あっけない最後
この話は私の過去の恋愛話です。
タイトルの通り、最後は呆気ないですが、どうしても忘れられないので、投稿しました。
初めてなので、誤字脱字、支離滅裂な文章になったらすみません(>_<)
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お正月の休みは三日間。
その間、圭一と一緒に過ごす。
近くの神社に初詣に行った時、そこでも、圭一と一緒にいられますようにとお願いをした。
そのあと、タケルさん達に新年の挨拶をするために電話した。
以前に約束していたボードの話になり、お正月早々、ボードに行くことになった。
圭一とボードに行くのは初めて。
楽しみで仕方なかった。
一旦、家にボードを取りに帰ったり、色々忙しかったが、圭一も楽しそうにしていて、私もそんな圭一を見ると嬉しかった。
スキー場は遠く、朝早く出掛けた。
天気は曇り。
でも気分は明るい。
スキー場に着いてから、準備を始める。
圭一はいつも眼鏡をかけていたが、この日はコンタクト。
見慣れない圭一の顔に笑ってしまった。
でも、ゴーグルをした圭一はとてもカッコ良かった。
リフトに乗り継ぎ、一番上まで登った。
景色は最高!
急斜面だが、私は何度か来たことがあった為、怖くはなかった。
四人一気に滑り降りる。
途中、圭一は派手に転んだりした。
楽しい時間はあっという間に過ぎる。
昼を過ぎ、段々天気が悪くなってきた。
雪が振りだしたと思ったら、吹雪になった。
滑るたび、顔に雪が当たり痛くて堪らない。
天気は回復しそうにないので、帰ることになった。
車までの道、私は、今回ははぐれまいと圭一の後ろをボードを持って必死に着いて歩く。
圭一はそんな私を振り返りながら声をかけてくれていた。
ボードの板は重い。
いつの間にか引きずっていた。
それに気付いた圭一が板を持ってくれた。
今日の圭一はいつもより逞しく思えた。
車まで来たとき、雪は小降りになっていた。
帰り道は来た道と違う道を通った。
山道で、登り下りが激しい。
この先ちょっとした恐怖を味わうなんて思っていなかった。
暖かい車内。足が疲れていて重い。
色々話し合いながらみんな、睡魔と戦っていた。
雪道は怖かったが、タケルさんは若い頃ドリフトしていたらしく、慣れた感じでスイスイ運転していて、私も安心していた。
タケルさんの車は四駆に切り替えれるタイプだが、そのときはまだ切り替えていなかった。
下り、急なカーブを曲がったとき、突然タイヤがスリップした。
それは一瞬の出来事だったが、私の中ではスローモーションのような感覚だった。
後ろのタイヤが右に大きく振れた。
タケルさんが体勢を建て直そうとハンドルを切る、すると今度は左に…
私は、事故る!と心の中で思い、隣にいた圭一の手を強く握った。
多分、妙な声が出ていたと思う。
でも、タケルさんは至って普通…
焦ることなく、
「おっ、ごめんごめん。」
なんて言いながら体勢を立て直した。
スゴく格好良かった(笑)
すぐに車を停めた。
「やっぱり四駆にしなきゃ危ないなぁ(笑)
ごめんな、ビックリさせて(笑)」
と、笑いながら四駆に切り替えた。
ジュンさんも笑っていた。圭一もタケルさんの運転技術を絶賛していた。
言葉を発していなかったのは、私だけ。
心臓バクバク。体はガタガタ。
私は、圭一の手を握ったまま、顔が引きつっていた。
我に返り、握っていた手を離し、タケルさん達に悟られまいと笑ってみせる。
でも、体は正直。
小刻みに震えていた。
もし、あの時対向車がいたら…
なんて考えると益々怖くなった。
私は、車ごと谷底に落ちる夢をみたことがあった。左カーブを曲がりきれず、そのまままっ逆さま。
隣にいた誰かを守ろうと必死に抱き締めて落ちて行く夢。
それが実現するかと、あの一瞬で思った。
だから余計に怖かった。
しばらくしても、震えが止まらない。
でも、悟られてはいけない。
我慢して、笑い続けていた。
すると、圭一が手を握ってきた。
「大丈夫か?」
小さな声で聞いてきた。
「うん、大丈夫。」
そう言うと、手を強く握ってくれた。
