🌌∀ＳＴЯＯЙＯΜＹ🌌

>> 150 　　　🌌 続き 🌌

彗星は遠ざかるにつれ暗くなり続けているが、未だに天文家達に寄って追跡され続けている｡

2003年12月31日以降、消息が途絶えていたが、2005年1月8日につれ、天王星の軌道よりも外側の観測、☀から21AU(天文単位)離れた所に居るﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星がﾁﾘのﾗｽｶﾝﾊﾟﾅｽ天文台で再観測され、現在も南半球で17等級から18等級の明るさで観測されている｡

また最近の観測によると、未だに2本の尾が観測出来た｡

2006年7月現在、彗星は天王星よりも☀から遠くなり、🌏からの距離は約23
AUにも達しているが、大望遠鏡では未だに観測可能である｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 151 　　　🌌 続き 🌌

天文学者達は、彗星は30等級近くになる2020年頃迄大望遠鏡では観測可能かもしれないと予測している｡

しかしその頃には、遥か遠くにある同じ様な明るさの数多くの銀河と区別する事は非常に難しくなっているだろう｡

彗星は4380年に戻ってくると考えられている｡

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>> 152 　 💫 軌道の変化 💫

ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星は年、4200年前に前回の近日点通過をしたかもしれない｡

彗星の軌道は横道面に対して殆んど垂直であり、これは惑星に非常に接近する事が稀である事を意味している｡

しかし、1997年3月には彗星は木星から0.77AUの所を通った｡

これは軌道が木星の引力によって影響を受けるのに十分な近さであった｡

彗星の軌道は大幅に短くなり、公転周期は2380年になった為、次に太陽系の内側に戻ってくるのは西暦4380年になるだろう｡

彗星が☀から最も遠ざかった時の距離(遠日点距離)は約525AUから短くなり、約360AUになっている｡

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>> 153 　 📝 科学的結果 📝

ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星は近日点通過の間に天文学者達によって徹底的に観測され、その観測結果から、彗星科学に幾つかの重要な発展をもたらした｡

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>> 154 📝 科学的結果
　　　　　ﾅﾄﾘｳﾑの尾 📝

非常に驚くべき発見の1つは、この彗星は3種類目の尾を持っていたと言う事である｡

良く知られていたｶﾞｽの尾と塵の尾に加えて、ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星は、専用のﾌｨﾙﾀｰを付けた強力な装置でのみ見る事の出来る、微かなﾅﾄﾘｳﾑの尾も伸ばしていたのである｡

ﾅﾄﾘｳﾑが放出されているのは以前に他の彗星でも観測されていたが、尾に由来するとは示されていなかった｡

ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星のﾅﾄﾘｳﾑの尾は中性の原子から構成され、5,000万㎞もの長さに伸びていた｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 155 　　　🌌 続き 🌌

ﾅﾄﾘｳﾑの源はｺﾏの内部にある様に思われるが、必ずしも核からとは限らない｡

ﾅﾄﾘｳﾑ原子の源を生み出す仕組みは、核を取り巻く塵の殻と、塵の殻からの紫外線光で「弾き飛ばされた」ﾅﾄﾘｳﾑが衝突するというもの等、幾つか考えられる｡

ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星のﾅﾄﾘｳﾑの尾が主にどの仕組みによって作り出されるのかは未だ確定していない｡

ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星の塵の尾は大彗星の軌道の道筋に沿っており、ｶﾞｽの尾は殆んど☀と反対側に直接的に向いていたが、ﾅﾄﾘｳﾑの尾は2本の尾の間にある様に見えた｡

ここから、ﾅﾄﾘｳﾑ原子は彗星の頭部から放射圧によって吹き飛ばされると思われる｡

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>> 156 📝 科学的結果
　　 重水素の存在度 📝

ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星に重水の形で存在する重水素の存在度は彗星、🌏の大洋のおよそ2倍である事が分かった｡

これは、もしﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星の重水素の存在度が全ての彗星に普遍的なものだとすれば、彗星の衝突はかなりの量の地球上の水の源になったと考えられるものの、唯一の源ではないと言う事になる｡

他の多くの水素の中に重水素が混じって存在していると言う事もこの彗星で分かった｡

普通の水素に対する重水素の比率は化合物毎に様々である事が分かり、天文学者達は彗星の氷は太陽星雲よりもむしろ星間雲で作られたとする説を信じる様になった｡

星間雲での氷の形成に付いての理論的ﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞからは、ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星は25-45ｹﾙﾋﾞﾝ前後の温度で作られたと考えられる｡

