私の読書日記📖
猫と本が大好きです。
常に何かしら読んでいるので、読書記録も兼ねて自分なりの感想を綴ったり、読みたい本のリストもメモったり…
私もその本好きだよ😊とか、この本良いよなどのレスは大歓迎です。
でもまぁ…あくまでも私の勝手な感想文スレッドです💦
まずは最近読んだ本から。
「小さいおうち」
中島京子著/文春文庫
📖 昭和初期のちょっと良いお宅の日常や東京の街の様子が丁寧に描かれていて興味深い。私の母親が産まれる少し前の時代から物語が始まる。そして戦中、戦後…この時代を幼い頃の母はどう生きたのかと考えながら読んだ。
美しいものも愛しいものも全てが一瞬で消えてしまう無限の慟哭を抱きながらも生きていかなければならなかった人は主人公だけではなかったのですね…
映画化されるようですが、小説でじっくり味わうのが似合う世界かと思います。
主人公が作る美味しそうな料理や鎌倉の焼売、食べてみたくなりました。
🍀今、読みたい本。
「雷桜」
「せんせい。」
重松清/新潮文庫
📖 いつ読んでも何を読んでも、重松さんの小説は人間を見つめる眼差しが優しい。
これは先生と生徒のお話が6編。
私の1番は「ドロップスは神様の涙」
ドロップス…と言う響きからして自分の子供時代を思い出して郷愁を感じる。
“ドロップスは泣き虫な神様の涙なんだよ。
早く元気になりなさいって、流した涙のドロップスだよ”
保健室のベッドで交わす言葉にシンと心が静まる気がして。そして先生が言った、
「子供はニコニコ笑ってるだけじゃないんだ。」の言葉に、親である自分を省みて…と、色々考えさせられもした。
ポロポロ涙がこぼれる素敵なお話が詰まった一冊です。
「みをつくし料理帖」
高田郁/ハルキ文庫
📖 さらさらと淀みなく流れるような文章が心地良く、読み易い。
ただ、困ってしまう…。数ページごとに涙が溢れて文字が見えなくなるのだ。
悲しく、切なく、やるせなく、時に嬉しく晴れやかで、温かい…と、こんなに色々な種類の涙がこぼれる物語はあまりない。
今年出た最新シリーズでは澪の周りに少しずつ幸せの兆しが見えて、少しはホッとするも、澪自身の艱難辛苦はまだまだ続くのか?と心配で仕方ない。
それでもきっといつか、「雲外蒼天」を望める日が来ると、読者はみんな信じてるはず。
なみだはコン、コン。
因みに少し前に本当の料理帖(レシピ本)が出て、小説に登場したお料理が自宅で味わえるという、ファンには堪らないお楽しみもある。
私もいくつか作って、その味わいと共に物語の世界に浸りました😊
時代小説が苦手な人でも、これはハマるんではないかな?
「和宮様御留」
有吉佐和子/講談社文章
📖 初めて読んだのは20年以上前になるが、未だ色褪せない珠玉の名著。
皇女和宮東下を巡る歴史の大ロマン。
フィクションかノンフィクションかは分からないけれど、分からないからこそ、この胸がざわめくようなロマンを味わえるのかも。
作者は「太平洋戦争と和宮東下は同じものに思える。どちらに関わった人々もみな犠牲者だった。」と記している。
悲惨過ぎる主人公も 宮様も、誰も彼もが抗えぬ運命に押し流され、飲み込まれて行く。
まさかそんなことが…と思うのとは別に、歴史の中で誰にも知られず語られず亡くなって行った無力な人々は確かに居たのだと考えずにはいられない。
と書くと気難しい本のように思うが、物語として本当に面白く、一気読みしてしまうはず。
「尾根の彼方に」
門田隆将/小学館文庫
📖 これは小説ではなくドキュメンタリー。
日航機墜落事故から四半世紀が経った現在に改めて語られるご遺族の思いが綴られていく。
また、検視にあたった方々や上野村村長のお話も知ることが出来た。
あの山の渓流の小石に
「研修会はまだ終わらないのか」
「いつまでも待ってるぞ」
と書き記して、毎年あの夏の山を登る親御さんがいらっしゃるのだ。
知らなかった。
でも、知らなければならないと思う。
この出版の数ヶ月後に東日本大震災が起きた。
歯科医であり日航事故の遺族でもある方が設立した兵庫県警察歯科医会は大震災にも医師の派遣を行ったそうだ。
本当に、知るべきことが沢山ある。
「日輪の遺産」
浅田次郎/講談社文庫
📖 フィクションであることが救いだと思う衝撃の一冊。
また、終戦直前から現代へと続く壮大な物語でもある。
