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雨が降っていた

No.99 17/04/22 02:30
パンダっ子 ( UUqVnb )
あ+あ-

あまりにも忙しかった一日が終わろうとしていた。私も友香もまだお互いの身体を離したくなくて、身体のどこかしらをくっつけたまま横たわっていた。

美咲に友香が放った言葉を思い出す。
『もう琴乃しか愛せない』
私はあの場面を一生忘れないだろう。何度思い出しても嬉しさに心震えるだろう。

友香が言ってくれた沢山の嬉しい言葉の中でも、今日ほど記憶に残るものは無いはずだ。私に語られた言葉ではないのが、余計に印象を強くさせている。
友香を抱く手に自然に力が入った。

「友香、今日はありがとう。」
友香は首をよじって私を見た。
「どうしたの?急に。」
「うん。まだお礼が言えてなかったから・・・。言いたかったの、どうしても。助けてくれて、本当にありがとう。」

「・・・怖かった?」
友香がぽつりと聞いた。
「うん。凄く怖かった。でもそれよりもあなたを失った事が辛くて、半ば自暴自棄だったかもしれない。私なんて、もうどうなったっていいって思ってたから。」
「あの人は、琴乃に惹かれたのよ。だから・・・賭けの勝敗に関わらず、琴乃としたかっただけよ。嘘ついて騙してまで。」

私の意見は友香とは違った。
「そうじゃないわ。あの人はどんな手を使ってでもあなたを手に入れたかったのよ。私とあの人が関係を持ってしまったら、あなたと私の間に必ず溝が出来てしまう。そこを狙ってあなたを私から奪い取ろうとしたのよ。」
「・・・馬鹿みたい。何をしても無駄なのに。私と琴乃はそんなつまらない理由で別れたりしないのに。」
友香が私の手を握った。

「そうね。別れたりしないわ。あの人がどんな卑怯な手を使っても、私は友香を離さない。」
「・・・嬉しい。」
友香が私にキスをくれた。
「私ね。今日またあなたに惚れ直したわ。あなたがあの人に言った事、本当に嬉しかった。・・・もう一度聞かせて。お願い。」
私は友香を見つめて言った。

「・・・私は琴乃しか愛せない。」
「・・・もう一度。」
「私は琴乃しか・・・愛さない。」
「・・・ありがとう。私もよ。私も、あなたしか愛せないわ。あなたしか・・・」
友香が私の唇をキスで塞いだ。

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