雨が降っていた

No.93 17/03/31 01:41
パンダっ子 ( UUqVnb )
あ+あ-

私はジャケットを脱いでブラウスになった。美咲がベッドに私を座らせた。
「あ、シャワーとか・・・」
「いいの、そのままで。」
美咲が私の肩を押した。仰向けに倒れた私のブラウスのボタンを上から順に外していく。美咲の指先が素肌に触れる度、虫が這いずったような嫌な感覚を覚えた。友香との時のような、甘い期待に満ちたくすぐったさは無い。

ああ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ、嫌だ一一一!!!!!!!!

友香を奪った憎い女に、更に私の身体を好きなようにされてしまう。
屈辱、羞恥、混乱、嫌悪。
でもこの事態を招いてしまったのは他ならぬ自分なのだ。

美咲の表情を見たくなくて、顔を横に向けた。嫌だと思っても、自然に涙が出てくる。
ボタンを半分ほど外して、美咲は鎖骨を指先でなぞった。
「あなた、肌が綺麗ね。白くてきめが細かいわ。」
美咲はブラウスに手を滑り込ませ、ブラジャ一の上から乳房に触れた。
「ほら、大きな胸が早鐘を打ってる。あなたも案外楽しみにしていたのかしら?」

美咲は私の顔を自分に向けさせた。声がうわずっている。私の上に馬乗りになると、顔を近づかせてきた。涙でぼやけた視界に、真っ赤な唇がゆっくり降りてくるのが見えた。私はぎゅっと目を瞑った。

『ピンポーン』
ドンドンドン!!! ガチャガチャ!!!

突然玄関のチャイムが鳴った。ドアを叩いてドアノブを乱暴に開けようとする音もする。目を開けるととっさに起き上がった美咲の当惑したような顔があった。

再びチャイムの音、今度は続けて何度も押している。美咲は私の上から降りると、私をちらりと見て玄関に向かった。

ひとまず助かった私は、大きく息を吐いた。力んでいた肩が落ちた。

「ちょっと!! 待ちなさい!!!」
美咲の大きな声がした。続いてこちらへ近づいて来る乱れた二人分の足音。私は驚いてベッドに起き上がった。

バン!!!

寝室のドアが勢い良く開いた。友香が険しい顔をして、肩で息をして立っていた。

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