「使命という監獄の孤独」に耐え続けた少佐、戦後の復興を信じ、人々を飢えさせまいとマッカーサーへ迫った中尉、生き残った人とあの場所を守らなければと立ち上がる曹長。
三人の人間の魂に刻まれた、小さな少女たちの「あの日」、「あの場所」はやがてはマッカーサーと日系二世イガラシの魂にも深い傷跡を残して刻まれてゆく。
悲愴な物語ではあるけれど、一度読んだら忘れられない。
そんなに読み辛くはないので、一気に読み出来る。
堺雅人主演で映画化されていて私も観ましたが、やっぱり描ききれないものがあり、小説の力強さには及ばなかったと思います。
🍀今、読みたい本。
「風に立つライオン」
「シェエラザード」
浅田次郎/講談社文庫
📖 こちらも浅田さんが描く戦争の物語。
太平洋サンフランシスコ航路のエース、豪華客船弥勒丸の高貴な姿と誇り高き乗組員たちの最後の瞬間までを見届けると、海の男たちの「よォーそろォー」の声が遥か彼方から聞こえてくるかのようだ。
最終章、ベーカーの独り語りに胸が締め付けられる。
モデルは、昭和20年4月、2000人の民間人と共に撃沈された阿波丸の悲劇。
調べてみると、実際では戦後35年経ち中国政府が阿波丸の引き揚げを行っていました。その過程で見つかった犠牲者の遺骨、遺品を回収、鑑定し、日本政府に引き渡されていますが、その数僅か368体とのことでした。
史実でも、生き残った人はたった1人きりでした。
「空飛ぶタイヤ」
池井戸潤/講談社文庫
📖 私が初めて読んだ池井戸作品がこちら。これでファンになり、以降立て続けに池井戸作品を読むことになったが今でもこれが一番いいと思っている。
トレーラー脱輪事故を巡り、真実を追い求める中小企業赤松運送に対し、巨大企業ホープ自動車は隠蔽、妨害を繰り返す。
赤松の助けとなる存在は全くないわけではないがほとんどが絶望的な状況の、孤独な闘いがあらゆる場面で続く。
社員や家族、会社自体がぎりぎりまで追い詰められてゆき、まさにギリギリと唇噛み締める展開が続く。
後半は更に山場の連続で徹夜してでも読みたくなる。
脱輪事故は事実なので、「面白い」とは絶対に言えないが、ずっと記憶に残る素晴らしい作品だと思う。
🍀今、読みたい本。
「舟を編む」
「リカ」
五十嵐貴久/幻冬舎文庫
📖 ホラーサスペンス大賞受賞作品。
おぞましくて怖~い、でももしかしたら誰もが陥る現実かもしれない…というのが尚更コワイ物語。
あまりこの手の小説は読まないのだけれど、たまにはいいかなと選んでしまった(>_<)
前半は何事もなくつらつらと読み進み…
115頁で、ザワザワとした恐怖の幕開けがきっかりと訪れる。まるでメスで切り裂くように。
その後は、終わりのない終わりへと「さぁ、行ってらっしゃい。」的な加速が加わり一気読みとなる羽目に。
嫌なのに読んでしまうのは怖いもの見たさでしかないのだけれど、まんまと読まされてしまった…
しかも、もしも続きを書いてくれたら、嫌だけどきっと読んじゃうかもしれないとまで思ってしまうのは一体何故でしょう…。
- << 42 これ、是非読みたいんです‼😆😆😆 タイトルが違う前編の続編なんですよね😄もちろん両方読みたいです❗が、前編のタイトルをメモした紙がどこか行った…😓 大抵の本は文庫本化を待って買います。ハードカバーはサイズが大きいから書棚のスペース取られるし価格もお高いし😅 『恋文・私の叔父さん』 連城三紀彦、新潮文庫 は御存じですか? 十数年前に深夜にドラマを観て知って、最近映画化されたので思い出した作品の原作です。 昨日、書店に注文したら、今日の新聞に連城三紀彦さんの亡くなられた記事が載っていてびっくりしました…😞
「天上紅蓮」
渡辺淳一/文春文庫
📖 今月の新刊から選んでみた。
渡辺淳一さんというと、どうも怪しげな男女の話がグダグダと…というイメージで敬遠していたが、これは平安末期を舞台に、主人公は後白河天皇の生母、待賢門院の多幸多難な生涯を描くとのことで読んでみた。
源氏物語で描かれているように、この時代の恋愛は自由奔放で、この主人公もまた、天皇の正妻でありながら法皇(天皇の祖父)の恋人でもあるという「じぇじぇじぇ」な話ではあるが、雅やかな事この上ない世界。
とは言え、徐々に摂関政治が崩壊し乱世が訪れて後、武家社会へと移り変わってゆくわけで、平安末期に誰よりもときめいた女御の生涯は、この時代の最後の華として華麗に描かれている。
