♒ LЁGЁЙD Ⅲ ♒
前スレⅡに引き続き
今回も伝説・神話etc…
自分の興味有る事を
ひたすら綴るだけ🎵
(〃・艸)
⚠ 前回同様
①人での~んびり
遣りたいので 横レスは
ご遠慮下さいますよう
お願い致しま~す🙇
(。・・。)ノ゙ ヨロシク~🎵
新しいレスの受付は終了しました
📝 羊力大仙 📝
♈の精とも。
虎力大仙が三蔵に座禅比べで負けた後、板を隔ててその向こう側に隠されている物を当てる隠板猜板(かくばんさいばい)の術を挑むが、悟空の作戦により敗北する。
虎力大仙、鹿力大仙の二人が悟空の術勝負に敗れた後、悟空を煮えたぎる油の入った釜で入浴する術勝負を挑む。
しかし、悟空に油を冷やすからくりを見破られ、そのまま煮えたぎったままの油の中に入る羽目になり、結局♈の油揚げになった。
💜 化け猫 💜
化け猫とは、😺が変化した妖怪の事である。
猫又と混同される事が多く、その区別は曖昧である。
🇯各地に化け猫の伝説があり、佐賀藩(鍋島藩)の化け猫騒動が特に有名である。
鍋島家の家臣、小森半太郎が異国種の😺を虐待したのでその😺は恨みを抱き、殿の愛妾、お政の方を食い殺して化身し御家に仇をなすが伊藤惣太等に退治されると言う筋である。
化け猫のイメージとして「行灯の油を舐める」と言うものがある。
怪談の文芸作品化が進められた江戸時代には、行灯の燃料としてイワシから採った安価な魚油が広く使われていた(煤の少ない菜種油は高価だった)。
言うまでもなく♓は😺の好物であるので、行灯なら明かりにその姿を浮かび上がらせ油を舐めると言うイメージが作られた。
夜行性で👀が🌟、血を舐める事もある、🐶と違って😺の行動を制御する事は困難である等の😺の神秘性に加え、又歴史上、化け猫へと変化していく過程で色々な動物の特徴を吸収して行き、🐍の執念さ、狐の女性の変身能力、狸の人を食らう凶暴性(かちかち山)が纏まって化け猫へと完成していったとされる。
📝 成り立ち・その他 📝
🔍😺が十数年も生きると神通力を持ち、人間等に化けられる。茨城県や長野県では12年、沖縄県国頭郡では13年飼われた😺が化け猫になると言い、広島県山県郡では7年以上飼われた😺は飼い主を殺すと言われる。
🔍猫又が更に年を経ると化け猫になる。逆に、化け猫が更に年を経ると猫又になると言われる事もある。
🔍恩義のある人間の恨みを晴らす為に、化け猫になる。
🔍地方によっては、人間に残忍な殺され方をした😺がその恨みを晴らす為、化け猫になり殺した人間を呪うと言う説もある。
🔍『化物一代記』と言う江戸時代のパロディーにも😺が遊女に化ける「化猫遊女」があり、客が寝てしまうと遊女はこっそり起き出して食べ物を盗み食いする絵が描かれている。夜中の行灯の油を舐めるシーンの原型とも言える。
📝 特 徴 📝
🔍通常は😺の姿をしており、二足歩行する事も出来る。
🔍人の姿に化ける事が出来る。
🔍尾が3本、又は7本ある、とも言われている(猫又は2本とされている)。尻尾の数は霊力の強を表す。
📓 伝 承 📓
🔍江戸時代の安永年間に、泉州(現・大阪府南部)
の堺に現れたと言う話がある。平瀬と言う武士の🏠に巨大な腕が突然出現した。この腕を切ったところ、大きな😺の手であったと言う。
🔍江戸時代の中頃、六九谷村(現・兵庫県姫路市)
に尼になった老婆がおり、そこの😺が飼い主に対し人の言葉を喋り、化け猫になる前にその😺を罠に掛けて殺し処分した。
🔍北陸地方の弥三郎婆話には、古猫が老婆を食い殺してその老婆になりかわる話がある。北海道・北奥羽地方の「三左衛門猫」(『日本伝説体系』)
