彼とカレ

会えない日が続く
彼も
カレとも…

このまま
このまま会わずに終わることが

せめてもの
救いとなるのだろうか…

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会えない日が続く
彼とも
カレとも…

このまま…
このまま会わずに終わることが…

せめてもの
救いかもしれない

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弱いから、寂しいから
嫌なのに、面倒なのに
人は、やはり人を求める
一人でいることが楽なのに、独りではいられない
だから、沢山のトラブルを抱えるのに、わざわざ､かかわる

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満たされていれば、隙がなければ
入り込まれることも、入り込むことも
無い
決して無くならない禁断の罠にかかる人が絶えないのは
満たされない寂しい隙を抱える人が
絶えないのであろう

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なのに…
今は、悲しいことに…
これが、唯一の生き甲斐となっている
この罪こそが、生きる力のすべてとなっている

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麻薬なのだ
見つかるたまで、止められないのだ
ハマらない、と思っていたのに
人間は…
何処まで、愚かで、弱いものなのだろう

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善悪の判断が狂ってくる
そうなのだ…一度でも堕ちたら、もう、這い上がれないのだ
何処まで行くのだろう
何処まで堕ちるのだろう

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人間は何と、強欲な生き物なのだろう…
表面で、いくら取り繕ったところで、上品に振る舞ったところで…必ず、出てくる
自分自身を一番に満たしたい、ものなのだ

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カレ
分からないようにカレをコントロールしながら、この身体に溺れさせるように、カレに仕掛けて行く
欲望に狂った女は、徹底的に吸い尽くす、無意識に吸い尽くす
自分が生きたいから…

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カレ
本当にカレのことを思うなら、拒否しなければならない
本気で拒否すれば、拒否出来るのに…
なのに…欲望に溺れた狂った淫乱女は、拒否出来ないフリをしながら、若い欲望に罠をかける

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カレ
知ってはいけない味を知り
堕ちて行くほど
たまらない快楽を知る
(カレ)「…気持ちいい…凄く良いよ…良い…出したい…良い？…」

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カレ
優しく、激しく…
花の口は蜜を滴ながら、カレのものを、吸い付き、離さない
離れられなくなるように…催眠をかけるかのように絡み付き離さず、カレのものをねっとりと抱く

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カレ
貪るのようなキスをしながら、カレが一気に入り込む
一気に奥まで到達し、快感に震える
セックスに不慣れな若い頃には絶対に感じられない快感…
悲鳴に近い喘ぎ声が響く

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カレ
生々しいようあわびのようにヒダはうねり、蜜が滴り、カレを待つ
情けなくなるほどに、罪悪感が欲望を掻き立て、感度をこの上ない絶頂に導く

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カレ
激しくキスされ
もう、何も考えられなくなる
罪悪感とは裏腹に
受け入れるのに十分過ぎるくらい、はしたなく蜜を垂らした口は、カレが押し込まれるのを、まだかまだかと待っている

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カレ
こんな罪深い私が、何を言っても、言い訳にしかならない
でも、辛い経験、重ねた歳、重ねた罪があるから感じられること、受け入れることのできる懐が備わるのも確かなのだろう…

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カレ
この人は…
本当に優しい
こんなにあたたかい人いるんだ…と
それだけに、繊細な、埋められない『隙間』を知り、どうしようもなく抱き締めてしまった…

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カレ
この人の奥さんになる人は…
間違いなく幸せになる
そして、誰よりも、この人には幸せになってほしい

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カレ
(私)「あなたは幸せにならなくてはいけない、私なんかじゃなくて、一緒に幸せなれる人を見つけてほしい、心から祝福するから」
(カレ)「オレ、結婚とか…考えられないんだよ…子どもは好きだけどね、本気になったのお前が初めてなんだ、でもお前とは結婚出来ないだろ？だから多分…しない、今は仕事に集中するよ」

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カレ
生まれる時が違っていたら
もっと早く出会っていたら…
色んな思いが交錯するけど
もし…は、何処まで行ってもあり得ない
今、この時に出逢ったから、お互い惹かれてしまったのだろう
言い訳のようになってしまうが、理屈では片付けられない面倒な思い

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カレ
私の胸に顔をうずめるカレの頭を優しく撫でる
切なく、悲しくなる
全てを受け止めてあげられないから

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カレ
ずっとはぐらかしてきたけど、折れてしまった
彼との時とは違い
この人との時の後は…激しく落ち込む
ただ、この人の『隙間』を知っているだけに
拒否が出来ない
抱き締めてあげたい、ただ、それだけ…

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カレ
(私)「…いつもと違うね…」
(カレ)「待っていたんだ、ずっと…たまらないんだよ…」
カレは、彼とは違う
カレは、まだ若い
将来のある、この人を、私なんかでつまづかせてはいけない

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カレ
ぐちゅぐちゅと卑猥な音と私の我慢出来ない喘ぎ声だけが響く