天上人たちの知られざる世界が垣間見れ、有名な歌人の歌なども散りばめられて面白く読めた。
>> 42
❤ 17さん😊お久しぶりです❗
見て下さってたんですね🎵嬉しいです。
もう誰も見てなさそうだわ~と呑気にしつつも、ちょっと寂しくもありましたが、励みになりました😊
「リカ」の続編、出てましたね。ちょっと前に📺か何かで紹介してたの思い出しました💡
で、検索してみましたらタイトルは「リターン」でした。
まだまだ文庫にはならないと思いますので私もお預けです。
私も17さんと同じで文庫待ち派なんです。
だから読みたい新刊はメモって置かないと忘れちゃって💦
ところで…お勧めの連城さんの本、「恋文」はなんか聞いたことありますがこの作家さんは全く読んだことがないので、是非読みたいと思います❗Amazonレビューも見てみましたよ。かなり高評価ですね😊
亡くなられたのも知りませんでした…
追悼として本屋さんに作品が並びそうですね。
最近では山崎豊子さんも亡くなられて…残念で仕方ありません。
読んだらまた感想を書きますね🎵
>> 50
❤ スノースタイルさん、お久しぶりですね😊
今頃は北方謙二さんに没頭中でしょうか…。北方さんと言うとハードボイルドのイメージが浮かびます。私にはなかなか手が出ない分野で、全く読んだことがなく💦盛り上がるお話が出来ず…すみません。
スノースタイルさんはお好きなのですね😊
ところで…
私も未読のままに寝かせてる本、ありますよ。(今のところ「壬生義士伝」が2年ほど寝てます)
読書はやたら読めちゃう時や、何故か全く進まない時もありますし、面白いことにその時の精神状態によって選ぶ本も全く違ったりしますね。
「これ、なんでもっと早く読まなかったんだろう」と思うこともよくありますが、結局は自分にとっての、それがベストタイミングなのでしょうね。
何かの枯渇を満たすかのように手当たり次第に読んでた時期もありますが、今は、本は出会いでもあり「今この時」の自分の状態を知るツールでもあるような気がして、素直に選んでゆっくり読んでいます。
本は逃げませんものね。
「美(ちゅ)ら海、血の海」
馳 星周/集英社文庫
📖 14歳で鉄血勤皇隊として従軍させられた少年の沖縄戦記。
日本の盾にされ、20万人が犠牲になった沖縄の海は人々の血で赤く染まってしまったそうだ。
終戦を知らず、聞いても信じず、かろうじて生きている人々は米兵に怯えながら飢餓の地獄を這う。
少年は、少女と老人を守る為に、この地獄に絶望することも許されず、子供であることなどもっと許されない。
悲しいとか可哀想とか、そんな言葉や感情など何の救いにもならないと知るこの事実を、真っ向から突き付けられる慟哭の一冊。
内容は重いけれど、読み易い文章なので読むスピードが落ちることはないと思う。
「ツナグ」
辻村深月/新潮文庫
📖 死者と生者を一度だけ、会わせてくれる使者=ツナグ。
高校生の歩美(男子)は祖母に指導されながらツナグの仕事を始める。
4つの再会のエピソードと歩美自身の物語が交差してゆく。
ファンタジックな話かと思いきや、意外に淡々としていて違和感なく読める。
「アイドルの心得」ではギクリとする台詞があり、他のエピソードにも印象深い言葉が沢山あって面白い。
今年?映画になったのはまだ観てないが、もしかしたら映画の方がドラマチックに演出してあるかも知れない。
小説は物静かで柔らかい感じ。
- << 56 「ツナグ」‼ 松坂桃李くん❗😍😍😍 キャ~ッ❗❤❤❤ ……すいません……😅
「鉄の骨」
池井戸潤/集英社文庫
📖 談合、ゼネコン…聞いたことはあってもハテナ?の業界。そのイロハが分かって、フムフム、世間はこうなってたりするわけかーと勉強になった。
主人公の青年平太も訳も分からず、現場から談合課へ投げ込まれてしまう。
世間の中の会社、組織の中の自分を考える視点をぐるりと変えられ、彼の世界が一変する。
裏の裏のそのまた裏をかいても生き残り社益を上げる、一つ計算が狂ったら命取りの凄まじい世界。
疑問を吐きつつ、反論しつつ、必死に頑張る平太がこの仕事をどうやり遂げるのか目が離せなくなる。
650頁近い長編で企業小説というと、正直読むのに「えいっ❗」と気合いが要ったが、読んで良かった。
「ステップ」
重松清/中公文庫
📖 めっきり寒くなった夜長に温かな物語はいかが?
