
どうして…




歩への愛が
歪む


愛し過ぎると
愛は歪む


歪んだ愛は
人を暴走させる




ユキが姿を持った事で


カヤの頭は
次々と妄想が妄想を生み出しゆく


それは更にカヤを不安にさせ
苦しくさせてゆく






カヤの歩への愛は歪み


暴走を始めた




妄想に支配され

嫉妬に全ての思考を乗っ取られたカヤは

夢中になって歩の
部屋をあさり始めたのだった

No.87 10/05/22 22:33
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 86 あのミスコンの

愛らしく可憐な少女が…



歩のかつての彼女だった


全校生徒を代表するほどの
美しさを持ったかつての彼女と自分を比べ


カヤは自分が
いつか歩に愛される日が来る事に

全く自信を無くしてしまう



確か高2の文化祭のライブを見た彼女が、歩に告白し
交際が始まったと


いつかの歩の言葉を思い出す



一年記念とは…


交際一年の事だったのか


とするとあれは高3の映像で

間違いなく歩が引きずっていた彼女だ




【ユキ】


どこかで聞いた事のあるその名前を



茫然とする頭で

カヤは何度も反芻してみる








【あーちゃん、もう疲れちゃったよ… ユキ】



思い出したのは

いつか
カヤの所にきた
歩宛てへのCメール



あれは…
元彼女だったのか…

No.86 10/05/22 13:14
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 85 カヤの表情が凍りつき
身体には
鳥肌がたつ






二人は


驚きの後
嬉しそうに
照れくさそうに



「ありがとう!」

と言う



カメラを持つ人間が

「歩、一年記念もめでたいけど

ユキが見事ミスコングランプリに輝いたね!

自分の彼女が選ばれた彼氏の心境は?」


まるで芸能リポーター気取りの
その声に



「あ~
やっぱり、嬉しいッスね~」


照れながらも満更ではない歩が
調子を合わせ答えた
その嬉しそうな表情


隣で
はにかんでいるあの女子生徒も幸せそうだ


二人は最後に

カメラに向かい
「バイバイ」と手を振ると


再び手を繋ぎ


カメラの前から消えていった



それと同時に再び
映像も動きを止めた



今度こそ本当に終わったようだ



しかしカヤは

いつまでも
そこから動けずにいた

No.85 10/05/22 13:06
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 84 ミスコンが終わると
映像が止まった



カヤは全て終わったのだと

停止ボタンを押しにテレビに近付く


しかし再び
映像は動き出した



風景は外だろうか
仄かに薄暗くなりかけた
グラウンドの様な広い場所に


沢山の人がそれぞれ盛り上がる光景を映し出していた


場所が変わっただけで
それが文化祭の続きか終わりだという事に
カヤは気付く




カメラは
手を繋ぐ二人の男女の背後に忍び寄る














「ユキ!歩!
一年記念おめでとーっ!!」



その声に
男女が驚いた表情で振り向く


それは
歩と


先程のミスコングランプリに選ばれた
あの美しい女子生徒だった

No.84 10/05/22 12:17
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 83 歩たちの演奏が終わった後もそのまま映像を流したまま


カヤは掃除を始めていた


高校の文化祭を一度経験しただけで
高校を辞めてしまったカヤには


何となくその賑やかな雰囲気の音が懐かしかったのだ


歩が本当にギターや音楽が好きだった事もわかり


これからは決して見れないであろう過去の姿も見れた事で


カヤはまた少し歩を
知る事が出来たのだと嬉しく思っていた



テレビから一際大きな歓声と拍手が聞こえ

カヤは手を止め
再び画面に目を遣った



どうやらその年の
歩の学校のミスコングランプリが決まったようだった




見事グランプリに選ばれた女子生徒は


信じられないといった表情で
戸惑いと
しかしその嬉しさから
お人形のような大きな瞳からは
涙が今にも零れ落ちそうだった



「可愛い…」


さすが大勢の生徒の中から選ばれただけあって

その姿に
思わずカヤもうっとりしてしまう



この女子生徒も
この時の歩と一緒で

青春を謳歌しているその姿と美しさに


高校時代
青春と呼べるほど楽しめぬまま辞めてしまったカヤは


やはり眩しさを感じたのだった

No.83 10/05/21 00:26
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

ボーカルは要ではなかった



とすると
東京に来る前の物だろうか…


数曲続いた後

歩たちの演奏が終わると

カヤは停止し

すぐさま二本目を見始める



見た事のあるような風景

カヤはそれが学校の体育館だという事に気がつく



文化祭!



場所がわかるとすぐにその舞台が一体なんなのか繋がった



先程見た物と変わら姿の歩たちが


全校生徒の歓声の中
ステージに登る





ボーカルだけでなく、他のメンバーも先程と同じ顔触れだ



やはり東京へ来る前
高校生の頃の歩だったのだ



今のカヤと変わらない歳の歩の姿を目にし


勢いと情熱が迸るような

青春を謳歌している歩を


カヤはとても眩しく思った





片思いの男の子を
熱い眼差しで見守るような心境になり



映像と自分が一体となり



カヤは夢中になってそれを見たのだった

No.82 10/05/20 23:48
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 81 ステージに立つ者が変わる毎に

カヤは再生と早送りを数回繰り返し



歩の姿を見つけた






今より少し
短い髪


今より少し
幼い顔つき



途切れ途切れに映る歩を
少しも見逃さないように


カヤは必死になってテレビにかじりついた




歩のギターソロで

せわしなく動き回っていたカメラが

漸く歩だけを映し出す




先日静かにギターを弾いてくれたあの歩とはまるで別人のように



全身で熱く激しく
掻き鳴らすが如く
ギターを奏でる姿に
カヤは驚く



今まで
クールでスマートでとても優しいと思っていた歩に



こんなにも激しい一面があったのかと






その姿に





カヤは更に胸を焦がし熱くした

No.81 10/05/19 23:49
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 80 テレビ画面に映し出された映像は


ライブハウスかクラブだろうか


薄暗い場内に

ステージの上だけを
光々と照明が照らしだしていた


おそらく箱はそんなに大きくはないのだろうが


満員なのであろう


その規模に比べ

かなり観客がいるようで
前へ前へと
押し出ようとする人影や熱気が
ステージを照らす光に漏れ
映し出されている


数々の楽器が
やかましく混ざり合い

それに負けないほど
まるで怒鳴り散らしているような歌声


演奏する者の
歌う者の
観客の


激しさが伝わってくる



しかし
あまり音楽に詳しくもなく
ライブへ行った経験すらないカヤは



テレビの中と
自分との

温度差を感じた


冷静に目を凝らして見たものの


そこに歩の姿が無い事を確認すると


早送りで飛ばした

No.80 10/05/19 12:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 79 やはり想像通りに入り切らず
行き場を無くした残り少しの
自分の衣類を前に


その中途半端さが


まるで自分と歩の関係のようで重なる



カヤは諦め
タバコに火を着ける


立て続けに二本も吸った




先程までは

歩のそばに居られれば

それだけで幸せを感じた



しかし、あのパジャマを目にしてしまった途端に



今度は証が欲しくなる



歩の全てを知り
歩の全てを自分の物にしたい



歩だけ居れば後は何もいらない



歩の過去や未来
全てに執着心を持ったカヤは


先日、歩が見ても良いと言っていた


昔の歩が映っているという


映像を見る事にした

No.79 10/05/18 23:20
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 78 妙な緊張と胸騒ぎに


歩の母親が買った物かもしれないと


何とか気分を落ち着かせ

引き出しの一番奥へと
それを戻すと

カヤは再び
同じ作業に戻る








しかし無意識に同じ考えが
何度も脳裏を掠める









別れてからも
歩がしばらくはずっと引きずっていたという
かつての彼女から貰った物かもしれない…




歩は今も心のどこかに
その人が居るのだろうか…




その度カヤは
先程干した

自分と歩の並んだ洗濯物に

何度も目を遣り

気を取り直す



今、歩の一番近くにいるのは自分なんだ


例え歩の気持ちが
今はまだ
100%自分に向けられていないのだとしても


それはこれからの未来で現実にしていけばいい…


いや
必ず現実にしなければと


強く唇を噛み


決意する

No.78 10/05/18 21:14
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 74 それから15分ほど3人で談笑した いつもこうして、要が歩を迎えに来て 歩の部屋で一服してから学校へ向かうのだという 学校へ行く二… 母親がしていたのを思い出しながら
何とか初めての洗濯物を干し終わったカヤは


自分と歩の衣類が並んで干してある
その光景に
ささやかな幸せを感じた



一服し、漸く自分の荷物の片付けに取り掛かる


最低限に抑えたと思っていたが

出してみると意外と持ってきたものだ


カヤは溜め息をひとつ吐き出すと



クローゼットやを引き出しを開け

自分の物と歩の物をコンパクトに畳み直し
分けて入れ直してゆく



途中で
やはり全部は入りきらないだろうなと
思いながら

一番下の引き出しを開けると



その奥から




可愛いキャラクターが描かれた物が出てきた








他の歩の洋服とは
明らかに異色のそれに


カヤの手は緊張を覚えながら
それを広げた



パジャマなのだろう
上下セットになっていた



しかしサイズは男物だ


歩の物だという確率は高いが




しかしどうしても歩の趣味だとは思えない




カヤの鼓動が早くなってゆく

No.77 10/05/18 20:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 76 弱音を吐いてしまい、すみません🙇🙇