そして、最初の絶頂に、ふわりとトリップ

ヒクヒクと震えながら、カレに抱きつく

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カレ
この子も、こんなセックスを求めていたの？
感じる、すごく感じる…
ショーツをずらし、無理矢理、指で掻き回される
既にぐっしょり熱く濡れている秘部は、そんな乱暴な扱いをも簡単に受け入れる

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カレ
いつもの逆…
大抵、私が上になって攻めるのに、今日は違う
私を押さえつけ、激しく攻めてくる
いつもの穏やかで優しいカレではない
レイプのように攻められ…激しく感じる

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カレ
「あん…ちょっと…待って、どうしたの？シャワー浴びさせて…」

「このままでいい、我慢出来ない…」

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カレ
「…可愛い…その可愛さ、反則だよ…ダメだ、我慢できない」
いつもは、私に責められガクンガクンになって果ててしまうのに、今日は違う…？

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夫が彼と、そしてカレとのセックスを知らないと同時に
彼もまた、カレとのセックスを知らない
そして、カレも、彼とのセックスを知らない

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貪るような下品な、そしてこの上無い快楽を感じる彼とのセックス

それに対して、カレとのセックスは優しく、甘く、そして切ない

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カレ
「会いたかった、すごく会いたかったよ、もう、会えないかと思った…」
そう言いながら、私をきつく抱き締めた

純粋ないとおしさが込み上げる

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『彼とのセックス』と「カレとのセックス」は
全く違う

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愚かだ…と分かっているのに
止めようにも、止められないのだから

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ただ…
人を好きになるということは
本気で好きになるということは…
これほどにまで、人を狂わす、魔力があるのだろう

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そうなのだ…
それなりの度量、裁量があるなら、まだしも
私のようなのものが…
本当に、恥ずかしく、みっともなく、滑稽だ

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割りきれなければ、彼の言うルールが守れるくらい大人にならなければ
本当に壊れる
そして、周りを沢山傷つける

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情けないほどに、求め、切なく、支えにしている
間違っている
そんなこと、分かっている
でも、情けないほどに、今の私には、それしか支えが無い

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もう、人を好きになるなんてことは無いと思っていたのに
不倫なんて馬鹿馬鹿しい、と嘲笑っていたのに

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当然割りきれると思っていた
なのに
何故？本気になっているの？嘘でしょ？

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彼とのルールを守らなくては…
若い女の純粋な恋愛ではないのだから
なのに…
気持ちの整理がつかなくなり苛立つ

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彼
欲望に溺れた時、人は、悪魔化するものなのか？
理性を、また亡くした
私は、戻れるのだろうか

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彼
相手をいたわるなんて、相手に与えるなんて、相手の幸せを考えるなんて…
今の私には無い
自分の快楽のために、ただひたすら求め、奪い、吸い取れるだけ吸い取る

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彼
セックスは美しい愛の証？
私のセックスは、もはやそんな幻想的なものなんかではない
下品で欲望に溺れ、ただただ、快楽だけを求めたセックス
下品に貪れば貪るほど、激しく感じる

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彼
ぷっくりと膨れ上がった突起を彼は、ケダモノのように吸い上げながら、一番一番敏感になっているところを舌で下品にいたぶる

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彼
ぷっくりといやらしく膨れ上がった突起を彼の舌と唇は執拗に追ってくる
もう、本当に駄目…意識が遠のいてくる
でも…止めないで…お願い…
私は、どこへいってしまうの？

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彼
『あぁん…もう…ダメ…壊れちゃう…壊れちゃうよ…あぁ…ん』
私の秘部は経験のないくらい膨れ上がり、紅潮している

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自分とは思えないくらい、肌も髪も綺麗に高揚しはじめる
不気味だ…

決して、ヘアスタイルやメイクや服などの物理的なものでは整えられない輝きを放つ
その美しい輝きが、とても不気味なのだ

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彼と会う前、私は私とは全く違う別人のようになる
わがままで罪深いエロスの愛は、こんなにも人を不気味に美しくするものなのか

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私を生かしているこの力は…本当は…
味わってはいけない麻薬の力

でも…
止められない

止めなくていけないことくらい、分かっている

でも…
蜜は甘くて…とても甘くて…

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彼
『綺麗だ…そして…なんて、いやらしいんだ…貴女を放っておくなんて…本当に…信じられない…』

言葉は…
心を生かしもするし、殺しもする

私は、彼の言葉と深い愛撫によって、ようやく『私を生きる』ということを始めた

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人間は欲張りだ、どこまでも欲が深く、相手から奪うことばかり

常に競争し、負けたら最後

強者は弱者を見つけることに非常に長けている

つけこみ、物だけでなく、心までも全て奪って行く

そんな締め付けられた、窒息しそうな、表面だけを取り繕った社会

上手く呼吸ができない弱者は朦朧としている

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嫌われないように、問題を起こさないように、ただただ、必死だった

『自分の幸せを考える』という価値観さえなかった

実際、誰も私の幸せなんて考えていなかった

『優しい私』に優しさを求めるだけで
私に優しくしてくれる人は、いなかった

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『いい子』でいなけば、『いい人』でいなければ
相手にもしてもらえない