例えば「抱っこ」。
親が小さな子供を抱っこする理由に、急いでるから、危ないから、生活の中でお風呂とか高い椅子から下ろすとか必要に駈られて、せかせかっと抱いてパッと下ろすパターンが沢山ある。
でも、何にも理由がない抱っこ、ただくっついてゆらゆらして「温かいね」っていう抱っこが子供にも親にも必要なんだって。
だけど、ママを亡くした美紀ちゃんは忙しいパパのせかせか抱っこばかりだった。
保育園のケロ先生がそれをパパに伝えてくれる…。
美紀ちゃんとパパ、残された人たちの成長と変化を読者も一緒に追っていく。
沢山の愛が詰まった湯タンポみたいな一冊。
「ガラシャ」
宮木あや子/新潮文庫
📖 三浦綾子さんの「細川ガラシャ」をずっと読みたいと思っていて機会を逃したまま、最近ふと見つけたこちらを先に読んでみた。
台詞などが割りと現代風に古臭くなく書いてあるので分かり易い。
石田軍に攻められ自害したとされているガラシャ。
この小説では「もしかしたら…」の違う仮説が所々、そしてラストにもあって、「そうだったらいいな…」と願いながら読み終えるが、
だとしても戦国の世の惨憺たる悲劇は正気を保つのも難しく、キリスト教へ傾倒して行く人々の心の変遷も理解出来る。
幽閉先で死産した直後のガラシャの狂気の描写など、本当に哀しい。
また、細川家輿入れからずっとガラシャの侍女として仕えた「糸」(マリア)の献身は史実で見ても真実で、作者はこの女性の心情にも、たぶんとても寄り添いたかったんだろうなと感じた。
遠い時代の話ではなく、等身大の女人として感じられるような描き方が良かったと思う。
「とんび」
重松清/角川文庫
📖 もう2回もドラマ化されてるから沢山の人が知ってるお話だし、私ももう何度も繰り返し読んでいるが、どうしてこう毎度毎度、泣いてしまうんだろうか。自分でもどこがツボなのか分からないのだけど、「もう堪忍して下さい」って位に涙腺崩壊してしまう。
一方で、まるで夢のような話にも思えるし、希望のようにも感じる。ここに出てくる人達のような人間に現実では会ったことがないから。
だから、優しい優しい仏様みたいな人達に会いたくなったら本を開く。
彼らはずっと物語の中で暮らしていて、ページを開けばいつでもそこで手を振って待っててくれてる。
「故郷」は私にはないけど、この物語で味わえた気がする。
「ビート・ オブ・ ハート」
ビリー・レッツ/松本剛史訳/文春文庫
📖 洋書は学生時代に少し読んだ程度で記憶に残るようなものは「エデンの東」くらいしかない。これもすでに手離した。
そんな中で、何故かずっと大事にしているのがこの作品。
16年前かな?文庫新刊で出た時に出逢って以来何度も繰り返し読んでいる。
オクラホマの田舎町を舞台に、ひとりぼっちで置き去りにされた少女ノヴァリーが、差し伸べられる手に導かれるようにゆっくりと歩き出し、奇跡のような人生を紡いでゆくお話。
でも夢物語ではなく、10代の妊娠、シングルマザー、恋人の暴力、子供への虐待など現実社会に存在する重い問題も描かれる。
愛する者との出逢いと別れ、喪失と再生の物語とも言える。
なかなかヘビーなシーンもあるが、命の輝き、愛の温もり、ふるさとの安らぎ、めぐり逢いの奇跡を 感じる素敵な一冊。
「イン・ザ・プール」
奥田英朗/文春文庫
📖 変な精神科医と無愛想な看護婦の元へ悩める患者達が訪れる。一話完結形の物語。
なんじゃこりゃ的な治療方?で「ぐふふっ」と笑いながらいつしか患者の心を解きほぐしてしまう変な先生、もしかして凄い名医??