頑張りますね‼☺



ありがとうございます🍀✨✨




✊🔥✊🔥✊🔥



ちゃら🐌

No.76 10/05/18 11:00
ミンチ ( o548h )

ちゃら様🌷🌻🎁💐💐🎉

お疲れ様です🙋

毎日、ちゃら様🌻の描くカヤと歩オニイサンの世界に…深く魅了され続けているミンチ🐨です✌

前号の…カヤの依存…も重ねて何回も読みました😊🙋

…続…カヤの依存も毎日見ています✌

最後まで、ずーっと応援✊🇯していま~す🙋

ミンチ🐨

No.75 10/05/18 02:16
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 73 楽しみにしています🎵 ☺✨✨




🙇🙇🍀🍀




更新遅くなりすみません😢


元々言葉の引き出しが少ない私なので
文字で表現するという事が凄く難しくて…😢


一度つまづいてしまうと
なかなか抜け出せなくなってしまいます🙇


読んで下さっている皆様から、こんなにも時間を頂けている事をとても有り難く、そして大変申し訳なく思っています🙇




逃げ出さす、投げ出さず
もっともっと頑張ります
✊🔥✊🔥✊🔥




🙇🙇🙇

ちゃら🐌

No.74 10/05/18 01:26
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 72 「【例のツレ】ってなんだよ~! 俺は猫ちゃんの事、何にも聞いてねーのに~!」 要は大袈裟な声を出し、いじけて見せた その姿が何だか妙に… それから15分ほど3人で談笑した


いつもこうして、要が歩を迎えに来て

歩の部屋で一服してから学校へ向かうのだという


学校へ行く二人を玄関で送り出すカヤに
歩が言った

「あぁ、そーいえばカヤの荷物だけど、
適当にクローゼットと引き出し整理して入れちゃっていーから」


「うん、わかったよ!
ありがとう

オニイサンも要さんも気を付けてね!」

「ナニ歩ッ!
猫ちゃんにオニイサンなんて呼ばせてんのっ?!

エロ過ぎだろ~!!」

要が茶化すと、カヤは顔を赤くさせ

自分が勝手にそう呼んでるのだと
必死に歩を弁護する


そんなカヤの姿に
要は大笑いした

「猫ちゃんってマジおもしれ~!!」


釣られて歩も笑い出す


ポンポンとカヤの頭を優しく叩く歩


「んじゃ、
猫ちゃん行ってくんね~」


おちゃらけて投げkissの素振りをしてみせる要



大好きな歩と

大好きな歩の事を慕う親友の要


そんな二人を送り出すと


歩の日常に
自分がまた少し
溶けて混ざり合った気がして



カヤの心は
ポカポカと春の日差しを浴びているような

穏やかな暖かさに包まれた

  • << 78 母親がしていたのを思い出しながら 何とか初めての洗濯物を干し終わったカヤは 自分と歩の衣類が並んで干してある その光景に ささやかな幸せを感じた 一服し、漸く自分の荷物の片付けに取り掛かる 最低限に抑えたと思っていたが 出してみると意外と持ってきたものだ カヤは溜め息をひとつ吐き出すと クローゼットやを引き出しを開け 自分の物と歩の物をコンパクトに畳み直し 分けて入れ直してゆく 途中で やはり全部は入りきらないだろうなと 思いながら 一番下の引き出しを開けると その奥から 可愛いキャラクターが描かれた物が出てきた 他の歩の洋服とは 明らかに異色のそれに カヤの手は緊張を覚えながら それを広げた パジャマなのだろう 上下セットになっていた しかしサイズは男物だ 歩の物だという確率は高いが しかしどうしても歩の趣味だとは思えない カヤの鼓動が早くなってゆく

No.73 10/05/18 01:12
千秋 ( EZX5h )

>> 72 楽しみにしています🎵

  • << 75 ☺✨✨ 🙇🙇🍀🍀 更新遅くなりすみません😢 元々言葉の引き出しが少ない私なので 文字で表現するという事が凄く難しくて…😢 一度つまづいてしまうと なかなか抜け出せなくなってしまいます🙇 読んで下さっている皆様から、こんなにも時間を頂けている事をとても有り難く、そして大変申し訳なく思っています🙇 逃げ出さす、投げ出さず もっともっと頑張ります ✊🔥✊🔥✊🔥 🙇🙇🙇 ちゃら🐌

No.72 10/05/15 11:26
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 71 「【例のツレ】ってなんだよ~!
俺は猫ちゃんの事、何にも聞いてねーのに~!」


要は大袈裟な声を出し、いじけて見せた

その姿が何だか妙に可愛くて

先ほどの
恥ずかしさから生まれた、変な緊張が解け

カヤはクスッと笑う

要は
金髪坊主の頭に
耳にはピアス
指にはごつめのリングを幾つかはめ
背はあまり高くはないが

その風貌から
一見近寄りがたい雰囲気もある


彫りの深い
とても整った中性的な顔立ちに
しかし表情をくるくると変え
予想のつかないオーバーなリアクション
イタズラっ子のような眼差しと
独特の甘い喋り方

その見た目に反する意外性を
カヤはとても面白く感じた

なにより歩をとても慕っているようで
好感が持てたのだった


「要うるせーよ!

こっちはカヤ
俺と同じ地元の子」

歩の紹介に
すぐに気を取り直した要は

ニコニコした表情に

しかしその歩の紹介など無視する様に言った


「猫ちゃんよろしく~!」


要がなおもカヤの事を【猫ちゃん】と呼んだが


何か子供のような
その無邪気な笑顔と口調に

先ほどとは違って
カヤは少しも嫌ではなかった

  • << 74 それから15分ほど3人で談笑した いつもこうして、要が歩を迎えに来て 歩の部屋で一服してから学校へ向かうのだという 学校へ行く二人を玄関で送り出すカヤに 歩が言った 「あぁ、そーいえばカヤの荷物だけど、 適当にクローゼットと引き出し整理して入れちゃっていーから」 「うん、わかったよ! ありがとう オニイサンも要さんも気を付けてね!」 「ナニ歩ッ! 猫ちゃんにオニイサンなんて呼ばせてんのっ?! エロ過ぎだろ~!!」 要が茶化すと、カヤは顔を赤くさせ 自分が勝手にそう呼んでるのだと 必死に歩を弁護する そんなカヤの姿に 要は大笑いした 「猫ちゃんってマジおもしれ~!!」 釣られて歩も笑い出す ポンポンとカヤの頭を優しく叩く歩 「んじゃ、 猫ちゃん行ってくんね~」 と おちゃらけて投げkissの素振りをしてみせる要 大好きな歩と 大好きな歩の事を慕う親友の要 そんな二人を送り出すと 歩の日常に 自分がまた少し 溶けて混ざり合った気がして カヤの心は ポカポカと春の日差しを浴びているような 穏やかな暖かさに包まれた

No.71 10/05/11 22:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 70 笑いを含みながら歩が言う

「カヤ、紹介するよ
コイツは【要(かなめ)】

例のツレ」


【例のツレ】とは

度々歩の話に出てきた歩の親友だった


音楽の専門学校へ通っていた頃に出会い

ひょんな事から
科は違えど仲良くなる

共に退学し
一緒にバンドを組んでいた時期もあったという

しかし歩を含むメンバー全員がいい加減で、当然良い物など生まれず
バンド内は衝突を繰り返し
そのまま自然に解散の形になる

しかしその後も変わらずつるみ


歩から美容師になる話を持ち掛け

そして今
同じ学校に一緒に通っている


バンド時代はヴォーカル担当で
とても歌が上手く
歩以上のパチンコ好き



そんな風に歩から聞いていた

No.70 10/05/11 21:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 69 洗濯が終わるのを待ちながら


カヤは自分の荷物を片付けたいと申し出る


そこにチャイムが鳴る


扉を開けに行ったばかりの歩はすぐに戻ってきた


その後ろに人の影





部屋に入ってきたのは
金髪坊主の男


一瞬にして目が合う

カヤを見て
驚いた顔をした男は


静止したまま数秒間を置くと


今度は
遠慮なくまじまじとカヤを見て

大声で言った


「猫ちゃんがいるーッ!!」



歩はハハハと高らかに笑う



「土曜日から一緒に住んでんだわ」



金髪坊主の男は
悪戯顔に
再びカヤと歩の顔を交互に見ながら


「でも歩
確かここってペット禁止じゃなかったっけ?」



たった今会ったばかりのこの男に


猫呼ばわりに
ペット扱いをされた事に
カヤは顔から火が出るほどの恥ずかしさを感じる



顔を真っ赤にしているカヤを見て


「おいおい、あんまりイジメんなよ」


しかしそう言った歩も

この男とカヤの絡みを見て
愉しんでいるようだった

No.69 10/05/11 01:54
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 68 午後を過ぎ

夜間制の専門学校へ通う歩が支度を始める



東京に来て
初めて歩と離れるそのたった数時間も


カヤには寂しく感じてしまう



「何かやっておく事あるかなぁ?」


カヤの問いに

歩は吹き出し


からかう様に問い返す?