等、弥三郎婆と類似した話が全国に伝わっている。
🔍播磨国山崎町牧谷(現・兵庫県宍粟市)にも、辛川某なる人が化け猫を退治した話が伝わっている。同様話は福崎町谷口にも伝わっており、金剛城寺で村人を困らせていた化け猫を寺侍が退治し、化け猫は茶釜の蓋や鉄鍋で矢や鉄砲玉を防いだ。
─ 続 く ─
─ 続 き ─
🔍新潟県では、坊主が法力で化け猫を退治して、守り本尊として祀ると、それからは人々の為に☔を降らせる神様になった、「妙多羅天女」の話が伝わっている。本尊阿弥陀如来の脇に祀られている「妙多羅天女」は、改心した弥三郎婆だと伝えられている。妙多羅の妙の字は猫(みょう)だと言う。
📝 語 源 📝
尾の先が二股に分かれている。
先端がさすまた状になっている程度から、根元から2本生えているものまで様々に描かれている。
人に呪いを掛ける時、その人を跨いで呪いを掛ける方法がある。
😺が跨いで呪いを掛けるから、猫またぎ、略して猫又とも言う。
こちらが語源であり、尾が二股に分かれていると言うのは後代(遅くとも江戸時代まで)の付与と言う説もある。
📝 概 要 📝
人語を解し、人語を話す。
人を喰い殺して、その人に成代わる事もあるとされ、このシチュエーションは南総里見八犬伝でも登場する。
又、♀の猫又は時折男の夢に現れ、精を奪ってゆくともされる。(夢魔)
黒猫の猫又が一番強力。
😺を虐めると祟られるとされている。
更にその猫又が修学を積んで、無限に生きられる様になったものを「猫〓(ねこすょう)」と言う。
😺は女性の暗号にもなっており、女性優位のフェミニズム的な意味での行為。
😺が女性的であるとする傾向は多くの文化でみられ、🇯でも同様であった。
尚、カナダにて尻尾の二つある😺の写真が撮られている。
📓 文献・伝承 📓
老いた飼い猫が化けると言う伝承は江戸時代以降に多く見られるが、それより古く鎌倉時代に遡ると、猫又は山中の猛獣として恐れられるものとされている。
藤原定家による『明月記』には、元福元年に南都(現・奈良県)で猫胯(猫又)が人を食い殺したと記述がある。
これは狂犬病の獣との説もある。
又、同じく鎌倉時代の作とされる『徒然草』第89段には、「奥山に、猫またといふものありて、人を食ふなると人の言ひけるに……」の有名な話がある。
この様に山中の山猫の伝承は各地にあり、富山県の猫又山、福島県の猫魔ヶ岳等にも猫又の名が残されている。
❤ 化け銀杏の精 ❤
化け銀杏(いちょう)の精又は化け銀杏(いちょう)
の霊は🇯に伝わる妖怪。
手足や顔が黄色で、墨で染められた👘を着て、鉦を叩いて現れる。
イチョウの木は昔から不吉とされ、🏠に植えると不吉な事が起きると言われる。
妖怪漫画家・水木しげるは、与謝蕪村による『蕪村妖怪絵巻』にある「鎌倉若宮八幡いてう(銀杏)
の木のばけ者」を元にしてこの妖怪画を描いている。
蕪村のものは、妖怪研究家・湯本豪一によれば老木の精霊を図像化したものとされる。
新潟県佐渡市新穂大野には、以下のようなイチョウの精の伝説がある。
清水寺(せいすいじ)と言う寺の境内に雄のイチョウの木があり、落葉の季節には多くの葉が地面に落ちたが、なぜか1枚だけ地面に落ちずにどこかへ飛んで行った。
ある時、近くの農家に住む美しい娘の元に気品のある若者が現れ、一晩中話し込み記念にと言って小判を1枚残して立ち去った。
─ 続 く ─
💛 タンタンコロリン 💛
タンタンコロリンは、宮城県仙台市に伝わる柿の木の妖怪。
