‐綺麗事‐

レス11 HIT数 2687 あ+ あ-


2009/09/17 20:40(更新日時)

『苛めをする人は、心が貧しい。だから“可哀想”だと思って』


『嫌な目に遭わされても“有り難う”感謝の心を持ちましょう』



そんなの‥



単なる



‐ 綺麗事 ‐



********


◇この作品は、私がバイトを始めてから結婚する迄に、職場で体験した話です。


◇企業名・個人名は控えております

No.1161227 (スレ作成日時)

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No.1

* バイト *


私が某会社で、バイトを始めたのは短大生の頃。

まだ学生だった為、学業優先との事で週1の仕事だった。


それまで、バイトなぞした事も無かったし 学校と仕事の両立なら週1の方が体を慣らすには良いと思っていたのだ。



休校日は、土曜日。

会社の形態は その曜日も出勤。


なので、必然的に私が入る時は“土曜日”となる。


海外輸出用のゲームソフトを取り扱う業務。


それが初バイト・仕事内容であった。


採用されるとは思ってなかった分、受かった時の喜びは今でも忘れてない。


それと、同時に


“遭わされた事”


も記憶に刻み込んでいる。

No.2

>> 1 ‥その話へ行く前に、少しだけ会社の事を説明する。


① バイト(又は派遣)→パート→正社員。


② 正社員


の採用方法で① ②の選択は、面接時に自分で希望を述べるのだ。


どんな職場なのか分からないし、社員としてやれるのかも不安だった為に私は①に決めていた。


バイトからパートになるのは、勤務体制を見て上司が判断して 本人との相談で決定する。


勿論、当人の意志次第なので断る事も出来るのだ。

パートから社員も同様である。



********



初バイト・初めての職場・お初の仕事‥‥


一体どんな感じなんだろう?


仕事は難しいのかな?


対人面は?



自宅から会社へ向かう道は、とてもドキドキしていた。



期待と不安が表裏一体。そこに緊張感も加わりながら、私は そこへ辿り着く。

No.3

>> 2 * 初・仕事 *


私が会社に着き、通された所はドラマに出て来る様なオフィス。


仕事を教えてくれたのは社員・A川さんだった。

見た目、ほんわか雰囲気。メイクもナチュラルで、毛先に軽いカールが似合っていて可愛らしい人。

当時19歳だった私から見て 彼女は・とても“大人”に感じたし、たった2歳しか離れて無いのに こうも違うのか‥と思った。


喋り方も至って普通。
変に甘過ぎな口調もしなければ、男にだけ言動が変わるタイプでも無さそうだ。


それが第一印象。


A川さんは、丁寧に仕事手順を教えてくれたし、作業中の合間・合間と同様 休憩中も優しい言葉を掛けてくれてたのだ。

バイトの時間は、午前中のみ。
特別に嫌な思いなどしなかったけれど、初日は疲れた。


ロッカーで着替えていた時、ある女の子が声を掛けて来る。
私よりも1ヶ月早めに、入ったと言うB山さんだ。
この方は派遣。


バイトと違い 本来なら定時までの勤務だが、この時は 用事か何かで(‥覚えて無いけれど)
帰宅準備をしていた。



B山さんからの言葉は


「気を付けて。此処の部署は、ミスが有れば何でも“新人のせい”にして来るよ」

No.4

>> 3 ‥初日で、右も左も分からない職場。

おまけに初対面の人から、そう言われて驚いたのと不安が広がった。


しかも周囲には、他のバイトの人も居たし そんな事を此処で話して良いの??


と言う疑問をB山さんに持った。


だが、周りの人達は彼女の意見に賛成とばかりに頷いたり 共感し、話しもして来たのである。


「全員が、そんな人ばかりじゃなくて良い人も居るけど‥特にパートのオバ様連中は、仕事が出来る・出来ないなんて重視してる様でして無いから!!