「何か出来る事あります?」


カヤはむくれながらも
しかし反論できずに口ごもる


そんなカヤを愉しげに見ている歩に

自信なさげにカヤが言う


「教えてくれたら…頑張るよ!」


まともに家事や手伝いなどやった事の無かったカヤは



洗濯すら初めてだった


歩に教わり
洗濯機の操作の
そのあまりの簡単さに

それすら知らなかった恥ずかしさにも気付かず
得意気にカヤが言う


「な~んだ!簡単じゃん!!」



「スゲー!
カヤって飲み込み早いな!」


そう言って歩が大笑いする


急に恥ずかしさが込み上げてきたが


カヤもそんな自分が可笑しく思えて
一緒になって笑った

No.68 10/05/11 00:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 62 30分ほどで電話は切れた あゆみに愛の言葉を囁く訳でも カヤの前でコソコソする訳でもない歩に 当然悪びれる様子はない 互いにシャワ… 昨日より
今朝より

欲望と快楽を貪りつくし


半ば気絶に近い形で眠りに落ちたカヤは


翌朝再び歩の愛撫で
目を覚ました


身体は昨夜の気怠さを残したまま
しかし下半身はしっかり熟し


歩を迎え入れる



1日が
歩で始まり歩で終わり


そしてまた歩で始まる


カヤはそれを
たまらなく幸せに感じる




欲に果て

全身で息をするカヤの身体に


強く吸い付き

色濃く無数の痣を


残してゆく歩



カヤは目を閉じ
その甘い痛みに神経を注ぎながら思う




穏やかにつく眠りなどいらない


爽やかな目覚めなどいらない




いつだって深く歩を感じていたいと…

No.67 10/05/10 08:26
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

ともさん
シュガーれもんさん
カナさん


☺✨✨✨💕




🙇🙇🍀🍀





✊🔥✊🔥✊🔥




ちゃら💘✨

No.66 10/05/09 23:09
カナ ( 20代 ♀ E0l6h )

頑張って下さい💕

何かドキドキワクワクな展開になって来ましたね😁

続き楽しみにしてます💕

No.65 10/05/09 21:17
シュガーれもん ( KlAGh )

頑張って下さい!😺✨

No.64 10/05/09 20:32
とも ( MEOgi )

頑張ってください淼Ⅶ

No.63 10/05/09 13:46
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 61 帰宅後 歩の家の固定電話が鳴る 歩は躊躇う事なく電話に出た カヤの横で何でもなく普通に話しているその相手は どうやらあゆみのようだ… 訂正


カヤが歩の固定電話を知ったのは

【つい昨日】

ではなく

【つい先ほど】


でした


今まで間違ったまま
訂正してない所も多々あり


名前の間違い
時系列の誤り
また矛盾の数々


突っ込みどころ満載で申し訳ありませんがお許し下さい










ちゃら👉👈💦

No.62 10/05/09 12:16
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 61 30分ほどで電話は切れた


あゆみに愛の言葉を囁く訳でも
カヤの前でコソコソする訳でもない歩に

当然悪びれる様子はない


互いにシャワーを浴びた後

歩が自然に雰囲気を作る



ゆっくり…
ねっとり…

唇を重ね
舌を絡ませ
首筋に唇を這わせ
耳の中まで執拗に舐めながら

乳房を揉んでは
乳首を転がし


ビクビクと反応する身体に

カヤは息を荒げると
甘い声を漏らし

秘部を熱くさせた


歩がまだ対して時間も掛けていないというのに

とめどなく溢れ出す蜜

歩がそれを指ですくい確認すると


耳元で囁く


「カヤは本当にスケベだね…


俺、スケベな女大好き」



【スケベな女大好き…】



歩の言葉がカヤの頭の中で何度もこだまする


もっともっと

歩を喜ばせたい

歩好みの淫らな女になって






歩の一番になりたい

  • << 68 昨日より 今朝より 欲望と快楽を貪りつくし 半ば気絶に近い形で眠りに落ちたカヤは 翌朝再び歩の愛撫で 目を覚ました 身体は昨夜の気怠さを残したまま しかし下半身はしっかり熟し 歩を迎え入れる 1日が 歩で始まり歩で終わり そしてまた歩で始まる カヤはそれを たまらなく幸せに感じる 欲に果て 全身で息をするカヤの身体に 強く吸い付き 色濃く無数の痣を 残してゆく歩 カヤは目を閉じ その甘い痛みに神経を注ぎながら思う 穏やかにつく眠りなどいらない 爽やかな目覚めなどいらない いつだって深く歩を感じていたいと…

No.61 10/05/09 11:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 60 帰宅後
歩の家の固定電話が鳴る



歩は躊躇う事なく電話に出た


カヤの横で何でもなく普通に話しているその相手は
どうやらあゆみのようだった


カヤは
あゆみが歩の固定電話まで知っている事に驚いた


自分は
その存在すら
つい昨日知ったばかりだというのに



何か一抹の寂しさみたいな物が
カヤの心に影を落とす


自分が歩に電話を掛けられずに
悶々としている間

あゆみはこうして
携帯なり固定電話で

いつでも歩と繋がれてきたのだろう


当然歩が話している感じでは


カヤの存在など
少しも話していないのだろうという事も伺い知れる




しかし
あゆみはカヤより
歩との歴史が長いのだ

何よりあゆみはカヤと違って
躊躇わず恐れず

いや、躊躇う事も恐れた事も本当はあったのかもしれないが

とにかく毎日歩に電話をかけ続け、
きっとその距離を
少しずつ縮めてきたのだろう

歩の生活の一部になるほどに



そしてカヤ自身
一緒に暮らし始めたというだけで


歩の彼女でもない


あゆみの努力や
自分のポジションを考えると

何も咎める事など出来ないと思った

  • << 63 訂正 カヤが歩の固定電話を知ったのは 【つい昨日】 ではなく 【つい先ほど】 でした 今まで間違ったまま 訂正してない所も多々あり 名前の間違い 時系列の誤り また矛盾の数々 突っ込みどころ満載で申し訳ありませんがお許し下さい ちゃら👉👈💦

No.60 10/05/08 22:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 59 見えなかった東京での歩の暮らしが

鮮やかになってゆき
カヤは目をキラキラさせ
ワクワクしながら
夢中で歩の話に耳を傾けた


商店街で食べ歩きをしたり

カフェでお茶したり
雑貨屋や古着屋を覗きながら


楽しいひとときを過ごす


時間はあっという間に過ぎ
日が暮れた


最後に
歩かツレ(親友)がパチンコで大勝ちした時に奢り合うという
少し高級な焼き肉屋で食事をし


カヤと歩は手を繋ぎ家路に向かった


2人の距離が更に縮まった気がして

カヤは嬉しくなる


今までより
昨日より
もっと




歩が愛おしい

No.59 10/05/08 22:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 58 歩にこの街を案内して貰う

「ここが一番近いスーパー
俺はコンビニ派だからあんま来ないけどね」


「病院はここ
近いし総合だから何かあった時便利だと思うよ」

「この公園は
のら猫がいっぱいいて
人懐こいからたまに来て癒やされてるよ

カヤ動物好きだったよね?」


「あそこ見える?
あれは弁当屋で
たまに使ってんだ

結構美味いし、夫婦でやってんだけどスゲーいい人でさ~」


「このパチンコ屋は俺がツレと毎日来てたとこ

学校行き始めてからは帰りに学校の近くで打つようになって

最近は休みの日くらいだけ来てるよ


まぁ、ツレは今も学校行く前に毎日通ってるみたいだけど」

「あのデパートは東京では色んなとこにあるんだけど

まぁこの街のは
街に合わせてんのか
何かショボイんだよな」


「ここはゲーセンとカラオケとバッティングがある店

たまにツレと暇潰すとこ」


「このラーメン屋もたまに来るよ
店主がやる気ねーのか
テレビ見ながら作ってて

同じ物頼んでも何となく毎回味が違うんだよね(笑)」

No.58 10/05/08 13:51
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 57 まだ寝起きから間もないというのに