私の震えはいつの間にか止まっていた。
楽しくて、ちょっと怖かった一日。
圭一の優しさが嬉しかった一日。
そんな日がこれからも続くと思っていた。
楽しいお正月も過ぎ、またいつもの生活に戻っていた。
2月。
圭一の仕事も起動に乗ってきた頃。
私は、圭一がそばに居ないと不安になってきていた。
そんな私に圭一は「一緒に暮らそう」と言ってくれた。
圭一と結婚…
私は、幸せな未来図を描いていた。
圭一は長男だから同居になる。
部屋をリフォームして、広くし、畳をフローリングにして、ベットに替えよう。
などなど、そんな話で私達は盛り上がっていた。
あの日、また携帯を見るまでは…
それは私の心の闇が招く悲劇。
圭一と居るとき、携帯が鳴ると不安になり、いつも「誰から?」と聞くようになっていた。
圭一も最初のうちは聞かなくても「誰々から」と教えてくれた。
会わない日も、「どこで、誰と何してる?」
というやり取りは当たり前になっていた。
私は、何とも思っていなかった。
私を裏切ったんだから、当然だと思っていた。
私自身、圭一への信頼を取り戻す為に、圭一の行動全てを知らないといけなかった。
圭一もきっと私への誠意を見せてくれる。
そう思っていた。
でも、圭一はこれらのやり取りが重荷になってしまったのである。
束縛・・・と言う名の、私の心の闇。
圭一の家に泊まった日。
夜中に目を覚ました私は、ふと枕元をみた。
圭一の携帯が光っている。寝たのは12時を過ぎてから…その時には光っていなかった。
(あれ?いつもはバイブにしてるのに…
しかもこんな時間に電話?
まさか、メール??)
私の鼓動が早くなる。
そっと携帯に触れる。
(見てはダメ!圭一を信じるって決めたんだ!)
携帯から手を離す。
そんな格闘をしばらく繰り返した。
(大丈夫!違う!友達だ!チェーンメールだ!)
そう言い聞かせて私は、目を閉じた。
でも、気になって眠れない。
でも、見ない!
私は、違うことを考えながらなんとか眠りについた。
朝、起きた圭一は時間を確認するため、携帯を見た。
少し操作していた。
昨日のはどうやらメールだったようだ。
それを見ながら、
「夜中にメール?」
と私から切り出した。
「あぁ、友達の〇〇。」
あっさり返事がきた。
「ふーん、でも携帯鳴った?」
「いや?音消してるから。」
「なんで?いつもバイブじゃん?」
「だってゆっくり寝たいしさ。」
「そう…」
明らかに不安な顔をしたのだろう。
すかさず圭一が手を握ってきた。
「大丈夫だって!本当に〇〇だし!
なんなら見る??」
「えっっ、い、いいよ!」
とっさの事で私は、拒んだ。
(大丈夫だよね?
圭一、堂々としてたし…
まさか…ね…
うん、やっぱり私の思い過ごしだよね!)
そう思うことにした。
また嘘だとは知らずに…
それからまた、何日か後。
その日は圭一の夜勤明け。私は、休みだった。
昼過ぎに圭一の家に行った。
部屋に入ると圭一は布団に横になっていた。
(あ、このシチュエーション前と似てる…)
そんなことを思いながら、寝ている圭一の隣に座った。
「いらっしゃい。ごめん、眠くて…」
と圭一が言った。
「いいよ、寝てて。
TV見てるし。」
「ありがとう、じゃあ、何かあったら起こして」
と言い、圭一は寝てしまった。
しばらく私は、TVを見ていた。
圭一の寝顔を見ようと近くに寄ると、枕元の携帯が目に入った。
しかも丁度メール受信有りのマーク…
(あ、また音消してる…)
私は、あの時の事を思い出していた。
頭が真っ白になり、自分でも止められなかった。
携帯に手を伸ばす。
そして、ゆっくり携帯を開いた。
受信BOX…
手が震える。鼓動が早い。
(大丈夫だよね!?圭一?信じていいよね?)
でも、私の勘はまたしても当たってしまった。
『圭一くんて、優しいね♪
彼女さんが羨ましいよ♪
また相談に乗ってね♪
ゆっくり休んでね!』
あぁ、まただ…
それを見た私は、しばらく固まっていた。
また女とメールしている。
名前にハートが付いていた。圭一が入れたのか?気持ち悪い。
もしかしたらアドレスを赤外線で交換したのかも。
でも、自分の名前にハートを付ける?