老いた柿の木が僧侶の様な姿に化けた妖怪で、柿の実を採らずに放置しておくと現れると言い、柿の精霊の化身とも言う。
ある言い伝えでは、沢山の実がなった柿の木のある🏠から夕暮れ時にタンタンコロリンが現れ、服の袂の中に柿の実を大量に入れて町の中を歩きつつ、柿の種を撒き散らす為に実をポトポトと落として行き、町を一回りした末に、元の🏠の前で姿を消したと言う。
現在の妖怪関連の文献の多くではタンタンコロリンの名で紹介されているが、これは青森県で、聞き分けのない子供を「タンタンコロリンが来るぞ」と言って叱った事との混同される。
このタンタンコロリンと同じものかは不明だが、佐々木喜善の著書『聴耳草紙』には「柿男」と言うものがある。
ある屋敷に仕える女が、庭に実る柿を見て何とか食べたいと思ったところ、夜中に真っ赤な顔の大男が現れ、尻を串でほじって嘗めろと言う。
言われるままにその男の尻をほじって嘗めたところ、甘い味がしたと言う。
📝 概 要 📝
鳥山石燕の『今昔画図百鬼』によると、老いたツバキの木に精霊が宿り、怪木と化して人をたぶらかすとある。
こうしたツバキの怪は文化時代から文政時代に掛けての怪談流行時において広く知られており、民間伝承が多く残されている。
現代に於いても、ツバキは花の落ちる様子が人の死を連想させる為、入院患者への見舞い花には禁物とされている。
この様に花に付きまとう怪しげなイメージが、妖怪伝承の生まれる元となったとの説がある。
─ 続 く ─
─ 続 き ─
山形県の怪談「椿女」
天明時代、山形の城下を2人の商人が歩いていた。
町を過ぎて峠道に差し掛かった頃、片方の商人の側にいつしか女が歩いていた。
女がその商人に息を吹き掛けると、商人の姿が🐝に変わってしまった。
女は横道で毒々しく咲いているツバキの木の中へ姿を消すと、商人が変化した🐝もそのツバキの花に吸い込まれた。
やがて花がポトリと落ちた。
もう1人の商人がその花を拾うと、🐝は既に死んでいた。
商人は花を持って寺へ寄り、和尚に事情を話した。
和尚が言うには、以前から街道を行く者が姿を消す話があり、その女の仕業に違いないと言う事であった。
和尚は🐝に刺された商人を生き返らす為に一心に経文を唱えたが、生き返る事はなかった為、🐝をツバキの花と一緒に土に埋めたと言う。
─ 続 く ─
>> 317
─ 続 き ─
📓秋田県の伝承
にかほ市象潟の蚶満寺の経異。
ある者が深夜に寺付近を歩いていたところ、境内にあるツバキの木が悲しげな声を発し、通日後に寺に不幸があった。
以降も同様に怪異が続き、いつしかそのツバキは寺の凶事を告げる「夜泣き椿」と呼ばれた。
このツバキは現存しており、樹齢700年に及び、寺の七不思議にも数えられている。
📓岐阜県の伝承
岐阜県不破郡青墓村(現・大垣市)での事。
同村の円墳を発掘した際、古い鏡や骨等が発見されたが、発掘者は祟りを受けて死んでしまった。
付近の者達は円墳を元通りにして、その上にツバキ
を植えた。
以来、🌠にその円墳の側を通るとツバキが美女に化けて路傍で光っていれと言われ、後にそのツバキは化け椿と呼ばれる様になったと言う。
📝 概 要 📝
約一反(長さ約10.6㍍、幅約30㎝)の白い布の姿を妖怪で、夜空を飛んで人を襲うと言う、首に巻き付いた顔を覆ったりして、そのまま窒息死させてしまう事もあると言う。
又、巻かれた反物の様な状態でぐるぐる回りながら素早く飛来し、人を体に巻き込んで空へ飛び去ってしまうと言う。