2人は身体を重ねた


スイッチの入った歩は
「淫乱女」
「変態」

そして歩以外
リョウとしか経験の無いカヤを
「ヤリマン」
呼ばわりし

様々な淫らな言葉を使い
罵倒しながら
羞恥に追い込み

快楽を与えた


カヤも歩の言葉と愛撫に燃え


命令口調の歩が求めるまま奉仕した


淫らになる自分に歩が興奮してゆく姿に幸せと喜びを感じ

それが更にカヤの秘部を熱くさせ
大胆にさせる



歩とひとつになり果てる時は


髪の毛一本一本までが逆立ちそうなほどの
快感に痺れる


回数を重ねれば重ねるほど


カヤの心と身体は
歩に溺れ
支配されてゆく

No.57 10/05/08 10:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 56 自分より
歩がどこまでも自分の親に誠実である事に

心を打たれ

歩に抱きついた

「ありがとう!」


その言葉に
歩は何だか照れくさそうだった


ダンボールの中にはタオルなどのちょっとした日用品やお菓子などが沢山入っていた


歩のお陰でこうした何気ない親の思いにまた気が付く事ができ

また自分も素直に思いやる気持ちが生まれた


カヤは自宅に電話を掛けると
母親に礼を言い


歩と2人で
そのお菓子を食べたのだった

No.56 10/05/08 10:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 55 翌日
カヤは聞き慣れないチャイムの音で目が覚めた


馴染みのない天井

隣には歩がいて

カヤは歩に腕枕をされている


歩の家に来た事を思い出し
幸せな気持ちが蘇る
そんな余韻に静かに浸っていたいが

一定の感覚で鳴り続けるチャイムに

カヤは慌てて歩を揺さぶり起こした


「誰か来たみたいだよ!!」


眠気に気怠そうな面持ちで

歩が出る


どうやら宅配便のようだった


荷物を抱えて歩が戻ってきた


「カヤの家からだよ」

親に歩の住所を教えた記憶がないカヤが驚くのは当然だった

「何で?!
何で住所知ってるの?!!」


「あ~、俺が言った
こないだカヤママに電話した時に
東京ってだけで娘がどこに住んでるのか知らないのも不安かな~と思って

ついでにここの電話も

携帯より安心するかと思って…

あ、俺一応固定電話も引いてんだよ、ほらそこに」


歩が指したその先には確かに電話があった

それはベッドの下にひっそりと

昨日カヤが気付かなかったのが頷けるほど控え目に置かれていた


なんて事のないように

さらりとそう話す歩に
カヤは感動で胸がいっぱいになる

No.55 10/05/08 09:30
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 54 何度も突かれ

歩が果てた後も指や舌で

…そしてまた突かれる

一見カヤは強制的にイカされている風に見えるのだろうが


歩にめちゃくちゃにされる事に

カヤも酷く興奮していた


時間を空けず繰り返され

カヤは何度も果てた


しかし全てが終われば


途端に歩はまた

いつもの優しい歩に戻る



朦朧とする意識の中で

何の力も残らず
ただ身体を横たえたままでいる
カヤの蜜や
身体にまみれた
歩の体液を

丁寧に拭き取り

水を飲ませ

髪を撫でながら

心配気な表情で
顔を覗き込み


何度も繰り返す


「大丈夫?」

の言葉



歩と何度か身体を重ねてきたが


カヤが歩とのセックスに
いつも安心して
淫らになり
溺れ
夢中になれるのは


こうした歩の優しさを見てきたからなのであろう

そして

カヤは毎回そのギャップに

クラクラとし


更に歩に夢中になるのだった

No.54 10/05/07 12:19
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 53 挿入せずとも

こうしてただ抱き合うだけで


歩の腕の中に居られる幸せが

涙となり
溢れだしたのだ


その涙に歩が気付く

歩は何も言わず
カヤの涙を舐めて拭き取った


優しく唇が重なる



カヤがそのキスに感情を込めると

それは自然に激しいものとなり


歩もその激しさに応えた


静寂の中
一気に燃え上がる炎


再び歩の愛撫が始まり


それを全身で感じようとするカヤ



まるで今日初めて触れられたかのように


カヤの秘部が潤いをみせる



一気に歩は自分を根元まで押し込んだ


カヤは小さな悲鳴をあげる




「カヤの身体は他の男を覚えたからな…

これから俺が毎日
その身体から


そいつを取り除いてやるよ…」


歩に再びスイッチが入る


たった今ほどの
カヤを優しく抱きしめるだけの歩は消え


そこには冷酷な笑みと

卑猥な言葉を投げつけては

非情に腰を打ち付け楽しむ



悪魔のような歩がいた

No.53 10/05/06 12:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 52 カヤがベッドに崩れる様に身を投げ出すと


覆い被さる形で歩が抱く


カヤの全身を
歩の全身で
包み込むように強く優しく



カヤは胸に熱いものが込み上げ

歩の背中に手を回し
ギュッと強く抱き返す

すると歩もまた
まるでカヤを壊さないように優しく
しかし強く
抱く腕に力をこめる

沈黙が続き、何度となく繰り返され

2人の体温は溶け合い同じになる

歩に抱かれる喜びは
今までで一番幸せなものとなった


それは
明日も明後日も

ずっと歩と共に居られる未来が続く事に

幸福感で全てが満たされ


カヤの涙が頬を伝った

No.52 10/05/06 08:41
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 51 「そんなエロイかっこう…
カヤは本当にしちゃうんだ…」


またしても
可笑しそうに笑みを浮かべた歩は
容赦なくカヤの目を見詰め言った


自分の秘部を広げている指が震える


見せ付けるように
歩はカヤの目を見詰めたまま


舌先だけでゆっくりと舐め始めると


今まで焦らされ続けたカヤは

腰を浮かせ
あっという間に果ててしまった


「気持ち良かったんだな…
ほら…また出てきた…」


秘部から新たに溢れてきた愛液を確かめる様に指を入れ
ピチャピチャと数度音をあげると


歩はカヤのTシャツを剥ぎ取り

自分も裸になった


迎えたばかりの快楽の余韻に
身体をひくつかせうなだれるカヤの頭を優しく撫でると


ベッドへと促した

No.51 10/05/06 00:28
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 50 卑猥な音だけを延々と聞かされるだけ


しかし聞かされれば聞かされる程


とめどなく溢れてくる蜜


カヤは酷く興奮し

歩はそれを楽しむ


「凄いな…

これじゃもうパンツも吸いきれないな」


そう言って歩は漸く
カヤのショーツを脱がせた



「綺麗にしてやるよ…」


そう言って歩はカヤの愛液を
ペロペロと拭き取るように

舌全体で舐め上げ

また
ズルズルと音をたて吸い上げた




早く確信部分に触れて欲しくて

カヤは頭がおかしくなりそうだった

狂った様に激しく身を捩らせ声を上げる


歩はフッと笑う

「下品な女だな…

やらしい匂い振りまいて
愛液垂れ流して
声上げて喜んでんだからな…


カヤが舐めて欲しいとこ舐めてやるから
自分で剥けよ…」


もはやカヤの思考は
更なる快楽を得る事のみの物となり


上に持ち上げる形で
自分の秘部を
自分の指で広げ
期待に胸を膨らませた様に限界まで大きく突起した
その部分を露出させた

No.50 10/05/05 12:00
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 49 それだけ言って

カヤの足の間へと戻り


秘部に顔を近付けて待ちわびる歩の目の前で


カヤはショーツのその部分を横にずらし
露わにした


その途端
カヤの羞恥は再び興奮へと変わる



歩に好きになって欲しい…

と思う気持ちが


歩に自分の淫らな部分を見て欲しい…


と思う気持ち


2つの切望する気持ちが入り混じり


自分の蜜が
尻まで伝っているのがわかる



歩の声は優しいものに戻る

「ちゃんと言うこときけてイイ子だね」

そんな言葉にさえ欲情し
更に息を荒げ


プルプルと足が震えるカヤに



歩は笑いながら言った


「だけどお前…氷だなんて嘘じゃん

ここからすごいヌルヌルるしたの出しちゃってるよ」


そう言って


指でピチャピチャと音を立てて聞かせた

No.49 10/05/05 11:30
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 48 「カヤのここが熱すぎて
氷全部溶けちゃったじゃん」


歩は薄ら笑みを浮かべながら呆れた口調で言った


その冷ややかな様に
羞恥が蘇り
カヤはまた歩の目を見れなくなっていた


「パンツこんなにびしょびしょにして…

氷が溶けたせいだよな」



カヤは強く固く目を瞑り

コクリと頷ずくのが精一杯だった


「ホントかよ?

