‐綺麗事‐
『苛めをする人は、心が貧しい。だから“可哀想”だと思って』
『嫌な目に遭わされても“有り難う”感謝の心を持ちましょう』
そんなの‥
単なる
‐ 綺麗事 ‐
********
◇この作品は、私がバイトを始めてから結婚する迄に、職場で体験した話です。
◇企業名・個人名は控えております
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* バイト *
私が某会社で、バイトを始めたのは短大生の頃。
まだ学生だった為、学業優先との事で週1の仕事だった。
それまで、バイトなぞした事も無かったし 学校と仕事の両立なら週1の方が体を慣らすには良いと思っていたのだ。
休校日は、土曜日。
会社の形態は その曜日も出勤。
なので、必然的に私が入る時は“土曜日”となる。
海外輸出用のゲームソフトを取り扱う業務。
それが初バイト・仕事内容であった。
採用されるとは思ってなかった分、受かった時の喜びは今でも忘れてない。
それと、同時に
“遭わされた事”
も記憶に刻み込んでいる。
>> 1
‥その話へ行く前に、少しだけ会社の事を説明する。
① バイト(又は派遣)→パート→正社員。
② 正社員
の採用方法で① ②の選択は、面接時に自分で希望を述べるのだ。
どんな職場なのか分からないし、社員としてやれるのかも不安だった為に私は①に決めていた。
バイトからパートになるのは、勤務体制を見て上司が判断して 本人との相談で決定する。
勿論、当人の意志次第なので断る事も出来るのだ。
パートから社員も同様である。
********
初バイト・初めての職場・お初の仕事‥‥
一体どんな感じなんだろう?
仕事は難しいのかな?
対人面は?
自宅から会社へ向かう道は、とてもドキドキしていた。
期待と不安が表裏一体。そこに緊張感も加わりながら、私は そこへ辿り着く。
>> 2
* 初・仕事 *
私が会社に着き、通された所はドラマに出て来る様なオフィス。
仕事を教えてくれたのは社員・A川さんだった。
見た目、ほんわか雰囲気。メイクもナチュラルで、毛先に軽いカールが似合っていて可愛らしい人。
当時19歳だった私から見て 彼女は・とても“大人”に感じたし、たった2歳しか離れて無いのに こうも違うのか‥と思った。
喋り方も至って普通。
変に甘過ぎな口調もしなければ、男にだけ言動が変わるタイプでも無さそうだ。
それが第一印象。
A川さんは、丁寧に仕事手順を教えてくれたし、作業中の合間・合間と同様 休憩中も優しい言葉を掛けてくれてたのだ。
バイトの時間は、午前中のみ。
特別に嫌な思いなどしなかったけれど、初日は疲れた。
ロッカーで着替えていた時、ある女の子が声を掛けて来る。
私よりも1ヶ月早めに、入ったと言うB山さんだ。
この方は派遣。
バイトと違い 本来なら定時までの勤務だが、この時は 用事か何かで(‥覚えて無いけれど)
帰宅準備をしていた。
B山さんからの言葉は
「気を付けて。此処の部署は、ミスが有れば何でも“新人のせい”にして来るよ」
>> 3
‥初日で、右も左も分からない職場。
おまけに初対面の人から、そう言われて驚いたのと不安が広がった。
しかも周囲には、他のバイトの人も居たし そんな事を此処で話して良いの??
と言う疑問をB山さんに持った。
だが、周りの人達は彼女の意見に賛成とばかりに頷いたり 共感し、話しもして来たのである。
「全員が、そんな人ばかりじゃなくて良い人も居るけど‥特にパートのオバ様連中は、仕事が出来る・出来ないなんて重視してる様でして無いから!!
