陽子の男

初夏

日曜日に修司とドライブに出掛けた

修司

「陽子ちゃん、僕と結婚前提で付き合ってください」

陽子

「ごめんね…まだ、はっきり別れて無いから、今は付き合えない」

とハッキリ伝えた

修司は明るく大きな声で

「そうでしたよね。彼氏さん居たの忘れてしまってました」
とその場は終わる

陽子はたまに考える
私は何がしたいの？
誰が好きなの？

私って普通じゃないよね？

プロポーズされたのは、修司を入れると4人目だ

でもタイミングが悪く愛情が情に変わってから

いつもプロポーズされては、断って来た
陽子はいつの間にか結婚願望が全く無くなっていた

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若い時に子供を育てて良い母親になるのが夢だった

いつの間にか
お金の為にだけ生きている

本当に好きになった男性も居なかったんじゃないかとさえ思える

-昼過ぎ

見知らぬ番号から携帯が鳴る

陽子が出ると

女性の声
「ｳﾁﾉ ﾀﾞﾝﾅﾆ ﾅﾆｼﾃﾙｶ」

凄い怒鳴る片言の日本語に驚いた

ﾌﾞﾂっと切れたら

建築会社の社長さんから電話

「陽子ちゃん。ごめんね！家のが勘違いして電話しちゃった」

どうやら浮気がバレたらしい

陽子は建築会社の社長の甘い誘惑を初めから相手にして居なかったので

多分、どこかのお店の女の子だろう


ﾔﾚﾔﾚ…多分。
奥様はフィリピン妻だろうと予想がつく
こんな奥様がいて

店を持たせる事など、この社長に器用なマネは出来ないだろうと

あのアフターの夜を陽子は思い出し笑いしてしまった

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-8月

お店の女の子は浴衣姿

浴衣って全然、涼しくない

陽子は夏が一番嫌いだった


そんな時期

陽子は祐君に別れる事を伝えた

あっさり祐君も明るく別れる

きっと疲れたんだろうな…

そんな気持ちでいっぱいだった

でも、あっさりした別れには何かが残る
-何だろう…

陽子はモヤモヤした気持ちを残したままだった

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久しぶりに正博から携帯

陽子

「元気？どうしたの？」

正博

「俺ら、夏は海でキャンプやってんだけど、仕事か？」

お盆休みの恒例行事のようだ

正博は陽子が祐君と別れた事を聞いたから連絡してきた

陽子

「日中なら行けるんだけどね。行けたら参加するね」

キャンプ当日、陽子は修司の車でキャンプに差し入れをした
修司は別れたばかりの祐君が来ている事も知っていて車を出してくれた

陽子には真っ青な空が自分には似合わないと感じた

-夏の海

ミキと亮ちゃんが波打ち際で戯れていた
陽子

「ミキー ビール買ってきた！皆で呑んで」

そこに二人の男の子が居た

ミキが小声で

「祐君の子供だよ」
綺麗な顔立ち、きっと奥さんも綺麗なんだと思った

青いテントの方へ

子供達が

「お父さ～ん」

陽子はテントに祐君が居ると思ったら

ドキドキした

ミキに

「正博にも挨拶して無いけど。

ドライブついでに来たから帰るね」

とテントの前を通り過ぎる時に中をチラっと見た

中では奥さんが祐君にうちわで扇いでいた


陽子は何とも言えない気持ちになった


-祐君を支えているのは、奥さんなんだ

-私が好きになった人は奥さんの影響も受けて、今あるんだ


そう思ったら

眩しい太陽が陽子の気持ちを溶かすような感覚になった


車に乗る瞬間

心の整理はついた

もう思い残す事は無いだろうと

この海に
陽子の想いを置いて来たのだった

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申し訳ありません

空想の携帯小説

構想に行き詰まり書けなくなってしまい
完結できませんでした

つたない文章にお付き合い頂き

今まで読んでくださった皆様

本当にありがとうございました。

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