じゃあ確かめてやるから
自分でパンツずらしてみろよ…」



しかし羞恥に苦悶の表情を浮かべるだけのカヤに


痺れを切らした歩は
再びカヤの耳元までくると


乳首をつねりながら言った


「俺に好きになって欲しいんじゃなかったっけ?」

No.48 10/05/05 11:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 47 呼吸を忘れ
むせかえりそうになる程の激しいキスを遮ったのは歩の方だった


歩は再びグラスに口を付けると

溶けて少し小さくなった氷をひとつ口に含み

口移しでカヤへ

そしてカヤはまた歩へと

何度となくお互いの間に行き交わせた


その氷を
歩はくわえたまま

やはりTシャツのままのカヤの乳首に
それを当て


先程の舌より更に冷たい刺激に

カヤは何度も声を上げ身を捩らせた



氷はゆらゆらとした動きで下へ下へと這い


歩はカヤの足の間に顔をうずめると



ショーツの上から
秘部を上下になぞり


小さく突起した部分には
クルクルと円を描くようになぞった


冷たく固い感触に


カヤの敏感なその部分は
声と共に

大きくなっていった

No.47 10/05/05 10:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 44 冷たさが刺激を高め カヤの乳首はみるみる固く突き出す 「コレ見ろよ カヤの乳首すごいエロいから…」 歩の言葉に思わずカヤは自分の乳… 濡れた布が擦れる快感に

次々と投げ掛けられる歩の淫らな言葉


興奮で理性は溶け

いつの間にかカヤは
自分が愛撫されている乳首から目が離せなくなっていった


身体を激しく捩らせるせいで

カヤの着ていたTシャツはいつの間にか腰まで上がり

ショーツが丸見えの状態になる


歩はカヤの足を開かせると
また耳元で呟いた



「こんなところに…
大きなシミができてるよ…」


愛液が滲むその部分を優しく指でなぞる

カヤは
そのシミと歩の行為を目の当たりにし


興奮の勢いで
後ろに振り向き
歩に激しく唇を重ねた


歩も興奮しているのだろう

荒い息遣いに、深く舌を絡めては

片手で強く乳房を揉む


その激しさが

カヤの作ったシミを
更に大きくさせていった

No.46 10/05/05 10:20
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 45 💐➡☺✨



🙇🙇🍀🍀



✊🔥✊🔥✊🔥




ちゃら💪

No.45 10/05/04 15:44
☆レイ☆ ( 30代 ♀ UHPAh )

ちゃらさん楽しみにしてます

頑張って下さい😊💐

No.44 10/05/04 03:46
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 43 冷たさが刺激を高め
カヤの乳首はみるみる固く突き出す



「コレ見ろよ
カヤの乳首すごいエロいから…」


歩の言葉に思わずカヤは自分の乳首へと視線を落とすと

白色のTシャツは
濡れて
くっきりと乳首の形を表し
うっすらとその色をも透けさせていた


カヤは
淫らに尖っている自分のそれを見て

そのあまりの卑猥さに

直視しきれず
すぐに目を背けた


「恥ずかしいんだ…」



そう言って歩は

Tシャツの上から乳首を甘く噛む



自分の秘部が急激に熱くなるのを感じながら

たまらずカヤは声を上げ始める


「恥ずかしくて気持ち良くなってきちゃったんだね……

もっと気持ちよくなるから
ちゃんと見ろよ…」

そう言って
今度は後ろからカヤを抱き抱えると


両乳首を指で転がす様を見せた



「ほら…
こんなに固くして…」


耳元で甘く囁く


カヤは自分がされている愛撫に目をやりながら

その快感を受ける


視覚と触覚の快楽が重なり


カヤは益々声を上げ興奮していった

  • << 47 濡れた布が擦れる快感に 次々と投げ掛けられる歩の淫らな言葉 興奮で理性は溶け いつの間にかカヤは 自分が愛撫されている乳首から目が離せなくなっていった 身体を激しく捩らせるせいで カヤの着ていたTシャツはいつの間にか腰まで上がり ショーツが丸見えの状態になる 歩はカヤの足を開かせると また耳元で呟いた 「こんなところに… 大きなシミができてるよ…」 愛液が滲むその部分を優しく指でなぞる カヤは そのシミと歩の行為を目の当たりにし 興奮の勢いで 後ろに振り向き 歩に激しく唇を重ねた 歩も興奮しているのだろう 荒い息遣いに、深く舌を絡めては 片手で強く乳房を揉む その激しさが カヤの作ったシミを 更に大きくさせていった

No.43 10/04/29 16:58
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 42 歩はペットボトルの水をグラスに注ぎ

それを一口飲むと



カヤの肩に腕を回し唇を重ねた


間もなく舌が
カヤの唇を割って侵入してくる


冷えた水を飲んだばかりの歩の舌は

冷たい



カヤの口内を動き回るその冷たさが


カヤの感覚と思考を集中させた




そのまま歩の手は
カヤの胸へ

Tシャツの上から乳房を揉む


ブラをしていない為
その刺激は直に伝わってくるようで


しかし薄い布一枚に隔たれているもどかしさとで


カヤの口から甘い吐息が漏れる


歩はもう一度水を一口飲むと

再び冷たくなった舌で


そのままTシャツの上から
乳首を口に含み
舐めては転がした

No.42 10/04/29 16:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 41 冷蔵庫を覗き込んだ姿勢のまま、そんな事を考えていると



「さっきからパンツ見えてるよ」

歩が言った

それは
わざと意地悪く言う時の

あの歩独特の口調だった



歩が貸してくれたティーシャツは
歩が着てもきっと大きいだろうと思える程で

立って入れば短いワンピースのようだが
屈めばやはりショーツが見えてしまうという事に気がつき


カヤは慌てて
水を取り出す


「コレに氷入れて」

歩が差し出したグラスを受け取り

今度は冷凍庫を開ける


やはり市販の
ロックアイスが入っていた


氷も買うのか…


考えながら
いくつかグラスにいれると


それを歩に渡した


「ありがと

水もパンツも」



ニカッと笑いながらそう言って

ポンポンと自分の隣を叩いてみせた


カヤは歩に促されるまま

ショーツに気を配りながら隣に座る

No.41 10/04/29 13:00
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 40 「カヤ、冷蔵庫から水取って」


【水?】

カヤは不思議に思いながらも

歩に頼まれた通りに冷蔵庫を開けてみると

スポーツドリンクや栄養ドリンクに並び
確かにそこにはペットボトルの水が入っていた


「お水…買ってるの?!!」


カヤの質問に今度は歩が不思議そうな顔をした


がすぐ、カヤの疑問が読めたようで笑って言った


「確かにあっちで水買うって感覚無かったもんな~」


「水道のお水飲めないの?!」


「いや、今は飲めるしそんなに不味くもないみたいだけどな…
なんとなく」


カヤは再びカルチャーショックを受けた

確かにスーパーやコンビニで目にした事はあったのだが


災難時の非常水用にする以外に

一体誰が買うというのかといつも疑問に思っていた


外で喉が渇けば、ジュースやお茶を買う事はあっても


わざわざ水を買うという考えは無かったし

そんな人間もカヤの回りにはいなかった


東京の人は、水道水を飲まないのか…



カヤには
やはりここが未知の世界のように思えた瞬間だった

No.40 10/04/29 12:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 39 「明日はこの街、案内するよ」


カヤが疲れていた為

この街の最寄り駅から

途中食事をしただけで
後はコンビニに寄ったくらいだったが



知らない土地に見慣れない建物や店が建ち並ぶ街並みに

カヤはワクワクしながら歩いてきたのだった



歩の言葉にカヤの胸は弾んだ


「って言ってもあんま期待すんなよ

さっき歩いててわかってると思うけど

東京って言ってもここはそんな都会じゃねーから」


笑いながら歩が言う

しかし、自分が住んでいた田舎に比べれば


その世界はカヤにとっては充分過ぎるほど都会の色をしていた


何しろ、唯一立ち寄ったレストランやコンビニさえも


カヤの田舎では見たことがない店名で

テレビか雑誌で目にした事があっただけの存在だった


コンビニにイートインコーナーがあるだけでビックリしたくらいだったのだ

No.39 10/04/29 11:05
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 38 そんなカヤの苦悶の表情を楽しむかのように見ながら


歩は
そっと指を秘部にあてがう





「首筋にちょっとキスしただけなのに…

それとも脱がされててこうなっちゃったのかよ?」


カヤの愛液が付いた自分の人差し指を見せながら歩が言った


更なる羞恥にカヤの表情は歪み

しかしそれに反して
下半身が熱くなってゆくのを感じてしまい

続きを期待している自分に気付く



しかし歩は
再びショーツを上げてしまい

ジーンズだけを足から抜き取ってしまうと



「女の子がメンズのティーシャツだけ着てるのって可愛い

今日はこれでいてね」


そう言い
ベッドの端にスウェットを投げると


何事も無かったかのように煙草に火を付けた

No.38 10/04/29 10:17
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 37 そのカヤの動きに
また耳元で囁く


「あれ?
何か期待しちゃった?」


そして声色を変えて言った

「はい、バンザ~イして」



まるで子供の洋服を脱がす時のようだ



カヤは色んな恥ずかしさが入り交じる中、手にしていたスウェットを床に置くと
従うままのポーズをした


歩はスルリと洋服を脱がし
肩紐が掛かったままでいる外されたブラをも取ってしまうと


カヤが床に置いたスウェットの間から
一緒に渡したティーシャツを取り出し
カヤに着せた


次に
カヤのジーンズのベルトに手を掛けると

カヤは慌てて言った

「そ!それは自分でやるよ!」



しかし歩は悪戯な笑みを浮かべ


そのままボタンを外し、ファスナーを下ろすと
一気にカヤのジーンズと共にショーツまで下げてしまった


カヤはあまりの恥ずかしさで
言葉を失う

No.37 10/04/28 09:25
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 36 歩の言葉は理解出来ても


