注目の話題
フリーターについて
子供に甘える父親
昔のびっくりするくらい塩にまみれたシャケをご存知の方

糸使いと異能マンションの住民たち

No.1 17/03/09 20:03
小説大好き0
あ+あ-

糸乃は自分の部屋のドアの鍵開けて部屋に入った。
その瞬間に、プルプルと震えながら床からこちらを見つめる手のひらサイズの透明なスライムと目が合った。
スライミーだ。
「しの~!」
小さな声で叫び、ぷよぷよぴょんぴょんと跳ねて喜びを表すスライミー。
うん、かわいい。可愛いんだけど・・・
(床に水たまりが・・・しょうがないけど。)
喜んでぷよぷよぴょんぴょんしているスライムと、それを見て固まっている女子高生。
なんともシュールな光景だ。
糸乃はそう思って苦笑いしながらスライミーに呼びかけた。
「また蛇っ子に追っかけられたの?」
「そうなの―。おっきい赤ちゃんヘビ。で、怖くて逃げてたらぼくは水漏れしちゃった。」
スライム族は元々水分から出来ている体を持ち、体内で水を生産し、周りの水分を操る種族なのだ。ただ、恐怖などを感じると水分を上手く制御できなくなる。自分の命にかかわらない程度に。
そのことの正式名称はないし、それを水漏れとこのマンションの住民の一人がつぶやき、言葉を習っている途中のスライミーは水漏れと覚えた。
どうしても水漏れ修理の広告が頭に浮かんでしまうのだが。仕方ない。
スライミーから話を聞いて大体の事情が見えてきた糸乃はいつまでも玄関に突っ立っているわけにはいかず、スライミーを通り越してリビングに向かった。スライミーもぷよぷよぴょんぴょんとついてくる。
「あ、スライミー玄関の水を蒸発させといてくれない?」
肩にかけていた学生カバンを床に下ろしながら糸乃はスライミーに頼んだ。
「わかった~!」
そして、音もなく水は水蒸気へと変わる。
つくづく思う。スライムは不思議な種族だ。脳みそもないようなのに言葉を話し(しかも学習能力と言い、暗記能力といい、色々すごいのだ)、水分を制御する。のどもないのに声を出す。考え出すときりがないから深くは考えないが。

最初
1レス目(12レス中)
このスレに返信する

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