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俺のいきざま

No.3 16/01/05 23:39
迷 ( FQCEh )
あ+あ-

戦後…


家族で疎開先から地元に戻り、少しの間は本家で世話になっていた。


食べ物や衣類等ままならない時代だが、本家は割と裕福だったようだ。


俺達兄弟と同年代の従兄弟が3人居た。


ある日、叔父が従兄弟達に半紙にくるまれた綺麗な金平糖を配っていた。


従兄弟達は大喜びで、外に遊びに出掛けた。


今度は俺達兄弟にくれるんだとワクワクしながら待っていた。


「おまえ達、手を出しな」


兄貴と俺は両手を出して待っていたが、手のひらに貰った金平糖は三粒…


「おまえらの親父の葬式までしてやったんだから、貰えるだけでも有り難いと思うんだぞ」


叔父は話ながら部屋を出て行った。


それでも、甘いものに飢えていたから嬉しかった。



俺は一気に金平糖を口の中に放り込み、あっという間に平らげた。


しかし、兄貴は一粒づつ大切に食べて居た。


それを見た俺は、子供ながらに後悔したのを覚えている。


多分、羨ましそうに兄貴の手のひらを見ていたのだろう。


「昶、一粒やるよ」


兄貴が俺の手に綺麗な色の金平糖を一粒置いてくれた。


「あんちゃん、ありがとう!」


そんな俺の姿を見た兄貴は、笑いながらこう言った。


「うまいな!」


「うん」


俺より3歳年上の兄貴は、気は小さいが優しい性格なんだ。




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