しかし久しぶりに会ったばかりの歩の前で

服を脱ぐという行為に

カヤはやはり躊躇ってしまう



そんなカヤを見て歩がまた笑う



歩はカヤに近付き

そっと唇を重ねると

「手伝ってやるよ…」


耳元で囁く



カヤの返事も待たずに

いきなり歩はカットソーを捲り上げ


脱がしきらないままの状態で


ブラのホックを外してしまう


「ちょっ…」


突然の歩の行動に
カヤは驚きの声を上げかけた時


歩がカヤの首筋に唇を這わせる


ゾクゾクとした快感にカヤの身体はビクンと反応してしまう

No.36 10/04/25 11:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 35 「あ、カヤその格好のままじゃ寛げないんじゃねーの?」


そう言って歩が
引き出しから上下のスウェットを取り出す


「あ、
一応持ってきたけど
ダンボールの下の方に入れちゃったかも…

ごめんね、今日は借してもらうよ」


そう言って


歩から受け取った



どこで着替えようか
カヤはキョロキョロとする


「どうした?」


「あ…
トイレ借りるね!」

「それ持って?」



「う…ん

トイレで着替えさせて貰おうかと思って」


カヤの言葉に
歩は大きく笑う




「これから一緒に暮らすのに、毎日そんな事すんの?

ここで着替えればいーじゃん」

No.35 10/04/24 13:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 34 「あ~
やっぱりかなりヘタになってんな~」


歩が少し苛立ちを見せた

久々のギターに
指が思い通りに動かないのであろう


しかしカヤには
全然そんな風には思えない


あまり音楽に詳しくないのもあるだろうが


なにしろ歩のギターを聞くのも初めてなのだ


その差を
比べる事など出来ないのだ


歩の苛立ちが理解出来ず


「そうなの?!

凄い上手だと思ったけど!


それにオニイサン、凄くカッコイイ!!」


カヤの純粋で率直な意見に

歩は照れくさそうに言った


「そこに、オレの昔の動画入ってるから

今度ヒマな時にでも見ていーよ」



【歩の昔の姿…】



カヤは


それに
凄く興味を持った

No.34 10/04/24 13:10
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 33 「カヤの荷物届いてるよ」


まだ開けられていない
見覚えのある
大きなダンボールがひとつ部屋の隅に置かれていた




「本当だ!ありがとう!


すぐに片付けた方がいいかな?」



「いや、いーよ
今日は疲れてるだろ?


荷物それだけなんだし
これからゆっくりやればいーよ」




ふとカヤの視界に

派手なギターとマネキンの頭が映った



聞くとマネキンの頭は

練習台として
学校や自宅で使っているらしい




「学校どう?
楽しい?
勉強は大変?
友達はできた?」


カヤは自分の知らない歩を知りたくて

沢山の質問を投げかけた


歩は笑いながら
それにひとつひとつ答えてくれる




「ギターはもう弾いてないの?」


「もう全然」


「聞きたい!」



「多分かなり下手になってると思うけど」


そう言いながらも歩は

静かにギターを弾き始めた




そこには
カヤが見たことのない歩の姿があった



カヤは本当に

自分は歩の何も知らないんだという事を
思い知らされた気がした

No.33 10/04/24 12:02
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 32 歩の家は、歩が上京した時から一度も引っ越してはいないというワンルームマンションだった


と言っても
歩も上京してまだ三年目だ

その外観から
まだ築浅であろう事が伺い知れる


カヤが男の部屋に1人で入るのは


リョウの家へ行っていた依頼で


無意識に
ふとリョウの顔が脳裏を掠めた



しかしカヤは自分の「清算」を思い出し、すぐに頭を振り



その姿を追い出した





歩の部屋は
男の1人暮らしらしく
こざっぱりとしていて

しかし案外綺麗にされている



歩はここで
東京での生活を送っているのだ



そして

これからこの部屋で


自分と歩の


新しい歴史が作られていくのかと思うと


カヤは不思議な気持ちと

ワクワクした気持ちになった

No.32 10/04/20 12:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 29 トイレを見付けると そこから逃げる様に駆け込んだ やっと止まる事が出来たカヤは 早く歩に連絡を取らねばと 急いで携帯を取り出す … 間もなくして


「カヤ!」


こちらに走りながら向かってくる歩の姿に



カヤは漸く、本当の意味で安心する事ができ

動けずにいたその場から離れ
歩に駆け寄った

「オニイサンッ!!」


「お~ぉ!
やっと見つけた

よく来たな!」


カヤは歩との久しぶりの再会に

その照れくささから抱きつきたい衝動を抑えた


歩に出会えた安心感と喜びで

さっきまでおののいていた恐怖心は
好奇心へと変わり
周りを見渡す



「凄い数の人だね!」


この
数多くの人間が行き交う中で


歩がカヤを見付け出してくれた事に

カヤはとても満たされていた


何処へ行っても
歩は必ず自分を見付けてくれる…


そんな気がしたのだ

はぐれないようにと歩が差し出してくれた手を


カヤは離れるものかという気持ちに


ギュッと力強く握りしめ


人混みの中
歩き出した

No.31 10/04/20 08:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 30 🌷💐➡☺✨✨






🙇🍀🍀






✊🔥✊🔥✊🔥







ちゃら💪

No.30 10/04/19 02:04
ミンチ ( o548h )

ちゃら様🌷💐

昨日も今日も…続…カヤの依存 読ませて頂きました。…😭…

というか…毎日読まずにはいられない…💦😱
ミンチはちゃら様の描く世界にドップリとハマってしまい…気になって仕方ないのです

次を心待ちにしています…🙇

追伸…カヤと歩オニイサン ハッピーエンドを願ってます
✌😉

🐨ミンチ

No.29 10/04/18 10:42
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 28 トイレを見付けると
そこから逃げる様に駆け込んだ


やっと止まる事が出来たカヤは


早く歩に連絡を取らねばと


急いで携帯を取り出す


メールが何通かきていた


【今どこ?】
【もう着いた?】
【連絡して】


カヤは慌てて歩に電話を掛けた


「どうしよう!
今自分がどこにいるのかわかんないよ!!」


カヤは完全にパニックに陥ってしまった

歩の問いにろくに答えられず


ただトイレにいるという事だけを繰り返すばかり



「落ち着けって!

すぐ見つけ出してやるから!」



歩はゆっくりと、そしてとても優しく
ひとつひとつ丁寧に確認しながらカヤに聞く


改札は出たのか
トイレから何が見えるか
そこに辿り着くまで、歩きながら
何を見たか


幾つかの質問を繰り返す


「そっちか!!

カヤわかったから、そこから動くなよ!」

  • << 32 間もなくして 「カヤ!」 こちらに走りながら向かってくる歩の姿に カヤは漸く、本当の意味で安心する事ができ 動けずにいたその場から離れ 歩に駆け寄った 「オニイサンッ!!」 「お~ぉ! やっと見つけた よく来たな!」 カヤは歩との久しぶりの再会に その照れくささから抱きつきたい衝動を抑えた 歩に出会えた安心感と喜びで さっきまでおののいていた恐怖心は 好奇心へと変わり 周りを見渡す 「凄い数の人だね!」 この 数多くの人間が行き交う中で 歩がカヤを見付け出してくれた事に カヤはとても満たされていた 何処へ行っても 歩は必ず自分を見付けてくれる… そんな気がしたのだ はぐれないようにと歩が差し出してくれた手を カヤは離れるものかという気持ちに ギュッと力強く握りしめ 人混みの中 歩き出した

No.28 10/04/18 10:06
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 27 新宿到着のアナウンスが流れ


他の乗客に流されるようにカヤも電車を降りる



凄い数の人間に圧倒され

カヤはうまく止まる事も出来ず


人の流れに押されるばかりだった



右も左もわからない

止まろうとすれば
行き交う人とぶつかる


他人の歩く速度に
自分も合わせなければならないような気がして焦る




未知なる世界に紛れ込んでしまったようで


カヤは怖くなった

No.27 10/04/17 20:14
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 26 初めて乗る
東京行きの特急電車に揺られ


田畑や山ばかりを繰り返す
一見何の変わり映えもないような
退屈な景色に

今まで生きてきたこの17年間と
今日この日のサヤカまでの出来事が

脳裏を掠めた



清算…


出来たのかな…













景色はいつの間にか

見たこともない程
大きなビルが建ち並ぶ


都会の街並みに変わっていた事に気付く


いよいよ歩の暮らす東京へ


本当に来てしまったんだと




緊張と期待が入り混じり


カヤの心臓はドクドクと音をたてる

No.26 10/04/17 14:52
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 25 「カヤちゃん…

私…もう売りはやめるよ


ウリ相手に必ずゴム着けさせてたけど

正直、本当にみつるさんの子かな…

って思ったりもしたんだ…


それでみやちゃんから、カヤちゃんの話聞いて…


やっぱり売りは良くないって…痛感したよ…


それを


お腹の子と…
カヤちゃんが教えてくれたんだって…

思ってるよ…


だから…ありがとうね…


それだけどうしても伝えたくて…」


カヤはサヤカの言葉に涙した


もっと…
もっと早くに
ちゃんとぶつかっていたら…


こんな風にサヤカを

苦しめずに済んだのではないか…


なのに
サヤカはわざわざ礼の言葉を述べに来てくれたのだ


カヤは
何度言っても言い足りないほど


「ごめんね…」

「ありがとう」
を繰り返し

サヤカに見送られ

電車に乗った

No.25 10/04/17 13:37
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 24 「どうするの…?