わからないけど、ハートがあることで、余計にイライラした。
他のメールも見た、仕事の内容が含まれていたから、職場の人に間違いない。
約束してまだ2ヶ月ほど…
しかもあの日のメールも女とだった。
(圭一ぃぃぃ!)
私は、圭一を起こすか迷っていた。
平気で嘘をついていた事実。
もしあの時携帯を見せて貰っていたら、圭一はなんと釈明しただろうか。
今すぐにでも起こして問い詰めたい!
でも、上手く行きかけているのに、また喧嘩になり別れたりしたら…
私は、ユウの時のようになるのではないかと不安で仕方なかった。
知らないふりをするべきか…
でも、圭一はきっとまた平気で嘘をつくだろう。
そんな男と一緒にいたいか?!
でも別れるのは嫌だ!
あー!!考えがまとまらない!!
なんで、見ちゃったんだ…
後悔しても今更遅い。
しばらく考えた。
やっぱりコソコソされたくない!どういうつもりか真意を聞こうと圭一を起こすことにした。
「圭一、起きて。
携帯鳴ってるよ!」
「えっ?嘘っ?」
パッと起き上がり、少し焦ったように携帯を開いた。
「あれ?音鳴った?」
「いや、たまたまメール来たの見たから。ごめん、ボタン押しちゃった。」
「え?………………あ、そう。」
一瞬空気が止まった。
一通り読んだあと、携帯を閉じた。
私は少し間を空けて聞いた。
「友達?」
「あ、うん、◯◯」
………………………………!!
やっぱり嘘ついた。
「………嘘つき………」
「え?なに?」
「嘘つき!!!!!」
「えっ?どうしたの??何だよ?
もしかして、見た?」
「うん。見た。」
「はぁ?また見たのかよ!?」
少し不機嫌そうに言われ、私も頭にきた。
「はぁ?って何が!嘘ついてたのそっちじゃん!!
平気な顔して、また女とメールして!
この間のもそいつとじゃん!!
私言ったよね!?
アドレス交換しないでって!!
また同じことしてんの?!?
まだそんなに時間経ってないのに!!ふざけんな!!」
私は怒りをぶつけていた。
一通り怒りをぶつけたあと、圭一はめんどくさそうに言った。
「お前がそんな風になるから嫌だったんだよ!」
「ちょっと何よそれ、私がいけないの?」
「言ったら不安になるだろ?!」
「当たり前じゃん!!もうしないって言ってたのに!」
「仕方ないだろ?!聞かれたら答えないわけにいかないだろ!!」
「じゃあ、また繰り返すのね!?」
「してないだろ!!ただメールしただけ!!俺だってバカじゃない!同じ事繰り返すわけないだろ!!」
「どーだか!」
「疑うなら疑えばいいだろ!?でも今更メール止めれないからな!」
呆れた。
約束を破ったことを謝ることすらせず、開き直り。
でも、私は圭一が好きだから、我慢するしかなかった。
それがいけなかったのだが。
こんな男を好きになった私が悪い。
でも、一緒に暮らせばきっと圭一も変わるはず。
私は諦めていなかった。
圭一を自分だけのものにしたい。
誰にも渡したくない。
圭一の行動すべて把握していたい。
メールを見てしまってからの私は、時間があれば圭一に連絡をしていた。
私の行動は今思えば「やり過ぎ」だった。
でも、そうでもしないと、また圭一が離れてしまう。
また違う女と…
そんなことばかり浮かんで、止められなかった。
私は壊れていた。
そんな私に圭一も嫌気がさしているのがわかった。
でも、私をフル事はしないと、いや、出来ないと思っていた。
私を一度裏切ったんだから…
圭一は私に償うべき人間なんだから。と…
私の執拗な連絡で、電話をしても素っ気ない圭一。そんな日々が続いていたある日…
私はまたどん底に落とされる。
それは圭一の当直の日。
その日の夜、圭一の休憩時間に電話をかけた。
「もしも~し」
「あは、眠そうだね」
「あぁ、やっと休憩だよ。今から三時間寝るよ」
「大変だね、ちゃんと起きれるの?(笑)」
「目覚ましあります。大丈夫~」
と、ここまではいつもと同じだった。
すると突然…
「圭一くーん。まだぁ??早くおいでよ~」
??