常に“突いて行ける隙を狙ってる”
悪口・陰口・噂を楽しむ軍団だよ」
‥‥B山さんの話も他のバイトさんの話も、私は否定しなかったが 肯定もしなかった。
当時19歳。短大に在学中だった自分。
初めてのバイト。
つまり友達や学生生活の世界しか知らなかった訳だ。
口にこそしなかったけれど
‐中学・高校ならともかく20歳を超えた良い大人が、子供じみた事をして本当に喜んでるの?‐
と思った。しかし その反面、一つの意見として受け止めたのである。
程なくしてB山さんの報告は的中していた事が判明する
>> 4
* 一週間後 *
この期間、私は学校へ行き友達と楽しく過ごしていた。
そして、また土曜日が巡って来て会社へ向かい、制服に着替える。
白いブラウス。紺色のベストにタイトスカート。
いわゆるOLの定番スタイルだ。
勿論 綺麗な物を手渡されていたが、新品では無く 以前に辞めた人の制服を会社側がクリーニングに出して、それを着る。
使い回しだ。
バイトや派遣は、いつまで持つか分からない為 そんな方針にしているらしい。
試用期間である3ケ月を越せば、新品を貰えると これまたB山さんが教えてくれた。
そんな理由から、その期間 私が着ていた制服は大きかったのである。
サイズがMなので、平均的なもの。
だけど、身長145センチで日頃からSサイズの服を着用している自分には合わない。
ウェストも安全ピンで留めて・詰めて何とかしていた。
>> 5
* 言葉 *
「お早う御座います」
何処へ行っても挨拶は基本。
だから、職場に入った時そうした。
きちんと返してくれる人。
それのみで無く、前向きになれそうな一言を加えてくれる人。
至近距離に居るのに、全く挨拶を返してくれない人‥‥。
反応は様々。
デスクに向かう途中で、A川さんと会い 彼女が
私の制服姿を見て、こう言った。
「それ大きいの?
管理室で話せば、もう少し小さめの物を貰えるし 場所案内するから、休憩時間に行ってみる?」
「はい。お願いします」
と返事をした時の事。
近くに居たオバ様が、口を挟んで来たのだ。
「いつまで働くか分からん人の為に、教える事ないでしょ!!
バイトや派遣、社員でも入ったって直ぐ辞めるんだからね!」
‐ え??
私 辞めるなんて一言も言ってないですけど?
大体 何で、この人が怒る訳?
目向いて 鼻向いて、腹立てる程の事!? ‐
口にはしなかったが、そんな疑問と“辞めるでしょ!”と決め付けられた事で、ちょっとカチンと来てしまった。
同じ意味合いでも、もっと他に言葉が有るのに。
>> 6
* 視線 *
私は迷ったけど、制服を取り替えて貰う事に決めた。
格好が どうのこうの以前に、変にダボ付くから動きにくいのだ。
休憩時間になり、A川さんと管理室へ。
辺りを慎重に見渡して、彼女が耳打ち。
「さっきの人は一々うるさいからね。
私も最初の頃 よく言われたもん」
「‥そんな感じしますね。顔に表れてましたから」
と答える。
たった、これだけの会話だったがA川さんに気持ちを分かって貰えた様な、心境になり 気分が軽くなった。
管理室で小さいサイズの制服を貰い、仕事が始まる迄に急いで着替えて‥再び席へと着く。
自分に合った物は、動きやすくて嬉しかった。
「制服を替えたの!?」
甲高い声が部署内に響き、みんなの視線が集まる。
さっきのオバ様だ。
私は、制服の事でガミガミと怒鳴られた‥。
よくよく聞いていると、
“自分の言う事に従わなかった”
と思われた様である。
だけど、替えてなければ それは それで
何か言って来てるだろう‐‐そんなタイプだとも感じた。
その人の許可が必要な訳じゃないのに、何で こんなに言われなきゃならないのか
>> 7
‥意味不明だった。
こんな時、ちゃんと自分の意見を言えば良いのだろうか?
それとも入って2日目なんだから、大人しくするべき?
