正解なき罪にまみれて…

No.20 18/04/05 14:54
名無し0 ( ♂ )
あ+あ-

その声が浮かぶたびに無邪気な笑顔やまっすぐな瞳が

僕の中に焼き付いて離れない。

「...Uさん部活入ったのかなぁ。また吹奏楽部かなぁ。」

そんなことをふと考えていた。


以下、続き

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高校生活は思ったよりも平凡で

授業以外で誰かとかかわることもなく

時が過ぎるのをただ真面目においかけるだけだった。

次第に生活の中で音楽が大きくなっていきうるさいくらいに

僕の耳にはUさんの声が響いていた。

無心に勉強し無心にバイトをし無心に音楽と向き合っていたはずなのに

僕の頭にはUさんの無邪気な笑顔が浮かんでいた。

「Uさん、同じ学校だったけど何組だっけなぁ…」

いろいろ考えていると授業中はぼ-っとしてしまっていた。

授業が終わると廊下に出ては一人窓から外を眺めていた。

校舎を歩くときは周辺を見渡し、

ほかのクラスの教室の前を通るときは窓ガラスごしに

Uさんがいない覗くようになっていた。

そんな日が何日も続くようになったある日

お昼ご飯を食べにいつもの渡り廊下に向かっていたら

教室からちょうど出てくるUさんを見つけた。

8組だった。

僕はうれしくなりとっさにUさんに声をかけた。

「Uさん!Uさんって8組だったんだね!」

するとUさんは驚いた顔で

「Y!そうだよ。8組!Yは?」と聞かれ

「4組だよ!」と答えると

「そっか!またね!」と快活に答えると

小走りで売店のほうに走っていった。

僕はしばらくその場で立ち尽くしていた。

大げさに聞こえるかもしれないけれど

その時は確かにすごくうれしくて恥ずかしくて

心臓の音が自分でうるさいくらいに聞こえた。


僕はあまり使われていない校舎の渡り廊下で一人ご飯を食べながら

音楽を聴いていた。

その日はそよ風が気持ちよかった。

僕はただUさんに再びあえて舞い上がっていた。

「あの声!」

僕はUさんに名前を呼ばれるのがむずがゆかった。

Uさんは部活のころからそうだったがド直球だ。

ほかの女子は態度を変えうわべだけのやり取りも多かったけど

Uさんだけは視線を逸らせないぐらいにまっすぐなのだ。

気づけばUさんのことばかり考えていた。


つづく・・・

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