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>> 157 📝 科学的結果
　　　　 有機化学種 📝

分光器によるﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星の観測から、多くの有機化合物が存在する事が明らかになっており、そのうち数種はそれまで彗星で見付かった事が無いものだった｡

これらの複雑な分子は彗星の核の中に存在するのかもしれない｡

ｺﾏでの反応によって合成されたのかもしれない｡

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>> 158 📝 科学的結果：自転 📝

ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星の活動とｶﾞｽの噴出は核全体に均等に広がっていたのではなく、特定の数ヶ所からの巨大なｼﾞｪｯﾄから来ていた｡

これらのｼﾞｪｯﾄからの物質の流れを観測する事によって、彗星の自転速度を測定する事ができ、約11時間46分である事が分かった｡

この自転周期に加えて数日間に渡る幾つかの周期的な変動がある事から、彗星は2つ以上の自転軸の周りを自転していると考えられる｡

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>> 159 📝科学的結果：衛星❓📝

1999年に、観測された
ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星の塵の放出のﾊﾟﾀｰﾝを完全に説明する為に、衛星の核の存在を仮定した論文が発行された｡

この論文は理論的分析に基づいていて、提案された衛星核が観測で発見されるとは主張していなかったが、衛星核は直径が約30㎞あり、差し渡し約70㎞ある本体の核の周りを、約180㎞の距離の所を3日掛けて公転していると推定されていた｡

ﾊｯﾌﾞﾙ宇宙望遠鏡による最高解像度の画像でも、ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星の画像には明らかに核が2つである形跡も無かった為、この論文の結論には観測天文学者等が反対した｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 160 　　　🌌 続き 🌌

又、彗星が分裂するのは以前にも観測されてきたが、核が安定した連星になったのはそれまでに観測された事が無かった｡

彗星の核の質量が非常に小さい事を考えると、連星の核の軌道は☀や惑星の重力によって簡単に乱れてしまうだろう｡

補償光学を使った1997年後半と1998前半の観測から、核の明るさには、2回のﾋﾟｰｸがあったと言う主張がされた｡

しかし、核が連星であると言う事でしか説明出来ない観測があるかどうかと言う論争が存在し続けている｡

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>> 161 　 😲 妄想と迷信 😲

多くの文化で、彗星は悪い事の前兆であると歴史的に見られてきており、大きな疑念を持って見られていた｡

ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星が発見されてから最接近するまで非常に長い展開があった事と、それ以前の数十年間見られない程の大彗星であった為かも知れないが、この彗星は多くの奇妙な信仰や理論の主題となり、その出現が引き起こしたﾊﾟﾆｯｸの度合いにも特筆するべきものがあった｡

1996年11月に、
ﾃｷｻｽ州ﾋｭｰｽﾄﾝのｱﾏﾁｭｱ天文家のﾁｬｯｸ･ｼｭﾗﾒｯｸが、羽毛の様に見える少し長く伸びた天体この彗星のCCD画像を撮影した｡

彼のｺﾝﾋﾟｭｰﾀ掃天ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑ
がある恒星を識別しなか
ったので、ｼｭﾗﾐｯｸはﾗｼﾞｵ
番組ｱｰﾄ･ﾍﾞﾙに、彼が
ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星に続いて
来る「土星状の天体」を
発見したと発表する様に☎した｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 162 　　　🌌 続き 🌌

遠隔透視の提唱者であるｺｰﾄﾆｰ･ﾌﾞﾗｳﾝの様なUFOﾌｧﾝ達はﾗｼﾞｵ、それは彗星に続いてやって来る宇宙人の宇宙船だと直ぐ結論付けた｡

実際には、その天体は単に8.5等の恒星であるSAO141894であり、ｼｭﾗﾐｯｸのｺﾝﾋﾟｭｰﾀﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑに出なかったのは利用者の選択が間違っていただけだった｡

しかし、伝えたところによれば、ｼｭﾗﾐｯｸはそれを指摘されても自分の間違いを認めるのを拒んだ｡

後にｱｰﾄ･ﾍﾞﾙも、その発見を確認しようとした匿名の天体物理学者からその天体の画像を得たと主張した｡

しかし、ﾊﾜｲ大学の天文学者であるｵﾘﾋﾞｴ･ｴﾉｰとﾃﾞｰﾋﾞｯﾄﾞ･ﾄｰﾚﾝはそれを、持ち出された写真はそれを、彼等自身による彗星の画像のｺﾋﾟｰを改竄したものだと言う事を示した｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 163 　　　🌌 続き 🌌