自分に自信なんて、全く無い

だから、いい子、いい人を演じ、媚びて生きなければ
相手にもしてもらえない

ありのままを生きたら
相手にもしてもらえない

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私は今まで『愛されている』と感じたことがない
それは、夫に限ったことではない
親からも、誰からも『愛された』実感はなかった

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彼
こんなに感じる私の身体…それを知り、自分の身体をいとおしく思えるようになった

身体を人のために使う道具のひとつくらいにしか思っていなかった

『自分を大切にしてあげたい』と、初めて思えるようになった

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彼
『僕はね、沢山の女性を知っているけど、貴女とはね、物凄く身体が合うんだよ、ほら…ん…？なんて、貴女はいやらしいんだ…いやらしい身体だ…んっ、あっ…』

『…ん…あっ…はぁぁん…ダ…メ…あぁん…』

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★補足★
興味を持っていただき、ありがとうございます
会話形式の表現が『彼』又は「カレ」との絡みです
「」がカレとのひととき
『』が彼とのひととき
今後は「カレ」との絡みは冒頭に「カレ」そして『彼』との絡みは同じく冒頭に『彼』の表示をします
引続き宜しくお願いします

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隙…満たされない隙は、危険だ
隙によって、もろくなった心は簡単に崩れる
大切にしたい誰かがいるのなら、決してその人の心に隙を作ってはいけない
面倒でも、隙を埋めてあげる配慮を忘れてはいけない
大切な身近な人への配慮を軽く思い過ぎてはいないだろうか

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セックスしたかったわけでも、不倫願望があったわけでもない

私は、本当に普通の…寧ろ普通以上に地味な、決して目立つことの無い主婦だった
これからも…だ…

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夫から求められることもなく、セックスなんてしない生活に対して、別に何も感じてはいなかった

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彼との激しいセックスで、私は『私の知らない私』を知った

夫は、私が『こんなセックスする』ことをこの先も、知ることはないだろう

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貪るように求められることに『快楽』を感じた
激しく求められることが
こんなにも気持ちいいものだと、知った

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『貴女は可愛い女だ、そして、こんなに綺麗な身体なのに…放っておくなんて信じられないよ…』

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私は私のことを大切に思ってほしかった
それだけだった
『私』を大切に思ってくれれば良かったんだよ
どうして、私を『空気』にしてしまうの？

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世間体を気にし、レールから外れることを恐れ、空気を読みながら、決して波風を立てず、いつも穏やかな『いい人』
そんなの窮屈に決まっている
もう疲れた

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今時、そんな結婚生活送っている人いるのだろうか？いつの時代の話？
だが、どこかで…そんな結婚生活を強いる重圧など無い、と言い切れるのか？

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自分の幸せなんて求めてはいけない、ただただ、ひたすら家族のために尽くす…自己犠牲的な生活こそが美徳…
結婚とはそういうものだ…とどこかで思っていた

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結婚して子どもが出来たのだから、私自身が幸せに生きることなど、考えもしなかった…違う…考えないようにしていたのだろう…そんなことを考えると辛くなるから

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毎日毎日、家族のためだけに生きてきた
それが当たり前だと思っていた
しかも、家族に尽くすその生活に感謝しなければならないのだ、と思って生きてきた

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私は決して奔放に自由に突き進めることのできる側ではない
本当はそのような人を羨ましいと思いながら、愚痴を言うだけの側だった

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一番大切な人に、自分のありのままをさらけ出すことができ、ありのままを受け入れてもらえていたら、欲望に溺れることはなかったのかもしれない

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ほんのひとときの、あたたかさと、甘さを求めずにはいられなくなるのか

心の底から安心し満たされている人が、どのくらいいるのだろうか

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この世の中は、冷たくて、厳しい

だからなのか？

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何故、自分たちだけは違う、特別だ、などど思うのだろう

愚かであるのに

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なのに何故、そこへ向かうのだろう

向かってはいけないことくらい、分かっている

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行き着く先に希望は無い

全てに責任を取れる裁量も無い

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『おいで』

『……あっ…あぁ…ん…』

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『可愛い女だね、でもね…』

『ごめんなさい！絶対に守るから！』

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『ん？でも？』

『たまらなく貴方に会いたくて！』

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『いけない娘だな…ルールは守らないと』

『…ごめんなさい…でも…』

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私が？私に限ってそんなこと

誰よりもそれを憎み、苦しみを知っているのに

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こんなことになるなんて

想像もしていなかった

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「会えるって約束してくれなきゃ、放さない」

「…好きだよ…でも…」

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「…」

「あっ…ん…は…放して…」

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「また会えるよね？」

「…約束は出来ない」

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「今度いつ会える？」

「…分からない…会いたいけど…」

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「すっげー気持ちいい…もうダメ…イク…」

「そのまま…そのまま奥に…全部出して
…あなたを感じたい…から…」

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