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晴れのち曇り ときどき雨

レス31 HIT数 1339 あ+ あ-

月島あゆみ( 30代 ♀ 6i1hye )
13/01/28 15:40(更新日時)

ピンポーン。

インターホン越しには知らない女が立っていた。

彼女は一瞬にこっと笑ってまたすぐに真顔に戻った。

「○○と別れていただけませんか?」

…………。










※わたしの自分自身の過去・現在です。だから自レス設定です。
 どうしても吐き出したい気持ちや事柄。
 それらを綴ります。
 不快な思いをされる方、スルーでお願いします。
 

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No.1905930 13/01/24 14:37(スレ作成日時)

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No.1 13/01/24 16:41
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

「○○知っていますよね?」

……はい。




女の勘というより
この状況で何が起きているのかすぐに理解した。


騙されていたんだ、わたし。

No.2 13/01/24 16:43
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

なんとなくわかっていた。

何かあるなって勘付いていた。

連絡はいつも向こうから。

それもいつも突然。

真夜中に現れて朝になると帰っていく。

わたしといる時の電話は一切出ない。

不審点はまだまだあった。

挙げるときりがない。

No.3 13/01/24 17:09
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

まぁ、玄関先では寒いのでどうぞお入りください。


冷静を装うが声が震えた。


「あ~この部屋の匂い、あの人の服についてる匂いと同じ。」


………。


「吐き気がするんだけど」


笑顔でそう言うと女は煙草に火をつけた。

No.4 13/01/25 09:52
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

「あなた騙されていてかわいそうだから教えに来たんです」


―かわいそうってわたしのこと?―


「子供もいるんです。ひとりは施設、ひとりは障害があります」


―施設って?障害って?―






思うことはたくさんあったが女の話を黙って聞いた。

No.5 13/01/25 09:57
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

とても気になることがあった。

どうしてわたしの家がわかったのか聞いてみた。



「昨日、跡を付けました。○○で待ち合わせして○○で買い物して、この家に着いた。でしょ?」



怖いと思った。

No.6 13/01/25 10:42
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

彼はよく遊びにくるけど、付き合っているわけではないわ。

うそをついた。



中学時代の先輩と後輩、ただそれだけ、だから安心してください。

これは本当だ。

No.7 13/01/25 10:43
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

女は納得したのかしていないのかわからないけれど

「最近帰ってこないんです。あゆみさんのところに連絡あったら教えてください」

そう言って電話番号を書いて渡してきた。



……家電ですか?

「あ、携帯持ってないんで」


―携帯持ってないって、なんだ?―

No.8 13/01/25 10:55
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

女が帰って呆然と立ち尽くす。

まず何から考えればいいんだろう。

さっきのあの女はいったいなんだったのか。

彼の口から聞けば納得するのか。

それとももうこのまま彼との関係を断てばいいのか。

どうしたらいいの。

わからない。

No.9 13/01/25 11:11
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

どのくらい時間が経ったのか。

薄暗くなった部屋で携帯が光る。

彼からだ。



もしもし。

「何度もかけたのに、何してたの?」

そう、ごめん、お客さんきてたの。

「これから行くよ」

………。

「聞いてる?」

………。

No.10 13/01/25 11:21
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

こなくていい。電話ももういらない。

「は?なに?どうした?」

どうした?じゃないよ。帰る家が違うんじゃない?

「意味わかんないんだけど」

意味わかんないのはこっちよ。なんなの、もう。

「おい、どうしたんだ?なんかあった?」

No.11 13/01/25 11:42
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

なんなのよ。

突然押しかけてきて、別れるとか騙されてるとか!

子供がいるとかっていったいなんの話!?

泣きそうな顔してるかと思ったら、ドカッと座ってなんの断りもなく煙草吸うってなに?

初対面なのにどういう神経してるわけ?

挙句の果てに、わたしの部屋の匂い、吐き気がするって?

なら入らなければいいでしょ!!







一気にでてきた、わたしの気持ち。

涙と一緒に流れる数々の言葉たち。

初めてかもね、わたしがあなたに怒鳴るのは。

No.12 13/01/25 15:30
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

「あゆ?もしもし?もしもし?」

………。

「もう話したくない?
夜にかけるからお願い
もう1回だけでいいからでて」


わたしは何も答えずに電話を切った。


いったいあなたは何を言うつもりなの?

話ならこの電話でよかったじゃない。

わたしは何を聞かされるの?

もう聞きたくないんだけど。

衝撃的な展開にけっこう傷ついているんだけど

わかんないよね、あなたには。

平気で嘘つける人だもんね

No.13 13/01/25 16:18
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

このまま別れた方がいい。

最低な男。

わかっていたじゃない、わたし。

何か隠してるって、何かあるって。

いつも心の片隅にすっきりしない何かがあった。

ほ~ら、やっぱりね。

ふたを開けてみたらとんでもない男だった。

関わってもこの先ろくな事ないよ、わたし。

電話だってもう出なくていいよ。

出てどうすんの?