数ヵ月後の1997年3月には、ｶﾙﾄ団体であるﾍｳﾞﾝｽﾞ･ｹﾞｰﾄが、この彗星の出現を彼等の集団ｶﾙﾄ自殺の引き金として選んだ｡

彼等はそれを、自分達がこの世の天体から彗星に続いて来る宇宙船に旅立つ為に出発するのだと主張した｡

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>> 164 🌠 ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星の
　　　　　　　 遺産 🌠

だが、ﾍｰﾙ･ﾎﾞｯﾌﾟ彗星を見た殆んどの人にとっては、それはただ単に夕暮れの空の美しく壮大な光景であった｡

見られた期間の長さとﾒﾃﾞｨｱの報道の活発さから、この彗星は歴史上最も観測された彗星で、1986年のﾊﾚｰ彗星の回帰よりも遥かに大きな衝撃を一般大衆に与えたかも知れないと言う事が言えるし、確かにﾊﾚｰ彗星の前回の回帰よりも多くの人がこの彗星を見た｡

全く記録破りの彗星だった｡

☀から最も遠い所で発見され、知られている中で最も核が大きく、それまで記録を保持していた彗星の2倍もの期間に渡って肉眼で見る事が出来た｡

又8週間もの間0等級以上であり、過去数千年間のどの彗星よりも長かった｡

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　　📓 ﾍﾞﾈｯﾄ彗星 📓
（C/1969 Y1，
　　　 1970 II，1969i)

発見者：ﾍﾞﾈｯﾄ

発見日：1969年12月28日

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>> 166 　📓 ﾍﾞﾘｬｳﾞｽｷｰ彗星 📓
（C/1911 S3，
　　　　1911IV，1911g)

発見者：ﾍﾞﾘｬｳﾞｽｷｰ

発見日：1911年9月29日

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>> 167 　📓 ﾎﾟｲﾏﾝｽｷｰ彗星 📓
　　 (C/2006 A1)

発見者：ﾎﾟｲﾏﾝｽｷｰ

発見日：2006年1月2日

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>> 168 📓 ﾎﾜｲﾄ・ｵﾙﾃｨｽ・
　　　　　 ﾎﾞﾚﾘ彗星 📓
（C/1970 K1，
　　　 1970 VI，1970f)

発見者：ﾎﾜｲﾄ

発見日：1970年5月18日


発見者：ｵﾙﾃｨｽ

発見日：1970年5月21日


発見者：ﾎﾞﾚﾘ

発見日：1970年5月22日

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　 📓 ﾏｯｸﾉｰﾄ彗星 📓
　　（C/2006 P1)

発見者：ﾏｯｸﾉｰﾄ

発見日：2006年8月7日


ｵｰｽﾄﾗﾘｱのﾛﾊﾞｰﾄ･ﾏｯｸﾉｰﾄによって発見された非周期彗星である｡

ﾏｯｸﾉｰﾄ彗星は2007年1月12日に近日点を通過して、1965年に出現した池谷・関彗星以来の明るさとなり、白昼に肉眼で見る事が出来る大彗星となった｡

2007年の大彗星
(Great Comet of 2007)とも呼ばれる｡

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>> 170 　　　👀 発見 👀

ﾏｯｸﾉｰﾄはｵｰｽﾄﾗﾘｱのｻｲﾃﾞｨﾝｸﾞ･ｽﾌﾟﾘﾝｸﾞ天文台の口径0.5mｳﾌﾟｻﾗｼｭﾐｯﾄ望遠鏡で行われている｡

ｻｲﾃﾞｨﾝｸﾞ･ｽﾌﾟﾘﾝｸﾞｻｰﾍﾞｲで8月7日に撮影されたCCD画像から彗星を発見した｡

このｻｰﾍﾞｲは未発見の小惑星わ彗星を捜索する為に定期的に行われていた｡

発見時の彗星の光度は17.3等であり、⛎座の南の部分をゆっくりと西へ移動していた彗星｡

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>> 171 　　　🌟 増光 🌟

ﾏｯｸﾉｰﾄによる発見後、南半球の観測者達はこの彗星の軌道を確定する為に追跡観測を始めた｡

2006年8月から11月に掛けてﾏｯｸﾉｰﾄ彗星はCCD📷を用いて撮影され、その光度は9月中旬で16等、10月中旬で14等、11月上旬で12等と順調に明るくなっていった｡

