徒歩日記

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おしゃべり好きさん
2024/08/18 06:14(更新日時)

向こうから人間が、歩いてくる。その人はいかにも、イライラしており、俺は絶対に道を譲らない、つまりどかないぞ、というオーラを発していた。ところが、彼の後ろから自転車が、割と早い速度で迫っていた。私はそれを見ながら、あ、これは、と思った。案の定、がしゃーん。二人ともびたーん。叫ぶ男。謝らない男。まぁ、ね。そうなるよね。

言い争う二人の横を通り過ぎると、道路は再び静かになった。今度は、ベビィカーを押す、母親がやって来た。母親はいかにも、柔和な表情をしており、ゆっくり、ゆっくり、歩いていた。私はすれ違いざまに、思わず、可愛いですね、と言った。すると母親は、どうもありがとうございます、とお辞儀をした。赤ちゃんは、私の顔をじっくり眺めていた。そこには、エゴ、というものが一切、存在していなかった。

私はひたすら、道を歩いた。オートバイがうるさかった。子ども達が元気に歩いていた。犬がうんちをしていた。車がクラクションを鳴らしていた。怖いお兄さんがガニ股で歩いていた。家族連れが並んで歩いていた。家につくと、私は手を洗って、しばらく横になって眠ることにした。

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