圭一の後ろから女の声がした。
「あっ…」
「あ、ごっめーん、電話中??
早くきてね~」
私との間に沈黙が走った。
「…夜勤、仕事だよね?」
私は静かに言った。
「あ、当たり前だろ!」
「誰、今の。今から何するの…?」
「いや、……あ、…お茶飲みに…」
「は?今から寝るんじゃなかったの?」
私はここまで冷静だった。
「いや、だって、誘われたから…」
この言葉で私はキレた。
「はぁ??なんで嘘つくの?!!私に隠すくらいやましいことすんの!!!!?」
「だから!なんでそうなるんだよ!!!」
「あんたが嘘つくからでしょ!!?」
「あ゛ぁー!!!!もう!!!!!いい加減にしてくれ!!!!」
「何!?逆ギレ???意味わかんない!」
「もう、いいよ!!!
…………………………俺行くから。じゃ。」
プチ……………
「ちょ!圭一?!」
すぐさまかけ直したが、電源を切られていた。
なに、…何なの…今の誰………
仕事って…
もしかしてこれも嘘??
もう、何も考えれなかった。
しばらく茫然としていた。
一時間くらいしてメールが入った。
『今日はほんとに仕事だから』
メールを読みすぐ電話したが、電源が切られていた。
私はその日、一睡もすることが出来なかった。
薄暗い部屋。
私は考えていた。
(もう、終わりなのかな…
そういえば、最近嘘ばかりだったなぁ。
この間も家にいるから行ったら、パチスロ行ってたし…
私がいけないのかな。
束縛だよね。これ…
でも、圭一は私に償うべきなのに…
あ…重いんだ。私。)
私は気付いていた。もう圭一を信じていないこと。
信じることが出来ないこと。
きっとこれからもずっと疑う。
でも、それを受け入れたら…
私は…
圭一との別れが近づいていた。
朝
寝てない私はフラフラしながら仕事へ行った。
店長やみんなが心配してくれた。
でも、私はもう圭一の話はしなかった。
休憩時間、メールが来た。
『昨日はごめん。でも咲が心配するようなことは絶対してないから。』
私は圭一を問い詰めることはしなかった。
また会ったときにゆっくり話そう。
そう思った。
でも、それからの圭一は益々素っ気なくなっていた。
だから電話をしても、ついキツい言い方をしてしまっていた。
そして、やっとお互いの休みの日が重なった。
私は圭一に会いたくて連絡をした。
圭一は夜勤明け、でもその日は歯医者に行くと言われた。
でも、話がしたくて圭一の行く歯医者に行くことにした。
大型店舗に隣接している歯医者。
駐車場も兼用。
私は圭一の車を探した。
でも見つからない…
歯医者の前に車を止めてしばらく待った。
でも、圭一は来なかった。
30分…1時間…
携帯にかけても繋がらない…
何度も何度も電話をかけた。
そして、やっと繋がった。
「もしもし!?」
「…ぁい」
「何?寝てるの??」
「………ぅん。何だよ?」
「歯医者に行くんじゃなかったの?!」
「…あぁ、止めた…」
「は?また?…待ってんのに」
しばらく沈黙…
「じゃあ今から行っていい?」
「ごめん。今日は無理。」
「え?なんで?」
「………………ごめん。用がある…」
「え?だって今歯医者行かないって」
「いや、…ちょっと…」
「何?なんの用があるの?」
「…もう、いいだろ。…………
しばらくほっといてくれよ。
今咲とは話したくない。
ごめん…………………じゃあ」
プチ…
「ちょ!圭一?!」
かけ直したが電源が切られていた。
私は泣いていた。
もう、…終わり???