美也子には話した…?」


「堕ろすしか…ないよ…


私まだ16だもん…


みつるさんにも…

今は諦めてくれって言われてる…


みやちゃんにも話したよ…


みつるさんに凄い勢いでキレてたけど…


どの道産んだって

あんな人が父親なら

子供も私も不幸になる…って…」


サヤカは

本当は生みたいのではないだろうか…


カヤにはそんな気がしてならなかったが


自分もまだ17だ

無責任に誘発し、人の人生を左右させる訳にはいかない


カヤには
何も言ってやれる言葉が見つからなかった

「そっか…



大変だったんだね…


ごめんね…


何も知らなくて…




何もしてあげられなくて……」


そんな今大変な状況に置かれている中にも関わらず

自分の為に
わざわざ見送りに来てくれたサヤカに


カヤは自分が何もしてやれない


無力感に


打ちのめされていた

No.24 10/04/17 13:05
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 23 「…みつるさんの子だよ…
売りの時は
絶対にゴム着けさせてたからね…


みつるさん…
酔うと必ず

中出ししちゃうんだよね…



生理遅れてて

おかしいな…って思って…

検査薬買ったら陽性反応出ちゃって…

みつるさんに相談して

病院に連れてって貰ったら


やっぱり妊娠してるって言われたの…



だからカヤちゃんに会うのが今日になっちゃったんだ…」


サヤカは曇った顔に
無理やり笑顔を浮かべた


しかしカヤにはそれが
余計に切なく見えた

No.23 10/04/17 13:00
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 22 「○○駅だよ
私今から東京へ行くんだよ…」



「うん、みやちゃんに聞いて
私もどうしてもカヤちゃんに会いたくて!

バスに乗って…
今○○駅の改札前にいるの!」



自分を見送りにきたという
サヤカの気持ちに

カヤは嬉しさで胸を弾ませ

階段を全速力で駆け上がった





「ごめんね…!
わざわざ来てくれてありがとう」


「私の方こそ、こんなギリギリにごめんね…


色々あって…
今日になっちゃったんだ


みやちゃんから聞いてビックリしたよ…」


「うん…
今まで黙ってて…
ごめんね…」


「寂しいけど、カヤちゃんの事応援してるから!

お盆とかお正月には絶対帰って来てね!


待ってるから!」


「うん!」


サヤカの笑った顔に曇りが陰る


「それからね…


実は私…赤ちゃんが出来たみたいなの…」


「え……!?」

カヤは
突然のサヤカの告白に衝撃を受けた





言葉が出ない

No.22 10/04/17 11:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 21 東京行きの特急電車がある
大きな駅に到着し
中まで送ると言ってくれた父を制し


「送ってくれてありがとね

じゃあね
元気でね!」



「身体に気を付けて
仲良くやるんだぞ」

「わかってるって!
お父さんも身体に気を付けてね!」


カヤは笑顔で
父に沢山沢山手を振った





外は
まるでカヤの心を映し出すような

雲一つ無い快晴だった




そこに携帯が鳴る


サヤカからだった


「もしもし」



「カヤちゃん今どこ?!」

No.21 10/04/17 11:33
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 20 父もカヤの煙草に誘われた様に


運転しながらもぞもぞと自分の煙草を取り出した


しかしなかなかライターが着かないようだ


信号に捕まり
諦め、シガライターを温めようとした時


カヤは自分のライターで
父に火を差し出した

促されるままそれを使い

漸く煙草に火を付けられると


父は美味そうに煙を吐き出しながら言った


「カヤは随分ゴツいライター使ってるんだな」


それは

カヤが生まれて初めて告白した黒沢から貰い


【勇気の勲章】と名付け大切にしてきた


インディアンの顔が掘られている
あのZippoだった


「コレあげるよ!

お父さんみたいなおっさんがこれ使ってたら

ちょっとカッコイイと思うよ


どうせお父さんのそのライター、もう着かないんでしょ?」

「ええ…いいのか?」


「いいの!
これも私の精算のひとつだから!」



カヤの言葉の意味が理解出来ず
不思議そうな顔をする父の顔をみて


「こっちの話」

とカヤはケラケラ笑いながら


【勇気の勲章】を


父の車へと置き去りにした

No.20 10/04/17 10:56
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 19 カヤはタバコに火を付けた


思えばカヤがタバコを吸っているのを
最初に見つけたのは
父だった


父親は怒りもせず、優しく諭す訳でもなく


「おっ!
カヤはいっちょ前に煙草吸ってんのか!


銘柄は何吸ってんだ?」


カヤが悪びれもせず面倒臭そうに銘柄を見せると


「そうか、やっぱり今時な煙草吸ってるな~」



何が今時なものか…


父親の威厳など全くないと心の中で馬鹿にしていた



結局その後母親にも見つかったのだが


その母の様子から

父から母に言う事はしなかったのだと伺い知れ


カヤは父を益々馬鹿にし


それからは父の前で堂々と吸っていたのだ

No.19 10/04/17 10:25
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 18 沈黙の中

ラジオから流れる
古めかしいメロディーラインの歌謡曲に合わせ


父親が鼻歌を歌う


娘と2人きり


カヤの父親は元々無口なのだが


更に東京へ旅立つ娘を送るというこの状況の中


一体何を話したらいいのかわからず


沈黙にも耐え難い



そんな父親の心境をよく映し出しているその姿に


カヤはまたクスッと笑う


おかげでイライラした気持ちは消えた



兄が休学をしたと聞いて、イライラとしてしまったカヤの気持ちなど
きっとわかっていないのだが



嫌いだった父親の無責任さに


カヤはまた救われたのだった

No.18 10/04/17 09:46
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 17 「東京なんて何でもあるし、カヤはいいなぁ~」


父親は相変わらず状況を読まず、間の抜けた会話を振る



しかし、
母と妹との別れが切なかった分

今のカヤにはこれくらいが丁度いい


思わずカヤはクスッと笑う


「お兄ちゃんは元気なのかな?」


名古屋の四年制専門学校へ通う兄とは
気が合わずよくケンカをしていた


自分から切り出しておいて
ボコボコにされていた中学生の頃を思い出してしまい

カヤはなんだか苦い気持ちになった


「あぁ…
元気なんじゃないかな?

学校一年休学するって言ってたって母さんから聞いたけど

今何してんだろな…」


「休学っ?!
なんで?!!」


「知らん…
でも今年一年休学するけどちゃんと卒業はするって言ってたらしいぞ」



「当たり前だよ!」

カヤの家庭の貧しい経済状況下で、大学ならまだしも
専門学校にも関わらず敢えて四年制を選び
高い授業料を無理に工面させ

兄は好きな道へと進んだのだ



あんな手紙を送りつけておいて…


カヤは自分が何故高校を辞めたのか

その意味を兄が少しも理解していない気がして


イライラとした

No.17 10/04/16 12:16
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 16 「東京で頑張ってね…」


そのカヤの微笑みに
応えかのようにチエは言った


「うん…
チエも…
私と違って頭いいんだから…
勉強頑張るんだよ!」



まるで
今までの事は無かったかのように


優しい言葉を捧げてくれた妹に


カヤはどれほど救われる思いだったか…




2人に見送られ
父の車に乗り込むと

見えなくなるまで

ずっと
2人の姿を見つめた


また2人も同じく

ずっとそこに立ち尽くし


旅立つカヤを見守っていた

No.16 10/04/16 09:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 15 愛していながらも

結果
間接的に苦しめてきてしまったのだ



カヤの一番の被害者は


妹チエだったのかもしれない


今、カヤを見つめるその瞳には


控え目だが
なにか
凛とした力強さが宿っていた



自分と血の繋がるもの同士のせめぎ合いを

日々目の当たりにしなければならない

数々の苦しみに


ひとり静かに耐えてきたチエは


こんなにも
強くならざる得なかったのであろう


カヤは


そんなチエが

いつの間にか
自分より大人になってしまったかのように見え


また胸に小さな痛みを感じる




やっと…解放してやれる…


早く大人に近付かせてしまったチエに


これからは年相応の時間を過ごしていって欲しい



結局出ていくという方法でしか


自分は妹を救ってやれなかったと思うと


カヤを見つめる強い瞳に


自分の微笑みを映し出させてやるしか

思い付かなかった



【今までごめんね…】


何度も心の中で詫びながら…

No.15 10/04/15 12:26
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 14 チエはカヤと母がいがみ合う毎日に


