母の記憶

レス5 HIT数 1399 あ+ あ-


2012/01/30 08:07(更新日時)



私が高校2年の時、母が亡くなった…


あれから23年も経つんだね…


今まで、願っても、一度も夢に出て来たことなかった。


でも 昨夜の夢には 母がいた。


荷物を抱えて街を歩く私に 「送っていくから乗りなさい。」って…


私は「お母さんも忙しいんだから大丈夫!1人で行けるよ♪」無理して笑ってみせた。


それでも母は「いいから乗りなさい。」と私を車に乗せた。


嬉しかった…


目が覚めて 思った。母は運転免許なんて持ってなかった(笑)


母が夢に出て来たこと…忘れないように!何かに残したいと思った。



封印していた気持ちや思い出を書き出してみたい…



タグ

No.1739583 (スレ作成日時)

新しいレスの受付は終了しました

投稿制限
スレ作成ユーザーのみ投稿可
投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.1


「はい わかりました。今から向かいます。」父が 電話に出て、そう答えてた。


お母さん 危ないんだ!直感で思った。


父は電話を切って すぐ 私達 姉妹に「お母さんは今夜が峠だって。」と伝えた。


私達は 車で、すぐ病院へ向かう。


姉 18歳、私 17歳、 妹 15歳と10歳


父がハンドルを握った。


エンジンをかけて 車が急発進…父も きっと動揺してたんだね。




No.2


10月の あの日の夜空は澄み切っていた。

真っ暗な夜空に浮かぶ丸い月を、走る車の中から眺めていた。


みんな無口だった…

病院へ到着。すぐさま母の病室に駆け込む。


ガラス窓越しにナースステーションが見える。
ICUのベットが3つ並んでいて、その真ん中で苦しそうに呼吸をする酸素マスク姿の母。


聞こえてくるのは心電計のピッピッピッピッという音と母の懸命な呼吸の音だけ…


必死に呼吸をしてる母…意識は もう何年もない。


その母の手を握りしめ「お母さん!お母さん!苦しい?死んだらダメだよ!お願いだから生きてね!死なないで!」と心の中で叫ぶ。涙が次から次にこぼれ落ちる。


主治医が来て「もう血圧も落ちてきています。今夜が山です。」と言っている。


父も母の頭を撫でる。姉も妹も 母の手を…足を…さすりながら 見守っていた。


長い長い時間 私も 母の手を握りしめながら ずっとずっと心の中で叫んでいた。

死んだらダメだと…

頑張って生きて!!!


真っ暗な空が明ける頃、母の苦しそうだった呼吸が いつの間にか、必死に深呼吸するような…そんな呼吸になっていた。

必死に頑張る姿を母は私達に見せてくれてた…


母の姿を見て…もう、頑張ってとは言えなくなった…


「ごめんね…お母さん…苦しかったね…頑張ってってばかり言ってごめん…もう…いっぱい頑張ったよ…ずっとずっと…苦しかったよね…もう楽になっていいよ…心配しなくていいからね…」


そう心の中で呟いた時…


母が深く…大きく大きく息を吸った…


その吸った息を…吐くことはなかった…息を吐く代わりに…フッと口元が微笑んだ…



母の最後だった…





No.3


~母が倒れた日~


近所にある知り合いのパチンコ店の景品交換所。そこで仕事をしていた母。


午前10時~午後11時までの長時間だった為、パチンコ店のおばさんから仕事を依頼された時、母は迷っていた。


おばさんは、中学生の私と姉にも手伝って貰っていいから、この仕事を、お願いしたいと言っていた。


それを聞いていた私は、「私も手伝うからやろう!」と母に勧めた。


父は自営業をやっていたが、生活は苦しかった。親には言わなかったが、生活が苦しい事で嫌な思いもしていたから…少しでも手伝いたいと思った。


交換所をする事になって1年くらい経った。あの日は2月の寒い日だった。


その日の夜 町内の集会があり母が行く事になっていた。


私は学校から午後5時半くらいに帰宅し、いつものように交換所にいる母と交代した。


交換所では6畳の畳の部屋があって、勉強したり、TVを観たりできる。時々お客さんが来て、景品をお金に交換する。


だいたい午後10時くらいに、母が戻って来て、午後11時に集計して終わる。


でも、その日、母は、なかなか来なかった。


もうすぐ集計する時間だけど…と、時計を見ると午後10時40分だった。


どうしたのかな?と思っていたら 母が走って来た。


母は息を切らしながら「ごめん 長引いて遅くなった。トイレも行きたかったけど、もう集計の時間だし…。我慢して来たから、ちょっとトイレ行くね。」と言って トイレに行った。


しばらくして戻ってきた母に、私は「落ち着いた~?」と ちょっと悪戯っぽく言ってみた。


母は無言だった…。

私は、さほど気にもせず家に帰る支度をしてた。


すると、母が「何だか変な感じがする…。終わるまで居てくれない?」と言い横になり、嘔吐し始めた。嘔吐物の中に血が混ざっていた…!


母の言葉も、だんだん呂律がまわらなくなっていく…


閉店間際で、お客さんも増える時間。


家に電話したら、姉がすぐ来てくれた。

お客さんの換金を済ませ、救急車を呼んだ。


父も駆けつけ、父は救急車に乗り病院へ行った。


私は交換所の集計をして 家へ帰った。


母が倒れたこの日のこと…まだ鮮明に覚えてる。


あの時…私も手伝うから!なんて言わなければ…母は今でも元気にしていたのかな?時々そう思って苦しくなる。




No.4


~母の入院~

救急車で運ばれた母は脳内出血を起こしていた。血圧は酷く高かったそうだ。


意識は朦朧とし、生死をさまよっていた。


2週間くらい経った頃から、ようやく高かった血圧が安定し始め、病状も少しずつ落ち着いてきた。


でも、そこには私の知らない母がいた。

左半身麻痺、言語障害、時々認知症状が出て、訳のわからない事を言って私達を困らせる。


母38歳…。


私は その母を受け入れられなかった。






No.5


でも、一番 受け入れられなかったのは 母自身だったんだ。


今まで 当たり前に出来たことが、何ひとつ出来ない。


ひとつでも できることを増やしてあげたかった。


リハビリに行きたくないと言う母を車椅子に乗せて、リハビリ室へ向かう。


母にとっては、何も出来ないことを実感して終わる毎日だったかもしれない。


リハビリの帰りに病院の外に連れ出した。母にとっては、入院してから初めての外の空気…


病院の駐車場を囲う桜が満開だった。


満開の桜を2人で、ずっと見上げてた。

もう季節は春なんだ…そう実感した。


これから私達家族にも春が来るんだと、あの時は思ってた。

きっと母も…



投稿順
新着順
主のみ
付箋

新しいレスの受付は終了しました

日記掲示板のスレ一覧

携帯日記を書いてみんなに公開しよう📓 ブログよりも簡単に今すぐ匿名の日記がかけます。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