頭ではちゃんと理解しているのに

電話に出てしまう。

わたしって…ばか。

No.14 13/01/25 16:45
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

結局会って話すことになった

会って話したって状況は変わらない。

彼には奥さんと子供がいる。

連絡が取れない時、浮気してるんじゃないかって心配したけど

全部謎が解けたじゃない。

浮気していたんじゃない。

浮気はわたし。

No.15 13/01/25 16:50
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

やはり会って話してもなにもならなかった。

なんで嘘ついたの。

なんでなんでって

わたしからは責めの言葉しか出なかった。

彼はごめんというだけだった。



やっぱり会わなきゃよかった。

つらいだけ。

どんどん自分がみじめになっていくのがわかった。

No.16 13/01/28 09:21
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

もういいから別れよ。もう帰って。




わたしに別れの言葉を言わせるんだね。

そうやって黙って立っていられても何もわからない。

時間だけが過ぎていくの。

だからといって時間が解決する問題ではないし。

最後まで卑怯な男ね。

散々傷つけておいて別れの言葉も言わないなんて。

わたしに言わせるなんて!

No.17 13/01/28 09:50
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

彼は黙って出て行った。

何も言わず出て行った。



パタンと玄関の閉まる音がした。



初めてかもしれない。

あんなに声をあげて泣いたのは。

No.18 13/01/28 11:49
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

どういったらいいんだろう。

悲しい、悔しい、そういったものがごちゃ混ぜになって涙となる。

胸が張り裂けそうにズキズキ痛む。

言葉にならない感情が全身を突き抜ける。




苦しい、誰か助けて。

苦しい、息ができないよ。

苦しい、苦しいよ。

No.19 13/01/28 12:06
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

「あゆ…」


床に伏せていた顔を上げる。

そこには出て行ったはずの彼の姿があった。


「無理だよ、行けないよ」


そう言ってわたしの体を起こして抱きしめた。


わたしも彼の背中をギュッと抱きしめ返す。



今日だけでいい。

神様ごめんなさい。

今日だけ彼をわたしだけのものにしてください。

明日はちゃんとこの人を返します。

今日だけ、わたしに区切りをつける時間をください。

No.20 13/01/28 12:10
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

その夜はもう彼を責める言葉は出てこなかった。

責めたとしても状況はなにも変わらないから。

現実はひとつ。

この人には家族がある。

それが現実。

No.21 13/01/28 13:26
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

彼になにも聞かなかった。

聞きたくなかった。

これ以上は無理。

壊れてしまいそうだった。

こころは想像以上にダメージを受けていた。



甘い言葉もいらない。

なんにも望まない。

だからもうこれ以上に苦しめないでほしい。

No.22 13/01/28 13:38
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

朝がきた。

今度こそお別れだね、とわたし。

彼は寂しそうにしてなにも言わなかった。



手をつなぐ。

好きだったよ、とそっと伝える。



そして笑ってその手を放した。

No.23 13/01/28 13:48
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

仕事中、上の空。

彼と出会ってまだ3ヶ月だった。

たった3ヶ月…。

なのに、こんなに好きだったなんて。

思い知らされる。

つらくて涙がこぼれそう。

だめだめ、仕事中だ。

いまは泣けない。

No.24 13/01/28 14:01
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

自分を奮い立たせてなんとか職務を終える。

夕飯の買い物へ行こう。

わたしにも家族がいる。

家族のためにおいしい食事を作ろう。

No.25 13/01/28 14:16
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

わたしは18歳の時に結婚。

22歳の時に離婚している。

子供はわたしが引き取り育てている。

仕事を辞めたくなかったことと

保育園を変わりたくないことから

ここ何年、ずっと母子家庭だった。

No.26 13/01/28 14:22
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

ふたりの幼い子供を育てながら

がむしゃらに働いてきた。

やがて子供たちも小学生になり

わたしにもひとつの出会いが訪れる。

同い年の彼はそれはそれは子供たちをかわいがってくれた。

No.27 13/01/28 14:57
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

幸せだった。

子供たちもわたしも幸せだった。

なのにその幸せは崩壊する。





ある日

目が覚めるとそこは見たこともない部屋だった。

張りつめた冷たい空気。

そこはDVシェルター。

わたしと子供は保護されたのだった。

No.28 13/01/28 15:12
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

DVとは恐ろしいもの。

わたしはずっと支配されていた。

月日が流れると

殴られることに慣れ

軟禁されることを当たり前と感じていた。

それが愛だと思っていた。

自分はずっと幸せだと思っていた。

いい人と巡り合って

わたしは幸せだったのに。



すべて錯覚だった。

No.29 13/01/28 15:31
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

それから愛がなにかよくわからなくなった。

抜け殻の人生になった。

あれだけ子供のためと頑張っていたわたしは死んだ。

No.30 13/01/28 15:36
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

いまとなればDVだったと

別れられてよかったと

まともなこころがそう言ってくれる。

No.31 13/01/28 15:40
月島あゆみ ( 30代 ♀ 6i1hye )

まともなこころを取り戻すまでに何年かかっただろう。

きっと5年はくだらない。

うん、それ以上だ。

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