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30代。自分の老いを受け入れられない。
昔のびっくりするくらい塩にまみれたシャケをご存知の方
この誘い方って好意が見えてしまっていますか?

~漆黒の~(後)

No.2 12/10/24 14:26
シノァ・オーギュスト ( INTknb )
あ+あ-


・なぜサゥス公がこの本を託したのか
・オーギュスト公の名が記載されるこの家系図は何を表すのか

どこを探しても
道行く人を招き
それとなく尋ねても
その謎は解けなかった

そう
あれはお前がこの城を出て行った後
一年が経ち、また小雪がちらつきはじめた頃のことだった


俺は最終手段に賭け
サゥス公に隠すようにいわれ、今まで人目を避けていたこの本を持ち歩き
情報を集めることにした


酒場に行き 机上に本を乗せる


周りに見せつけるように表紙を開いて読みふける


「兄さん!珍しい本だねぇ!なんだか綺麗な羊皮紙じゃないか!さわっていいかい?」


「ああ 構わないよ」


酒場の女の陽気な声に
周りの者が興味深げにのぞき始めた


俺はワインを飲む真似をしながら注意深く
本を覗く者たちをさぐる

「こりゃすげぇ!
高級な羊皮紙に金の竜の装飾だ!
兄ちゃん!これいくらだい!金貨二枚で譲って貰えないか!」


商人風の男が本を高々と掲げ、ますます人だかりが出来始める


「いやいや!俺は金貨3枚だ!」


「それなら、俺は四枚!」

男たちのやりとりを黙って眺めていた


ちがう。彼らではない
本の秘密を知っているが故に
手に入れたいと思うものならもっと高額で・・・


「金貨50枚だ!」


ざわりとどよめきが起こり、声をあげた者に皆の視線が移る


赤毛が目立つ、みすぼらしい服を着た男
身長は俺と変わらないぐらいだろうか


腕を伸ばし、サッと本を奪い取ると
そいつは俺の前に、金貨の袋を差し出した


「少し、話がしたい。
この本を売るかどうかはその後決めよう」


「のった!」


赤毛の男は、ゆっくりと俺の横の席に座り
周りに集まっていたものたちに、シッシッと手を払った


そして、酒場の女にワインを頼むと、俺の肩に腕をのせ、耳元で囁いた

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