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No.89 17/03/25 06:34
パンダっ子 ( UUqVnb )
あ+あ-

「・・・分かった。もう何も言わない。琴乃にその覚悟があるなら、私は見守るしか無いよね。」
「ごめん、摩耶。でも大丈夫。大丈夫だから。」
摩耶にしては、友香を試しているようで後ろめたくもあるのだろう。大切な友達をこんな事に荷担させてしまって、摩耶には本当に申し訳ないと思った。

「・・・美咲にメールする。」
「・・・・・。」
摩耶は頷いたが、表情はまだ固かった。
私は美咲に賭けに乗るとメールをした。

布団に入っても一向に眠くならずに、薄暗い天井ばかり眺めていた。隣のベッドには摩耶が寝ていたが、やはり眠れないのか寝返りを打つ音ばかりしている。床に敷いた布団に寝ている私には、その姿は見えない。
「琴乃、・・・起きてる?」
摩耶の声がした。私は上体を起こした。ベッドの上で摩耶がこちらに体を向けていた。
「・・・眠れないんだ。友香を信じてるって言ったばかりなのに、ダメだね私。自分で下した決断なのに、不安になってしまう。」
摩耶は手を伸ばして、私の肩を軽く叩いた。

「あのね、このタイミングで悪いんだけど、聞いて欲しい話があるんだ。」
「うん。私でいいなら話聞くよ。神崎さんと何かあった?」
神崎さんとは摩耶の彼氏の名前だ。優しくてカッコいい彼氏だと友達の間で評判だった。
「うん。私、隼斗(はやと)と別れた。」
「え?いつ?」
「1ヶ月くらい前だったかな。」
「そんな前に?何で言ってくれなかったの?別れた理由は?」

摩耶が起き上がってベッドに腰掛けた。摩耶の表情は分からない。
「隼斗はいい奴だと思う。私、愛されているなぁって思う瞬間が幾つもあった。・・・だけど私がダメなんだ。私は隼斗の事、愛してなかった。あんた達を見てるとさ、時々自分が分かんなくなった。何で隼斗と付き合っているのか。あんた達はお互いにすごく相手に対して真剣でしょ?自分より相手を大切にしてる。だけど私は隼斗に対してそんな風に思った事は無かった。もし振られたって、少し寂しく感じるくらいで涙も出なかったと思う。」

「・・・そんなの全然気がつかなかった。2人、お似合いだなっていつも思ってた。付き合いを続けるうちに摩耶の気持ちが強くなるかもしれないとは思わなかったの?」
「・・・少しだけ思った。だけど、それにはすごく時間が掛かる気がした。その時間が経っていくうちに、隼斗の気持ちはどんどん覚めていく。」

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