常に“突いて行ける隙を狙ってる”


悪口・陰口・噂を楽しむ軍団だよ」



‥‥B山さんの話も他のバイトさんの話も、私は否定しなかったが 肯定もしなかった。



当時19歳。短大に在学中だった自分。

初めてのバイト。


つまり友達や学生生活の世界しか知らなかった訳だ。


口にこそしなかったけれど


‐中学・高校ならともかく20歳を超えた良い大人が、子供じみた事をして本当に喜んでるの?‐

と思った。しかし その反面、一つの意見として受け止めたのである。



程なくしてB山さんの報告は的中していた事が判明する

No.5

>> 4 * 一週間後 *


この期間、私は学校へ行き友達と楽しく過ごしていた。


そして、また土曜日が巡って来て会社へ向かい、制服に着替える。


白いブラウス。紺色のベストにタイトスカート。

いわゆるOLの定番スタイルだ。


勿論 綺麗な物を手渡されていたが、新品では無く 以前に辞めた人の制服を会社側がクリーニングに出して、それを着る。


使い回しだ。


バイトや派遣は、いつまで持つか分からない為 そんな方針にしているらしい。


試用期間である3ケ月を越せば、新品を貰えると これまたB山さんが教えてくれた。



そんな理由から、その期間 私が着ていた制服は大きかったのである。



サイズがMなので、平均的なもの。


だけど、身長145センチで日頃からSサイズの服を着用している自分には合わない。


ウェストも安全ピンで留めて・詰めて何とかしていた。

No.6

>> 5 * 言葉 *


「お早う御座います」


何処へ行っても挨拶は基本。
だから、職場に入った時そうした。


きちんと返してくれる人。


それのみで無く、前向きになれそうな一言を加えてくれる人。


至近距離に居るのに、全く挨拶を返してくれない人‥‥。


反応は様々。



デスクに向かう途中で、A川さんと会い 彼女が
私の制服姿を見て、こう言った。


「それ大きいの?
管理室で話せば、もう少し小さめの物を貰えるし 場所案内するから、休憩時間に行ってみる?」

「はい。お願いします」

と返事をした時の事。



近くに居たオバ様が、口を挟んで来たのだ。


「いつまで働くか分からん人の為に、教える事ないでしょ!!


バイトや派遣、社員でも入ったって直ぐ辞めるんだからね!」



‐ え??
私 辞めるなんて一言も言ってないですけど?


大体 何で、この人が怒る訳?


目向いて 鼻向いて、腹立てる程の事!? ‐



口にはしなかったが、そんな疑問と“辞めるでしょ!”と決め付けられた事で、ちょっとカチンと来てしまった。


同じ意味合いでも、もっと他に言葉が有るのに。

No.7

>> 6 * 視線 *

私は迷ったけど、制服を取り替えて貰う事に決めた。


格好が どうのこうの以前に、変にダボ付くから動きにくいのだ。



休憩時間になり、A川さんと管理室へ。


辺りを慎重に見渡して、彼女が耳打ち。


「さっきの人は一々うるさいからね。
私も最初の頃 よく言われたもん」


「‥そんな感じしますね。顔に表れてましたから」


と答える。


たった、これだけの会話だったがA川さんに気持ちを分かって貰えた様な、心境になり 気分が軽くなった。



管理室で小さいサイズの制服を貰い、仕事が始まる迄に急いで着替えて‥再び席へと着く。


自分に合った物は、動きやすくて嬉しかった。


「制服を替えたの!?」

甲高い声が部署内に響き、みんなの視線が集まる。


さっきのオバ様だ。


私は、制服の事でガミガミと怒鳴られた‥。


よくよく聞いていると、

“自分の言う事に従わなかった”


と思われた様である。


だけど、替えてなければ それは それで
何か言って来てるだろう‐‐そんなタイプだとも感じた。


その人の許可が必要な訳じゃないのに、何で こんなに言われなきゃならないのか

No.8

>> 7 ‥意味不明だった。


こんな時、ちゃんと自分の意見を言えば良いのだろうか?


それとも入って2日目なんだから、大人しくするべき?