妖怪漫画家・水木しげるの説では付喪神の一種とされる。
ある男が家路を急いでいたところ、白い布が飛んで来て首に巻き付き、脇差しで布を斬り付けたところ、布は消え、男の手には血が残っていたと言う伝承もある。
出没の伝えられる地方では、子供が遅く迄遊んでいると「一反木綿が出るよ」と言って戒める風習もあったそうである。
古典の妖怪絵巻等には、描かれていない為に、かつては比較的無名な妖怪だったが、水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』に登場してから一躍、名が知られる事となった。
現在では同作での九州弁のトークと気のいい性格から知名度も高く、人を襲うと言う本来の伝承とは裏腹に人気も高い。
水木の出身地・鳥取県境港市の観光協会による「第1回妖怪人気投票」では1位に選ばれた。
─ 続 く ─
📝 近年の目撃談 📝
妖怪研究家・山口敏太郎の調査によれば、近年においても一反木綿を思わせる布状の飛行物体の目撃談は多い。
伝承地の鹿児島では、低空を飛ぶ白い布の様な物体が目撃されている。
同じ九州の福岡県では、🚅と併走する様に猛スピードで飛ぶ一反木綿が、🚅の乗客により目撃されている。
九州以外でも、東京都の東高円寺や荻窪でも目撃されている。
東高円寺では🐶の散歩中の女性が空を飛ぶ布を目撃し、しばし追跡したと言う。
静岡県である小学生が目撃したものは、透明なシーツ状でゆらゆらと動いており、全体の形状は長方形に近いが先端が尻尾状に細くなっていたと言う。
2004年には兵庫県のUFO
📹撮影の会が、六甲山上空に正体不明の布状の飛行物体を撮影した事例があり、その大きさは30㍍もの巨大なものだったと言う。
俳優・佐野史朗はドラマ『京極夏彦「怪」』の撮影中、撮影所の空に舞う一反木綿を目撃し、その姿は長く白い布状だったと言う。
📝 同種の妖怪 📝
🔍衾(ふすま)
佐渡島に江戸時代に多く出没したと伝わる一反木綿の一種。大きな風呂敷の様な姿の妖怪で、夜道等で何処からともなく飛来し、いきなら通行人の頭に被さって来る。どんな鋭い刀でも切る事は出来ないが、一度でもお歯黒を付けた歯なら噛み切る事が出来る。その為佐渡では、男性でもお歯黒を付ける慣わしがあったと言われている。
🔍布団かぶせ
愛知県佐久島。民俗学者・柳田國男の著書「フワッと来てスッと被せて窒息させる」とあるのみで、伝承が少なく謎が多いが、布団状のものが飛んで来て顔面に被さって窒息させるものとの解釈もある。
💜 雲外鏡 💜
雲外鏡(うんがいきょう)
は、特殊な鏡が長い年月を経たのちに変じたと言う、🇯の妖怪の一種。
浮世絵師・鳥山石燕の妖怪画集『画図百器徒然袋』に描かれている。
民俗学的知見から、鏡の付喪神(つくもがみ)と見られる。
📝 本来の雲外鏡:
石燕の雲外鏡 📝
化け物の正体を明らかにする「照魔鏡(しょうまきょう)」と呼ばれる鏡が、長い年月を経た末に妖怪化したものとされている。
『画図百器徒然袋』では、怪しげな黒雲(或いは、その様な意匠の鏡立て)を伴って公家の屋敷にあり、御簾(みす)の陰から半面のみ姿を見せる丸鏡として描かれており、その鏡面には邪(よこしま)な雰囲気を漂わせつつ👅を出してこちらに視線をくれる化け物の顔面が浮かび上がっている。
描き手の石燕は江戸時代中期の人であるが、この妖怪について多くを語らない。
しかし、後述する研究者の分析も併せ、幾つかの特徴から、江戸の武家文化ではなく京(平安京と言うべきか)の公家文化との関わりが強いとの憶測が叶う。