私は後者を選んだ。
怒り心頭の人に、意見を言っても“口答え”“文句”としか捉えて貰えないと思ったからである。
選択した事が正しかったのか、間違いか はたまた どちらに転んでも同じ結果か‥‥それは、今でも謎。
ともかく 黙って聞いていた事により、私はオバ様に
“何を言っても反発しない奴”
と思い込まれた。
その日から、此方の一挙一動に目を光らせては、何でもかんでも口を挟んで来たのだ。
本当 最悪な1日。
キィキィ!喚き立てられて、私は密かに胸中で
あだ名を付けた。
“眼鏡猿”
仕事上の注意よりも、八つ当たり炸裂。
>> 8
* 信用 *
バイトの時間は8時から12時まで。
それなのに、とても長く感じていた。
眼鏡猿が私のする事に、口を挟まない時は 自分と仲が良い人の所へ行きコソコソコソ‥‥何かを言いに向かう時だけ。
“何か”は悪口だろう。
声は聞こえて来なかったけれど、視界に 此方を見て話してる姿が入って来てたし 状況的に考えても間違いは無い。
何だか凄く嫌な気持ちと悲しい気持ちで居た中で、眼鏡猿を呼ぶ声が聞こえて来た。
B山さんだ。
甘える様な声で、書類を見せて話している。
私は目を疑い・驚いた。
一週間前、眼鏡猿軍団の陰口を叩いてた同じ口で そんな風な言動をしていたからだ。
仕事では嫌いな相手でも、適度に合わせて付き合うのが通常。
それは分かっていた。
だから もしB山さんが普通の口調で話してたのなら、私だって気に掛けてない。
しかし 彼女の喋り方と態度は、明らかに眼鏡猿軍団に甘えている様にしか見えなかった。
よく言えば
“世渡り上手”
悪く言えば
“媚び売り”
>> 9
‥たった一回、目にした光景で判断してはイケナイ!
と思ったものの、どうしても その考えから抜け出せ無かった。
悶々とした気分だったが仕事を放り出す訳にも行かないので、与えられた事に集中する。
ソフトの説明書で“アメリカ行き”と“イギリス行き”に分ける作業。
納品数と出荷数を計算し、打ち込む作業。
この2つ。
慣れれば、何て事ないのだが バイトを始めて2日目の私には、内心その量の多さに圧倒されていたのだ。
時々A川さんが声を掛けてくれ、手伝ってくれて凄く感謝をしていた。
それも気に要らないのか、眼鏡猿は またギャン!ギャン!と喚き出す。
怒られる私を見て、面白がってる人達。
A川さんのフォローが無ければ、辞めていたかも知れない。
やっと12時になり、挨拶を済ませると足早にロッカーへ。
さっさと会社から出たかったのだ。
そこにB山さん登場。
ランチ代の為 財布を取りに来た様だ。
そして 私に告げる
「ね!この前 言った通りでしょ。オバ様連中は悪口や噂が大好きって」
その他〇〇さんには気を付けて‥××さんには‥と言っていたけど、私は
B山さん自身が信じれ無かった
>> 10
* 贔屓 *
B山さんとは、また違う意味で信じられない人がいた。
あれは確か、バイトを始め1ヶ月経った頃あたりに判明した事‥‥。
この期間、私は相変わらずの毎日を過ごしていた。
平日 短大に行き友達と話し休日は出掛ける。
何気ない日々がリフレッシュの時間であったのだ。
そして仕事‥‥。
私が働いていた部署の上司は、えこ贔屓が酷かった。
お気に入りの人の失敗は、何でも笑って許す。
例え それが大きなミスであっても。
そうで無い人の失敗は、些細な些細な小さな事でも許さない。
ミスが無くても、まるで重箱の隅を突く様に粗探しをするのだ。
私は“後者”の立場。
凄く辛かったけれど
贔屓なんて多かれ少なかれ 何処の職場でも有る!自分だけが苦しいんじゃない。
と何かの本で、目にした事が有り・その言葉を頭に入れ自分に言い聞かせていたのだ。
だけど 私が“信じられない”と感じたのは、贔屓の事だけでは無い。
その上司は
不倫をしていたから。
こういう話は、ドラマや小説だけの世界だとばかり思っていた。
だけど、現実に有ったのである。
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