私は泣きながら車を走らせた。
(別れたいなら言ってくれたらいいのに…)
前が見えない…
♪~
携帯が鳴った。
一瞬、圭一かと思ったが違った。
「竜也…」
竜也と知り合ったのはまだ私が十代のころ。学生時代の友達と遊んだときに紹介された、同い年の子。
ずっと友達として遊んでいた。
でも竜也に彼女が出来てからは連絡をしていなかった。
そんな竜也からの電話。
私は車を止め、涙を拭き電話に出た。
「おー!桜!元気??久々♪」
ハイテンションの竜也。
私は泣いているのを悟られまいと明るく返
す。
でも、長い付き合い、すぐ気づかれた。
訳を聞かれ、言わずに渋っていたが、しつこさに負けた。
話を聞いた竜也は「すぐ来い!」と私を誘った。
行きたくはなかったが、また、負けた…
竜也のいる街は一時間くらい離れている。
途中、竜也が聞いてきた。
「イケメンで物静かな奴と、顔は普通で俺みたいな奴(明るくバカ)どっちがいい??」
と。
意味がわからなかったが、「イケメンさんは苦手」と言ったら、「おっけー♪」と電話を切られた。
この時点で気付くべきだった。
竜也が男を紹介してくれるなんて…
まだ日は短く、約束の場所に着いたころには辺りはすっかり薄暗くなっていた。
私は竜也に電話した。
すると、ちょっと待つように言われてしまった。
(呼びつけといて何だよ…)
ここは公園。大きな池があり、池を一周出来る散歩道がある。街灯に明かりが灯り、手を繋いであるくカップルが目立つ。
私はそんな中、一人寂しく階段に座り、ボーっとしていた。
(私、何やってんだろ…)
また涙が出てきそうになって、必死に堪えていた…
しばらくして竜也から電話がきた。
「ごめん!なかなか抜け出せなくて!今着いた。どこ?」
居場所を教えると、歩いてくる人影が見えた。
でも、一つじゃない、二つ…
一つの影は途中で止まり、もう一つは近づいてきた。
「おっつー!」
相変わらずのテンションの竜也。
酒臭い…
「飲んでる??」
「うん♪でも、桜の為に抜けてきた(笑)」
「あ、ありがとう…」
そう言うと、竜也は後ろを振り返り
「後輩連れてきた(笑)
桜が泣いてるって言ったら、俺も励まします!って言って着いてきた(笑)」
ちょっとビックリした私。
あ、だからあんな質問したのか…
後輩くんのほうに目をやる。
暗くてよくわからなかったが、とりあえずデカイ…
熊かと思ってしまった…
頭は仕事帰りでボサボサ、身長は190近い…
名前を「祐介」と言った。
「あ、竜也…私紹介されても困る…」
小さな声で言った。
「いやいや、違うよ!
友達として紹介したいだけ!
今はとりあえず話し相手がいるだろ?
俺が聞いてやりたいけど、彼女いるし、ずっとは無理だから、あいつ(祐介)だったらいいかなって。
女友達ほしいって言ってたし(笑)」
そんなこと言われても…と、戸惑う私に、竜也は祐介を呼び、お互い挨拶を交わした。
そして、遊びに行こうと言われて、カラオケに行くことになった。
祐介は私より二つ年下。
でも、明るくて面白い子だった。
カラオケは楽しかった。
圭一を忘れられるくらい二人は盛り上げてくれた。
特に祐介は私が泣いている理由をよく知らないのに、私を笑わせてくれた。
イイ人だと思った。
帰り際、竜也が祐介のアドレスを教えてくれた。
帰ってからお礼を兼ねてメールをした。
それからはたまにメールをする仲になっていった。
「竜也さんに任されたからね!」
なんて言いながら…
それから1ヶ月の間…
圭一からは連絡を一度もくれなかった。
私が会いたいと願っても、「忙しい、疲れた、まだ会いたくない」と断り続けられた。
電話をしても、出てもらえず、「話せれない」とメールがくるだけだった。
でも、圭一は決して「別れる」とは言わなかった。
私も直接話が出来るまで何も言わずにいた。
モヤモヤの毎日だった。
祐介は竜也から「彼氏と上手くいっていない」とだけ聞いていた。
だからといって、私に何かを聞くわけでもなく、私も何も話さないでいた。
でも、たまに来るメールはクダラナイ内容で私を気遣ってくれているみたいだった。
そして、「あっけない最後」はやってくる。
圭一はどうしたいんだろう…
話すらしてくれない圭一に私は苛立っていた。
(もう、こんな状態が続くなら終わったほうがマシだ。
でも、このままじゃ、話にもならない。
メールで終わりなんて絶対嫌だ!