11月に入ると増光はやや鈍ったものの、11月半ばには10等になり、12月半ばには7等になった｡

彗星はゆっくりと西へと動いて9月には♏座に入ったが、9月半ばには留となり東へ動きを転じて、再び⛎座へ入って東へ移動していった｡

この間は北半球でも南半球でも夕方の空に見る事が出来たが、南半球の方が観測しやすかった｡

徐々に☀との離角が小さくなり、見える高度が低くなっていった｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 172 　　　🌌 続き 🌌

12月に入ると☀との離角は更に小さくなり、薄明の為観測は困難になった｡

12月下旬になって再び観測される様になると、ﾏｯｸﾉｰﾄ彗星は急速に明るくなった｡

12が下旬には4等前後に達しており、2007年1月の初めには肉眼で見る事が出来る様になった｡

この頃には、近日点を通過する頃には-2等程度に達するだろうと予測されていた｡

近日点通過は2007年1月12日で見る、近日点距離は0.17AUだった｡

この彗星は☀に非常に接近する軌道を持っていた為、観測に適した期間は短く、薄明中の空でしか見る事が出来なかったが、それでも北半球では近日点通過の1週間程前から夕方と明け方の両方で肉眼で見る事が出来た｡

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>> 173 　 💨 近日点通過 💨

ﾏｯｸﾉｰﾄ彗星は近日点通過が近づくにつれ、予想を上回る増光を見せていった｡

明るい薄明中の空でも肉眼で見え、明るくなった行く様子が捉えられた｡

1月5日には1等、1月6日には0等に達した｡

1月7日には白昼の空での姿が天体望遠鏡による写真で初めて撮影された｡

1月8日には-1等、1月10日には-2等、1月12日には-3等に達した｡

1月12日には初めて白昼の空に肉眼で見える様になった｡

これは1976年のｳｪｽﾄ彗星以来の事だった｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 174 　　　🌌 続き 🌌
1月12日にはﾏｯｸﾉｰﾄ彗星は太陽観測衛星SOHOの📷LASCO C3の視野に入り、2003年のNEAT彗星よりも急速に増光する様子が捉えられた｡

余り明るい為にｺﾏと尾全体が真っ白に飽和する程であり、SOHOの視野を通過した最も明るい彗星となった｡

ﾏｯｸﾉｰﾄ彗星はSOHOの視野を北から南へ横切り、その時SOHOの視野に入っていた水星にかなり接近して見えた｡

1月16日にはSOHOの視野から外れた｡

1月12日にはﾏｯｸﾉｰﾄ彗星は1965年の池谷・関彗星以来となる、過去40年間で最も明るい彗星となり、この頃には「2007年の大彗星」と呼ばれる様になった｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 175 　　　🌌 続き 🌌

1月13日と14日には北半球から観測した見掛けの等級が最大の-6.0に達した｡

これは1935年以降では池谷・関彗星に次ぐ2番目の明るさであり、🌏から最も明るく見える惑星である金星の最大光度-4.6等をも上回っている｡

🌏最接近な1月15日でその距離は0.82AUだった｡

1月13日迄は北半球中緯度地帯で夕方と明け方の薄明中の低空で見る事が出来たが出来た、彗星が南下した為、彗星が☀よりも遅く昇り早く沈む様になり、夕方と明け方の観測は不可能になった｡

1月12日から14日迄は、白昼でも☀から5度から10度程離れた位置に肉眼や双眼鏡で彗星を見る事が出来る程の明るさになり、多くの人が青空を背景にした彗星の観測や撮影に成功した｡

この頃の明るさは凡そ-5.5等だった｡

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>> 176 　　 🌠 南天へ 🌠

近日点通過後、ﾏｯｸﾉｰﾄ彗星は急速に南下し、南半球で日没後の薄明中の空に見られる様になった｡

1月15日にはｵｰｽﾄﾗﾘｱのﾊﾟｰｽ天文台で観測され、この時の見掛けの等級は-4.0等だった｡

南半球では肉眼でも明るい核とやや曲がった尾を見る事が出来た｡

写真では、90度以上も曲がり長さが数十度にも及ぶ幅広く長大なﾀﾞｽﾄﾃｲﾙ
(塵の尾)が写った｡

又、北半球では近日点通過後は彗星が南天に移動した為に本体の観測は不可能になったものの、尾が北方向へ非常に長く伸びた為に達した、1月17日から20日頃に掛けて、驚くべき事に尾の先端付近の淡い部分が北半球でも写真に写った｡