出てくる患者の症例も様々、気の毒だけど笑っちゃう話や、なんか分かる気がする話とか。
人間って不思議な生き物だなと思うし「普通と変」って紙一重だなとも思う。
私も疲れたら、「いらっしゃーい」って長嶋監督みたいな甲高い声に迎えられてみたい😂
続編として
「空中ブランコ」
「町長選挙」
の二冊がある。
- << 81 こんちは☀ インザプールはドラマ化も映画化もされてますね🎵 同じ作家の(オリンピックの身代金)も いろいろ考えさせられて面白いですよ🎵 あと垣根涼介、伊坂幸太郎もお勧めです🎵
「あかんべえ」
宮部みゆき/新潮文庫
📖 本当に全く…面白いなぁ…としみじみ思う宮部さんの、奇っ怪なるもじんわりと染みる時代物。
とある料理屋「ふね屋」に棲む五人の幽霊達は、この家の娘おりんにしか視えない。
彼らは皆、何故自分たちがふね屋に憑りついているのか分からないままに、少しずつおりんと交流してゆく。
やがて明らかになる過去の忌まわしい事件と彼らとの因縁が謎解きのように晴れてゆく後半、ページを捲る手が止まらなくなる。
事件の恐ろしさも幽霊たちの情念もさることながら、生きている者達の恨み、憎しみ、嫉妬、歪んだ心が招く不幸とその愚かさが遠慮なく描かれていて、こっちの方が恐ろしいかもしれない。
でも作品の雰囲気は暗くなく、幽霊たちもおどろおどろしくはないので全く嫌な気分にならない。
むしろ最後は切なくて感涙してしまう。
こういう所が宮部さんらしくてとても好き。
「名君の碑~保科正之の生涯~」
中村彰彦/文春文庫
📖 徳川秀忠を父とし異母兄・家光と甥・家綱、二代の将軍に仕えた稀代の名君、保科正之の一代記。
足ることを知り決して驕ることなく、仁の心を持って幕政と会津の民の為に尽くした人物の壮大な物語。
他の小説でちらっと名前を目にしたことはあるが、あまり詳しく知らなかったので、ワクワクしなが読んでみた。
彼の出生から晩年まで、歴史上の出来事と共に分かりやすく丁寧に描かれているので、家光、家綱時代の歴史の流れがとてもよく把握出来る。
「誠は天の道なり これを誠にするは人の道なり」として、どんな事柄にも誰に対しても誠心誠意を持ってあたり、徳川の為、国の為にと私を捨ててその責を全うした信念の人。
その生き様に胸が熱くなり涙が溢れてしまう。
と同時に、彼の死後、せっかく改革した幕政も次の綱吉によって悪政が蔓延ることや、幕末に会津が朝敵として汚名を着せられるなどの歴史が悔しくなってしまう。
賢者であって心に仁を持ち、他を生かすことしか考えず、死ぬまで学びの精神を忘れずにいた、そんな素晴らしい人をよくぞ書いて下さいましたと感謝したくなる一冊。
>> 81
❤ サイコキラーさんこんばんは😊
レスありがとうございます✨
インザプール、映画化もされてたんですか❗
それは知りませんでした😲教えて下さってありがとうございます。TSUTAYAで探してみようかな😊誰が伊良部先生やってるのか楽しみです。
お勧めの伊坂さんは「チルドレン」しか読んだことないのですが、なんというか絶妙な面白さがありますよね。「死神の精度」をそのうち読みたいなと考えてる所です。
あと垣根さんは全く分からないのですがお勧めとあらば😉ちょいと検索してチェックしてみますね(*^_^*)
- << 84 しまった❗垣根涼介のお勧め書くの忘れてた😢 (ヒート・アイランド)(ギャングスター・レッスン)(サウタージ)(ボーダー)が連作で(午前3時のるーすたー)が(ボーダー)とコラボしてます🎵 順番どうり読む事をお勧めします✨
「隠れ菊」
連城三紀彦/集英社文庫
📖 以前17さんにお勧め頂いた連城さんの「恋文」を購入するつもりでいたら品切れだった為、こちらを選んでみた。
非常に叙情的な文章がとても美しいのだけれど、正直、詩的過ぎてまどろっこしい感じもした。
突然現れた夫の愛人が「ご主人を頂きに来ました」というのっけから、妻である主人公の、女としてまた料亭の女将としての戦いが始まるが、実は、長年主人公を排除し続けた亡き姑への挑戦でもあり、ただの主婦が誰にも一目置かれる立派な女将へと転身を遂げるサクセスストーリーでもある。
様々な場面で象徴的に菊の花が登場するが、姑が残した「黒帯の菊」が怨念籠ってそうなのに美し過ぎる描写で鮮やかに記憶に残る。
「聖職の碑」
新田次郎/講談社文庫
📖 これは、哀悼の涙なくしては読めない。惨たる悲劇の真実を描き出した小説。
大正2年8月、駒ヶ岳において尋常高等小学校修学旅行登山に参加した生徒、教師37名が天候の急変により遭難、11名の犠牲者を出す大惨事となる。