📝 本来の雲外鏡:
研究者の分析と知見 📝
妖怪研究家(作家)・多田克己等の著書においては、雲外鏡は、鏡の付喪神と解釈されている。
又、妖怪作品の多い漫画家・水木しげるによれば、旧暦8月(葉月)の十五夜に月明かりの下(もと)
で水晶の盆に水を張り、その水で鏡面に化け物の姿を描くと、鏡の中に化け物が棲み着く。
それが雲外鏡であると言う。
📝 今様の雲外鏡:
デフォルメ 📝
現代的大衆文化に基づいて著される妖怪図鑑や画集これらの著作物が対象年齢とする読者層は子供ばかりではない。
子供向け妖怪図鑑を読んで幼少期を過ごした人は、長じては大人向けの妖怪図鑑を手にする機会も多い。
では、雲外鏡は腹に鏡をつけた(腹が鏡になっている)化け狸狸の妖怪に付いては「タヌキ」が詳しい。
この様な姿の妖怪であるとか、自らの体に様々なものを映し出す事が出来る、等と解説される事が少なくない。
しかし、妖怪研究家(作家)・村上健司の指摘によれば、そのようなデフォルメされた形と能力を持った雲外鏡の原典は特撮映画『妖怪大戦争』に登場する古狸(ふるだぬき)様の雲外鏡当作品中の雲外鏡は、捻り鉢巻を締め、法被(はっぴ)をまとい、太鼓腹を抱えた巨漢の江戸職人風、或いは、江戸火消し風である。
にあり、以降のイメージはその影響下での二次創作物であるとされる。
📝 不可思議な鏡の
関連事象 📝
類似点が多いもの、及び、類縁ではないが「不可思議な鏡」と言う点での相似性が見られるものをここに示す。
🔍 照妖鏡(照妖鑑とも称)は、中国明代の伝奇『封神演義』に登場する、本来の姿を映し出す鏡。終南山の仙人・雲中子の宝貝(パオペイ。仙術の武具)で、 人に化けた魔物の正体を看破する事が出来る。妖怪化する以前の雲外鏡(照魔鏡)と類似点が多い。
🔍 浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)は、(🇯の)地獄の閻魔が亡者の善悪を見極めるのに用いる水晶製の鏡。
🔍 🇩民話であり童話である『白雪姫』に登場する魔法の鏡は、鏡の精が宿ったもの。しかし、強い自我を持っており、西洋占星術で用いられる水晶球を鏡に変えたようなところもあって、雲外鏡とは大きく異なる。
🔍 古代🇨や🇯に実在する「魔鏡」は、✨の屈折で像を映し出す仕掛けを持つ銅鏡(青銅鏡)である。隠れ切支丹鏡。
📝 概 要 📝
石燕の画図では、半透明の牛車の前面の、本来なら簾が掛かっている場所に、巨大な夜叉の様な顔、もしくは無念の形相をした女の顔を持つ姿で描かれている。
解説文では、「むかし加茂の大路をおぼろ夜に🚗のきしる音しけり。出てみれば異形のもの也。車争の遺恨にや。」とある。
「車争い」とは、平安時代に祭礼の場等で、貴族達が牛車を見物しやすい場所に移動させようとした際に牛車同士が場所を取り合った事を言う。
その事から現代では、朧車とはこの車争いに敗れた貴族の遺恨が妖怪と化したものであり、京都の加茂(現・木津川市)の大路で、朧夜に🚗の軋る音を👂にした人が🏠の外に飛び出して見ると、異形の妖怪・朧車がそこにいた、と解釈されている。
朧と言う言葉の通り、手で触れられる様なはっきりした存在感はなく、全体が半透明になっているとも言う。
─ 続 く ─
❤ からかさ小僧 ❤
からかさ小僧(唐傘小僧)
は、古い🌂が変化した妖怪。
「から傘おばけ」「傘おばけ」「傘化け」等とも呼ばれる。
水木しげる原作の「ゲゲゲの鬼太郎」の影響もあり比較的有名な妖怪である。