🇩�、ｵｰｽﾄﾗﾘｱ、🇺�、🇯�等で彗星の尾の筋状の創造が撮影されている｡

北半球では尾の先端は日没後1時間から2時間程後に西の低空に見えたものの、極めて淡かった｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 177 　　　🌌 続き 🌌

尾が大きく曲がったのは、彗星が☀に最も☀に接近した近日点通過の前後で彗星の運動の方向が大きく変わり、その軌道に沿って塵が広がった為である｡

北半球でも見られた尾は、近日点通過の前後に放出された大量の塵によるものと考えられる｡

南半球では近日点通過後は夕方と明け方の両方で見える様になり､特に夕方の空で良く見える様になった｡

☀からの離角が急速に大きくなり、南ｱﾌﾘｶ、ｵｰｽﾄﾗﾘｱ､南ｱﾒﾘｶ等では近日点通過前の北半球よりも観測条件が良くなった｡

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　 📓 ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星 📓
　　 （C/2004 Q2)

発見者：ﾏｯｸﾎﾙﾂ

発見日：2004年8月27日


ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星は､🇺�ｶﾙﾌｫﾙﾆｱ州在住のｱﾏﾁｭｱ天文家、ﾄﾞﾅﾙﾄﾞ･ﾏｯｸﾎﾙﾂの発見した彗星である｡

2005年1月時点、ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星と言う名前が付いている彗星が8個、ﾏｯｸﾎﾙﾂと言う名前が入っている彗星が2個ある｡

彼の発見した彗星は、暗いままで、肉眼では見えない様な彗星ばかりだった為、🇯�の天文ﾌｧﾝからは､「真っ黒ﾎﾙﾂ彗星｣等と揶揄(やゆ)される事もあったが、C/2004 Q2は肉眼でも見える程の明るくなった｡

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>> 179 📛 ﾏｯｸﾎﾙﾂの名前が
　　　　 入った彗星 📛

🌠C/1978 R3
　　　　　ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星

🌠C/1985 K1
　　　　　ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星
➡近日点がq=0.10AUと小さかった。
近日点通過後に拡散した｡

🌠96P/1986 J2
　　　　 ﾏｯｸﾎﾙﾂ第1彗星
➡☀に非常に接近する軌道を取る｡
周期約5.23の名前が、木星族の彗星｡
2007年には🌏に非常に接近し、1等級になるとする予測があった｡
四分儀座流星群の母彗星である可能性が指摘されている｡

🌠C/1988 P1
　　　　　ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星
➡近日点がq=0.16AUと小さく、大彗星になると期待があったが、拡散・消滅し、真っ黒ﾎﾙﾂ彗星と揶揄された｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 180 　　　🌌 続き 🌌

🌠C/1992 F1
　　　田中・ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星

🌠C/1992 N2
　　　　　ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星
➡発見後、位置関係が悪く、僅か5日しか観測されなかった｡

🌠C/1994 N1
中村・西村・ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星

🌠141P/1994 P1
　　　　ﾏｯｸﾎﾙﾂ第2彗星
➡周期約5.23年の母、木星族の彗星｡
核が分裂しているのが発見された｡
少なくとも4つに分裂していたが、1999年の回帰の時にはA核とD核の二つのみが確認された｡
2005年の回帰ではD核は消滅していた｡

🌠C/1994 T1
　　　　　ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星

🌠C/2004 Q2
　　　　　ﾏｯｸﾎﾙﾂ彗星
➡2004年8月27日発見｡
2005年1月に🌏に接近し、約3.5等まで明るくなった｡

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>> 181 　　📓 ﾑﾙｺｽ彗星 📓
（C/1957 P1，
　　　　1957 V，1957d)