この「遭難記念碑」が駒ヶ岳の尾根に現存していて、作者はこれが何故「遭難者慰霊碑」ではなく「記念碑」であるのかという疑問から事故の裏側にあるものは何かを探り、小説に描き出している。
本編の後にその取材記があるので執筆に至るまでの様々がよく分かり、また生存者のその後も知ることが出来る。
「聖職」とは当時の教師たちにあった思想で「子供たちを愛し導く為には、身を犠牲にするのも惜しまない」という尊い志であったということだ。
という意味を込めての
「聖職の碑」に、
合掌。
「花埋み」
渡辺淳一/講談社文庫
📖 とても面白かったので一気に読んでしまった。
明治初期に日本で初めて正規の医師免許を得て女医となった荻原吟子の生涯。
文明開化の世とはいえ、未だ男尊女卑の蔓延る時代、迫害とも言える女性差別、蔑視の屈辱と試練にに耐えて、実に15年の月日を賭けてついに医師となったのは吟子34歳の時。
合格発表の場面ではこちらも吟子さんと一緒に泣いてしまうくらい嬉しかった。それ程、屈辱と苦難の道だった。
だが悲しいことに、あんなにもひたむきに情熱を燃やして勝ち取った医療の道も、50歳を過ぎる頃には、すでに彼女の医術は時代遅れとされ、北海道の開拓地で細々と開業するしかないまでになってしまう。
彼女が夫について北海道へ渡る時、誰もが「惜しい」と言ったが、私も全く同感だった。
せめて東京にずっといたら、新しい医療を学ぶ機会に恵まれただろうし、黙っていても勉強が御飯みたいな吟子さんなら再び医科大学へ入り直すくらいしたのではないかと思うからだ。
…ともあれ、埋もれていた花はこうして小説になったり、記念館が設立されたりしてその偉業は世に広く知られたようになったということで…良かった。
「ふるさと銀河線~軌道春秋~」
高田 郁/双葉文庫
📖 初めての、時代小説ではない高田さんの新刊。
今日を懸命に生きている人々の今の瞬間を切り取って描いた短編集。だから、明日のことは何にも書いてないのに、彼らみんなの明日を、「遠い遠い幸せ」を、何故だかきっと信じて読み終えることが出来る。
はらはらと零れ落ちる涙がスッと何かを浄化してくれるかのような感覚に包まれて、高田さんの願い通り、読者の明日にも優しい風が吹くような…。
文章の美しさと、淀みなく流れる読み易さは相変わらず、時代小説とはまた一味違った、現代ならではの透明感のある作品。
これは漫画の原作だったらしいのでそれを見たくなった。
「蜩ノ記」
葉室 麟/祥伝社文庫
📖 不穏な出来事や悪意と策略が巡る不埒な渦中にあって、主人公秋谷の、常に平静であることが、読者にも安心感のようなものを感じさせ、物語に深く静かな落ち着きをもたらしていると思う。
粛として高潔な精神は武家物の小説にはよく描かれるが、武士としての厳かな姿に胸打たれるのとは別に、この物語では秋谷の、父として夫として人間として、ごく当たり前に持つ情愛に、敢えての未練を残して逝くのも覚悟…とする切なさが堪らなく辛い。
「空から降るような蜩の声」が心のうちにこだまする尊厳なラスト、惜別の涙で文字が霞んでしまう。
村の子供、源吉のいじらしい程の義侠心、秋谷の息子郁太郎の心映えの美しさ、この二人の子供たちの固い友情も、物語の要となっていると思う。
「太平洋戦争 最後の証言」
門田隆将/小学館
📖 戦争ノンフィクション三部作の、まずは第一部、「零戦・特攻編」を読んだ。
ご高齢となられた元兵士の方々の、ご自身が体験なさったこと、目撃した出来事とその時の思い、戦友たちの姿、言葉などの証言を忠実に記している。2011年発行作品。
未だ伝え切れない末端の兵士たちの声が多数証言されている。
その中で印象深かったのは、戦後からずっと、米寿の今になっても尚、戦友たちの死の意味を考え続けているある方の、特攻について辿り着いた一つの結論と解釈の記述。
この部分は繰り返し読んだ。
歴史を知ろうとすると、必ず戦争について考えざるを得なくなる。フィクションの小説を読むにしても映画を観るにしても、戦争のことは知らないでは済まなくなってくる。
少しずつでも、本当のことを知る為には、こういった証言記録を読む、または観るしかない。興味があるから、というよりは、読むべきだという義務感のようなものと、「ただ知りたい」という理由のない欲求…のようなものが📖を手に取らせる。
第二部が控えているが、ちょっと他の物語で頭を切り替えてからゆっくり読みたいと思う。
>> 96
主さん、お久し振りです😄🎶
主さんの紹介で興味を持った 『ある少女にまつわる殺人の告白』
『徳川の夫人たち、上・…
❤ 17さん🎵お久しぶりですね(^o^)/
お元気でしたか?