ちゃんと圭一の気持ちを知りたい。)
私はそんな風に思っていた。
何気ない朝。
私はまた出てくれない電話をかける。
しばらくコールが続く。
(あぁ、やっぱり出てくれない…)
と、諦めかけたとき…
「はい…」
暗い声で圭一が出た。
まさか出てくれるとは思っていなかった私は何もしゃべれずにいた。
「もしもし、何…?」
久しぶりに聞いた圭一の声。
我に返り「あ、いや…別に…」
と、返してしまった。
「用がないなら、俺疲れてるから…」
と、早くも切られそうになる。
「ち、違う!ちゃんと話があるの!!」
まとまらない頭で私は圭一に問いかける。
「ねぇ、いつまでこんな状態でいるの?」
私の鼓動は早くなっていった。息苦しく、胸騒ぎが収まらない。
怖い!今すぐにでも電話を切りたい。
受話器を持つ手が震えていた。
しばらく沈黙のあと、一言圭一が言った。
「わからない…」
………………
いつも!いつも! 大事な答えはあやふや!
「自分のことがわからないの?!」
私は声が大きくなった。
「だから、お前のそういうところが……!!」
「な、なによ…
もう私の事嫌なわけ…………??」
「いや、…………」
「じゃあ、…………なんで……………?」
沈黙。
「わからない………………」
「嫌だから話したくないんでしょ?」
「嫌いとかじゃない!」
「じゃあまだ好きでいてくれてるの!!?」
「いや、……………わからない…」
「……………何それ、意味わかんない!」
「……………………」
「ねえ、一度会おうよ……………」
「……………ごめん。会うのは無理……………」
私のこと、好きか嫌いか…
それすら答えてくれない。
でも、それは私自身もそうだった。
圭一を好きか嫌いか…
もし聞かれていたら、答えは出なかったからだ。
でも、それでも、やっぱり圭一に「好き」だと言ってほしかった。
こんなやり取りを繰り返し、圭一の煮えきらない答えに私はついにあのセリフを言ってしまう。
段々イライラしてきた私。
落ち着いて話せれない。口調もキツくなり頭の中では整理出来ないことで今にも爆発しそうだった。
「もう!
圭一は私とどうなりたいの!?」
「………さぁ……………」
イラっ!
「じゃあ、もうどうなってもいいのね?!」
「……………………」
度重なる私の質問に圭一は返事すら言わなくなった。
私は頭が爆発した…………
「じゃあ、もういいよ!別れよう!!!!!
サヨナラだね!!!!バイバイ!!!!!」
そのまま電話を切った。
「別れよう」
この言葉を言ったら、私はどうなるんだろう。不安で仕方なかったのに。
でも、心は妙に落ち着いていた。
これで良かったんだ………
このまま一生、疑わずに済む。
もう苦しまなくていい。
うん。
これで良かったんだ……………
もう一度鳴ると思っていた携帯はそれから一度もなることはなかった。
それがどういう意味か…
圭一も本当は別れたかった。
そうなんだよね?
だけど、私が言うまで圭一が言わなかったのは、私にしたことを負い目に感じていたからでしょ?
私が圭一を嫌いになるまで待ってたんだよね?
じゃないと、私がいつまでも引きずると思ったから。
だからだよね?
そんな優しさいらないよ。
って、思いたい。
完
読んで下さった皆様へ
短い話なのに書かない日々が続いてすみませんでした。文章能力もなく、お恥ずかしいかぎりです。
しかもあんな終わりかた(--;)
「あっけない最後」
なので、お許しください。
本当はあの電話のあと、かけ直してくることを期待していた自分がいます。
自分からも連絡しようと思ったこともあります。
でも、しませんでした。
寄りが戻ったとしても、私はきっと圭一を信じることが出来なかったでしょうから。
圭一が「別れよう」って言わなかった理由を「優しさ」という言葉で書いたのは、この話を書いていて、そうだったらいいなって思ったからです。
実際は私がただ面倒くさかっただけなんでしょうけど(笑)
これを書くまで圭一のことを恨んだりしてましたけど、なんかスッキリしました。
今では一つの思い出として、心の奥底にしまえそうです。
あ、でもやっぱり一発殴っておきたかったな(笑)
書いて良かったです。
ありがとうございました!
あと、追記なんですが、私は実はあの時に出会った祐介と結婚しています。
私は別れてからというもの、男性を信じれなくなってました。
でも、彼はそんな私を二年という月日をかけて信じさせてくれました。
その後、結婚し、二人の子供にも恵まれ今は幸せに暮らしています。
祐介は浮気をしないと、今でも信じていられます。
結婚まで、別のことで色々ありましたけどね(笑)
最後の最後まで、読んで下さって、本当にありがとうございました。
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