発見者：ﾑﾙｺｽ

発見日：1957年7月29日

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(｡･･｡)💬 以上で 非周期彗星の一覧は終わりです｡

続いて…

周期彗星の一覧に取り掛かりたいと思います｡
(｡･･｡)ﾉ

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📓 周期彗星に付いて 📓

周期彗星は、公転軌道の離心率が1未満の彗星である｡

有限の公転軌道を持ち、基本的には楕円軌道である、周期的に回帰する｡

彗星は、離心率が1未満の周期彗星と、離心率が1以上の非周期彗星に分ける事が出来る｡

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>> 184 　 💫 軌道の変化 💫

惑星(特に木星)や近傍恒星の重力、氷の昇華(蒸発)の反作用による非重力効果により、軌道要素は刻一刻変化する｡

その為、回帰間隔と公転周期は一致しない｡

軌道の変化は一致、摂道の範囲に収まる事もあるが、ｳﾞｨﾙﾄ第2彗星の様に、全く別の軌道になってしまう事もある｡

だから、周期彗星が必ず周期的に回帰するわけでは無い｡

軌道の変化は長期軌道程激しく、数百年を超える公転周期は長期は、回帰間隔としては意味がある数字とはみなされない｡

公転周期が数千年を越えると公転、摂道等を計算に入れても、本当に次に回帰するかどうかの判断は難しい｡

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>> 185 😲 周期彗星の発見 😲

近代になる迄、周期彗星と言うものは知られておらず、彗星の登場は全く予測不可能だと思われていた｡

始めて周期彗星の存在に気付いたのは、🇬�の天文学者、ｴﾄﾞﾓﾝﾄﾞ･ﾊﾚｰである｡

ﾊﾚｰは、1682年の彗星の軌道が、1531年及び1607年の彗星と殆んど同じである事な気付き、これら3つの彗星は同一の天体であり76年毎に回帰すると推測した｡

しかしﾊﾚｰは、その日を待たずに死去した｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 186 　　　🌌 続き 🌌

はたしてﾊﾚｰの予言通り、1758年12月25日に同じ軌道の彗星が発見された｡

近日点通過は予測の2年後の1759年だったが、これは木星と土星の摂道の変化による軌道変化だと分かった｡

ﾊﾚｰの功績にちなんで、この彗星はﾊﾚｰ彗星と呼ばれる様になった｡

2番目に周期彗星である事が明らかになった彗星はｴﾝｹ彗星である｡

初めて楕円軌道を仮定して軌道計算された彗星である事に気付き、軌道計算を行ったﾖﾊﾝ･ﾌﾗﾝﾂ･ｴﾝｹ
にちなんで名付けられた｡

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>> 187 🌠 周期彗星の分類 🌠

周期彗星の内、周期200
年以下の物を短周期彗星と言う｡

短周期彗星は、高い精度で次の回帰が予測可能で、命名規則では、符号にP/が付けられる(他の彗星は原則としてC/)｡

短周期彗星以外の彗星を長周期彗星と言う｡

学術用語としては(字義通りの意味に反して)非周期彗星も含むが、一般には、含めない事も多い｡

周期彗星の中には、似た軌道を持つものがある｡

これ等は彗星群と言い、かつて1つの彗星だったものが、☀等に接近し過ぎた時の潮汐力で分裂したものだと推測されている｡

事実、ﾋﾞｴﾗ彗星、池谷・関彗星、ｼｭｰﾒｰｶｰ・ﾚｳﾞｨ第9彗星、ｼｭﾜｽﾏﾝ・ﾜﾊﾏﾝ第3彗星等で、分裂が観測されている｡

代表的な彗星群としてｸﾛｲﾂ群がある｡

彗星群は原則、その成因上、☀は極端に接近するｻﾝｸﾞﾚｰｻﾞｰが多い｡

なお、周期彗星と言う言葉で、事項のものを指す事がある｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 188 　　　🌌 続き 🌌

🌠短周期彗星…
周期200年以下の彗星｡


🌠符号にP/を持つ周期彗星…
公転周期200年以下か、
複数の回帰が観測された彗星｡


🌠番号登録周期彗星…
2回の回帰(又はｹﾝﾀｳﾙｽ族なら4回の衝)が観測され、符号登録番号(1P/Halleyの1等)が与えられた彗星｡
なお、符号にP/を持つ彗星を持つ、｢～彗星」と言うかわりに「～周期彗星」と言う事がある｡
(例：ﾊﾚｰ周期彗星)

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📓 周期彗星の一覧 📓

2度以上の出現が観測され番号登録された周期彗星の一覧である｡

符号の数字の後に「P」とあるのは周期彗星、「D」とあるのは長い間行方不明になっているか消滅した周期彗星である｡

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　 📓 1P ﾊﾚｰ彗星 📓

発見者：ｴﾄﾞﾓﾝﾄﾞ･ﾊﾚｰ
　　 （同定・軌道計算)