📖の紹介して下さってありがとうございます✨
この方、バチスタとかゼネラルルージュとかも書かれた方でしたよね?
読んだことはないのですが、ドラマとかはチラ見したことあります。
マドンナ ヴェルデはどんなお話かなぁ…やっぱり医療系かな?
本屋さんでチェックしてみますね🎵
もう数日で12月…なんか早いですねぇ…
師走はゆっくり読書☕とはいかないかもしれませんが、ゆっくりペースでもカキコミは続けていきますのでまたいらして下さいね☺
17さんも風邪など引かぬよう、ご自愛なさって下さいね🍀
- << 105 まだまだ、メモってる作品が有ります😄 読む暇無くても、とりあえず手には入れておきます✊ 絶版になってから後悔したくないので😅 母は「年寄りだから、したい事はすぐにしておかないと❗」と、話題作を早々と買っては読み私にくれます。水嶋ヒロが本名で出した作品や『ホテルローヤル』を。 「今度は○○を注文した。楽しみ🎵」と言ってました。負けてる…😅
>> 97
こんにちは😄✋
海堂尊おもしろいですよね、お医者さんをしながらあの作品量はすごいです。
伊坂幸太郎と一緒で各作品が微妙にリン…
❤ サイコキラーさんも🎵お久しぶりです🎵
また覗いて下さってありがとうございます🙇
私のカキコミ、だいぶペースダウンしておりますが、📖読んだら即感想文📝、という作業を地味~に続けていきますので、これからも良かったら見てやって下さい💦
ところで、サイコキラーさんも17さんお勧めの📖、読まれたのですね🎵ドラマ化も多いということはやっぱり面白いんだろうなぁ…😉
この方、現役の医師なんですか?それはスゴいですよね。
今日、本屋さんで見てみますね👍
「ホタル帰る」
赤羽礼子・石井 宏/草思社文庫
📖 映画化などもされた「特攻の母」とも言われる鳥浜トメさんのお話。
これは知人が貸してくれた本なので急ぎ読んでみた。映画かな、ドラマかな?映像でも観た記憶があるが、やっぱり📖でじっくり読むべきだなと思った。
トメさんの次女である礼子さんやトメさんを知る方々の証言や遺された文書、資料などから、トメさんが何を思い、何を為したかを追っていく。
どうしても涙なくしては読めないが、これを本にまとめた方の主観というか、個人的感傷がちょっと全面に出てしまっているような文章が少しあるので、そこは証言記録として書かれる内容にはちょっとそぐわないのではないかと思った。
ともあれ、当時の写真なども多数付録されているので、内容を読みながらその方々のお顔や姿を見ると、なんとも言えず…。胸が詰まるばかりだった。
「キャリー」
S・キング/永井 淳 訳/新潮文庫
📖 今上映中のリメイク版、クロエ主演のキャリーが観たいなぁ…と思いつつ、そういえば原作を読んだことなかったなと、リメイク記念で新しく解説が付いたこの文庫を読んでみた。
私が最初の映画を観たのは子供の頃。リアルタイムではなく、テレビでだったと思う。
怖かったけど、超能力に憧れたし、意地悪なクラスメイトや狂った母親を破滅させることに一種の爽快感を感じた記憶がある。
忘れ得ぬ映画としてずっと心に残っていたのが、実に37年ぶりにリメイクされると知ってワクワク。
📖の方は、手法的に読みにくい感じが少しと、洋書ならではの「いまいちピンとこない」描写とか表現(舞台の背景や文化を知らない故の)があるが、その辺は映画を知っていることでカバー出来る。
何より面白さはやはり逸品で、ダダダーッと一気に読めるけど勿体ないからゆっくり読んだ。
映画観よ🎵
17さん、21さん、お久しぶりです~!
