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葛藤

No.59 13/09/10 01:06
匿名0
あ+あ-

≫58





言葉を交わすことなく、いつもの店に入る。
慣れたようにビールとウーロン茶を頼む織田さん。
つまみも決まっている。




飲み物が来るとやっと



「お疲れさん!」




初めに口を開いたのは織田さんだった。




「お疲れ様!何買ってきたの?」




出来るだけ普通に…。
普通の会話をした。




「携帯のカバーとフィルム!
凛、見たいって言ってたから見せたかった」




「あっ!見せて( ´艸`)」




………笑えない。
と、思ってたはずが………




自然に笑っていた。




織田さんは、そんな私をジーっと見ていた。
「これさ、充電すごい持つんだ!で、………」
嬉しそうに携帯の事を話している。




今度は私がそんな嬉しそうに話す織田さんを見ていた。




今日はなんの為に逢ったんだろう…。
1時間と言われたから、私は時間が気になり




「織田さん。時間!…1時間…」




無言のまま何か考えている。




だよね…。
本題に…入れてないもんね…。




切り出しにくいよね…。





本当は聞きたい事はいっぱいあった。
飲み会の話も状況を聞きたかったし
距離を置くって具体的にどういう事なのか、とか。




でも「質問攻め」と言われたから
私はあえて何も聞かずにいた。




喧嘩のことに触れたら
泣きそうだから…。
私は何も言わずにいた。




「出よっか」




織田さんも触れてこない。




「うん。携帯見せてくれてありがとう」




駅まで歩いた。
どちらも無言のまま。




2人で歩く時も少しだけ先を織田さんが歩く。
私は織田さんの後ろを歩く。
その後ろ姿がどことなく寂しそうに見えた。




織田さんは何を考えて歩いてるんだろう。





今日、別れ際 私は何を言われるんだろう。




辞める。
別れる。




そう決めたのは私なのに…
やっぱり逢うと「別れよう」と言われるのは怖かった。





織田さん…。
織田さんは私といて幸せでしたか?





私といた5年間を後悔していませんか?





こんな私でも
織田さんの心に
「いい思い出」として残ることが出来ますか?




別れることがこんなにも辛いと
思ってもいなかった5年前の夏。




はしゃぎすぎた夏。
そしてー
苦しくて辛すぎる夏。





夏に始まって
夏で終わる恋。




どんなに辛くても、
私はあなたに出逢えて幸せでした。




ずっとずーっと一緒にいたかった。




私はそんな事を考えながら歩いていた。




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