発見日
(古代)：紀元前240年6月
(同定後初)：1958年
　　　　　　　12月25日

公転周期：75.3年

前回近日点通過
➡1986年2月

次回近日点通過
➡2061年7月28日

💬最初に周期性が確認された彗星｡

約76年周期で🌏に接近する短周期彗星である｡

多くの周期彗星の中で最も有名な彗星である｡

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>> 191 　　　🔍 組成 🔍

ﾊﾚｰ彗星の核は約8㎞×8㎞×16㎞の大きさで
ｼﾞｬｶﾞｲﾓの様な不定形をしている｡

核の密度は
0.1-0.25g/㎝3と推定されている｡

核の表面は非常に暗い色をしており、ｱﾙﾍﾞﾄﾞは約0.04と非常に小さい｡

探査機ｼﾞｵｯﾄによる調査では、彗星核表面には炭素が多く存在する事が明らかになっている｡

核から放出された物質の組成(体積比)は、水(氷)
が80%､一酸化炭素が10%､
ﾒﾀﾝとｱﾝﾓﾆｱの混合物が
2.5%等となっており、他に炭化水素や鉄、ﾅﾄﾘｳﾑ等が微量に含まれる｡

又ｼｱﾝｶﾞｽも僅に含まれている｡

ﾊﾚｰ彗星から放出された物質は、5月の♒座η流星群及び10月のｵﾘｵﾝ座流星群の流星物質となっていると考えられている｡

専門家の中には、ﾊﾚｰ彗星が巨大な⛄の球だと言う者もある｡

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>> 192 　　　💫 軌道 💫

ﾊﾚｰ彗星は周期約76年の楕円軌道を持ち、遠日点は海王星軌道の外側に達する｡

また軌道傾斜角が約162度でｼﾞｬｶﾞｲﾓ、逆行軌道となっている｡

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>> 193 📝ｴﾄﾞﾓﾝﾄﾞ･ﾊﾚｰの研究📝

ﾊﾚｰ彗星は周期彗星である事が初めて明らかになった彗星である｡

この事実を発見したのは🇬�の天文学者ｴﾄﾞﾓﾝﾄﾞ･
ﾊﾚｰである｡

彼は、1682年に出現した彗星の観測的性質が、1531年に🇩�のﾍﾟﾄﾙｽ･ｱﾋﾟｱﾇｽが観測した彗星及び、1607年にﾌﾟﾗﾊのﾖﾊﾈｽ･ｹﾌﾟﾗｰが観測した彗星と殆んど同じだと気付いた｡

この事から彼は、これら3つの彗星は実際には同一の天体が76年毎に回帰したのだと結論付けた（実際の出現周期は惑星の摂道によって彗星の軌道が絶えず変化する為、数年の幅で変動する)｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 194 　　　🌌 続き 🌌

ﾊﾚｰこの彗星が惑星から受ける摂道を概算し、次は1757年に再び出現すると予言した｡

その後1758年12月25日に、🇩�のｱﾏﾁｭｱ天文学者ﾖﾊﾝ･ｹﾞｵﾙｸ･ﾊﾟﾘｯﾁｭがこの彗星を発見し、ﾊﾚｰの予言が証明された｡

実際の彗星の近日点通過
は1759年3月にずれ込ん
だが、これは木星と土星
の摂道によって彗星の回
帰が約618日遅れた為で､
この事は出現の前に､🇫�
の3人の数学者、ｱﾚｸｼｽ･
ｸﾚﾛｰ、ｼﾞｪﾛｰﾑ･ﾗﾗﾝﾄﾞ、
ﾆｺﾙ=ﾚｰﾇ･ﾙﾎﾟｰﾄ等が計算
していた｡