一般的には、軸を下にしてたたんだ状態で表現される。
🌂の軸が1本である事からこの妖怪も一本足で飛び跳ねる様にして移動する。
足に下駄を履いている場合もある。
🌂の部分が顔になっており、👀が一つ付いている。
この妖怪は特に悪さをしないのが特徴で、暗くなってから🏠の周りを飛び跳ね、人に出会うと大きな赤い👅を出して驚かす。
これだけで十分迷惑な存在であるが、直接危害を加えるわけでは無いので、妖怪の中では危険度の低い存在ではある。
余談だが、とぼけて良く👅を出して笑う。
こうした性格や行動に良く似た妖怪には、他に一つ目小僧が存在する。
一般に、悪さをしないと言われているが、鳥取県溝口町(現・西伯郡伯耆町)に出現する「幽霊傘(ゆうれいがさ)」と言う妖怪は例外の様で、強風の吹く日に人を大空に舞い上げると言う。
─ 続 く ─
📝 概 要 📝
古い🏮が上下にパックリと割れ、その割れた部分が💋となって長い👅が飛び出し、🏮の上半分には一つ目ないし二つの👀があるのが一般的な姿である。
🏮から手が生えている事もある。
妖怪漫画家・水木しげるの著書には、霊を吸い取る力があり、人を驚かしてその魂を吸い取る事もあると記述が見られるが、大変有名な妖怪である反面、具体的な伝承は殆ど残されておらしず、作家・村上健司はこれを絵画上でのみ存在する妖怪としている。
民間伝承にある妖怪ではなく、子供向けに創作された妖怪とする説もある。
古典の妖怪画においては、葛飾北斎の『百物語』にある「お岩さん」や、歌川国芳の『神谷伊右エ門 於岩のばうこん』等が知られる。
これは怪談『四谷怪談』において、四谷の女性・お岩が伊右衛門に殺され、そのお岩の霊が🏮に乗り移って怪異を現すと言う、歌舞伎の演出でも見られる「提灯お岩」を描いたものである。
📝 概 要 📝
夜道を歩いていると、👀の前が突然👀に見えない壁となり、前へ進めなくなってしまうと言うもの。
壁の横をすり抜け様としても、左右何処までも壁が続いており、よけて進む事も出来ない。
蹴飛ばしたり、上の方を払ったりしてもどうにもならないが、棒で下の方を払えば壁は消えると言う。
民俗学者・柳田國男が著書『妖怪談義』で「ヌリカベ」を記載して以来、塗壁の伝承が世間に知られ始めたものの、伝承が一部の地方に限定されている事から、かつては比較的無名な妖怪であったが水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』を通じて一躍、名が知られる事となった。
インパクトある巨体と大らかな性格で活躍する同作の効果で人気も向上し、「好きな妖怪ランキング」では常に上位にランキングされている。
─ 続 く ─
>> 339
─ 続 き ─
水木は著書において、第二次世界大戦での従軍中に南方のラバウルで塗壁と同じものに遭遇した体験談を語っている。
敵軍に襲われ、仲間とはぐれて深い森を1人で逃げ惑っている内に、コールタールを固めた様なものが前方に立ち塞がって行く手を阻まれ、右も左もその壁に囲まれて身動き出来ない。
途方に暮れている内に、疲労から数十分休んでいると、この壁は消えたと言う。
又、霊能者・宗優子によると、📺番組のロケーションで富士樹海に入った際、ロケ
隊の前に壁の様なものが立ちはだかったと言い、樹海での自殺者達がこれ以上進まぬ様にと壁を作ったのではと語っている。
大分県海部郡(現・佐伯市)に伝わる民話によれば、塗壁は七曲りと言う坂道に小豆とぎと共に現れる怪物で、🌠に歩いている最中に急に👀の前が真っ暗になるものだと言う。