一時的に声を失った事もある程

ストレスに侵されてきた


まだ
たった13歳だというのに…


チエはこの春中学2年になった


本来ならばチエとて多感な時期だというのに

未だ反抗期を迎えられずにいるのは


これ以上母を苦しめてはいけないという
責任感からであろう

カヤは

自分の存在が

愛する妹の大切な青春に影を落とし

その輝けるはず時期の青春も
反抗期さえも


全て自分が奪ってしまっている


そんな後ろめたい気持ちに苛まれ


しかし、それでも
自分の反抗心と折り合いを付けられない身勝手さに


カヤはどんどん自分が嫌いになっていった

No.14 10/04/15 08:41
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 13 そんな2人のやりとりを静かに見つめていたチエと目が合う


カヤはチエに対してはいつも罪悪感でいっぱいだった


小さい頃から
親や兄、親戚の
一見偏ったように見える愛情の分配に


カヤが心を痛めてきた事を


きっとチエは気付いていたのであろう



皆に愛される身でありながら


決して我が儘になる事はなく


どこかいつも
カヤに遠慮がちでいた


そんなチエに気付いていたカヤも



家族の中で
唯一チエだけは
嫌いだと思った事が無かったし
他の家族同様、チエを可愛いと思ってきたのだ


しかし
カヤがフラフラと夜遊びや外泊を重ね

親に悪意と反抗を剥き出し



それに日々苦悩する母の姿に心を痛め


次第にカヤへ心を閉ざしていった

日に日にカヤを見る目には
悲しみや
そして時には憎しみに似た色をも映し出すようになり



カヤはそんなチエの瞳を
直視する事が出来なくなっていった

No.13 10/04/13 12:18
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 10 この時から東京へ行くまでの2日間 カヤは家族と食事を共にした そのどれにも 食卓に家族の会話はなく 流れるテレビに皆、神経を集中さ… 東京行き当日


カヤは
最後の食事を家族と共に取ったのち



家を出る支度を済ませた


最小限にまとめた荷物は

前日既に歩の元へ送った


カヤはまるで
これから日帰り旅行にでも行ってくるような

身軽な格好だった


靴を履き
見送る母とチエの方へと振り返る


「じゃあ…行ってくるね…」


「…カヤ…

あちらが…
ご迷惑なようだったら帰ってきなさいよ…」


「…うん」


「それからあなたが…
もし辛くなった時も…



いつでも遠慮しないで戻ってきなさいよ…

…ここはあなたの家なんだから…」


かつて



【あんたなんかいらない】


と言ってきた母の言葉の変化に


カヤは
自分が家を出るという事の重みを感じた


この家で

母に対しての憎しみを募らせてきた

しかしその憎しみも…
ここで捨ててゆこう…



不器用な母の

精一杯のエールに



またその母と
まるで瓜二つの不器用さを持って生まれてしまったカヤには
ただ
頷く事しか出来なかった

No.12 10/04/13 07:18
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 11 😭✨✨




🙇🍀🍀





✊🔥✊🔥✊🔥





ちゃら💪

No.11 10/04/12 04:11
あずあず ( TRfAh )

ちゃら様

横レス失礼致します🙇

【カヤの依存】最初から読ませて頂いてます😃

この小説は、本当に切なくて、自分自身が昔に忘れてきた恋心や背伸びしていた事や、親に反抗していた事や、いろんな事を思い出させてくれる素晴らしい作品だと思います❗

毎回 私はこの小説のタイトル通りカヤにめっちゃ依存しながら、一つ、一つのレスを想像しながら、読ませて頂いてます😁
お体に気をつけて、ゆっくりのペースで、最後まで頑張って書いて下さい❤
応援しています✨

No.10 10/04/12 00:11
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 9 この時から東京へ行くまでの2日間

カヤは家族と食事を共にした


そのどれにも
食卓に家族の会話はなく


流れるテレビに皆、神経を集中させた様に見える
静かなものだった


しかしそれは
共に時間を過ごしながら

それぞれの思いをそれぞれが消化していた時間であった


誰も目にしている
テレビの内容など
本当は頭に入っていないのだ



不器用な親子関係は
ただ家族共に食事をするという


当たり前の状況を作り出すだけで精一杯だった



しかしカヤは
テーブルに並ぶ料理のどれもが


自分の好きな物ばかりだという事に気が付いていた



胸が詰まる思いに


まだ思春期から抜けきれないカヤは


素直に「ありがとう」が言えない自分に苦しみ


ただ出された食事を残さず食べる事だけが

唯一出来た意思表示だった

  • << 13 東京行き当日 カヤは 最後の食事を家族と共に取ったのち 家を出る支度を済ませた 最小限にまとめた荷物は 前日既に歩の元へ送った カヤはまるで これから日帰り旅行にでも行ってくるような 身軽な格好だった 靴を履き 見送る母とチエの方へと振り返る 「じゃあ…行ってくるね…」 「…カヤ… あちらが… ご迷惑なようだったら帰ってきなさいよ…」 「…うん」 「それからあなたが… もし辛くなった時も… いつでも遠慮しないで戻ってきなさいよ… …ここはあなたの家なんだから…」 かつて 【あんたなんかいらない】 と言ってきた母の言葉の変化に カヤは 自分が家を出るという事の重みを感じた この家で 母に対しての憎しみを募らせてきた しかしその憎しみも… ここで捨ててゆこう… 不器用な母の 精一杯のエールに またその母と まるで瓜二つの不器用さを持って生まれてしまったカヤには ただ 頷く事しか出来なかった

No.9 10/04/11 23:43
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 8 「お姉ちゃん…」


部屋をノックする音の後に

妹チエの控え目にカヤを呼ぶ声がした


「どうしたの?」


「ご飯だよ…

お母さんが、今日はちゃんと食べなさいって…」



どの位ぶりだろうか…

この日カヤは家族と共に食卓を囲み

母親の作った食事を口にした



母親への反抗から

母親の作った食べ物を口にしなくなり

炊飯器に残った飯だけをこっそり食べてきた


また母親の方も
そのうちカヤの分の用意をしなくなった


久しぶりに口にしたその味は
とても懐かしいのだが


確実に
カヤの血肉を作り、これで自分は成長してきたんだと

認めざるを得ない程食べ慣れた物だった


母の味


それは誰が作った物よりも


カヤの舌を喜ばせた

No.8 10/04/11 13:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

わざわざ自分の家に電話をし、母に断りの確認をしてくれた歩の行動にカヤは驚いた



東京行きも、男と暮らす事も
反対など特に最初からされていないのだ



歩は
カヤが家族と上手くいっていない事も知っている



しかし二人の成り行きでカヤが東京に行く事に

この歩の行動から

歩は何か責任を持ってくれているように感じられて

カヤは嬉しい気持ちになり
歩に電話をした



歩は

忘れていたが
カヤはまだ17歳なんだという事を思い出し

一応自分も断っておかなければと

慌てて掛けてみた

と少し照れ臭そうに答えた


「カヤママ、いいお母さんそうじゃん」


歩がそう言ってくれた事で

カヤは少しだけ
母親に優しい気持ちを持った

No.7 10/04/11 13:19
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

マミーポコさん
ともさん
永ちゃんさん
匿名さん
ミンチさん
カナさん


☺✨✨


🙇🙇🍀🍀



✊🔥✊🔥✊🔥










ちゃら💪

No.6 10/04/11 00:21
カナ ( 20代 ♀ E0l6h )

ちゃら様🌱
更新お疲れ様です😁

続き…頑張って下さい💕

No.5 10/04/10 23:48
ミンチ ( o548h )

ちゃら様🌷

カヤの依存…続… 🙌🙌🙌ありがとうございます🙋
歩オニイサンとカヤちゃん二人の事が毎日気になっていました…😭
カヤちゃん東京に出てどんな生活になるのかしら…⁉❓⁉❓👀👀👀ドキドキします‼
ちゃら様🌷💐🌷💐
応援していますので頑張って下さいませ💕🙋

No.4 10/04/10 21:41
匿名 ( ♀ Muegi )

ちゃら様毎日愛読していて楽しみにしております。少しずつよろしいから最後まで書き続けて下さいね。応援しています😊

No.3 10/04/10 14:40
永ちゃん ( rJDMh )

初めまして♪軽い気持ちで読み始めましたがあっという間にハマっております。カヤさん幸せにしてあげて下さい🙇応援してます☆

No.2 10/04/10 14:34
とも ( MEOgi )

楽しみにしてます坥

頑張ってくださいねⅦ応援してます俉俉

No.1 10/04/10 13:56
マミーポコ ( ♀ 86lM )

いつも楽しみにしてます😃

完結に向けて頑張ってくださいね✊

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