ﾊﾚｰ自身はこの回帰を見る事無く1742年に没していたが、ﾊﾚｰの功績を記念して、この彗星にﾊﾚｰの名が付けられた｡

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>> 195 　　🌠 主な出現 🌠

ﾊﾚｰの軌道計算方によって、ﾊﾚｰ彗星の過去の出現を歴史上の記録の中に見付ける事が可能となった｡

軌道計算による過去と未来のﾊﾚｰ彗星の近日点通過日は以下の通りである｡

通常、近日点通過の前後数ヵ月間は肉眼で彗星を見る事が出来る｡

又、古文書等から判明しているﾊﾚｰ彗星の出現も付記した｡


紀元前240年➡史記の初皇本紀に出現が記録されている｡

紀元前164年後半➡
ﾊﾞﾋﾞﾛﾆｱの粘土板に出現記録がある｡

紀元前87年8月

紀元前12年10月➡この時の出現が新約聖書のﾍﾞﾂﾚﾍﾑの星だと説く神学者もいる｡

66年1月・141年3月・
218年5月・295年4月・
374年2月・451年6月・
530年9月


　　　🌌 続く 🌌

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>> 196 　　　🌌 続き 🌌

607年3月➡日本書紀に記録あり｡

684年10月➡日本書紀(天武12年)に記録あり｡

760年5月・837年2月・
912年7月

989年9月➡日本と中国で記録された｡
この為、日本では永延から永祚に改元した｡

1066年3月➡ﾉﾙﾏﾝ･ｺﾝｸｴｽﾄを記録したﾊﾞｲﾕｰのﾀﾍﾟｽﾄﾘｰに記録されている｡

1145年4月➡日本で天養2年から久安に改元｡

1222年9月

1301年10月➡ｼﾞｮｯﾄ･ﾃﾞｨ･ﾎﾞﾝﾄﾞｰﾈがﾊﾟﾄﾞｳﾞｧのｽｸﾛｳﾞｪﾝﾆ礼拝堂の壁画に描いた｡
日本の鎌倉年代記、中国の元史にも記事が存在する｡

1378年11月・1456年6月

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>> 197 　 🌠 近年の出現 🌠

1531年8月・
1607年10月27日

1682年9月15日➡ｹﾞｵﾙｸ･
ｻﾞﾑｴﾙ･ﾃﾞﾙﾌｪﾙにより観測される｡

1759年3月13日➡ﾊﾚｰの予言が実証された｡
清(乾隆24年)と日本で記録あり｡

1835年11月16日

1910年4月20日➡-3.3等級に達した｡

1986年2月9日➡🌏からの観測条件が悪かった｡
今後の出現予定は以下の通りである｡

2061年7月28日

2134年3月27日

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>> 198 　　 ⏰ 1910年 ⏰

1909年9月11日、
ﾏｯｸｽ･ｳｫﾙﾌにより初めて写真撮影された｡

1909年9月15日にﾔｰｷｰｽ天文台で実視観測される等、比較的🌏に接近し、非常に見やすかった事等が挙げられる｡

発見当時の光度は約16等で、その後明るくなり、翌年2月に8等級、3月に7等級となり、4月に2等級となり8度程の尾を見せた｡

5月11日には最も明るく0.6等となり、尾は更に長くなり、5月14日に58度、16日に70度、19日に105度、21日には120度となった｡


　　　🌌 続く 🌌

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>> 199 　　　🌌 続き 🌌

暁天に観測されていたのが、21日以後は夕方西方に現れ、光度、尾の長さともに次第に減じ、7月に7等、尾の長さ2度となり、翌年1月13等級、4月15等級となり、1911年7月11日の写真に現れたのを最後に見えなくなった｡

この時☀からの距離は約8億3000万㎞｡

5月19日にはﾊﾚｰ彗星が☀面を通過し、彗星の尾は常に☀から遠ざかる方向に伸びる為、尾の中を🌏が通過巣つ事になった｡

当時はすでに、彗星の尾には有害のｼｱﾝ化合物が含まれている事が知られていた｡

特に、🇫�の科学者ｶﾐｰﾕ･ﾌﾗﾏﾘｵﾝ(1842-1925 🇯�のﾒﾃﾞｨｱでの表記はﾌﾚﾝﾏﾘｵﾝ)の説が元となり、尾に含まれる猛毒成分により、🌏上の生物は全て窒息死すると言う噂が広まった｡

🇯�でのその日時は、5月19日11時22分とされた｡


　　　🌌 続く 🌌

• << 201 　　　🌌 続き 🌌 大衆向けのﾒﾃﾞｨｱはこれを取り上げ、何も起こらないと説明する天文学者をよそに、この話をｾﾝｾｰｼｮﾅﾙに煽った｡ だが実際には彗星のｶﾞｽは非常に薄い為、🌏が尾の中を通過してもﾊﾚｰ彗星のｶﾞｽは🌏の厚い大気に阻まれて地表に到達する事が無く、🌏及び生命体には何の影響も与えなかった｡ 太古より、彗星の存在は広く知られており、豊穣や不吉の前兆等と考えられてきたが、この時程の大きな騒ぎの記録は無く、結果的に、科学とﾒﾃﾞｨｱの発達がかえって恐怖心を煽る事になり、世界規模のﾊﾟﾆｯｸとなった｡ 又、1910年のﾊﾚｰ彗星を見たと言う者の中には、実際には、ﾊﾚｰ彗星とは別の1910年1月の彗星(C/1910 A1 = 1910 I)の記憶と混同している例も少なくない｡ この彗星はﾊﾚｰ彗星の接近の約4ヶ月前に現れ、最も明るい時にはﾊﾚｰ彗星より明るく、白昼でも見えた｡

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