【掌編】木下に告られた

レス1 HIT数 664 あ+ あ-


2021/08/21 13:09(更新日時)

「つきあってください」
「……わたしと?」
「うん、」
「…………ごめん。分からん……」
「分からん……?」
「…分からん」
「それは、」
「ごめん。」
わたしはにげた。

さっさと、
さっさと帰った、
あー、何なん、
告白してくるんは、もっとこう
何かこう、いろんなことの後やろ、
あれは、
名前なんやったか、
去年クラスにおったか知らん、
こんな知らんところから
なんで来んのよ、
きも、
どうしてほしいんよわたしに、
あ、いやつきあって言うとんのか、
でも分からんし、
何も分からんし、
帰ったらシュートの練習せなあかんし、
宿題せなあかんし、
通知たまっとるし、
あした土曜日やし、
もう、
いったん、
忘れよ。

それで
わたしは帰って手ぇ洗った。
バスケの練習した。
晩御飯食べた。
洗いもんした。
爪切った、
お風呂入った、
ユーチューブみた、
宿題した、
せやけど、
―――――――――――
<きょう告られた
         え>
       だれに>

<木下?ってひと

    あんま知らん>
     どうしたん>

<振ったかも
         
     かもって何>
         笑>

<どうしよう

       べつに>
      ええやん>
  ふったらふったで>
―――――――――――
結局わたしは、
どないすんのがよかったんやろ。
まるでこっちが悪もんみたいな気ぃすら
してくんのに。

学年集会で
不審者が出たと先生が話してる、
その時も木下と目が合う、
きも、
木下がもっとキモかったらよかったのに、
そしたらこんなに考えんでもええ、
ガンガンふってたし、
いややなあ、
なんかうわさされとったらいややなあほんとに、
面倒やなあ、
去年も聞いたはなしを先生がしてる、
みっちゃんはなんでこんなん嬉しそうに話しとったんやろ、
「好きな人おるん?」てあの時は聞かれた、
おらんしいまもおらん、
いい加減わたしは知らんことばっかりや。
わかるんかなほんまに、
こんな面倒なことが、
そのうちわたしに木下の、
わたしのことが。







       

No.3356485 (スレ作成日時)

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No.1

木下に告られました。
しかし今どきここまで関西弁のうまい女子はいないのではないでしょうか。

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