書き込みありがとうございました(^_^)
ミクルに来たのも久々ですが、皆さま善き新年を迎えられましたでしょうか。
私もようやく落ち着いてきたので、読書を再開したいと思います(’-’*)♪
そうそう、「手紙」、いいですよね♪映画も観たのですが.かなり泣けました。ラストが...あれは役者さんの力だなぁと思いました。
17さんはSFですか(^^)d
時をかける少女は名作ですよね!私もたまにはSF読んでみようかなー。
今年も色々読みたいです。相変わらずのスローペースですが、また書き込みしますので.皆さんも感想とかおすすめとか、自由に書いて下さいね!
ではまた(^_^)/~~
日記掲示板のスレ一覧
携帯日記を書いてみんなに公開しよう📓 ブログよりも簡単に今すぐ匿名の日記がかけます。
- レス新
- 人気
- スレ新
- レス少
- 閲覧専用のスレを見る
-
-
無知だと損をする!?( ̄▽ ̄;)0レス 90HIT 匿名さん (♂)
-
楽になりたい死にたい2レス 82HIT 常連さん
-
誰か ~I 🐻26レス 560HIT おしゃべり好きさん (♀)
-
テレビ番組が面白くない7レス 175HIT 匿名さん (♂)
-
はるとさくらの部屋10レス 213HIT 匿名さん
-
終末オヤジはどこへ行く
また、1から出直しのようで、、、 また、汚部屋になっちまった…(匿名さん0)
42レス 1167HIT 匿名さん -
はるとさくらの部屋
はるー。今週は女性ホルモン打たないどこうかなー。毎週はね。(匿名さん0)
10レス 213HIT 匿名さん -
○ら○ろ 別館(゚∀゚≡゚∀゚)
ちょいとテスト ANTHEM (OLさん231)
416レス 12644HIT シン・合成の誤謬 -
癒し専用ルーム 284
はい、分かりました。 (名無し21)
142レス 217HIT 名無し21 -
じわじわ
今日はピクニックに 行ってくる 遊ぶのは得意! (通りすがりさん0)
41レス 783HIT 通りすがりさん
-
-
-
閲覧専用
法律事務所勤務2レス 91HIT 社会人さん (40代 ♀)
-
閲覧専用
人のせいにするな1レス 55HIT 匿名さん
-
閲覧専用
貧乳なのに1レス 157HIT 匿名さん
-
閲覧専用
🌵🌸俳句を作ってみよう🌷🪴8レス 328HIT 豆たろう
-
閲覧専用
🍀🐬🍧統合失調症の部屋🌷🐦☘️25レス 749HIT 仲良しパンダさん
-
閲覧専用
ここでは…の〜んびり😊しよっか(笑)
♡HappyBirthday(*˘︶˘*).。.:*♡ LINE…(匿名)
407レス 12180HIT しなの♪ -
閲覧専用
忍blog
もう(-_-メ)(おしゃべり好きさん86)
120レス 3452HIT 匿名さん (♂) -
閲覧専用
5月8日。
穏やかな人。(通りすがりさん0)
25レス 704HIT 通りすがりさん (♀) -
閲覧専用
癒し専用ルーム 282
本当に、そうです。 結局、早く治さないと駄目ですネ。 …(名無し21)
500レス 773HIT 名無し21 -
閲覧専用
つぶいち〜🍓✨✨✨✨✨スレの…
猿の惑星見に行きたいな(匿名さん2)
500レス 28521HIT 友情不滅さん
-
閲覧専用
サブ掲示板
注目の話題
-
35歳以上は無理なのですか?
よく女性は30歳を過ぎたら、価値がないような事を言われてますが、35歳位から婚活を始めても、本気で大…
19レス 572HIT 匿名さん -
妊娠中から旦那が無理になった
旦那(バツイチ)14上 妊娠中変わっていく体型を見てトドみたいだねと言ってきた(笑って受け流せ…
8レス 355HIT 主婦さん (20代 女性 ) -
私はどうでもいい女?
先に約束していたのは私なのに、彼氏に友達と釣りに行く約束をしたとそちらを優先されました。 どこ行く…
30レス 995HIT 聞いてほしいさん ( 女性 ) -
考え無しで発言する旦那に疲れた
旦那に対しての不満を吐き出させてください。 旦那はビッグマウスくんというか基本的に先を見据えた…
24レス 422HIT 戦うパンダさん (30代 女性 ) -
義母との関わり方
義母との関わり方について悩んでいます。 旦那のことが大好きなのか心配なのか、 毎月旦那のシフ…
8レス 232HIT 聞いてほしい!さん (20代 女性 ) -
女です。大食いすぎて悩んでます。
今良い感じの雰囲気になってる男性がいます。両想いみたいです。何度かご飯に行ってますが、ラーメン屋さん…
8レス 261HIT 相談したいさん - もっと見る