正体は狸であり、人が着ている👘の後ろの結び目に狸が乗り、両手で人の👀を塞いで視界を奪うので、帯を前に結ぶとこの怪異は避けられると言われる。
─ 続 く ─
>> 340
─ 続 き ─
又1967年には民俗学者・丸山学により「カベヌリ」と言う妖怪の伝承が報告されている。
丸山の報告内容には伝承地の記載が無いが、大分県臼杵市で妖怪による町の振興を行う臼杵ミワリークラブの調査によれば、カベヌリは同市に伝承が残っているものであり、観光用に絵葉書まで売られている程有名なものとされる。
1968年の郷土史誌『臼杵史談』では、狸が陰嚢(いんのう)を一杯に広げて夜道を行く人の視界を塞ぐ怪異を大分県内各地で「狸のなぬりかべ」、香々地町(現・豊後高田市)
では「イタチのぬりかべ」、臼杵市では「ぬりかべ」ではなく「かべぬり」と呼び、その場に座り込むか、🚬に🔥を着けて一服するとこの怪異を避けられると言う。
又1978年の臼杵市教育委員会の民俗資料によれば、同様に狸や狐が陰嚢で人の視界を阻む怪異を「カベヌリ」としている。
又臼杵ミワリークラブの調査によれば、大分県内にはカベヌリではなく塗壁の伝承も多い事から、妖怪研究家・山口敏太郎は、カベヌリは塗壁と似て非なる妖怪なのではなく、単に名前が変化して伝承したのみと述べている。
─ 続 く ─
📝 概要:妖怪画 📝
塗壁の姿は、水木の妖怪画では👀と足の付いた壁の様に描かれているが、これはあくまで伝承を基にした創作であり、古典の画図に姿を描いたものは近年まで発見されていなかった。
江戸時代の妖怪譚『稲生物怪録』に、🏠の壁に👀と💋が現れて人を睨むと言う怪異があり、これを塗壁の祖形とする仮説もあった。
川崎市市民ミュージアムの学芸室長・湯本豪一の所有する妖怪画が、🇺のブリガムヤング大学の図書館に寄贈されている妖怪画と一致し、後者に「ぬりかべ」と名がある事から、これが塗壁を描いたものと発表された。
同画は享和2年(1802年)
に絵師・狩野洞琳由信が室町時代の絵などを参考に制作したもので、3つ👀の獅子か🐶の様な姿の妖怪が描かれている。
しかしこの絵巻の「ぬりかべ」と伝承上の塗壁は同一のものではなく、偶然名称が一致したとする説や、絵巻の名称が九州に流布して民俗語彙として採用されたとする説もある。
📝 同種の妖怪 📝
🔍塗坊(ぬりぼう)
壱岐島(長崎県壱岐市)。
人が山道を歩いていると前方に立ち塞がる灰色の化け物。棒で叩くか、路傍の石などに腰を掛けて一服しているとじきに消え去ると言う。
🔍道塞ぎ(みちふさぎ)
苗場山に1958年の夏の日の夕暮れに、ある老人が遭遇したと言う怪異。🎣の帰り道に突如、見た事もない大滝が現れて行く手を阻まれ、後方には見上げる様な大岩が現れ、そのまま滝と岩が自分へ迫って来て身動き出来なくなってしまったと言う。老人はその場で一夜を過ごす羽目になったが、夜が明けると共にこの怪異は消え去ったと言う。
💚 化け草履 💚
化け草履(ばけぞうり)は、🇯に伝わる付喪神の一種。
妖怪漫画家・水木しげるによる妖怪画では、大きな草履に手足が生え、鼻緒の付近に目玉が一つと、その下に💋がある妖怪として描かれている。
九十九年使われた草履に魂が宿り、百年目に妖怪と化したとされる。
仕事は主に捨てられた履き物に宿った霊の整理だが、履き物を粗末にする人間の🏠に懲らしめに来る事もあると言う。
民話研究家・佐々木喜善の著書『聴耳草紙』には、履き物を粗末にする者の🏠で、夜間に履き物が化け物となって「カラリン、コロリン、カンコロリン、まなぐ三つに歯二ん枚」と歌い出したと言う怪異がある。