私は後者を選んだ。


怒り心頭の人に、意見を言っても“口答え”“文句”としか捉えて貰えないと思ったからである。


選択した事が正しかったのか、間違いか はたまた どちらに転んでも同じ結果か‥‥それは、今でも謎。



ともかく 黙って聞いていた事により、私はオバ様に


“何を言っても反発しない奴”


と思い込まれた。


その日から、此方の一挙一動に目を光らせては、何でもかんでも口を挟んで来たのだ。



本当 最悪な1日。


キィキィ!喚き立てられて、私は密かに胸中で
あだ名を付けた。


“眼鏡猿”



仕事上の注意よりも、八つ当たり炸裂。

No.9

>> 8 * 信用 *


バイトの時間は8時から12時まで。


それなのに、とても長く感じていた。


眼鏡猿が私のする事に、口を挟まない時は 自分と仲が良い人の所へ行きコソコソコソ‥‥何かを言いに向かう時だけ。


“何か”は悪口だろう。

声は聞こえて来なかったけれど、視界に 此方を見て話してる姿が入って来てたし 状況的に考えても間違いは無い。



何だか凄く嫌な気持ちと悲しい気持ちで居た中で、眼鏡猿を呼ぶ声が聞こえて来た。



B山さんだ。



甘える様な声で、書類を見せて話している。



私は目を疑い・驚いた。

一週間前、眼鏡猿軍団の陰口を叩いてた同じ口で そんな風な言動をしていたからだ。



仕事では嫌いな相手でも、適度に合わせて付き合うのが通常。


それは分かっていた。


だから もしB山さんが普通の口調で話してたのなら、私だって気に掛けてない。



しかし 彼女の喋り方と態度は、明らかに眼鏡猿軍団に甘えている様にしか見えなかった。



よく言えば


“世渡り上手”


悪く言えば


“媚び売り”

No.10

>> 9 ‥たった一回、目にした光景で判断してはイケナイ!


と思ったものの、どうしても その考えから抜け出せ無かった。



悶々とした気分だったが仕事を放り出す訳にも行かないので、与えられた事に集中する。


ソフトの説明書で“アメリカ行き”と“イギリス行き”に分ける作業。


納品数と出荷数を計算し、打ち込む作業。


この2つ。


慣れれば、何て事ないのだが バイトを始めて2日目の私には、内心その量の多さに圧倒されていたのだ。


時々A川さんが声を掛けてくれ、手伝ってくれて凄く感謝をしていた。



それも気に要らないのか、眼鏡猿は またギャン!ギャン!と喚き出す。


怒られる私を見て、面白がってる人達。



A川さんのフォローが無ければ、辞めていたかも知れない。



やっと12時になり、挨拶を済ませると足早にロッカーへ。


さっさと会社から出たかったのだ。


そこにB山さん登場。


ランチ代の為 財布を取りに来た様だ。



そして 私に告げる


「ね!この前 言った通りでしょ。オバ様連中は悪口や噂が大好きって」

その他〇〇さんには気を付けて‥××さんには‥と言っていたけど、私は
B山さん自身が信じれ無かった

No.11

>> 10 * 贔屓 *

B山さんとは、また違う意味で信じられない人がいた。


あれは確か、バイトを始め1ヶ月経った頃あたりに判明した事‥‥。


この期間、私は相変わらずの毎日を過ごしていた。
平日 短大に行き友達と話し休日は出掛ける。


何気ない日々がリフレッシュの時間であったのだ。


そして仕事‥‥。


私が働いていた部署の上司は、えこ贔屓が酷かった。


お気に入りの人の失敗は、何でも笑って許す。
例え それが大きなミスであっても。


そうで無い人の失敗は、些細な些細な小さな事でも許さない。
ミスが無くても、まるで重箱の隅を突く様に粗探しをするのだ。



私は“後者”の立場。



凄く辛かったけれど


贔屓なんて多かれ少なかれ 何処の職場でも有る!自分だけが苦しいんじゃない。


と何かの本で、目にした事が有り・その言葉を頭に入れ自分に言い聞かせていたのだ。


だけど 私が“信じられない”と感じたのは、贔屓の事だけでは無い。



その上司は



不倫をしていたから。



こういう話は、ドラマや小説だけの世界だとばかり思っていた。



だけど、現実に有ったのである。

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