水木しげるの著書においてはこれが化け草履の逸話とされるが、原典の『聴耳草紙』では単に「履き物」とのみ述べられており、草履かどうかは定かでは無い。
作家・村上健司はこれを民間の伝承ではなく、教訓の為に作られた昔話とみている。
📝 概 要 📝
琵琶が琵琶法師に変化した姿であり、付喪神(器物が変化した妖怪)の一種とされる。
体形は人間の様だが、頭部は琵琶であり、盲目の琵琶法師の様に👀を閉じて杖をついている。
鳥山石燕より以前、古くは室町時代の『百鬼夜行絵巻』に琵琶の妖怪が描かれている事から、作家・村上健司は、石燕は『百鬼夜行絵巻』を基に『画図百器徒然袋』の琵琶牧々を描いたと述べている。
📓 伝 承 📓
醍醐天皇の時代、「絃上(げんじょう)」と「牧馬(ぼくば)」と言う名の2つの琵琶が、宮中秘蔵の名器として伝わっていた。
特に玄上の方は、琵琶の下手な者が弾いても鳴らないと言う不思議な琵琶だった。
しかし後の村上天皇の時代、絃上が紛失してしまった。
しばらく後、雅楽家の源博雅が殿中にいたところ、琵琶の美しい音色が響いて来た。
博雅が音色の方向を辿って外へ出ると、そこには失われた絃上があった。
博雅が絃上の音色を追ってやって来た事を告げると、音色は止み、紐で吊るされた絃上が降りて来た。
絃上の持つ不思議な力に魅せられた魂が絃上を盗み、それを弾いて音色を奏でていたのであった。
『画図百器徒然袋』の解説文によれば、この絃上と牧馬が後に琵琶牧々へと変化したとされる。
❤ 文車妖妃 ❤
文車妖妃(ふぐるまようび)は、鳥山石燕の妖怪画集『画図百器徒然袋』にある🇯の妖怪。
文車(ふぐるま)とは内裏や寺なとで📖を運ぶ為の箱車で、失火等の非常時に備えるもの。
これが付喪神になったものが文車妖妃である。
江戸時代の怪談集『諸国百物語』には、ある寺の稚児が恋文を受け取り、それを捨てていたところ、恋文に込められた執念が鬼と化して人を襲ったと言う話があるが、同様に✉の執念が妖怪化したものが文車妖妃とも言う。
『画図百器徒然袋』には、壊れた文車から子鬼が出て来たり、それを持っていて恨んでいる顔をした女性として描かれている。
又、石燕は『画図百器徒然袋』の妖怪の題材の多くに『徒然草』等の文章を使用しているが、『徒然草』第72段に「多くて見苦しからぬは、文車の文、鹿塚の鹿」と言う一文があり、この「文車の文」から文車妖妃、「鹿塚の鹿」から鹿塚怪王が創作されたとの説もある。
❤ 目目連 ❤
目目連(もくもくれん)は、鳥山石燕の画集『今昔百鬼拾遺』にある🇯の妖怪。
荒れ果てた🏠の障子に無数の目玉が浮かび上がった姿で描かれており、解説文によれば碁打ち師の念が碁盤に注がれ、更に🏠全体に現れた物とある。
妖怪探訪家・村上健司はこれを石燕の創作物と指摘している。
山田野理夫の著書『東北怪談の旅』には「障子の👀」と題し、江戸の商人が津軽へ木材を買いに行き、宿代が勿体無いと言って空き家なに泊まったところ、障子に無数の👀が現れたが、商人は恐れるどころかこれ等の👀を集めて持ち帰り、眼科医に売り飛ばしたと言う話がある。
妖怪漫画家・水木しげるの次女は中学生の頃までは妖怪の存在に懐疑的だったが、中学の修学旅行先の旅館で目目連の現象に遭い、「やっぱり妖怪はいるんだな」と思ったそうである。
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